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A mathematical Introduction to
Robotic Maniulation
発表者: 八島諒汰
1
2021.08.27@マニピュレーション若手の会・勉強会
2
第4章
Robot Dynamics and Control
目次
1. ラグランジュ方程式 Lagrange’s Equations
2. マニピュレータのダイナミクス Dynamics of Open-Chain Manipulator
3. リアプノフの安定性理論 Lyapunov Stability Theory
4. 位置制御と軌道追跡 Position Control and Trajectory Tracking
5. 制約付きマニピュレータの制御 Control of Constrained Manipulators
3
目次
1. ラグランジュ方程式 Lagrange’s Equations
2. マニピュレータのダイナミクス Dynamics of Open-Chain
Manipulator
3. リアプノフの安定性理論 Lyapunov Stability
Theory
4. 位置制御と軌道追跡 Position Control and
Trajectory Tracking
5. 制約付きマニピュレータの制御 Control of Constrained 4
ダイナミクス dynamics
ロボットマニピュレータのダイナミクス
アクチュエータの力に応じた
ロボットを構成する剛体の動きを定式化したもの
※ 3章で学んだ運動学は, 関節の動きに応じた
ロボットを構成する剛体の動きを定式化
関節パラメータの微分方程式
=
=
5
一般化座標 generalized coordinates
特定の制約下における物体の運動で,
物体の位置座標をなるべく少ない変数で表し
た座標
一般化座標 :
例) 振り子 … 質点位置が半径 l の球面上 (制約)
座標系1: 直交座標 (x,y,z)
座標系2: 極座標 (φ,θ) → 一般化座標
マニピュレータの場合は, 関節角度を選択する
場合がほとんど
剛体棒
質点
6
一般化力 generalized froces
一般化座標で定式化された系に加わる外力
一般化力 :
一般化座標が関節角度のロボットの場合,
関節軸にかかるトルクが一般化力
物理的な力 (∊ R3) と区別して扱う
座標系1: R3 の物理的な力
座標系2: 動径方向の力 → 一般化力
例) 振り子 … 質点位置が半径 l の球面上 (制約)
7
ラグランジュの方程式 Lagrange’s equations
一般化座標 q におけるラグランジアン L を次式で定義
外力 γ がシステムに加えた時のダイナミクスは次式で得られらる (証明略)
運動エネルギー ポテンシャルエネルギー
ラグランジュの方程式
注意!
, , γ は行ベクトルで書くことが普通. ただし列ベクトルで書く場合もある.
8
(4.5) のベクトル表記
例 4.1: 振り子のダイナミクス
一般化座標:
位置座標:
座標の選択:
ラグランジアンの計算:
運動エネルギー:
ポテンシャルエネルギー:
ラグランジアン:
エネルギーの
計算で利用
代入!
9
(4.6)
例 4.1: 振り子のダイナミクス
ラグランジュの方程式の導出:
代入!
ラグランジュの方程式
10
(4.7)
剛体の運動エネルギー
剛体の運動エネルギーを導出 (振り子の例は質点であり, 体積がない)
A: 慣性座標系
B: ボディ座標系 (原点は剛体重
心)
V: 剛体の有界な体積確定集合
⊂ R3
r: ボディ座標系に対する位置
⊂ V
ρ(r): 剛体の密度
g: 剛体変換
p: 慣性座標系に対する剛体の並進
R: 慣性座標系に対する剛体の回転
定義
慣性座標系における点★の速度は であるから, 運動エネルギーは
振り子の例の運動エネルギー
速さの二乗を密度で重みづけて積分 次スライドで詳しく計算
11
(4.8)の下の式
剛体の運動エネルギー
前スライドより
① ② ③
①: 並進による運動エネルギー
②:
