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インシデントレポート
:Reboot
WACATE2017 冬 2017/12/17
WACATE 実行委員 藤原 洋平
自己紹介
ふじわら ようへい
4代目 WACATE 実行委員長
2010年:新卒で開発系会社に入社
品質保証としてインシデントレポートを書く毎日
2016年:第三者検証会社へ転職
以来、テストとは無縁の生活を送る毎日
WACATE2017 冬
インシデントレポートとは
WACATE2017 冬
インシデントレポートとは
発生したあらゆるインシデントを報告する
ドキュメント
引用:JSTQB
WACATE2017 冬
インシデントとは
WACATE2017 冬
インシデントとは
発生した事象の中で、調査が必要なもの
引用:ISTQB
WACATE2017 冬
つまり?
WACATE2017 冬
発生した事象の中で、調査が必要なもの
 → 期待していた結果と違う
調査が必要と思われるものは、
すべてインシデントとして扱われる
従ってインシデントはコードの欠陥に限らず、
ドキュメントなどにも発生する
「バグ」 ≠ インシデント
WACATE2017 冬
インシデントレポートとは
調査が必要となる事象が発生したときに、
それを報告するためのドキュメント
誰に?
開発担当者
テストリーダー
プロジェクトリーダー
WACATE2017 冬
ちなみに
インシデントレポート
バグレポート/バグ票/バグチケット
不具合報告書
問題点処理票
障害管理
などなど…
WACATE2017 冬
体験してみよう
WACATE2017 冬
体験してみよう
ユーザビリティテストセッションで扱った
BlackWACATEに不具合(インシデント)が
発生しました!
インシデントレポートを作成して
開発担当者に現象を伝えて下さい
WACATE2017 冬
個人ワーク:10分
以下のテストケースを実施してください
手順:
1. <URL> にアクセス
2. 「参加申込」から、確認画面まで申請を進める
 期待結果:
 確認画面のメールアドレス欄に、入力した
メールアドレスが表示されていること
WACATE2017 冬
個人ワーク:10分
システムを実際に確認しながらインシデント
レポートを作成してください
全く書いたことがない方:
「開発者に、起こった事象を文章で伝えてください」
書き慣れている方:
あなたの考える最強のレポートを作成してください
注意:バグ出しが目的ではありません!
WACATE2017 冬
グループワーク:8分
班で共有してみてください
全く同一のレポートはありますか?
違いがある場合は違いに注目してみてください
どんな観点で書かれたものなのか
誰のレポートが、分かりやすいと思いましたか?
その理由はなぜですか?
WACATE2017 冬
インシデントレポート :Reboot
WACATE2017 冬
このセッションのゴール
ほとんどレポートを書いたことがない人
 インシデントレポートとは何なのかを知り
明日から報告ができるように
普段それなりに報告している人
 目的を再認識し、レポートを改善するきっかけ
を見つけてください
インシデントレポート職人の皆様
 最高のレポートを提供するための見直しとして
WACATE2017 冬
Re:インシデントレポートとは
調査が必要となる事象が発生したときに、
それを報告するためのドキュメント
→ 開発担当者
→ テストリーダー
→ プロジェクトリーダー
WACATE2017 冬
Re:インシデントレポートとは
テストを実施する
テストケースの環境、手順に沿った操作
→ 思い通りに動かない = 期待と違う
期待結果と操作の結果を比較
⇒ インシデント
WACATE2017 冬
Re:インシデントレポートとは
期待と違う動作を修正してもらうために
開発担当者へ依頼をする
そのための手段のひとつとして、
インシデントレポートがある
WACATE2017 冬
分かりやすいレポートとは
開発者目線になって…
現象の把握がしやすいこと
何を実施しようとして発見したのか
期待動作が記載されている
再現できること
環境や手順が明確であること
etc…
WACATE2017 冬
どんな項目があると良いか
考えることも非常に重要ですが、
先人の知恵(「規格」)を拝借
ISO/IEC/IEEE 29119-3
ご参考:「60分でわかった気になるISO29119」
https://www.slideshare.net/kjstylepp/60iso29119-wacate
WACATE2017 冬
ISO29119-3
Scope
References
Glossary
Incident details
Timing information
Originator
Context
Description of the
incident
Originator’s
assessment of
severity
Originator’s
assessment of
priority
Risk
Status of the
incident
WACATE2017 冬
IEEE829(ご参考)
識別ID
概要
詳細
入力
期待結果
実際の結果
障害内容
日付
実行手順
環境
再現手順
テスト担当者
オブザーバ
影響範囲
WACATE2017 冬
個人&グループワーク
どんな項目があり、何が書かれていると
より良いレポートになるでしょうか
それぞれの立場に立って、考えてみて下さい
開発担当者
テストリーダー
プロジェクトリーダー
WACATE2017 冬
個人&グループワーク
付箋1枚に1項目書き出す
なぜその項目が必要なのか
その項目があると誰が嬉しいのか
WACATE2017 冬
全体共有
各班で 1〜2つ、
どんな項目があがったか
なぜその項目が必要なのか
その項目があると誰がうれしいのか
を発表してください
WACATE2017 冬
情報源としてのレポート
インシデントレポートは情報の宝の山
適切な項目を書いてもらうことで
あらゆるものが可視化される
テストの進捗状況/品質状況 → 今後の予測
モジュール毎の不具合の偏り → テスト濃淡
根本原因/抽象化された事象 → テストの入力
etc,etc…
WACATE2017 冬
やりすぎには注意
項目が多ければ多いほど、入力に工数が
かかる
その項目は本当に必要なのか?
誰のために
何のために
”面倒臭い” と思われたら負け
WACATE2017 冬
まとめ(まだワークあるよ)
WACATE2017 冬
私が考えるインシデントレポート
インシデントレポートは様々なひととの
コミュニケーション手段のひとつ
開発者、テストリーダー、プロジェクトリーダー
インシデントを正しく、分かりやすく
「伝える」ことが重要
WACATE2017 冬
私の好きな名言
WACATE2011 夏 より
WACATE2017 冬
インシデントレポートは書くこと自体が目的ではない。
読む人に何か訴えたい、
伝えたいことがあるから書くもので、さらに、
読んだ人を動かす、何かアクションを起こしてもらう
ために書くものなんだ
http://jibun.atmarkit.co.jp/lcom01/special/wacate2011/02.html
私の考える「良い」レポート
読む人にとって、必要な情報が書かれている
分かりやすく書かれている
⇒ インシデントレポート単体で見たときには
もちろん必要なこと
WACATE2017 冬
私の考える「良い」レポート
「そもそも何でインシデントレポートが
必要なんだっけ」
テスト活動の一環
品質を確保するため
プロセス改善をするための情報提供として
他人に影響を与えられるレポート
WACATE2017 冬
最後のワーク
WACATE2017 冬
またしても……!
ユーザビリティテストセッションで扱った
BlackWACATEに不具合(インシデント)が
発生しました!
インシデントレポートを作成して
開発担当者に現象を伝えて下さい
WACATE2017 冬
個人ワーク:
以下のテストケースを実施してください
手順:
1. <URL> にアクセス
2. 「会社:」に「わかてB」と入力し検索
 期待結果:
 検索結果が何も表示されないこと
(わかてB という会社は存在していない)
WACATE2017 冬
今度は、こんなことを意識して見てください
誰のためにレポートを書いているのか
何のためにレポートを書いているのか
そのレポートはどんな価値を持つのか
最初のワーク結果と変わった所はありますか?
WACATE2017 冬
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