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クリティカル・シンキングを学ぶメリット
          ・ユニークな解決策を生み出せたりすることで、仕事がずっと効率的に楽しく進められる
          ・仕事の生産性が上がる
          ・効率的/効果的なコミュニケーションに役立つ
          ・相手の言いたいことやその前提を的確に理解できる など

          クリティカル・シンキングのための4つの基本姿勢
          ・目的は何かを常に意識する(そもそも何を考え、論じるべきか?)
          ・前提条件、置かれた環境に合わせて考える(自分自身、あるいは相手の思考のクセを意識しながら考える)
          ・Issueを踏まえたうえで、「考える枠組み」を考える(どんなことを考えれば、目的を果たすことができるのか?)
          ・問い続ける
          ⇒この4つを意識し続けるだけでも、考え方は整理され、深みや広がりが出てくるはず。

          クリティカル・シンキングのポイント
          ・正しく論理展開する
          ・因果関係を把握する
          ・構造的にアプローチする(事象の構造化:MECE、ロジックツリー、フレームワーク)

          問題解決のための2つのステップ
          1、事象の構造化(問題の特定 → 解決策の立案)
          2、論理の構造化(ピラミッドストラクチャ―による効率的なコミュニケーション、周りを巻き込むコミュニケーション)
          ※問題を分析する際には、状況を「分解」することが基本となる
          ※効率とスピードが大事

          ビジネスパーソンの癖
          ●言い切れない
          情報を羅列するだけで、結論を導き出さない。全ての情報をそろえたい、絶対的な答えがある、間違いたくないな
          ど。リスクを取らない。

          ●安易に答えに飛びつく
          自分の思いつく範囲で答えるので、他の可能性を検討しない、思考を止める。
          コツは、「Why?」「So What?」「True?」で深堀すること。

          ●目の前の問題に捕らわれる
          「何を知りたいのか」という目的意識の欠如

          ●諦めが早い
          論理展開が尐し複雑になると、それを検証したりする気力がなくなり、ある程度のレベルで妥協するタイプ。仕事全
          般に淡泊で、しつこく結果を出そうとしない。

          ●目的を見失う
          問題の一部だけに注目したり、問題のあちこちを意味もなく検討したりして、なかなか全体的な解決に至らなくな
          る。
          コツは、望ましい結論を上手くイメージすること。

          ●考えるべき論点が分からない
          コツは、固有名詞ではなく、尐し概念的な言葉を使ってみること。5W1Hも有効。

          ●抽象的な言葉をしっかり定義しない
          たいてい使っている本人は、具体的に考えていない。大事なポイントは極力具体的に考え、表現すること。

          論理展開(演繹法/帰納法)
          主張の背景にある理屈を説明することが論理展開。論理展開は、演繹法と帰納法の2種類からなる。
          複雑な論理展開も、演繹法と帰納法の組み合わせにすぎない。
          演繹法と帰納法が使えないと、理解力、反論力、推理力、説得力、創造性の低下を招く。
          演繹と帰納を使って、ピラミッドストラクチャーを作る。

          演繹法:
          観察事項をルールや一般論に照らし合わせ、観察事項がルールに合っているかどうかで結論を出す。

          帰納法:
          想像力が必要で、結論は1つとは限らない。また、ある程度の知識が必要とされる。


クリティカル・シンキング - 1 ページ
想像力が必要で、結論は1つとは限らない。また、ある程度の知識が必要とされる。
          帰納法の結論は本来推量の形をとるべきだが、実際には少ない例から結論をだし、断定の形をとることが多い。

          【演繹法/帰納法の落とし穴】
          ・間違った情報がある
          ・隠れた前提により、真意が伝わらない、誤解される→相手の隠れた前提に注意する
          ・論理の飛躍(聴き手に疑問を抱かせる、論理展開が間違っている)
          ・ルールとケースのミスマッチ→ビジネスでのルールは絶対的なものではなく、ある条件下でのみ成立する
          ・ステレオタイプによる軽率な一般化
          ・不適切なサンプリング(数や調査対象の不適切さ)

          ビジネスにおける妥当性
          理由を説明したときに、8割方の人が納得できる

          【因果関係とは】
          ・時間的順序が正しい
          ・相関関係が存在する(一方が変われば、他方も変わる)
          ・第三因子が存在しない

