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Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
2013年6月8日
株式会社NTTデータ 基盤システム事業本部
澤田 雅彦
pg_bigm(ピージーバイグラム)を用いた全文検索のしくみ(前編)
第26回しくみ勉強会
2Copyright © 2013NTT DATA Corporation
INDEX
1. 全文検索とは?
2. pg_bigmとは?
3. pg_bigmの全文検索のしくみ
4. pg_bigmの性能測定(前編)
5. まとめ
Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 3
全文検索とは?
4Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
全文検索ってなに?
全文検索ってなに?
 複数のテキストからキーワードを含むテキストを見つけ出す事
(英語辞書から特定の単語を探す、Web検索、など)
東京都・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・図書館・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・オープンソース・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・・・・・・本。
・学校・・・・・・・・・
東京都で・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・データベース・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・
・・・・・・・・
東京都・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・図書館・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・オープンソース・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・・・・・・本。
・学校・・・・・・・・・
全文検索
キーワード
「オープンソース」
5Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
DBの全文検索ってなに?
SQL発行
DB
:
:
 テキスト型の列を持つテーブルから、キーワードを含むレコードを検索すること
 全文検索では検索対象のデータが多い
 全文検索用のインデックスを作成することで高速にできる
 インデックスのキーの作り方として。。。
N-gram方式、形態素解析方式がある
キーワード:「オープンソース」
6Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
形態素解析とN-gram
形態素解析 N-gram
分割方法 単語単位で分割 文字単位で分割
例)’今日は全文検索の日’ではどうなる?
キーワード 「今日」,「全文検索」,「日」
(2-gramの場合)
「今日」,「日は」,「は全」,「全文」,「文検」、
「検索」、「索の」…
<一般的な特徴>
インデックスサイズ 小さい 大きい
表記の揺れ 類義語を定義しやすい
例)「今日」⇔「本日」を対応させる
表記の揺れに弱い
検索結果 単語の分割方法に依存する
例)「全文」と「検索」は分ける?分けない?
LIKEに近い結果を得ることができる
どういう時に有効? 整った文章(論文等)を扱う時 記号や造語を検索する時
7Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
PostgreSQLでN-gramの全文検索をするには
(今まで)
PostgreSQLに付属しているpg_trgmを使用していた。
しかしpg_trgmには以下の弱みがある。。
→pg_bigmでは上記の2つの問題を解決しています!
 1、2文字検索でインデックスを有効に使えない(SeqScanより遅くなる)
→ 例えば「車」、「日本」などの検索キーワードは日本語検索時には十分考えられる
 日本語対応をさせるためには、ソースコードの変更が必要
→ trgm.hの一部を変更しないといけない
Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 8
2. pg_bigmとは?
9Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
pg_bigmとは
 pg_bigmとは
→2-gramの全文検索モジュール
対応バージョン PostgreSQL9.1以降
ライセンス PostgreSQL License
開発主体 NTTデータ
公開日 2013年4月
入手元 http://pgbigm.sourceforge.jp/
10Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
pg_bigmとその他の仲間たち
pg_bigm pg_trgm textsearch_groonga
作成方法 2-gram 3-gram N-gram
対応バージョン 9.1以降 9.1以降 9.1まで
開発主体 NTTデータ
PostgreSQL
コミュニティ
板垣氏
(個人)
日本語対応 ○ △ ○
依存モジュール なし なし
あり
(groonga)
レプリケーション・
リカバリ対応
○ ○ ×
11Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
pg_bigmの特徴
 2-gramの全文検索モジュール
 PostgreSQL内部にインデックスを持つ(GINインデックス)
 PostgreSQLのレプリケーション、リカバリ対応
 1,2文字検索対応
 日本語検索対応
 データベースエンコーディングはUTF8、ロケールはCにのみ対応
Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 12
pg_bigmの使い方
13Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
インストール
 インストールはいつも通り
$ tar zxf pg_bigm-20130405.tar.gz
$ cd pg_bigm-20130405
$ make USE_PGXS=1 PG_CONFIG=$PGHOME/bin/pg_config
$ su
# make USE_PGXS=1 PG_CONFIG=$PGHOME/bin/pg_config install
14Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
pg_bigmの登録
 pg_bigmの登録
$ initdb –D $PGDATA --locale=C --encoding=UTF8
$ vi $PGDATA/postgresql.conf
shared_preload_libraries = 'pg_bigm'
custom_variable_classes = ‘pg_bigm‘ (custom_variable_classesは9.2以降では
廃止)
$ pg_ctl start -D PGDATA
$ psql -d <データベース名>
=# CREATE EXTENSION pg_bigm;
=# ¥dx
