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学ぶ集団としての学級 
釧路工業高等専門学校 
一般教育科(物理) 准教授 
学生支援コーディネーター 
松崎俊明 
全国高専教育フォーラム 
於:ホテル日航金沢 
2014/08/26
まとめ 
僕は特別支援教育の権化 
(発達って何?教育って何?社会って何?分かり易い物理の授業?) 
『学び合い』を実践した 
(途中経過としては非常に教育的、学級作りが大切!) 
学級が大切な理由 
1.発達の最近接領域2.概念形成 
3.インクルーシブ社会4.学習動機の二要因モデル 
5.マズローの欲求階層説6.少子化に対して 
安易な「アクティブ・ラーニング」という言葉への不安 
・web上で予習や復習ができるシステムを作りました 
・実験や実習という学生の動きを増やしました 
というだけでは,「アクティブ」でも「ラーニング」でも無いですよ!? 
/12 
1 Kushiro National College of Technology
『学び合い』を実践してみました 
/12 
2 Kushiro National College of Technology
『学び合い』を実践してみました 
【学生の様子】 
・想像以上に真面目に取組みます。 
・前後左右で/立ち歩いて,相談する。 
・黙々と参考書を読みふける学生。 
・先に解答を確認する/全部解かないと確認しない学生。 
・留年生の中にはリードをとる学生がいる 
・一方,孤立して声をかける事ができない学生も… 
【ありえないエピソード】 
・普通の座学をしたら寝てしった!(コラッ!) 
・チャイムが鳴った事に気付かず… 
・盛り上がりすぎて怒られた… 
多様な学習が 
同時進行する! 
1. 西川純:理科だからできる本当の「言語活動」(東洋館出版社) 
2. 西川純(編): 『学び合い』スタートブック(学陽書房) 
3. 西川純: 『学び合い』ステップアップ(学陽書房) 
4. 西川純: 『学び合い』ジャンプアップ(学陽書房) 
5. 西川純:『学び合い』の手引書(西川先生のHPで公開) 
6. 鈴木道治:高専における『学び合い』による授業の可能性について,高専教育,34号,pp.107-0112(2011) 
/12 
3 Kushiro National College of Technology
成績の変化 
和気あいあい 
とした雰囲気 
若干ピリピリとし 
とした雰囲気 
/12 
前期末試験 
100~80 79~60 59~40 39~20 19~0 
前 
期 
中 
間 
試 
験 
100~80 7 1 
79~60 7 6 4 
59~40 1 7 2 2 
39~20 1 1 
19~0 2 1 
前期末試験 
100~80 79~60 59~40 39~20 19~0 
前 
期 
中 
間 
試 
験 
100~80 4 4 
79~60 4 2 6 1 
59~40 1 5 7 2 1 
39~20 1 1 2 
19~0 
上位層はそのまま 
上位層は若干下降 
「教えられる」のスタイ 
ルから抜け出せなかっ 
た 
下位層は上昇 
「教えてもらえた」「学び 
方が分かった」 
4 Kushiro National College of Technology
理由1.発達の最近接領域の視点から 
ピアジェ的:【発達】しているから【学習】できる。 
ソーンダイク的:【学習】の結果が【発達】である。 
ヴィゴツキー的:【発達】と【学習】は相互連環している。 
可能的な発達水準 
/12 
現在の 
発達水準 
筋肉が育ち,鉛筆を持てる(学習レディネス) 
転ぶ連続の末,自転車に乗れる(反復練習) 
何をやっても 
遂行出来ない 
手助けがあれば 
遂行出来る事柄 
自分の力で 
遂行出来る事柄 
練習しても無駄 
チャレンジする事で 
習得出来る可能性が大きい 
試験で確認できる 
ヴィゴツキー:「発達の最近接領域」の理論(三学出版)
学生Aと学生Bが出会ったら… 
学生Aの発達学生Bの発達 
・40人が集まったら,何が起こるだろう? 
・多様な40人が集合するのは何時・何処? 