ボディ座標系に対する剛体重心位置
③:
慣性テンソル
計算例
(2.49)より
12
剛体の運動エネルギー
結局, 剛体の運動エネルギーは次式になる
一般化慣性行列
generalized inertia matrix
(2.60)より
運動エネルギーの計算の流れ:
慣性テンソル 一般化慣性行列
運動エネルギー
ボディ速度
(正式な日本語訳が不明)
13
(4.9)
例 4.2: 密度が一様な直方体の一般化慣性行列
慣性テンソルの対角成分:
※ Iyy, Izz も同様の計算
慣性テンソルの非対角成分:
※ ほかの要素も 0
14
例 4.2: 密度が一様な直方体の一般化慣性行列
慣性テンソル:
一般化慣性行列:
ボディ座標系の原点を重心に合わせているため対角行列になる
15
例: 2リンク平面ロボットのダイナミクス
各リンクの重心にそれぞれボディ座標系の原点を合わせると,
各リンクの慣性テンソルは次のような対角行列になる
i
各リンクの重心の速度・角速度を vi, ωi とすると
1 1 2 2 2 2 2
16
例: 2リンク平面ロボットのダイナミクス
平面運動ではポテンシャルエネルギーが存在しないので
L = T
雑多な計算 (テキスト参照)
● 重心位置, 重心速度 (ボディ速度)
● L の微分
を経て, 最終的なラグランジュの運動方程式は次
式
慣性力の項 (角加速度に比例) コリオリ力の項 (角速度に比例)
遠心力の項 (角速度の二乗に比例) 17
(4.10)
ニュートン・オイラー方程式
18
ラグランジュ方程式は運動方程式を記述するための非常に一般的な方法
一方で, 剛体変換 ∊ SE(3) の集合を Rn (nはシステムの自由度) でパラメータ化できるとい
う仮定が存在
SE(3) のどのようなパラメータ化であっても, 特異点が存在するためラグランジュ方程式に
よるダイナミクスの導出は局所的にしか成り立たない
ニュートン・オイラー方程式はパラメータを介さずに, 速度・角速度で運動方程式を記述
ニュートンの方程式 (並進運動)
+
オイラーの方程式 (回転運動)
※ 本節はラグランジュの方程式とは直接関係がなく, 4章の中でも独立した内容
次にニュートン・オイラー方程式が利用されるのは6章
ニュートン・オイラー方程式
19
ニュートンの方程式:
g = (p, R) ∊ SE(3) を慣性座標系に対するボディ座標系 (原点は剛体中心) の剛体変換とする
ニュートンの方程式は線形運動量の微分で得られる
オイラーの方程式:
剛体の慣性テンソルを I とすると, 慣性座標系に対する剛体の慣性テンソルは
回転運動の運動量は I’ωs (ωs は空間角速度) なので, これを微分して方程式を得る
それぞれ独立に計算可能
どちらも慣性座標系に対する力
(4.12)
(4.13)
ニュートン・オイラー方程式
20
現時点で得た方程式は, 前章までのねじれ・レンチの理論と微妙にリンクしていない
■ (f, τ) ∊ R6 は2章で学んだレンチ? → No!
2章で学んだレンチはボディ座標系で定式化されていた
一方, (f, τ) は慣性座標系に対して定式化されている
■ はボディ速度 or 空間速度? → No!
は慣性座標系の原点に対するボディ座標系
の並進速度であって,
回転の影響を考慮していないのでどちらの速
度でもない
(2.59), (2.60) 参照
ニュートン・オイラー方程式
21
ニュートンの方程式 (ボディ座標系):
方程式をねじれとレンチで表現するために , を用いる
運動量の微分は
左から R を掛けて, 並進運動のダイナミクスを得る
修正前と異なり角速度と独立でない
(4.14)
ニュートン・オイラー方程式
22
オイラーの方程式 (ボディ座標系):
方程式をねじれとレンチで表現するために , を用いる
(4.13) の角速度, トルク, 慣性テンソルをボディ座標系のものにすればよい
(4.13) より
ニュートン・オイラーの方程式:
(4.14), (4.15) を組み合わせた方程式を (ボディ座標系の) ニュートン・オイラーの方程式と呼ぶ
同様の手順で空間座標系に対しても定式化可能. 以降テキストではボディ座標系で扱う.