List of installed extensions
Name | Version | Schema | Description
--------+------+------+--------------------------------
pg_bigm | 1.0 | public | text index searching based on bigrams
15Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
インデックス作成まで
 テーブル定義作成
=# CREATE TABLE pg_tools (tool text, description text);
 データ投入
=# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_hint_plan', 'HINT句を使えるようにするツール');
=# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_dbms_stats', '統計情報を固定化するツール');
=# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_bigm', '2-gramの全文検索を使えるようにするツール');
=# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_trgm', '3-gramの全文検索を使えるようにするツール');
 インデックス作成
=# CREATE INDEX pg_tools_idx ON hoge USING gin (description gin_bigm_ops);
 マルチカラムインデックス作成
=# CREATE INDEX pg_tools_multi_idx ON pg_tools USING gin( tool gin_bigm_ops,
description gin_bigm_ops);
GINインデックス(転置インデックス)の詳細は
後程説明します
16Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
 実行例
=# SELECT * FROM pg_tools WHERE description LIKE ‘%全文%’;
tool | description
------+------------------------------
pg_bigm | 2-gramの全文検索を使えるようにするツール
pg_trgm | 3-gramの全文検索を使えるようにするツール
(2 rows)
簡単な実行例
=# EXPLAIN ANALYZE SELECT * FROM pg_tools WHERE description LIKE '%全文%';
QUERY PLAN
------------------------------------------------------------------
Bitmap Heap Scan on pg_tools (cost=8.00..12.01 rows=1 width=64) (actual time=0.033..0.034 rows=2
loops=1)
Recheck Cond: (description ~~ '%全文%'::text)
-> Bitmap Index Scan on pg_tool_idx (cost=0.00..8.00 rows=1 width=0) (actual time=0.025..0.025
rows=2 loops=1)
Index Cond: (description ~~ '%全文%'::text)
Total runtime: 0.094 ms
(5 rows)
Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 17
pg_bigmの全文検索のしくみ
18Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
GINインデックスとは
 GINインデックス(Generalized Inverted Index)とは?
(Wikipediaより)
全文検索を行う対象からなる文章分から位置情報を格納するための索引構造。
転置索引、逆引き索引などとも呼ばれる
(PostgreSQLマニュアルより)
GINインデックスは(キー、投稿されたリスト)の組み合わせの集合を格納します。
ここで"投稿されたリスト"はキーに合う行IDの集合です。
→「キー」と、「そのキーが出現するTID」の組み合わせを格納するインデックス
19Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
GINインデックスとは
検索キーワード:「accelerometers compensation」
「accelerometers」
5, 10, 25 ,28, 30, 36, 58, 59, 61,
73, 74
「compensation」
30, 68
「accelerometers compensation 」
→30ページにある
20Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
 pg_trgmとpg_bigmのインデックス登録時の
挙動の説明をしていきます
 pg_trgmではキーをINT値で持つ
 pg_bigmではキーを文字列で持つ
インデックス登録時の挙動
キー TID
△△P 100
△PO 100
POS 100
CRC1 100
CRC2 100
CRC3 100
①3文字分割
「△△P」、「△PO」、
「POS」、「OSぐ」、
「Sぐれ」、「ぐれ△」
②ハッシュ変換+
ソート
「△△P」、「△PO」、
「POS」、「CRC1」、
「CRC2」、「CRC3」
①2文字分割
「△P」、「PO」、
「OS」、「Sぐ」、
「ぐれ」、「れ△」
②ソート
「△P」、「PO」、
「OS」、「Sぐ」、
「ぐれ」、「れ△」
pg_bigm キー TID
△P 100
PO 100
OS 100
Sぐ 100
ぐれ 100
れ△ 100
TID データ
100 POSぐれ
pg_trgm
キーワード
‘POSぐれ’
INSERT
3Byte以上のtrgmは
3Byteにハッシュ変
換されます
INT値で格納される
テキスト型で格納される
21Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
インデックス検索時の挙動
①2文字分割
「OS」
「Sぐ」
「ぐれ」
 キーワード‘%OSぐれ%’からTID100のデータが検索されるまでの
挙動を解説します
②インデックススキャン
TID データ
100 POSぐれ
200 POSぐる
300 ぽSぐれ
キー TID
△P 100, 200
△ぽ 300
OS 100, 200
PO 100, 200
Sぐ 100, 200, 300
る△ 200
れ△ 100, 300
ぐれ 100, 300
: :
③TID候補決定
→TID 100
④Recheck
検索
キーワード
‘%OSぐれ%’
pg_bigmの場合
22Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
Recheck処理の必要性
キー TID
東京 1
京都 1
京と 1
: :
検索ワード:
‘%東京都%’
「東京」 : TID1
「京都」 : TID1
TABLE
INDEX
間違った結果を取ってき
てしまう
INDEXを検索
TID決定
Recheck処理で再検査!
