37. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
37
Note: 凡例
・ DNS … DNS サーバー
・ VNET …仮想ネットワーク
・ DEV …VPN デバイス
・ ST …ストレージ アカウント
・ VM …仮想マシン
・ AD … AD DS サーバー
・ PC …クライアント PC
38. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
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STEP 5. Office 365 へドメインの追加、
およびドメインの確認
この STEP では、Office 365 で利用するドメインを Office 365 の管理センタ
ーから追加する手順について説明します。
この手順を実施することで、ドメインの所有者の確認が行われ、以下のサービス
が現在使用しているドメイン名で利用する準備が整います。
Active Directory フェデレーション サービス
ディレクトリ同期
Microsoft Exchange Online
Microsoft SharePoint Online
Microsoft Lync Online
この STEP では、次のことを学習します。
ドメインの追加
ドメイン登録情報の変更
ドメインの所有確認
ドメインの目的を設定
87. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
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15. [Welcome screen and new user accounts settings] 画面が開きます。
画面下部の [Welcome screen and system accounts (「ようこそ画面」の日本語化)]、[New
user accounts (ユーザー追加時のデフォルト言語 (および場所) の日本語化)] チェックボッ
クスにチェックを付けて [OK] ボタンをクリックします。
16. OS 再起動を薦めるウィンドウが開きますが、続けて作業を行うため [Cancel] ボタンをクリ
ックします。
88. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
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17. [Region] 画面に戻って [Administrative] タブを開き、[Change system locate] ボタンを
クリックします。
18. [Region Settings] 画面が開きます。 [Current system locate] で「Japanese (Japan)」を
選択して [OK] ボタンをクリックします。
89. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
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19. OS 再起動を薦めるウィンドウが開きます。 [Restart now] ボタンをクリックして OS を再
起動します。
20. 再起動後、対象の仮想マシンにサインインしなおすと、日本語が適用されます。
125. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
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Note: 前提条件チェックの警告について
これら 3 つの警告は基本的に無視して構いません。
以下は、Windows NT 4.0 で使用されている暗号化アルゴリズムとの互換性がないために表示され
るメッセージとなります。
今回の環境では Windows Server 2012 のみの環境であるため、無視します。
以下は、動的 IP (DHCP) が設定されているために表示されるメッセージとなります。
AD DS で動的 IP を用いることは不可ですが、Azure の制限として静的 IP が指定できないため、
無視します。
以下は、DNS サーバーが存在していないために表示されるメッセージとなります。
AD DS インストール時に合わせてインストールされるため、無視します。
126. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
126
10. インストールが完了するまで待ちます。
11. インストールが完了すると自動的に OS 再起動が開始されます。 [閉じる] をクリックしま
す。
127. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
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12. OS 再起動後、[サーバー マネージャー] を起動すると、「AD DS」と「DNS」が追加されてい
ます。
128. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
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9.3 サイトとサブネットの作成
サイトとサブネットを適正に設定することにより Azure 側に AD DS の認証を必要とするサーバ
ーを構築した際に適切な AD DS サーバー (Azure 上に構築した AD DS サーバー) にて認証が
行われるようになり、通信コストが低減できます。
サイトの作成
サイトの作成はオンプレミス側にて実施します。(なお、Azure 上で行っても構いませんがこの自
習書ではオンプレミス側で作成し、Azure 側でレプリケートの確認を行います。)
1. ドメイン管理者アカウントで AD DS サーバー [OPSTADDS01] にサインインし、[サーバー
マネージャー] を開きます。
2. [ツール] メニュー > [Active Directory サイトとサービス] をクリックします。
146. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
146
[はい] をクリック後、以下のように更新中のメッセージが表示されます。 更新が完了するま
で待ちます。
13. 更新が完了すると、以下のようなメッセージが表示されます。
14. 設定が確定すると、各 DNS サーバー (AD DS) 名の左に表示されていた紫のバーが消えます。
Note: 仮想マシンの DNS の更新
仮想マシンの DNS を更新するためには、各仮想マシンの OS を再起動する必要があります。
147. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