(4.15)
(4.16)
目次
1. ラグランジュ方程式 Lagrange’s Equations
2. マニピュレータのダイナミクス Dynamics of Open-Chain
Manipulator
3. リアプノフの安定性理論 Lyapunov Stability
Theory
4. 位置制御と軌道追跡 Position Control and
Trajectory Tracking
5. 制約付きマニピュレータの制御 Control of Constrained 23
マニピュレータのラグランジアン
運動エネルギー:
n個のリンクの運動エネルギーの総和で計算
i番目のリンクの重心のボディ速度は
なので, i番目のリンクの運動エネルギーは
マニピュレータの運動エネルギーは次式
マニピュレータ慣性行列
manipulator inertia matrix
iに関して総和
(3.55) 周辺参照, i+1以降のリンクの影響は0
24
(4.17)
(4.18)
(4.19)
マニピュレータの
運動エネルギー
マニピュレータのラグランジアン
ポテンシャルエネルギー:
n個のリンクのポテンシャルエネルギーの総和で計算
i番目のリンクのポテンシャルエネルギーは
, hi は重心高さ
マニピュレータのポテンシャルエネルギーは次式
ラグランジアン:
マニピュレータの
ポテンシャルエネルギー 25
(4.20)
マニピュレータのダイナミクス
ラグランジアンが導出されたので, ラグランジュ方程式に代入・整理すると次式を得る
一般座標の変数の数
||
関節の数
クリストフェル記号
Christoffel symbols
次スライドで方程式の各項を解釈
26
(4.21)
(4.22)
ポテンシャルエネルギーに伴う力
マニピュレータのダイナミクス
左辺第一項: 関節角速度に伴う慣性力
左辺第二項: 関節角速度に伴う遠心力・コリオリ
力 どちらも二次式 ( ) であるが,
i = j の時, 遠心力
i ≠ j の時, コリオリ力
左辺第三項: ポテンシャルエネルギーに伴う力
ラグランジュ方程式 (前スライド)
右辺 : 外力
一般化座標が (暗黙的に)
非慣性座標系であることに起因
外力を関節に加えられるトルク τi とそれ以外の力 に分解 (方程式をさらに整理するため)
Ni の例) 関節に粘性摩擦がある場合
粘性摩擦の項
※ 以降 τi は与えられるものとして扱う
27
マニピュレータのダイナミクス
ラグランジュ方程式 (前々スライド)
方程式の第二項をマニピュレータのコリオリ行列 Cij
を用いて更に整理
∊ Rn×n
コリオリ行列の定義の仕方は他にもあるが, 上記の定義には重要な特性がある (補題 4.2.)
以上よりマニピュレータのダイナミクスは次式
28
(4.23)
(4.24)
補題 4.2.
慣性行列の定義と, システムが静止している時のみ
運動エネルギーが0になるという事実からほぼ自明
特性2の証明:
転置行列が符号違いになる
ことを計算して示す
前スライドで定義した
コリオリ行列だから成り立つ
29
補題 4.2.
■ 摩擦がない場合, 特性2はシステムの正味のエネルギーが保存されることを意味す
る (受動性特性と呼ばれることが多い)
■ 特性2 (受動性特性) はマニピュレータの多くの制御則を証明するうえで重要
PD制御の安定性の証明で利用
30
例 4.3: 3リンクマニピュレータのダイナミクス
各リンクの ねじれ は次式 (3章で計算済み)
ねじれ を用いて各リンク重心への並進 gsli(0) を計算
各リンクのボディ座標系 Li をリンク重心に設置することで
慣性テンソル I が対角行列になる
⇒ リンクiの慣性行列は次式のように
i
mi : リンクの質量
Ixi, Iyi, Izi : 各軸周りのモーメント
31
例 4.3: 3リンクマニピュレータのダイナミクス
慣性力 (第一項):
各リンクのボディヤコビアンを計算すると以下の通り
ヤコビアンが求まればマニピュレータ慣性行列が計算可能
1 1 2 2 2 3 3 3
(4.19)より
32
例 4.3: 3リンクマニピュレータのダイナミクス
マニピュレータ慣性行列の各成分を計算
慣性力 (第一項) が完了!