例えばこんな時。。
1 東京と京都
: :
23Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
Recheck処理の必要性
実際に見てみる。
postgres=# EXPLAIN ANALYZE SELECT * FROM hoge WHERE col1 LIKE ‘%東京都%';
QUERY PLAN
---------------------------------------------------------
Bitmap Heap Scan on hoge (cost=16.00..20.01 rows=1 width=32) (actualtime=0.019..0.019 rows=0loops=1)
Recheck Cond: (col1 ~~ ‘%東京都%'::text)
Rows Removed by Index Recheck: 1
-> Bitmap Index Scan on hoge_idx (cost=0.00..16.00 rows=1 width=0) (actualtime=0.011..0.011 rows=1
loops=1)
Index Cond: (col1 ~~ ‘%東京都%'::text)
Total runtime: 0.046 ms
(5 rows)
Bitmap Index Scanでは1行検出しているが、
Rechek処理により間違った結果を排除している
ことがわかる。
24Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
部分一致とは?
①2文字分割
「本」
②インデックススキャン
キー TID
: :
末尾 100, 200
本日 200, 300
本屋 500
本当 400
札束 200
: :
③TID候補決定 ④Recheck
キーワード
‘%本%’
 2文字分割後、1文字のキーワードが生成された場合、部分一致を行う関数が実行される
(例)検索キーワードが’%東%’の場合など
 部分一致では1文字の検索キーワードと各キーの先頭を比較して、一致、不一致を判断する
 pg_bigmでは部分一致関数を実装しているため、2文字”以下”の検索ができる
Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 25
pg_bigmの性能
26Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
性能測定の概要①
 pg_bigmとpg_trgmを比較
 pg_bigm
→2013年4月に新しく公開されたモジュール。
 pg_trgm
→おなじみのPostgreSQL付属のモジュール。日本語対応を有効にして参加。
 以下の項目の順番に検証を実施
1. インデックスサイズ
→ 1、2を前編で実施
2. インデックス作成時間
3. 検索時間
→ 3、4を後編で実施
4. インデックス更新時間
27Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
性能測定の概要②
 テストデータ
日本語と英語が混在したテキスト
日本語 : 青空文庫より
英語 : Project Gutenbergより (単語の途中で区切られないようにしてある)
 テーブル定義
CREATE TABLE hoge (col1 text);
 テーブル行数
約85万行 (日本語60万行、英語25万行)
 一行あたりのデータサイズ
約600Byte(日本語:200文字/行、英語:600文字/行)
 テーブルサイズ
約612MB
28Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
マシンスペック・ソフトウェア関連情報
項目 詳細
OS Red Hat Enterprise Linux 6.3(64bit)
DBMS PostgreSQL 9.2.4
項目 詳細
メーカー DELL
モデル PowerEdge C8220X
CPU Xeon(R) E5-2660 2.20GHz ×2
メモリ 24GB
ディスク HDD1本(RAID構成なし)
回転数:7200rpm、容量:1TB
29Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
インデックスサイズと作成時間の比較 概要
 データCOPY→インデックス作成の流れで、インデックスのサイズと作成にかかる時間
を計測
 全てGINインデックスを使用
 それぞれ10回計測を行い、その平均値を結果とする
対象 インデックス作成クエリ
pg_bigm CREATE INDEX hoge_idx ON hoge USING gin (col1 gin_bigm_ops);
pg_trgm CREATE INDEX hoge_idx ON hoge USING gin (col1 gin_trgm_ops);
30Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
インデックスサイズの比較
 今回の測定条件ではpg_bigmの方がインデックスサイズが小さいという結果になった
 2文字分割の方が分割後のデータが重複する確率が高い
→重複したデータは削除される
