新社会人が今すぐ使える、ExcelでC#を使う方法
- 2. はじめに 新年度ですね 新しい気持ちで新しい職場に、夢いっぱいで着任した方も多 いのでは (今日は、with JXUG, MSP, JXUG 学生支部ですし!!) しかしながら、多くの職場では”OA環境(笑)”しか用意 されない Visual Studioどころか、Accessすら使えなかったりする Visual Studio Codeすら許されない世界 そういった高級なSE職においても、万能ツールこと ExcelをC#でコーディングできる世界を提案してみる
- 3. 自己紹介 本田 哲夫 (@hondarer) (株)日立製作所 勤務 普段は、納め先の計算機システムで使うWPFを使った内製 フレームワークの開発とか保守とかをしています 古いインターフェースを持つさまざまなThingsとの相互運 用とか仕様調整とか実装とかやってます
- 4. Excelのオートメーション方法と それぞれの特徴 いくつかあります VBA(Visual Basic for Applications) →誰でもできるが、すっかり構文忘れてるからだるい COMアドインを作ってGACに登録して使う →RegAsm.exeだるい VSTO(Visual Studio Tools for Office) →Visual Studioが必要だからだるい csc.exeを使ってCOMオートメーションでExcelを操作 →ワンファイルデプロイができないし第一だるい OA環境しか与えられない社畜はVBAによる苦行を強いられる
- 5. そこそこ大きいIT系企業における 高級SE業務の特徴 あらゆる調査はExcelへの記入を以て依頼･中継･集計を行う あらゆるシステム構成情報はExcelへの記入を以て行う スキーマのメンバ定義 IPアドレス定義etc これらはマクロにて本番用の定義ファイルとなる あらゆる試験エビデンスはExcelにて整理される Excelは社内社外それこそ30億のデバイスでメールやファイ ル共有やExchangeやLyncで拡散され半永久的に保守される だからExcelファイル1つでどこでも動かないといけない 社畜は外部環境にも制限されVBAによる苦行を強いられる
- 7. あるものでなんとかできないか VBAは、VB6の仕様範囲において、Win32 APIの呼び出しを含 めてなんでもできる C#は、COMサーバー側に帰属させるのは面倒だが、C#から COMオブジェクトを操作することはたやすい csc.exeは、大概のWindowsに(.NET Frameworkとして)インス トールされている 組み合わせれば、なんとかなるのでは
- 9. DEMONSTRATION 高級SEが所属する仮想会社の“OA環境(笑)”のスペック • Windows Server 2008R2 • Office 2010 Word/Excel/PowerPoint • サクラエディタ のみとし、 • 外部からのツール追加導入は厳しく制限されているものとする 登場する社畜対応PCは 実在の団体のものではなく架空の設定です。
- 11. Productionに際しての課題と対策 コンパイルがエラーになったときわからない 標準出力をVBA側で受け取ればよい 高級なSEはExcelを複数開く。他のブックに誤介入しかねない OLEオブジェクトを列挙して、ApplicationオブジェクトあたりのhWnd からプロセスを特定すれば何とかなります csc.exe / Excel のバージョンはいくつかある 結果的にはファイルの有無だから、前さばきのVBA側でがんばればよい OLEをC#でいじると解放がもれたりするから怖い?という言い伝え 1アクション毎にプロセスが死ぬので、ファイナライズされて実は安心 途中で例外を起こすとExcelゾンビにはなりまーす