/12 
AがBに教えるBがAに教える 
AとBが発見する 
6 Kushiro National College of Technology
理由2.概念形成の視点から 
概念は演繹的には形成され得ない。 
数を数える事無く,「数」という概念を形成しうるか? 
対象を「言語化」する過程で,概念形成が進む。 
質問・教える 
・熟達者は自問自答できるが 
(メタ認知は16歳では未完成) 
・初学者には他人が必要 
1. ヴィゴツキー:思考と言語(新読書社) 
2. 麻美ゆう子:教育実践とヴィゴツキー理論(一光社) 
3. 明神もと子:初めて学ぶヴィゴツキー心理学(新読書社) 
4. 今井むつみ:ことばと思考(岩波新書) 
5. 今井むつみ:ことばの発達の謎を解く(ちくまプリマ―新書) 
6. 日経サイエンス編集部:心の成長と脳科学(日経サイエンス社) 
/12 
思考の帰納的な結果である。 
・語り合える他人とは? 
・語り合える関係か? 
7 Kushiro National College of Technology
理由3.インクルーシブ社会へ向かって 
「社会には多様な人間が存在する」という事実を知り、 
「どの様に折り合いを付けて社会を形成するか」の術を知る。 
【教育基本法】第一条教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の 
形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければ 
ならない。 
「社会性は社会生活を通してのみ学びうる」by 僕 
【多様性】障害,疾病,性別,宗教,価値観,職業,貧富,生活様式… 
(社交的,話下手,快活,無口,頭のいい,性格悪い,優しい,落ち着いた…) 
「発達障害の学生を取り出して, 
個別対応するだけじゃあSNEではない!」by 僕 
/12 
8 Kushiro National College of Technology
理由4.学習動機の二要因モデルから 
動機が弱い学生に 
他者が学習する姿を 
見せる機会とは? 
/12 
訓練志向 
頭をきたえ 
るため 
自尊志向 
プライドや 
競争心から 
実用志向 
仕事や生活 
に活かす 
報酬志向 
報酬を得る 
手段として 
学習動機の二要因モデル 
小(軽視) 大(重視) 
学習の功利性 
市川伸一:学習と教育の心理学(岩波書店) 
充実志向 
学習自体が 
おもしろい 
関係志向 
他者に 
つられて 
学 
習 
内 
容 
の重 
要 
性 
大(重視) 
小(軽視) 
9 Kushiro National College of Technology
理由5.マズローの階層性理論から 
マズローの階層性理論 
/12 
・就職 
・進学 
・個々の人生設計 
•同僚が困っていたら,助けよう。 
•皆にとって居心地の良い場所にしよう。 
•危害を加えられない 
•排除されない 
A. H. Maslow:”A Theory of Human Motivation”, 
Psychological Review, Vol. 50,pp.370-396(1943) 
10 Kushiro National College of Technology
理由6.少子化(学力幅の増大)に対して 
(入試)学力 
/12 
高専希望者クラスメイトこそ 
入学者 
受験人口 
人数 
【対策1】人口に対する希望者比率を上げる 
・高専の認知を上げる 
・多様な学科 
・多様な進路 
【対策2】定員減 
同じ事を学んでいる 
個々に応じた課題を 
学生本人が選ぶ 
【対策3】低学力層への対応 
・対認定のレベルを下げる 
・授業の工夫〜上下の層に同時対応? 
・補習の工夫〜個別指導? 
11 Kushiro National College of Technology
まとめ 
僕は特別支援教育の権化 
(発達って何?教育って何?社会って何?分かり易い物理の授業?) 
『学び合い』を実践した 
(途中経過としては非常に教育的、学級作りが大切!) 
学級が大切な理由 
1.発達の最近接領域2.概念形成 
3.インクルーシブ社会4.学習動機の二要因モデル 
5.マズローの欲求階層説6.少子化に対して 
安易な「アクティブ・ラーニング」という言葉への不安 
・web上で予習や復習ができるシステムを作りました 
・実験や実習という学生の動きを増やしました 
というだけでは,「アクティブ」でも「ラーニング」でも無いですよ!? 