(参考) 一つのインデックスキーの大きさの比較
 pg_bigm : 英語は「3byte」 ←(データ2byte+TEXT型のヘッダ1Byte)
日本語は「(2文字のバイト数の合計)+(TEXT型のヘッダ1Byte)」
 pg_trgm : 4byte(INT値で格納するため。日本語はハッシュ変換される)
(例) 「this」→インデックスキーが5つできる(pg_bigm、pg_trgm共通)
pg_bigm : 3Byte×5個 = 15Byte、 pg_trgm : 4Byte×5個 = 20Byte
対象 テーブルサイズ インデックスサイズ
pg_bigm
612MB
1523MB
pg_trgm 2154MB
31Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
インデックス作成時間の比較
対象 COPY CREATE INDEX Total
pg_bigm
15秒
589秒 604秒
pg_trgm 785秒 800秒
 今回の測定条件ではpg_bigmの方がインデックス作成時間が短いという結果になった
 pg_trgmの方が書き込むサイズが大きいため (インデックスサイズ結果参照)
 pg_trgmはハッシュ変換のオーバーヘッドがある
Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 32
まとめ
33Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
まとめ
 まとめ
 pg_bigmでは日本語に対応している
 1、2文字検索に対応している
 (今回の測定条件では)pg_bigmの方がpg_trgmと比べてインデックスサ
イズが小さく、作成時間も短かった
 日本語2文字以下の検索をする要件 → pg_bigm一択か?
 次回予定
 pg_bigmの性能測定(後半)
 様々な長さの検索キーワード(英語、日本語)での検索性能
 インデックスの更新性能
 pg_bigm独自機能やpg_bigmが提供しているパラメータの紹介
Copyright © 2011 NTT DATA Corporation
Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
35Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
(参考)ワイルドカードの有無による検索の挙動の違い
キー TID
△A 1, 2
△X 3
AB 1, 2, 3
BC 1, 2, 3
C△ 1, 3
CD 2
D△ 2
XA 1
TID データ
1 ABC
2 ABCD
3 XABC
検索キーワード キー 決定タプル
完全一致 ABC
△A
AB
C△
1
前方一致 %ABC
AB
BC
C△
1, 2
中間一致 %ABC%
AB
BC
1, 2, 3
後方一致 ABC%
△A
AB
BC
1
36Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
(参考)英語だけのテーブル、日本語だけのテーブルでのインデックスサイズ
対象 テーブルサイズ サイズ 差
英語だけpg_bigm
138MB
401MB
133MB
英語だけpg_trgm 534MB
日本語だけpg_bigm
500MB
1119MB
497MB
日本語だけpg_trgm 1616MB
37Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
(参考) 部分一致までの挙動詳細
①
‘%a%bcd%’
②、③
pmatch
true
false
false
bigm
a
bc
cd
対応
④
1.問い合わせキーとインデックスキーの一文字目のバイ
ト長を比較。一致→2へ。不一致→「1」を返す
2.文字を比較。一致→「0」を返す。不一致「1」を返す。
‘a’と’a)’ → 「0」を返す
‘a’と’a/’ → 「0」を返す
‘a’と’aa’ → 「0」を返す
‘a’と’ax → 「0」を返す
‘a’と’b△’ → 「1」を返す
ginインデックス
a) a/ aa ax b△ ・・・
gin_extract_query_bigm()
gin_bigm_compare_partial()

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pg_bigm(ピージーバイグラム)を用いた全文検索のしくみ

  • 1. Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 2013年6月8日 株式会社NTTデータ 基盤システム事業本部 澤田 雅彦 pg_bigm(ピージーバイグラム)を用いた全文検索のしくみ(前編) 第26回しくみ勉強会
  • 2. 2Copyright © 2013NTT DATA Corporation INDEX 1. 全文検索とは? 2. pg_bigmとは? 3. pg_bigmの全文検索のしくみ 4. pg_bigmの性能測定(前編) 5. まとめ
  • 3. Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 3 全文検索とは?