各関節を各軸周りに任意に回転できないため
いくつかの成分が0
33
例 4.3: 3リンクマニピュレータのダイナミクス
コリオリ力・遠心力 (第二項):
マニピュレータ慣性行列が求まっているので
コリオリ行列が計算可能
(4.23)を再掲
コリオリ力・遠心力 (第二項) が完了! 34
例 4.3: 3リンクマニピュレータのダイナミクス
重力 (第三項):
マニピュレータのポテンシャルエネルギーは次式
これを微分することで重力 (= トルク以外の外力) が求まる
, hi は重心高さ
i番目のリンクの重心高さは順運動学で計算
これに従って計算すると
重力 (第三項) が完了!⇒ ダイナミクスの計算完了
35
(4.25)
ロボットダイナミクスと指数関数の積
マニピュレータ慣性行列とコリオリ行列の式を見ると, ねじれ ξ が式中にない (実際には計算する必要あり)
(4.23)を再掲
(4.19)を再掲
例4.3参照
ダイナミクスを決定するのに, 必要最小限の量で記述されていない
ここでの目的:
ダイナミクスを決定するために必要最小限の量を用いて再定式化
36
ロボットダイナミクスと指数関数の積
リーブラケット:
ξ1, ξ2 ∊ R6 に対して, リーブラケットの演算 [・,・]: R6 × R6 → R6 を定義
R3 のベクトルのクロス積を
R3 のベクトルに一般化したもの
R3 のベクトルで成り立つ関係
随伴変換 Aij:
リンク i, j のインデックスの大小で場合分けした座標変換を, 随伴変換 Aij ∊ R6 として定義
37
(4.26)
(4.27)
ロボットダイナミクスと指数関数の積
随伴変換を用いるとボディヤコビアンは次式のように書ける
(3.55)参照
(3.55)にあるbody座標系への並進が外に出ている
ベース座標系に対する慣性行
列:
i番目のリンクの慣性を
ベース座標系に反映させたもの
38
(4.28)
ロボットダイナミクスと指数関数の積
最終的に慣性行列とコリオリ行列は次のように再定式化される (定理 4.3)
ダイナミクスは次の量から
直接決定される:
● ねじれ ξi
● リンク座標 gsl(0)i
● リンク慣性行列 Mi
39
(4.29)
(4.30)
例 4.4: SCARA のダイナミクス
各リンクのねじれは次式
図のようにリンク座標系がベース座標系に対して整列し,
リンク座標系の原点が重心に一致している場合
pi はベース座標系に対する
リンク座標系の原点位置
マニピュレータ慣性行列
(4.28)より
(2.58)より
40
例 4.4: SCARA のダイナミクス
命題 4.3 の公式を用いて計算して
41
例 4.4: SCARA のダイナミクス
命題 4.3 の公式より, マニピュレータ慣性行列が求まれば
コリオリ行列が計算可能
ポテンシャルエネルギーに影響を与えるのは θ4 だけなので,
重力項はリンク4についてのみ考えればよい
摩擦や他の力が存在する場合も
それらの力をN に含めることができる
42
1. ラグランジュ方程式 Lagrange’s Equations
2. マニピュレータのダイナミクス Dynamics of Open-Chain Manipulator
3. リアプノフの安定性理論 Lyapunov Stability Theory
4. 位置制御と軌道追跡 Position Control and Trajectory Tracking
5. 制約付きマニピュレータの制御 Control of Constrained Manipulators
目次
43
(基本的な) 安定性の定義
44
仮定:
𝑥 = 𝑓 𝑡, 𝑥 , 𝑥 𝑡0 = 𝑥0, 𝑥 ∈ ℝ𝑛
(4.31)
ダイナミクス
• 𝑓 𝑥∗
, 𝑡 ≡ 0 となる点 𝑥∗
を平衡点という
が, 解の唯一性を満たす (e.g., 𝑓 が区分的に微分可能)