/12 
12 Kushiro National College of Technology

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高専フォーラム(2014-08-26)

  • 1. 学ぶ集団としての学級 釧路工業高等専門学校 一般教育科(物理) 准教授 学生支援コーディネーター 松崎俊明 全国高専教育フォーラム 於:ホテル日航金沢 2014/08/26
  • 2. まとめ 僕は特別支援教育の権化 (発達って何?教育って何?社会って何?分かり易い物理の授業?) 『学び合い』を実践した (途中経過としては非常に教育的、学級作りが大切!) 学級が大切な理由 1.発達の最近接領域2.概念形成 3.インクルーシブ社会4.学習動機の二要因モデル 5.マズローの欲求階層説6.少子化に対して 安易な「アクティブ・ラーニング」という言葉への不安 ・web上で予習や復習ができるシステムを作りました ・実験や実習という学生の動きを増やしました というだけでは,「アクティブ」でも「ラーニング」でも無いですよ!? /12 1 Kushiro National College of Technology
  • 3. 『学び合い』を実践してみました /12 2 Kushiro National College of Technology
  • 4. 『学び合い』を実践してみました 【学生の様子】 ・想像以上に真面目に取組みます。 ・前後左右で/立ち歩いて,相談する。 ・黙々と参考書を読みふける学生。 ・先に解答を確認する/全部解かないと確認しない学生。 ・留年生の中にはリードをとる学生がいる ・一方,孤立して声をかける事ができない学生も… 【ありえないエピソード】 ・普通の座学をしたら寝てしった!(コラッ!) ・チャイムが鳴った事に気付かず… ・盛り上がりすぎて怒られた… 多様な学習が 同時進行する! 1. 西川純:理科だからできる本当の「言語活動」(東洋館出版社) 2. 西川純(編): 『学び合い』スタートブック(学陽書房) 3. 西川純: 『学び合い』ステップアップ(学陽書房) 4. 西川純: 『学び合い』ジャンプアップ(学陽書房) 5. 西川純:『学び合い』の手引書(西川先生のHPで公開) 6. 鈴木道治:高専における『学び合い』による授業の可能性について,高専教育,34号,pp.107-0112(2011) /12 3 Kushiro National College of Technology
  • 5. 成績の変化 和気あいあい とした雰囲気 若干ピリピリとし とした雰囲気 /12 前期末試験 100~80 79~60 59~40 39~20 19~0 前 期 中 間 試 験 100~80 7 1 79~60 7 6 4 59~40 1 7 2 2 39~20 1 1 19~0 2 1 前期末試験 100~80 79~60 59~40 39~20 19~0 前 期 中 間 試 験 100~80 4 4 79~60 4 2 6 1 59~40 1 5 7 2 1 39~20 1 1 2 19~0 上位層はそのまま 上位層は若干下降 「教えられる」のスタイ ルから抜け出せなかっ た 下位層は上昇 「教えてもらえた」「学び 方が分かった」 4 Kushiro National College of Technology
  • 6. 理由1.発達の最近接領域の視点から ピアジェ的:【発達】しているから【学習】できる。 ソーンダイク的:【学習】の結果が【発達】である。 ヴィゴツキー的:【発達】と【学習】は相互連環している。 可能的な発達水準 /12 現在の 発達水準 筋肉が育ち,鉛筆を持てる(学習レディネス) 転ぶ連続の末,自転車に乗れる(反復練習) 何をやっても 遂行出来ない 手助けがあれば 遂行出来る事柄 自分の力で 遂行出来る事柄 練習しても無駄 チャレンジする事で 習得出来る可能性が大きい 試験で確認できる ヴィゴツキー:「発達の最近接領域」の理論(三学出版)
  • 7. 学生Aと学生Bが出会ったら… 学生Aの発達学生Bの発達 ・40人が集まったら,何が起こるだろう? ・多様な40人が集合するのは何時・何処? /12 AがBに教えるBがAに教える AとBが発見する 6 Kushiro National College of Technology