  • 4. 4Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 全文検索ってなに? 全文検索ってなに?  複数のテキストからキーワードを含むテキストを見つけ出す事 (英語辞書から特定の単語を探す、Web検索、など) 東京都・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・図書館・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ・・オープンソース・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・本。 ・学校・・・・・・・・・ 東京都で・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・データベース・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・ 東京都・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・図書館・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ・・オープンソース・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・・・・・・本。 ・学校・・・・・・・・・ 全文検索 キーワード 「オープンソース」
  • 5. 5Copyright © 2013 NTT DATA Corporation DBの全文検索ってなに? SQL発行 DB : :  テキスト型の列を持つテーブルから、キーワードを含むレコードを検索すること  全文検索では検索対象のデータが多い  全文検索用のインデックスを作成することで高速にできる  インデックスのキーの作り方として。。。 N-gram方式、形態素解析方式がある キーワード:「オープンソース」
  • 6. 6Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 形態素解析とN-gram 形態素解析 N-gram 分割方法 単語単位で分割 文字単位で分割 例)’今日は全文検索の日’ではどうなる? キーワード 「今日」,「全文検索」,「日」 (2-gramの場合) 「今日」,「日は」,「は全」,「全文」,「文検」、 「検索」、「索の」… <一般的な特徴> インデックスサイズ 小さい 大きい 表記の揺れ 類義語を定義しやすい 例)「今日」⇔「本日」を対応させる 表記の揺れに弱い 検索結果 単語の分割方法に依存する 例)「全文」と「検索」は分ける?分けない? LIKEに近い結果を得ることができる どういう時に有効? 整った文章(論文等)を扱う時 記号や造語を検索する時
  • 7. 7Copyright © 2013 NTT DATA Corporation PostgreSQLでN-gramの全文検索をするには (今まで) PostgreSQLに付属しているpg_trgmを使用していた。 しかしpg_trgmには以下の弱みがある。。 →pg_bigmでは上記の2つの問題を解決しています!  1、2文字検索でインデックスを有効に使えない(SeqScanより遅くなる) → 例えば「車」、「日本」などの検索キーワードは日本語検索時には十分考えられる  日本語対応をさせるためには、ソースコードの変更が必要 → trgm.hの一部を変更しないといけない
  • 8. Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 8 2. pg_bigmとは?
  • 9. 9Copyright © 2013 NTT DATA Corporation pg_bigmとは  pg_bigmとは →2-gramの全文検索モジュール 対応バージョン PostgreSQL9.1以降 ライセンス PostgreSQL License 開発主体 NTTデータ 公開日 2013年4月 入手元 http://pgbigm.sourceforge.jp/
  • 10. 10Copyright © 2013 NTT DATA Corporation pg_bigmとその他の仲間たち pg_bigm pg_trgm textsearch_groonga 作成方法 2-gram 3-gram N-gram 対応バージョン 9.1以降 9.1以降 9.1まで 開発主体 NTTデータ PostgreSQL コミュニティ 板垣氏 (個人) 日本語対応 ○ △ ○ 依存モジュール なし なし あり (groonga) レプリケーション・ リカバリ対応 ○ ○ ×
  • 11. 11Copyright © 2013 NTT DATA Corporation pg_bigmの特徴  2-gramの全文検索モジュール  PostgreSQL内部にインデックスを持つ(GINインデックス)  PostgreSQLのレプリケーション、リカバリ対応  1,2文字検索対応  日本語検索対応  データベースエンコーディングはUTF8、ロケールはCにのみ対応
  • 12. Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 12 pg_bigmの使い方
  • 13. 13Copyright © 2013 NTT DATA Corporation インストール  インストールはいつも通り $ tar zxf pg_bigm-20130405.tar.gz $ cd pg_bigm-20130405 $ make USE_PGXS=1 PG_CONFIG=$PGHOME/bin/pg_config $ su # make USE_PGXS=1 PG_CONFIG=$PGHOME/bin/pg_config install