■ 全ての時間 𝑡 で 𝑥 が の近傍にある ➜ 平衡点 𝑥∗
は局所安定
■ 𝑡 → ∞ で 𝑥 → 𝑥∗
➜ 平衡点 𝑥∗
は局所漸近安定
• 𝑥0 が 𝑥∗
の近傍にあるとしたときに,
〇安定 ×漸近安定 (緩い条件)
δ が 𝑡0 で定義
𝑡 における収束率は不明
局所的な定義
(基本的な) 安定性の定義
45
ロボティクスで興味があるのは一様に漸近安定した平衡点
ある平衡点が安定でないとき, 不安定であるという
➜ リアプノフの意味での安定性を否定することで不安定性が定義される
δ が 𝑡0 で定義
𝑡 における収束率は不明
局所的な定義
Def. 4.2 と同様
(基本的な) 安定性の定義
46
定義4.2では収束率が不明 ➜ 指数的な収束率を導入
• 指数安定は強力な安定性 (一様な漸近安定性)
• 指数的収束は摂動に対してロバスト ➜ 高度な制御アルゴリズムを検討するうえで不可欠
• あらゆる 𝑥0 ∈ ℝ𝑛
で (4.34) が成り立つ場合, システムはグローバルに指数安定
以降, できる限りグローバルな指数安定性を証明する
ε
𝑚
𝑚 α
リアプノフの直接法 (第二法)
47
• 安定性を解析するために 𝑥 の推移が知りたいが, (4.31) を積分して求めるのは面倒
• リアプノフの直接法は, システムのエネルギー変化に着目して安定性を解析
原点回り半径 ε の円を 𝐵ε = {𝑥 ∈ ℝ𝑛
: ||𝑥|| < ε} として, 以下を定義
代入計算
安定性を評価
■ 十分条件であるが必要条件ではない
■ リアプノフ関数を求める一般的な方法が
存在しない
■ Th. 4.4. の逆が成立 (i.e., 平衡点が安定
ならば条件を満たすVが存在)
リアプノフの直接法 (第二法)
48
Th. 4.4. は平衡点への収束率が不明 ➞ 指数関数を導入
• 収束率は文献[102]から求まる
• (4.34) の境界は
• 全ての 𝑥 でTh. 4.5. が成り立つとき, 大域指数安定
例) 減衰調和振動子
49
ダイナミクス:
変形
(状態空間方程式化)
(解法1) システムの極による方法
システムのヤコビアンが
なので, 固有値方程式は
これを解くと,
𝜆 が常に負であるから, (大域) 指数安定
例) 減衰調和振動子
50
(解法2)リアプノフの直接法
リアプノフ関数としてシステムのエネルギーを単純に
用いることを考える
リアプノフ関数を修正する必要
エネルギー:
より,
これと Th. 4.4. を照らし合わせれば良さそうに見えるが,
(4.44) には 𝑞 の項がないため, −𝑉 は局所正定値 (lpdf)
ではない
※ 指数安定を示すには
• 𝑽 が (l)pdf, 単調減少
• −𝑽 が lpdf
である必要
システム
リアプノフ
関数
局所正定値 (lpdf),
となる𝛽が存在するのでdecrescent
例) 減衰調和振動子
51
(解法2)リアプノフの直接法
リアプノフ関数としてシステムのエネルギーをわずかに
歪ませた
(大域) 指数安定
を用いると,
この式から, −𝑉 は局所正定値 (lpdf)
例) ダンパに速度依存
52
𝑥1を𝑀の位置, 𝑥2を𝑀の速度とすると, 方程式は
𝑥1
ここで, 𝑓はダンパの摩擦力, 𝑔はバネの復元力とし,
以下を仮定
■
単順にシステムのエネルギーをリアプノフ関数にすると
局所正定値 (lpdf),
となる𝛽が存在するのでdecrescent
𝑉を計算すると
−𝑉 ≥ 0であるが, 𝑥1を含まないため lpdf ではない
平衡点 (原点) の安定性は示せるが, 漸近安定性が示せない
ラサールの不変性原理を導入
■ 𝜎 = 0 ⇒ 𝑓 = 𝑔 = 0
ラサールの不変性原理
53
−𝑽が lpdf ではない場合でも, 漸近安定性を証明可能
(ただし, 周期系や自律系に限る)
ある自律系 (e.g., バネマスダンパ系)
に対する軌跡を 𝑠(𝑡, 𝑥0, 𝑡0) とする