          因果関係を見極める(原因を特定する)コツ
          ●数値データやヒアリング、一般常識に加え、それまでに蓄えた知識や経験を総動員して、8割方正しいと思えるま
          で推量・類推すること。

          ●精度を上げるコツは、知識・経験を最大限に活用しつつも、あまりそれにとらわれすぎないようにすること。客観
          的にチェックすること。

          ●「結果」を具体的に分解して考える
          分解する切り口は「こうでなくてはいけない」という法則はない。
          また、きれいに割り切れる切り口でないといけないというわけでもない。「これで主なところは押さえた」という認識で
          充分。

          ●何故を5回繰り返す

          【因果関係のパターン】
          ・単純な因果関係
          ・にわとりーたまご
          ・複雑な因果関係

          ※にわとりーたまご
          いったん回り始めたサイクルは加速しやすく止めることは難しい。サイクルの2,3か所同時に働きかけなければな
          らない。
          サイクルが回り始める初期の段階でアクションをとることが重要。

          ※複雑な因果関係
          逆説的だが、あまり視野を広げすぎないことに注意する。どこが問題の根幹なのかをとらえて、その部分に焦点を
          当てて考える。
          また、成果が出なかった場合にくじけてしまわないように、最初は小さな成果でも良いから、成功体験を積み重ねな
          がら、 自信を持ち、くじけないようにすることが肝心。

          【因果関係のチェックポイント】
          ・直観による判断
          ・第三因子の見落とし
          ・因果の取り違え(にわとりーたまご)
          ・最後のわら

          事象の構造化のステップ
          1、Issueの特定
          2、重要度の高い問題点の特定
          3、原因分析
          4、解決策の立案

          ※Issueの特定


クリティカル・シンキング - 2 ページ
※Issueの特定
          目的は何か、何を実現したいかをとらえ、そのうえで何を考え、分析すべきかを考える。

          ※原因分析
          因果の構造を明らかにしていく。

          ※解決策の立案
          まずどんな手段があるのかを洗い出し、評価する。
          手段を考える際には、頭の中で状況をイメージして思い浮かべることが有効。
          いったん手段を特定したら、目的を意識しながら「これで十分か?」を問いかけてみる。
          1つでは足りないなら、他の手段を組み合わせてみる。

          ★ポイント★
          ・飛躍しない。1つずつプロセスを踏む
          ・4つのステップを順序通りに踏む

          目的と手段
          目的の設定次第で、必要な手段は変わってくる。逆に言えば、ある手段を選択するさいには、目的が明確に定めら
          れている必要がある。
          まず目的を明確に定め、関係者に徹底することが、問題解決には必須である。

          ・原因と結果 → 過去のこと
          ・目的と手段 → 未来のこと

          目的と手段における不都合な状況
          ・真の目的が共有されていない
          ・手段の目的化
          ・予期せぬ副産物

          問題の発見
          ●MECE
          ・MECEのコツは、最初の目的を確認すること、その目的に沿った分類を意識すること。
          ・問題点を絞り込める切り口であること。
          ・そのためには、あらかじめ仮説を立てておくことで効率を高めることができる。
          ・しかし、目的に合わせて意味のある分類をすることは意外に難しい。
          ・8~9割の精度で十分。
          ・全体集合があいまいなモノを分解することは難しい。

          ※コツは、全体をイメージし定義する/違う切り口を混ぜない

          ●フレームワーク
          ・3C
          ・ビジネスシステム(サプライチェーン、バリューチェーン)
          ・マトリックス分析 など

          ●ロジックツリー
          上位概念を下位概念に分解していく。それぞれのレベルでMECEになっている。
          下位概念をグルーピングして階層化するのも有効。

          ●因果の構造化
          因果関係を図解化すること。
          ポイントは、「粗を作ってその後に細かい部分をつなぐ」「最後に重要なところを抜き出す」というプロセスを踏むこ
          と。
          大筋に関係のない枝葉は切り落とす。
          飛躍しすぎないことも重要。距離感がある場合には、間を細かく埋める作業を地道に繰り返す。

          【ロジックツリーの注意点】
          ・最初のテーマ設定に注意する(狭くしすぎない)
          ・複数の切り口を持つ
          ・目的を意識して意味のある切り口で分解する
          ・アウトプットからインプットにさかのぼる(最終結果に近いところから、ロジックツリーで分解していく)
          ・抽象度の高い上位概念から分解していく