  • 14. 14Copyright © 2013 NTT DATA Corporation pg_bigmの登録  pg_bigmの登録 $ initdb –D $PGDATA --locale=C --encoding=UTF8 $ vi $PGDATA/postgresql.conf shared_preload_libraries = 'pg_bigm' custom_variable_classes = ‘pg_bigm‘ (custom_variable_classesは9.2以降では 廃止) $ pg_ctl start -D PGDATA $ psql -d <データベース名> =# CREATE EXTENSION pg_bigm; =# ¥dx List of installed extensions Name | Version | Schema | Description --------+------+------+-------------------------------- pg_bigm | 1.0 | public | text index searching based on bigrams
  • 15. 15Copyright © 2013 NTT DATA Corporation インデックス作成まで  テーブル定義作成 =# CREATE TABLE pg_tools (tool text, description text);  データ投入 =# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_hint_plan', 'HINT句を使えるようにするツール'); =# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_dbms_stats', '統計情報を固定化するツール'); =# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_bigm', '2-gramの全文検索を使えるようにするツール'); =# INSERT INTO pg_tools VALUES ('pg_trgm', '3-gramの全文検索を使えるようにするツール');  インデックス作成 =# CREATE INDEX pg_tools_idx ON hoge USING gin (description gin_bigm_ops);  マルチカラムインデックス作成 =# CREATE INDEX pg_tools_multi_idx ON pg_tools USING gin( tool gin_bigm_ops, description gin_bigm_ops); GINインデックス(転置インデックス)の詳細は 後程説明します
  • 16. 16Copyright © 2013 NTT DATA Corporation  実行例 =# SELECT * FROM pg_tools WHERE description LIKE ‘%全文%’; tool | description ------+------------------------------ pg_bigm | 2-gramの全文検索を使えるようにするツール pg_trgm | 3-gramの全文検索を使えるようにするツール (2 rows) 簡単な実行例 =# EXPLAIN ANALYZE SELECT * FROM pg_tools WHERE description LIKE '%全文%'; QUERY PLAN ------------------------------------------------------------------ Bitmap Heap Scan on pg_tools (cost=8.00..12.01 rows=1 width=64) (actual time=0.033..0.034 rows=2 loops=1) Recheck Cond: (description ~~ '%全文%'::text) -> Bitmap Index Scan on pg_tool_idx (cost=0.00..8.00 rows=1 width=0) (actual time=0.025..0.025 rows=2 loops=1) Index Cond: (description ~~ '%全文%'::text) Total runtime: 0.094 ms (5 rows)
  • 17. Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 17 pg_bigmの全文検索のしくみ
  • 18. 18Copyright © 2013 NTT DATA Corporation GINインデックスとは  GINインデックス(Generalized Inverted Index)とは? (Wikipediaより) 全文検索を行う対象からなる文章分から位置情報を格納するための索引構造。 転置索引、逆引き索引などとも呼ばれる (PostgreSQLマニュアルより) GINインデックスは(キー、投稿されたリスト)の組み合わせの集合を格納します。 ここで"投稿されたリスト"はキーに合う行IDの集合です。 →「キー」と、「そのキーが出現するTID」の組み合わせを格納するインデックス
  • 19. 19Copyright © 2013 NTT DATA Corporation GINインデックスとは 検索キーワード:「accelerometers compensation」 「accelerometers」 5, 10, 25 ,28, 30, 36, 58, 59, 61, 73, 74 「compensation」 30, 68 「accelerometers compensation 」 →30ページにある