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9.6 NTP に関する注意点 (PDC エミュレーターとは同期しない)
通常ドメイン コントローラーに昇格すると、PDC エミュレーターの役割を持ったドメイン コン
トローラーと時刻同期を行います。
しかしながら、Azure 上に構築した AD DS サーバーは Hyper-V の仕様により PDC エミュレ
ーターと同期を行いません。(イベント ログ上には PDC エミュレーターとも同期を試みているロ
グが出力されます。)
以下は「w32tm /query /status」を実行した結果となります。
ソースには「VM IC Time Synchronization Provider」と表示されています。
なお、これは Hyper-V の機能でホストマシンと時刻同期されていることを示します。
148. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
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148
9.7 2 台目以降の AD DS を構築する際のポイント
この項では、2 台目以降の AD DS サーバー (今回は [AZSTADDS02]) を構築するためのポイン
トについて説明します。
AD DS のレプリケート元の選択
ドメイン コントローラーに昇格させる際のレプリケート元 (「9.2 ドメイン コントローラーへの
昇格」の手順 6 にて) を Azure 上に構築した AD DS サーバー (今回は [AZSTADDS01]) とし
ます。
レプリケーションの効率化から先に構築した AD DS サーバー [AZSTADDS01] を明示的に選択
します。
149. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
149
複数台の AD DS とのレプリケート確認
Azure 上に 2 台目の AD DS サーバーを構築した際には、インストール時に選択したレプリケー
ト元とのレプリケートを確認するだけでなく、他の AD DS サーバー (オンプレミス) とのレプリ
ケートが可能かも確認します。
[PowerShell] もしくは [コマンド プロンプト] を起動し、以下のコマンドを入力して [Enter]
キーを押下します。 コマンド実行結果に失敗が無いことを確認します。 なお、オプションの「/S」
はテストであるため、実際のレプリケーションは行われませんが、各 AD DS サーバーとレプリケ
ーションが可能であるかの確認は可能です。
repadmin /syncall /S /P /e /d
150. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
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サイトの移動
2 台目以降の AD DS サーバーのサイトの移動については、既にサブネット (「9.3 サイトとサブ
ネットの作成」にて) を作成しているため、自動的に適切なサイトに移動されます。
151. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
企業内システムと Microsoft Azure の VPN 接続、ADFS、Office365 との連携
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STEP 10. ディレクトリ同期サーバーの
セットアップ、および同期の確認
この STEP では、ディレクトリ同期ツールを使用して、社内の AD オブジェクト
を Office 365 のディレクトリサービスへ同期する手順について説明します。
Note: ディレクトリ同期は社内 AD から Office 365 への片方向のみ
ディレクトリ同期は、社内 AD から Office 365 に対して一方向で行われます。
そのため、ディレクトリ同期後のオブジェクトの更新 (作成や編集など) は、社内の
AD 上で実施する必要があります。 Office 365 上でオブジェクトを更新した場合は、
社内の AD に反映されません。
この STEP では、次のことを学習します。
UPN サフィックスの追加
AD ユーザーの登録情報を確認
ディレクトリ同期の有効化
ディレクトリ同期ツール関連のインストール
ディレクトリ同期ツールのセットアップ (同期の実行)
ディレクトリ同期の確認
同期したユーザーのアクティブ化
316. Microsoft Azure 自習書シリーズ No.6
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316
17.3 IP アドレス指定と名前解決
基本的に仮想マシンの内部 IP アドレス は DHCP によって払い出される IP アドレスを使用す
ることになります。 そうする場合、仮想ネットワークに接続される仮想マシンの IP アドレスは、
そのマシンが使用停止になるまで変化しません。 つまり、ドメイン コントローラーと併置されて
いる場合 (推奨)、IP アドレスに関する Windows Server AD の要件は、DNS の要件と同様に満
たされるということです。 加えて、仮想ネットワークでは、IP アドレス指定と DNS に対する高
度な制御が行えます。
IP アドレスの指定
仮想マシンは、DHCP リース アドレスを使用するように構成する必要があります。 Azure は、リ
ースが期限切れになることや、仮想マシン間で移動することが起こらないようにします。 この非静
的構成は、ほとんどの AD 管理者が使い慣れているものと正反対ですが、仮想マシンが VPN や社
内サーバーとシームレスに連動するための要件になっています。
Note: 過去にリースされたアドレスの取り扱いについて
過去にリースされたアドレスを静的に定義することは考慮しないでください。 このアドレスはリース期間
が残っている間は機能しますが、リース期間が切れると、仮想マシンがネットワークとのすべての通信を失
い、ネットワークから切断されます。
名前の解決
ドメイン コントローラー上に Windows Server DNS を展開する必要があります。 Azure DNS
は Windows Server AD DS の複雑な名前解決ニーズを満たしておらず、動的サービス レコード
(SRV レコード) などもサポートしていません。 Windows Server の社内展開と同様に、Active
Directory DNS はドメイン コントローラーとドメインに参加しているクライアントにとって極め
て重要な構成項目の 1 つです。
フォールト トレランスとパフォーマンス上の理由から、Azure 上で動作しているドメイン コント
ローラーに Windows Server DNS サービスをインストールすることをお勧めします。