クリティカル・シンキング - 3 ページ
・抽象度の高い上位概念から分解していく
          ・手を動かし、目を使って最適な構造を考えていく

          説得力のあるコミュニケーション
          会社では責任が重くなるほど、明確に自分なりの主張を打ち出すことが求められる。
          そのためには、
          ・聴きたいことにダイレクトに答えており、明快である
          ・ヌケ漏れがなく、全体の枠組みに納得感がある
          ・Issueに向かってそれぞれの事実から意味合いが形成されており、かつ正しい根拠が整理されている
          ようなコミュニケーションが必要になる。

          ピラミッドストラクチャ―のステップ
          1、Issueを特定する(受けての関心は何か?)
          2、論理の枠組みを考え、情報をグルーピングする
          3、So What?を問いかけ、演繹・帰納によるメッセージの抽出
          4、Why?True?で論理のチェック

          ※論理の枞組みを考え、情報をグルーピングする
          情報が不足して適切なメッセージの抽出が難しい場合がある。上位メッセージに関する仮説に基づきながら、
          必要な情報をきちんと集めるという作業が不可欠になる。

          ※So What?を問いかけ、演繹・帰納によるメッセージの抽出
          メッセージは情報から言えることである。必然的に具体的な内容になるし、1つのものが出てくるとは限らない。
          また、絶対に正しいメッセージは存在しない。

          ※Why?True?で論理のチェック
          ・メッセージの下にある理由を読んで納得感があるか?
          ・再びIssueを確認する。キーメッセージとIssueは強く結びついているか?
          ・メインメッセージとキーメッセージで言いたいことの8割が伝わるか?
          ・下の階層が十分な根拠になっているか?

          ※作成の途中で不適当だと思ったらどんどん作り直していくことが重要。
          どうしても上手くいかないときは、枞組み自体を見直すと良い。

          ※文章でまとめるレポートなどは、接続詞や助詞を補う

          論理の構造化のチェックポイント
          1、Issueを押さえ続ける
          2、論理の枞組みをしっかり考える
          3、受け手の立場に立って考える
          4、言葉の定義を明確にする/キーワードでなく、フルセンテンスで考える

          ロジックツリーとピラミッドストラクチャーの違い
          事象の構造化に使うのがロジックツリー。問題分析に役立つ。
          論理の構造化で使うのが、ピラミッドストラクチャ―。効率的なコミュニケーションに役立つ。