  • 20. 20Copyright © 2013 NTT DATA Corporation  pg_trgmとpg_bigmのインデックス登録時の 挙動の説明をしていきます  pg_trgmではキーをINT値で持つ  pg_bigmではキーを文字列で持つ インデックス登録時の挙動 キー TID △△P 100 △PO 100 POS 100 CRC1 100 CRC2 100 CRC3 100 ①3文字分割 「△△P」、「△PO」、 「POS」、「OSぐ」、 「Sぐれ」、「ぐれ△」 ②ハッシュ変換+ ソート 「△△P」、「△PO」、 「POS」、「CRC1」、 「CRC2」、「CRC3」 ①2文字分割 「△P」、「PO」、 「OS」、「Sぐ」、 「ぐれ」、「れ△」 ②ソート 「△P」、「PO」、 「OS」、「Sぐ」、 「ぐれ」、「れ△」 pg_bigm キー TID △P 100 PO 100 OS 100 Sぐ 100 ぐれ 100 れ△ 100 TID データ 100 POSぐれ pg_trgm キーワード ‘POSぐれ’ INSERT 3Byte以上のtrgmは 3Byteにハッシュ変 換されます INT値で格納される テキスト型で格納される
  • 21. 21Copyright © 2013 NTT DATA Corporation インデックス検索時の挙動 ①2文字分割 「OS」 「Sぐ」 「ぐれ」  キーワード‘%OSぐれ%’からTID100のデータが検索されるまでの 挙動を解説します ②インデックススキャン TID データ 100 POSぐれ 200 POSぐる 300 ぽSぐれ キー TID △P 100, 200 △ぽ 300 OS 100, 200 PO 100, 200 Sぐ 100, 200, 300 る△ 200 れ△ 100, 300 ぐれ 100, 300 : : ③TID候補決定 →TID 100 ④Recheck 検索 キーワード ‘%OSぐれ%’ pg_bigmの場合
  • 22. 22Copyright © 2013 NTT DATA Corporation Recheck処理の必要性 キー TID 東京 1 京都 1 京と 1 : : 検索ワード: ‘%東京都%’ 「東京」 : TID1 「京都」 : TID1 TABLE INDEX 間違った結果を取ってき てしまう INDEXを検索 TID決定 Recheck処理で再検査! 例えばこんな時。。 1 東京と京都 : :
  • 23. 23Copyright © 2013 NTT DATA Corporation Recheck処理の必要性 実際に見てみる。 postgres=# EXPLAIN ANALYZE SELECT * FROM hoge WHERE col1 LIKE ‘%東京都%'; QUERY PLAN --------------------------------------------------------- Bitmap Heap Scan on hoge (cost=16.00..20.01 rows=1 width=32) (actualtime=0.019..0.019 rows=0loops=1) Recheck Cond: (col1 ~~ ‘%東京都%'::text) Rows Removed by Index Recheck: 1 -> Bitmap Index Scan on hoge_idx (cost=0.00..16.00 rows=1 width=0) (actualtime=0.011..0.011 rows=1 loops=1) Index Cond: (col1 ~~ ‘%東京都%'::text) Total runtime: 0.046 ms (5 rows) Bitmap Index Scanでは1行検出しているが、 Rechek処理により間違った結果を排除している ことがわかる。
  • 24. 24Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 部分一致とは? ①2文字分割 「本」 ②インデックススキャン キー TID : : 末尾 100, 200 本日 200, 300 本屋 500 本当 400 札束 200 : : ③TID候補決定 ④Recheck キーワード ‘%本%’  2文字分割後、1文字のキーワードが生成された場合、部分一致を行う関数が実行される (例)検索キーワードが’%東%’の場合など  部分一致では1文字の検索キーワードと各キーの先頭を比較して、一致、不一致を判断する  pg_bigmでは部分一致関数を実装しているため、2文字”以下”の検索ができる
  • 25. Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 25 pg_bigmの性能
  • 26. 26Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 性能測定の概要①  pg_bigmとpg_trgmを比較  pg_bigm →2013年4月に新しく公開されたモジュール。  pg_trgm →おなじみのPostgreSQL付属のモジュール。日本語対応を有効にして参加。  以下の項目の順番に検証を実施 1. インデックスサイズ → 1、2を前編で実施 2. インデックス作成時間 3. 検索時間 → 3、4を後編で実施 4. インデックス更新時間
  • 27. 27Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 性能測定の概要②  テストデータ 日本語と英語が混在したテキスト 日本語 : 青空文庫より 英語 : Project Gutenbergより (単語の途中で区切られないようにしてある)  テーブル定義 CREATE TABLE hoge (col1 text);  テーブル行数 約85万行 (日本語60万行、英語25万行)  一行あたりのデータサイズ 約600Byte(日本語:200文字/行、英語:600文字/行)  テーブルサイズ 約612MB