𝑆
𝑆に含まれる元が平衡点 (𝒙𝟏, 𝒙𝟐 = 𝟎) のみ
⇒ 漸近安定
例) ダンパに速度依存
54
𝑥1を𝑀の位置, 𝑥2を𝑀の速度とすると, 方程式は
𝑥1
ここで, 𝑓はダンパの摩擦力, 𝑔はバネの復元力とし,
以下を仮定
■ 𝜎 = 0 ⇒ 𝑓 = 𝑔 = 0
■
ます, Ω𝑐 を定義
としてラサールの原理を適用すると
𝑥1が取りうる
端から端
これより, 最大の不変集合は
𝑉 = 0 より
最後に, 𝑥2 ≡ 0 より 𝑥1 を求める
𝑥1 の解
以上より, 𝑆 = {{0, 0}} であるから, (局所) 漸近安定
𝑆 =
1. ラグランジュ方程式 Lagrange’s Equations
2. マニピュレータのダイナミクス Dynamics of Open-Chain Manipulator
3. リアプノフの安定性理論 Lyapunov Stability Theory
4. 位置制御と軌道追跡 Position Control and Trajectory Tracking
5. 制約付きマニピュレータの制御 Control of Constrained Manipulators
目次
55
位置制御と軌道追従
56
問題: 所望の軌道が与えられた時に, マニピュレータの間接トルクをどのように選択するか
マニピュレータのダイナミクス:
慣性行列 コリオリ行列 トルク以外の
外力
トルク
(素朴な解法)
仮定:
■ 追従関節軌道 𝜽𝒅 が与えられている
■ マニピュレータのモデルが既知 (i.e., 𝑀, 𝐶, 𝑁 が既知)
𝜃 の初期条件を, 𝜃 0 = 𝜃𝑑 0 , 𝜃 0 = 𝜃𝑑(0) としてダイナミクスに代入
■ 𝜃 と 𝜃𝑑 は同じ微分方程式を満たし, 初期条件も一致するので, 微分方程式の解の一致性から,
全ての 𝑡 ≥ 0 に対して 𝜽 𝒕 = 𝜽𝒅(𝒕) が成り立つ
■ 𝜃 0 ≠ 𝜃𝑑(0) の場合に誤差が修正されない
■ ロボットの軌道がずっと望ましい軌道の近くにあるという保証がない
ロボットの軌道が所望の軌道に収束するようにフィードバック
計算トルク法
57
マニピュレータの慣性項に着目し, 𝜽 = 𝜽𝒅 となるようにフィードバック
制御則:
where, 𝑒 = 𝜃 − 𝜃𝑑
整理
[フィードフォワード成分]
公称軌道に沿った移動をす
るためのトルク
[フィードバック成分]
軌道誤差を
修正するためのトルク
⇒
𝑡 → ∞ のとき, 指数関数的に 𝑒 → 0となるように
ゲイン 𝐾𝑣, 𝐾𝑝 を決定
誤差のダイナミクス
(4.47) に代入
計算トルク法
58
𝐾𝑝, 𝐾𝑣 を正定値対称行列とすると,
軌道追従は指数安定
(証明)
誤差ダイナミクス(4.50)の極の実部が
全て負であることより示す
1. 誤差ダイナミクスのヤコビアン計算
2. ヤコビアンの固有ベクトル決定
3. 固有値方程式導出
4. 固有値の実部が負
PD制御
59
軌道誤差 𝑒 に比例する項と微分の項に関して
フィードバック
フィードフォワード項と結合
制御則:
点を安定させたい (i.e., 𝜽𝒅 = 𝟎) とき, 制御則は
(4.51) に簡略化
この時の誤差のダイナミクスは
𝑡 → ∞ のとき, 指数関数的に 𝑒 → 0となるように
ゲイン 𝐾𝑣, 𝐾𝑝 を決定
Workspace Control
60
所望のコンフィギュレーションの軌道 𝒈𝒅 ∈ 𝑺𝑬(𝟑) に追従する制御を考える (これまでは 𝜽𝒅)
(素朴な解法)
毎ステップに逆運動学問題を解き, 𝑔 𝜃𝑑 𝑡 = 𝑔𝑑(𝑡) となるような所望の軌道 𝜽𝒅 𝒕 ∈ 𝑸 を生成
これまでに学んだ計算トルク法やPD制御を適用
■ 逆運動学計算は時間がかかるため, 𝑔𝑑 をリアルタイムに指定する場合に障害
■ 関節空間でのフィードバックゲインを意味のある形で選択することが困難 (Figure. 4.10.)