          貼り付け元 <http://blog.livedoor.jp/chain_of_knowledge/>




クリティカル・シンキング - 4 ページ

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クリティカル・シンキング

  • 1. クリティカル・シンキングを学ぶメリット ・ユニークな解決策を生み出せたりすることで、仕事がずっと効率的に楽しく進められる ・仕事の生産性が上がる ・効率的/効果的なコミュニケーションに役立つ ・相手の言いたいことやその前提を的確に理解できる など クリティカル・シンキングのための4つの基本姿勢 ・目的は何かを常に意識する(そもそも何を考え、論じるべきか?) ・前提条件、置かれた環境に合わせて考える(自分自身、あるいは相手の思考のクセを意識しながら考える) ・Issueを踏まえたうえで、「考える枠組み」を考える(どんなことを考えれば、目的を果たすことができるのか?) ・問い続ける ⇒この4つを意識し続けるだけでも、考え方は整理され、深みや広がりが出てくるはず。 クリティカル・シンキングのポイント ・正しく論理展開する ・因果関係を把握する ・構造的にアプローチする(事象の構造化:MECE、ロジックツリー、フレームワーク) 問題解決のための2つのステップ 1、事象の構造化(問題の特定 → 解決策の立案) 2、論理の構造化(ピラミッドストラクチャ―による効率的なコミュニケーション、周りを巻き込むコミュニケーション) ※問題を分析する際には、状況を「分解」することが基本となる ※効率とスピードが大事 ビジネスパーソンの癖 ●言い切れない 情報を羅列するだけで、結論を導き出さない。全ての情報をそろえたい、絶対的な答えがある、間違いたくないな ど。リスクを取らない。 ●安易に答えに飛びつく 自分の思いつく範囲で答えるので、他の可能性を検討しない、思考を止める。 コツは、「Why?」「So What?」「True?」で深堀すること。 ●目の前の問題に捕らわれる 「何を知りたいのか」という目的意識の欠如 ●諦めが早い 論理展開が尐し複雑になると、それを検証したりする気力がなくなり、ある程度のレベルで妥協するタイプ。仕事全 般に淡泊で、しつこく結果を出そうとしない。 ●目的を見失う 問題の一部だけに注目したり、問題のあちこちを意味もなく検討したりして、なかなか全体的な解決に至らなくな る。 コツは、望ましい結論を上手くイメージすること。 ●考えるべき論点が分からない コツは、固有名詞ではなく、尐し概念的な言葉を使ってみること。5W1Hも有効。 ●抽象的な言葉をしっかり定義しない たいてい使っている本人は、具体的に考えていない。大事なポイントは極力具体的に考え、表現すること。 論理展開(演繹法/帰納法) 主張の背景にある理屈を説明することが論理展開。論理展開は、演繹法と帰納法の2種類からなる。 複雑な論理展開も、演繹法と帰納法の組み合わせにすぎない。 演繹法と帰納法が使えないと、理解力、反論力、推理力、説得力、創造性の低下を招く。 演繹と帰納を使って、ピラミッドストラクチャーを作る。 演繹法: 観察事項をルールや一般論に照らし合わせ、観察事項がルールに合っているかどうかで結論を出す。 帰納法: 想像力が必要で、結論は1つとは限らない。また、ある程度の知識が必要とされる。 クリティカル・シンキング - 1 ページ
  • 2. 想像力が必要で、結論は1つとは限らない。また、ある程度の知識が必要とされる。 帰納法の結論は本来推量の形をとるべきだが、実際には少ない例から結論をだし、断定の形をとることが多い。 【演繹法/帰納法の落とし穴】 ・間違った情報がある ・隠れた前提により、真意が伝わらない、誤解される→相手の隠れた前提に注意する ・論理の飛躍(聴き手に疑問を抱かせる、論理展開が間違っている) ・ルールとケースのミスマッチ→ビジネスでのルールは絶対的なものではなく、ある条件下でのみ成立する ・ステレオタイプによる軽率な一般化 ・不適切なサンプリング(数や調査対象の不適切さ) ビジネスにおける妥当性 理由を説明したときに、8割方の人が納得できる 【因果関係とは】 ・時間的順序が正しい ・相関関係が存在する(一方が変われば、他方も変わる) ・第三因子が存在しない 因果関係を見極める(原因を特定する)コツ ●数値データやヒアリング、一般常識に加え、それまでに蓄えた知識や経験を総動員して、8割方正しいと思えるま で推量・類推すること。 ●精度を上げるコツは、知識・経験を最大限に活用しつつも、あまりそれにとらわれすぎないようにすること。客観 的にチェックすること。 ●「結果」を具体的に分解して考える 分解する切り口は「こうでなくてはいけない」という法則はない。 また、きれいに割り切れる切り口でないといけないというわけでもない。「これで主なところは押さえた」という認識で 充分。 ●何故を5回繰り返す 【因果関係のパターン】 ・単純な因果関係 ・にわとりーたまご ・複雑な因果関係 ※にわとりーたまご いったん回り始めたサイクルは加速しやすく止めることは難しい。サイクルの2,3か所同時に働きかけなければな らない。 サイクルが回り始める初期の段階でアクションをとることが重要。 ※複雑な因果関係 逆説的だが、あまり視野を広げすぎないことに注意する。どこが問題の根幹なのかをとらえて、その部分に焦点を 当てて考える。 また、成果が出なかった場合にくじけてしまわないように、最初は小さな成果でも良いから、成功体験を積み重ねな がら、 自信を持ち、くじけないようにすることが肝心。 【因果関係のチェックポイント】 ・直観による判断 ・第三因子の見落とし ・因果の取り違え(にわとりーたまご) ・最後のわら 事象の構造化のステップ 1、Issueの特定 2、重要度の高い問題点の特定 3、原因分析 4、解決策の立案 ※Issueの特定 クリティカル・シンキング - 2 ページ
