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単腕マニピュレータによる
複数物体の同時組み立ての
基礎的考察
本田 悠弥,○槇田 諭 makita@fit.ac.jp
Basic Approach to Robotic
Assembly of Multiple Objects
by a Single Manipulator
Y. Honda and S. Makita
<ロボットによる組立作業の自動化の課題>
• 専用治具やロボットの数を増やしたくない
• できれば少センサ,位置制御で動作させたい
<本研究のアプローチ>
• 対象物の幾何拘束を陽に考慮した物体把持戦略
• 最小限の目的を達成する支持具の利用
C-shaped
plate Robotic
gripper
Bolt
Robotic gripper
Bolt
Pipe
Upside down
C-shaped plate works
as a support bed
This poster PDF is available here.
https://www.slideshare.net/Satoshi
Makita/presentations
使用機材 名称等 備考
組立対象物 メタルジョイント(スペーシア) NSJ4:十字型連結
組立対象物 M6六角穴付きボルト 挿入対象穴径:7 [mm]
マニピュレータ xArm 6(UFACTORY) 6R,位置制御,繰り返し精度:±0.1 [mm]
電動グリッパ xArm Gripper(UFACTORY) 位置制御
RGB-Dカメラ RealSense D405(Intel) 測距レンジ:7 - 50 [cm],RGB: 1280x720
深度確度:±2% at 50 [cm]
C-shaped
plate
Robotic gripper
Robotic gripper
Bolt
Bolt
Pipe
(supported)
ボルト頭部に平板を
配置することで,
ボルトが幾何拘束され,
脱落しない
各対象物の把持安定性を考慮することで,
単一平行グリッパによる複数物体の把持を実現
<組立手順>
Detected hole
<挿入穴検出方法>
Hough変換による円検出
ボルト先端部検出も同様
C型板の足の長さをパイプ支持具の
高さに合わせる
→ 上限反転時に台座として機能
仮組み状態の部品群を
固定せずに取り扱う
【単腕マニピュレータと簡易台座を用いたパイプジョイントの組み立て】
[1] 初期状態
パイプは台座に支持されている [2] パイプジョイントの片方を
パイプに載せる [3] ボルトを把持した後,ホル
ダーに挿入して持ち替える [4] 持ち替えたボルトをジョイ
ントのボルト穴に挿入する
[5] C型板をパイプジョイント
の上部に載せる [6] C型板,パイプ,ジョイント
をまとめて把持する [7] 上下反転の動作
[8] C型板の足の長さとパイプ
支持具の高さが一致して接地
する
[9] もう一つのパイプジョイン
トのボルト穴に,C型板上の
ボルトを挿入するように,パ
イプジョイントを載せる
[10] ナットで固定する
<現状の課題>
• 動作生成が手動
→ 対象物,障害物をARマーカ等で認識,動作計画の実施
• ボルト挿入穴の位置推定精度の向上
→ 二値化しきい値の自動設定,照明条件の見直し
• ナットの締め付けが難しい
→ 力制御を用いた適切な締め付け動作の生成,ボルト頭部拘束治具が必要
<実験結果>
組立成功率:25/30
[9] パイプジョイントにボルトが
挿入されている
ナットの仮止め成功率:1/30
[10]ナットが脱落しない状態
【謝辞】本研究はJSPS科研費 JP22H01457の助成を受けたものです。
<今後の展望>
• 幾何拘束を積極的に利用する組立作業の対象の拡大
• 対象物の力学的安定性の解析と物体操作計画への応用

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単腕マニピュレータによる 複数物体の同時組み立ての 基礎的考察 / Basic Approach to Robotic Assembly of Multiple Objects by a Single Manipulator

  • 1. 単腕マニピュレータによる 複数物体の同時組み立ての 基礎的考察 本田 悠弥,○槇田 諭 makita@fit.ac.jp Basic Approach to Robotic Assembly of Multiple Objects by a Single Manipulator Y. Honda and S. Makita <ロボットによる組立作業の自動化の課題> • 専用治具やロボットの数を増やしたくない • できれば少センサ,位置制御で動作させたい <本研究のアプローチ> • 対象物の幾何拘束を陽に考慮した物体把持戦略 • 最小限の目的を達成する支持具の利用 C-shaped plate Robotic gripper Bolt Robotic gripper Bolt Pipe Upside down C-shaped plate works as a support bed This poster PDF is available here. https://www.slideshare.net/Satoshi Makita/presentations 使用機材 名称等 備考 組立対象物 メタルジョイント(スペーシア) NSJ4:十字型連結 組立対象物 M6六角穴付きボルト 挿入対象穴径:7 [mm] マニピュレータ xArm 6(UFACTORY) 6R,位置制御,繰り返し精度:±0.1 [mm] 電動グリッパ xArm Gripper(UFACTORY) 位置制御 RGB-Dカメラ RealSense D405(Intel) 測距レンジ:7 - 50 [cm],RGB: 1280x720 深度確度:±2% at 50 [cm] C-shaped plate Robotic gripper Robotic gripper Bolt Bolt Pipe (supported) ボルト頭部に平板を 配置することで, ボルトが幾何拘束され, 脱落しない 各対象物の把持安定性を考慮することで, 単一平行グリッパによる複数物体の把持を実現 <組立手順> Detected hole <挿入穴検出方法> Hough変換による円検出 ボルト先端部検出も同様 C型板の足の長さをパイプ支持具の 高さに合わせる → 上限反転時に台座として機能 仮組み状態の部品群を 固定せずに取り扱う
  • 2. 【単腕マニピュレータと簡易台座を用いたパイプジョイントの組み立て】 [1] 初期状態 パイプは台座に支持されている [2] パイプジョイントの片方を パイプに載せる [3] ボルトを把持した後,ホル ダーに挿入して持ち替える [4] 持ち替えたボルトをジョイ ントのボルト穴に挿入する [5] C型板をパイプジョイント の上部に載せる [6] C型板,パイプ,ジョイント をまとめて把持する [7] 上下反転の動作 [8] C型板の足の長さとパイプ 支持具の高さが一致して接地 する [9] もう一つのパイプジョイン トのボルト穴に,C型板上の ボルトを挿入するように,パ イプジョイントを載せる [10] ナットで固定する <現状の課題> • 動作生成が手動 → 対象物,障害物をARマーカ等で認識,動作計画の実施 • ボルト挿入穴の位置推定精度の向上 → 二値化しきい値の自動設定,照明条件の見直し • ナットの締め付けが難しい → 力制御を用いた適切な締め付け動作の生成,ボルト頭部拘束治具が必要 <実験結果> 組立成功率:25/30 [9] パイプジョイントにボルトが 挿入されている ナットの仮止め成功率:1/30 [10]ナットが脱落しない状態 【謝辞】本研究はJSPS科研費 JP22H01457の助成を受けたものです。 <今後の展望> • 幾何拘束を積極的に利用する組立作業の対象の拡大 • 対象物の力学的安定性の解析と物体操作計画への応用