  • 8. 理由2.概念形成の視点から 概念は演繹的には形成され得ない。 数を数える事無く,「数」という概念を形成しうるか? 対象を「言語化」する過程で,概念形成が進む。 質問・教える ・熟達者は自問自答できるが (メタ認知は16歳では未完成) ・初学者には他人が必要 1. ヴィゴツキー:思考と言語(新読書社) 2. 麻美ゆう子:教育実践とヴィゴツキー理論(一光社) 3. 明神もと子:初めて学ぶヴィゴツキー心理学(新読書社) 4. 今井むつみ:ことばと思考(岩波新書) 5. 今井むつみ:ことばの発達の謎を解く(ちくまプリマ―新書) 6. 日経サイエンス編集部:心の成長と脳科学(日経サイエンス社) /12 思考の帰納的な結果である。 ・語り合える他人とは? ・語り合える関係か? 7 Kushiro National College of Technology
  • 9. 理由3.インクルーシブ社会へ向かって 「社会には多様な人間が存在する」という事実を知り、 「どの様に折り合いを付けて社会を形成するか」の術を知る。 【教育基本法】第一条教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の 形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければ ならない。 「社会性は社会生活を通してのみ学びうる」by 僕 【多様性】障害,疾病,性別,宗教,価値観,職業,貧富,生活様式… (社交的,話下手,快活,無口,頭のいい,性格悪い,優しい,落ち着いた…) 「発達障害の学生を取り出して, 個別対応するだけじゃあSNEではない!」by 僕 /12 8 Kushiro National College of Technology
  • 10. 理由4.学習動機の二要因モデルから 動機が弱い学生に 他者が学習する姿を 見せる機会とは? /12 訓練志向 頭をきたえ るため 自尊志向 プライドや 競争心から 実用志向 仕事や生活 に活かす 報酬志向 報酬を得る 手段として 学習動機の二要因モデル 小(軽視) 大(重視) 学習の功利性 市川伸一:学習と教育の心理学(岩波書店) 充実志向 学習自体が おもしろい 関係志向 他者に つられて 学 習 内 容 の重 要 性 大(重視) 小(軽視) 9 Kushiro National College of Technology
  • 11. 理由5.マズローの階層性理論から マズローの階層性理論 /12 ・就職 ・進学 ・個々の人生設計 •同僚が困っていたら,助けよう。 •皆にとって居心地の良い場所にしよう。 •危害を加えられない •排除されない A. H. Maslow:”A Theory of Human Motivation”, Psychological Review, Vol. 50,pp.370-396(1943) 10 Kushiro National College of Technology
  • 12. 理由6.少子化(学力幅の増大)に対して (入試)学力 /12 高専希望者クラスメイトこそ 入学者 受験人口 人数 【対策1】人口に対する希望者比率を上げる ・高専の認知を上げる ・多様な学科 ・多様な進路 【対策2】定員減 同じ事を学んでいる 個々に応じた課題を 学生本人が選ぶ 【対策3】低学力層への対応 ・対認定のレベルを下げる ・授業の工夫〜上下の層に同時対応? ・補習の工夫〜個別指導? 11 Kushiro National College of Technology
  • 13. まとめ 僕は特別支援教育の権化 (発達って何?教育って何?社会って何?分かり易い物理の授業?) 『学び合い』を実践した (途中経過としては非常に教育的、学級作りが大切!) 学級が大切な理由 1.発達の最近接領域2.概念形成 3.インクルーシブ社会4.学習動機の二要因モデル 5.マズローの欲求階層説6.少子化に対して 安易な「アクティブ・ラーニング」という言葉への不安 ・web上で予習や復習ができるシステムを作りました ・実験や実習という学生の動きを増やしました というだけでは,「アクティブ」でも「ラーニング」でも無いですよ!? /12 12 Kushiro National College of Technology