  • 28. 28Copyright © 2013 NTT DATA Corporation マシンスペック・ソフトウェア関連情報 項目 詳細 OS Red Hat Enterprise Linux 6.3(64bit) DBMS PostgreSQL 9.2.4 項目 詳細 メーカー DELL モデル PowerEdge C8220X CPU Xeon(R) E5-2660 2.20GHz ×2 メモリ 24GB ディスク HDD1本(RAID構成なし) 回転数:7200rpm、容量:1TB
  • 29. 29Copyright © 2013 NTT DATA Corporation インデックスサイズと作成時間の比較 概要  データCOPY→インデックス作成の流れで、インデックスのサイズと作成にかかる時間 を計測  全てGINインデックスを使用  それぞれ10回計測を行い、その平均値を結果とする 対象 インデックス作成クエリ pg_bigm CREATE INDEX hoge_idx ON hoge USING gin (col1 gin_bigm_ops); pg_trgm CREATE INDEX hoge_idx ON hoge USING gin (col1 gin_trgm_ops);
  • 30. 30Copyright © 2013 NTT DATA Corporation インデックスサイズの比較  今回の測定条件ではpg_bigmの方がインデックスサイズが小さいという結果になった  2文字分割の方が分割後のデータが重複する確率が高い →重複したデータは削除される (参考) 一つのインデックスキーの大きさの比較  pg_bigm : 英語は「3byte」 ←(データ2byte+TEXT型のヘッダ1Byte) 日本語は「(2文字のバイト数の合計)+(TEXT型のヘッダ1Byte)」  pg_trgm : 4byte(INT値で格納するため。日本語はハッシュ変換される) (例) 「this」→インデックスキーが5つできる(pg_bigm、pg_trgm共通) pg_bigm : 3Byte×5個 = 15Byte、 pg_trgm : 4Byte×5個 = 20Byte 対象 テーブルサイズ インデックスサイズ pg_bigm 612MB 1523MB pg_trgm 2154MB
  • 31. 31Copyright © 2013 NTT DATA Corporation インデックス作成時間の比較 対象 COPY CREATE INDEX Total pg_bigm 15秒 589秒 604秒 pg_trgm 785秒 800秒  今回の測定条件ではpg_bigmの方がインデックス作成時間が短いという結果になった  pg_trgmの方が書き込むサイズが大きいため (インデックスサイズ結果参照)  pg_trgmはハッシュ変換のオーバーヘッドがある
  • 32. Copyright © 2013 NTT DATA Corporation 32 まとめ
  • 33. 33Copyright © 2013 NTT DATA Corporation まとめ  まとめ  pg_bigmでは日本語に対応している  1、2文字検索に対応している  (今回の測定条件では)pg_bigmの方がpg_trgmと比べてインデックスサ イズが小さく、作成時間も短かった  日本語2文字以下の検索をする要件 → pg_bigm一択か?  次回予定  pg_bigmの性能測定(後半)  様々な長さの検索キーワード(英語、日本語)での検索性能  インデックスの更新性能  pg_bigm独自機能やpg_bigmが提供しているパラメータの紹介
  • 34. Copyright © 2011 NTT DATA Corporation Copyright © 2013 NTT DATA Corporation
  • 35. 35Copyright © 2013 NTT DATA Corporation (参考)ワイルドカードの有無による検索の挙動の違い キー TID △A 1, 2 △X 3 AB 1, 2, 3 BC 1, 2, 3 C△ 1, 3 CD 2 D△ 2 XA 1 TID データ 1 ABC 2 ABCD 3 XABC 検索キーワード キー 決定タプル 完全一致 ABC △A AB C△ 1 前方一致 %ABC AB BC C△ 1, 2 中間一致 %ABC% AB BC 1, 2, 3 後方一致 ABC% △A AB BC 1
  • 36. 36Copyright © 2013 NTT DATA Corporation (参考)英語だけのテーブル、日本語だけのテーブルでのインデックスサイズ 対象 テーブルサイズ サイズ 差 英語だけpg_bigm 138MB 401MB 133MB 英語だけpg_trgm 534MB 日本語だけpg_bigm 500MB 1119MB 497MB 日本語だけpg_trgm 1616MB
  • 37. 37Copyright © 2013 NTT DATA Corporation (参考) 部分一致までの挙動詳細 ① ‘%a%bcd%’ ②、③ pmatch true false false bigm a bc cd 対応 ④ 1.問い合わせキーとインデックスキーの一文字目のバイ ト長を比較。一致→2へ。不一致→「1」を返す 2.文字を比較。一致→「0」を返す。不一致「1」を返す。 ‘a’と’a)’ → 「0」を返す ‘a’と’a/’ → 「0」を返す ‘a’と’aa’ → 「0」を返す ‘a’と’ax → 「0」を返す ‘a’と’b△’ → 「1」を返す ginインデックス a) a/ aa ax b△ ・・・ gin_extract_query_bigm() gin_bigm_compare_partial()