  • 3. ※Issueの特定 目的は何か、何を実現したいかをとらえ、そのうえで何を考え、分析すべきかを考える。 ※原因分析 因果の構造を明らかにしていく。 ※解決策の立案 まずどんな手段があるのかを洗い出し、評価する。 手段を考える際には、頭の中で状況をイメージして思い浮かべることが有効。 いったん手段を特定したら、目的を意識しながら「これで十分か?」を問いかけてみる。 1つでは足りないなら、他の手段を組み合わせてみる。 ★ポイント★ ・飛躍しない。1つずつプロセスを踏む ・4つのステップを順序通りに踏む 目的と手段 目的の設定次第で、必要な手段は変わってくる。逆に言えば、ある手段を選択するさいには、目的が明確に定めら れている必要がある。 まず目的を明確に定め、関係者に徹底することが、問題解決には必須である。 ・原因と結果 → 過去のこと ・目的と手段 → 未来のこと 目的と手段における不都合な状況 ・真の目的が共有されていない ・手段の目的化 ・予期せぬ副産物 問題の発見 ●MECE ・MECEのコツは、最初の目的を確認すること、その目的に沿った分類を意識すること。 ・問題点を絞り込める切り口であること。 ・そのためには、あらかじめ仮説を立てておくことで効率を高めることができる。 ・しかし、目的に合わせて意味のある分類をすることは意外に難しい。 ・8~9割の精度で十分。 ・全体集合があいまいなモノを分解することは難しい。 ※コツは、全体をイメージし定義する/違う切り口を混ぜない ●フレームワーク ・3C ・ビジネスシステム(サプライチェーン、バリューチェーン) ・マトリックス分析 など ●ロジックツリー 上位概念を下位概念に分解していく。それぞれのレベルでMECEになっている。 下位概念をグルーピングして階層化するのも有効。 ●因果の構造化 因果関係を図解化すること。 ポイントは、「粗を作ってその後に細かい部分をつなぐ」「最後に重要なところを抜き出す」というプロセスを踏むこ と。 大筋に関係のない枝葉は切り落とす。 飛躍しすぎないことも重要。距離感がある場合には、間を細かく埋める作業を地道に繰り返す。 【ロジックツリーの注意点】 ・最初のテーマ設定に注意する(狭くしすぎない) ・複数の切り口を持つ ・目的を意識して意味のある切り口で分解する ・アウトプットからインプットにさかのぼる(最終結果に近いところから、ロジックツリーで分解していく) ・抽象度の高い上位概念から分解していく クリティカル・シンキング - 3 ページ
  • 4. ・抽象度の高い上位概念から分解していく ・手を動かし、目を使って最適な構造を考えていく 説得力のあるコミュニケーション 会社では責任が重くなるほど、明確に自分なりの主張を打ち出すことが求められる。 そのためには、 ・聴きたいことにダイレクトに答えており、明快である ・ヌケ漏れがなく、全体の枠組みに納得感がある ・Issueに向かってそれぞれの事実から意味合いが形成されており、かつ正しい根拠が整理されている ようなコミュニケーションが必要になる。 ピラミッドストラクチャ―のステップ 1、Issueを特定する(受けての関心は何か?) 2、論理の枠組みを考え、情報をグルーピングする 3、So What?を問いかけ、演繹・帰納によるメッセージの抽出 4、Why?True?で論理のチェック ※論理の枞組みを考え、情報をグルーピングする 情報が不足して適切なメッセージの抽出が難しい場合がある。上位メッセージに関する仮説に基づきながら、 必要な情報をきちんと集めるという作業が不可欠になる。 ※So What?を問いかけ、演繹・帰納によるメッセージの抽出 メッセージは情報から言えることである。必然的に具体的な内容になるし、1つのものが出てくるとは限らない。 また、絶対に正しいメッセージは存在しない。 ※Why?True?で論理のチェック ・メッセージの下にある理由を読んで納得感があるか? ・再びIssueを確認する。キーメッセージとIssueは強く結びついているか? ・メインメッセージとキーメッセージで言いたいことの8割が伝わるか? ・下の階層が十分な根拠になっているか? ※作成の途中で不適当だと思ったらどんどん作り直していくことが重要。 どうしても上手くいかないときは、枞組み自体を見直すと良い。 ※文章でまとめるレポートなどは、接続詞や助詞を補う 論理の構造化のチェックポイント 1、Issueを押さえ続ける 2、論理の枞組みをしっかり考える 3、受け手の立場に立って考える 4、言葉の定義を明確にする/キーワードでなく、フルセンテンスで考える ロジックツリーとピラミッドストラクチャーの違い 事象の構造化に使うのがロジックツリー。問題分析に役立つ。 論理の構造化で使うのが、ピラミッドストラクチャ―。効率的なコミュニケーションに役立つ。 貼り付け元 <http://blog.livedoor.jp/chain_of_knowledge/> クリティカル・シンキング - 4 ページ