➞ 冗長な軌道になる可能性
問題を直接エンドエフェクタ座標で定式化 (workspace control)
元:
(Step.1.) 𝑓: 𝜃 → 𝑥 を用いて, 𝑥, 𝑥 を 𝜃, 𝜃 に変換
⇒
変換後:
(Step.2.) 元のダイナミクスに代入し, 整理
※ 通常, 𝜃 は直接計測され, 𝑥 は準運動学によって
計算されるため, 𝑥 で書き直していない
Workspace Control
61
(4.55) は関節座標で記述されたマニピュレータのダイナミクスと
同じ構造を持つため, Lem.4.2 と同様の構造特性が成り立つ
計算トルク法やPD制御を流用可能
例) 計算トルク法
制御則:
誤差の
ダイナミクス:
※ PD制御も同様に流用可能
■ 逆運動学を毎ステップ解く必要がない
■ マニピュレータが 𝑥 に対して特異な形状に近づくと
𝑴 が非常に大きくなる恐れ
(関節空間では生じない)
Joint space vs Workspace (計算トルク法)
62
Joint space Workspace
■ 各空間での軌跡は異なる傾向
■ 時間に対する収束傾向は同程度
1. ラグランジュ方程式 Lagrange’s Equations
2. マニピュレータのダイナミクス Dynamics of Open-Chain Manipulator
3. リアプノフの安定性理論 Lyapunov Stability Theory
4. 位置制御と軌道追跡 Position Control and Trajectory Tracking
5. 制約付きマニピュレータの制御 Control of Constrained Manipulators
目次
63
拘束のあるシステムのダイナミクス
64
問題: ある表面に沿ってロボットの先端を動かし, その表面に力を加える
仮定:
■ 摩擦はない
■ 移動させたい表面が, 独立した滑らかな拘束の集合で定義
■ 次を満たす単射 𝑓: ℝ𝑛−𝑘
→ ℝ𝑛
が存在
where,
□ 𝜙 ∈ ℝ𝑛−𝑘
: 表面上でゆるされる動き
□ 𝜃 = 𝑓(𝜙) : ロボットが表面に接しているときの関節角度
法線力 𝝉𝑵 は, 拘束 ℎ𝑗 の勾配と向きが等しいので,
とかける
𝝀𝒋 は望ましい拘束力の大きさ, 事前に与えられていると仮定
拘束力の仕事
法線力はシステムに仕事をしない
➜ 法線力は動きを起こさない
𝜽 から 𝝓 への変換
ダイナミクスを書き換え
➜ workspace control と同様のロジック
拘束のあるシステムのダイナミクス
65
法線方向に動きが発生しないので, 表面に沿った動きだけを解析すればよい
例) 計算トルク法を導入し, 位置と力を制御
位置 𝜙 の誤差を 𝑒 = 𝜙𝑑 − 𝜙 とすると,
マニピュレータを表面に沿って動かす
ために必要なトルクは
計算トルク法
法線力 𝜏𝑁 を加味すると, 制御則は
法線力
※ 制御則の解析と収束性の証明は6章
前スライド
Example: A planar manipulator moving in a slot
66
平面2リンクロボット, スライダの拘束あり
➜ 指定された法線力で, どう制御すればよいか
※ テキストでは問題を joint control で解決
workspace control で解いたほうが効率的 (練習12)
𝑝(𝜃)
運動学計算で 𝑝(𝜃) を求めて代入すると
法線力の向き 𝑛 は図より
従って, 手先位置を 𝑝(𝜃) とすると, 𝜃 に生じる拘束は
[法線力の制御]
微分
代入
Example: A planar manipulator moving in a slot
67
[位置の制御]
スライダに沿った軸を 𝒔 とし, 𝑞 の位置を 𝑠 = 0 とする
このとき, 手先位置は 𝑠 の関数として記述できる
𝒔 = 𝟎
𝑝(𝜃)
𝑠 から 𝜃 への変換を逆運動学 (3章2節) によって求めると,
これによりヤコビアンは
ダイナミクスを
記述
※ 2.3節参照

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