リスク対策計画を策定する
これまで紹介した すべてのリスク対策に取り組んでも、 常に納期に追われ、メールがたまり、 関係者の対応に追われるようでは 適切に対処できないでしょう。 そこでリスク対策計画を作成します。 これはリスクやその分析結果を 把握できるだけでなく、 今後の行動を教えてくれる文書です。 ここでは、リスク対策計画に入れるべき 基本的な項目を説明します。 1つ目に、リスクを書き出し、 3つの制約や影響を受ける要素をはじめ、 確認できたリスク要因と その詳細や与える影響を記述します。 2つ目に、それぞれのリスクの対策計画に、 定性分析や定量分析の結果も記入します。 2つ以上の対策計画がある場合は、 第1計画、第2計画としてください。 3つ目に、準備金を利用して リスク対策計画を実行したり、 業者が関わる契約関連の手続きがあれば それも明記します。 これらの基本事項をまとめると、 リスク対策計画が充実し、 強力な管理文書となるでしょう。 対策計画に追加すべき最も重要な項目とは、 どのタイミングで、リスクの状況を評価し、 対策を実行するかということです。 そして、プロジェクトのスケジュールに タスクとして追加し、担当者を決めます。 例えば、特定の時期からプロジェクトに 参加する技術者が2人いて、今の時点で 彼らは他のプロジェクトに 従事しているとします。 そのプロジェクトが遅れる場合を考慮して、 それをリスクとして記述しておきます。 ここで、リスクに対してタイミングに関する 2つの重要な行動を明記しておきます。 技術者が間に合うのか把握するために、 他のプロジェクトの状況確認の時期と、 間に合わない場合、いつ他の技術者を探して 契約を結んだら良いのか、ということです。 さらにもうひとつ、リスク対策計画に 入れる重要な項目として、業者や 管轄外の製品の状況確認です。 例えば、私は仕事で米国から オーストラリアへ転勤になったとき、 家具を船便で送りましたが、 それがシドニーに直接送られるのか、 シンガポール経由なのか 分かりませんでした。 荷物を追跡し、いつ届くのか 確認する必要がありました。 シンガポール経由だとわかり、 思っていたより長くかかりましたが、 追跡をすることで、家具が揃うよりも ずっと前にアパートを借りてしまうことは 避けられました。 リスク対策計画を作成するのは あなたの仕事ですが、効果がなく 追跡をしない計画は 絶対に避けたいものです。 行動を追跡しリスクに対処できる 強固な計画があれば、プロジェクトが リスクから受ける影響を劇的に 減らすことができます。