Uml速習会

UML速習会
図で表現するということ
住友孝郎/Takao Sumitomo

シゴトでココロオドル
• 住友孝郎(Takao Sumitomo)
• たぶんAndroidアプリ開発者
• その他
– 電子工作
– OpenCV
– 技術同人誌の執筆
• Twitter:@cattaka_net
• ウォンテッドリー株式会社所属
自己紹介

UMLとは

• Unified Modeling Languageの略
• 複数の図から構成される表現方法
• OMG(Object Management Group)が管理
• 様々な側面から対象を描くことができる
概要

• 一般的な表記法
– フローチャート
– バブルチャート
– データフロー図
• 主な問題
– 表現力が弱い
– オレオレ記法を入れざるを得ない
なぜUMLか

• オレオレ記法が入ると、、、
– 描いた人にしかわからない
– 矛盾が発生しやすい
• なので、こなれた表記法を使いましょう
– すなわちUMLを用いる
なぜUMLか

• スケッチとして
• 設計図として
• プログラミング言語として
何に使えるか

• 紙に描けないものは実装できない
• 実装できても正しく動いてるか確認できない
主張
もちろん設計の全てを描き出す必要はない

• 主語-動詞-目的語の関係
– 例：「ファイル送信機能」は「チャット機能」を拡張する
• 物やデータの移動の関係
– 例：「商品」を「倉庫」からお客様のところへ配送する
余談：オレオレ記法に見られる矢印
これらを区別なく描くとグラフを見た人が混乱する

UMLの使った開発の進め方

• 実装は大きく３つの側面がある
実装の三面図
実装
振る舞い構造
相互作用

• 実装の幻を思い浮かべる
実装
の幻
開発の進め方１

• ３つの側面の図を描く
開発の進め方２
実装
の幻
振る舞い図構造図
相互作用図

• お互いの図に矛盾が無いことを確認する
開発の進め方３
相互作用図

• 実際の実装を作っていく
開発の進め方４
相互作用図
本物
の
実装

UMLの各図の紹介

• 構造図
– オブジェクト図
– クラス図
– パッケージ図
– コンポーネント図
– コンポジット構造図
– 配置図
UMLの図の種類
• 振る舞い図
– ユースケース図
– アクティビティ図
– ステートマシン図
• 相互作用図
– コミュニケーション図
– シーケンス図
– タイミング図
– 相互作用概要図

• ユーザー視点でシステムの振る舞いを描く
• システムの要件とその関連の整理に便利
振る舞い図：ユースケース図

• 書き方
– 登場人物を洗い出す
– ユースケース（やりたいこと）をリストアップする
– 登場人物とユースケースを図に描き出す
– それぞれの関連の線を引く

• 順次処理や並列処理を表記できる
• フローチャートに似た表記法である
• 開始ノードから終了ノードへの一連の流れで表す
振る舞い図：アクティビティ図

• 描き方
– 登場人物のアクション（やること）をリストアップす
る
– アクションを図に描き出す
– それぞれの順序の線を引く

• 相互作用の順序を厳密に表すことが出来る
• 横方向にオブジェクトを並べて表記する
• 上から下へ時系列順に表記する
• マルチスレッド処理の記述に威力を発揮する
相互作用図：シーケンス図

• 描き方
– 登場人物間のメッセージ（やりとり）をリストアップ
する
– メッセージの順番を整理する
– 登場人物のライフラインを引く
– メッセージをライフライン上に描いていく
相互作用図：シーケンス図

• オブジェクト間の相互作用を表す
• オブジェクト間の接続(関係)を表す
相互作用図：コミュニケーション図

• 描き方
– 登場人物間のメッセージ（やりとり）をリストアップ
する
– 登場人物を図に描く
– 登場人物間で関連があるものに線を引く
– 番号を振りならがメッセージを書き込んでいく
相互作用図：コミュニケーション図

• システムの構造を表現する
• システム全体の構成を見渡せる
構造図：コンポーネント図

• 描き方
– コンポーネントを洗い出す
– 各コンポーネントが提供する機能を洗い出す
– 各コンポーネントが必要とする機能を洗い出す
– 提供する機能と必要とする機能を繋いでいく
構造図：コンポーネント図

• クラス間の構造や関連を表現する
• ER図のように多重度の表現にも強い
構造図：クラス図
リンク
コンポジション

• 描き方
– 登場するクラスを洗い出す
– 関連するものに線を引く
– ユースケースなどから多重度を決定する
– 必要な属性や操作を埋めていく
構造図：クラス図

例：反社チェックをUMLで描く
実装
の幻
相互作用図

反社チェックをアクティビティ図で描く

反社チェックをシーケンス図で描く

例：Syncの全体設計をUMLで描
く
実装
の幻
相互作用図

Syncの全体設計をユースケース図をUMLで描く

Syncの全体設計をコンポーネント図をUMLで描く

例：認証の流れをUMLで描く
実装
の幻
相互作用図

認証の流れをアクティビティ図

認証の流れをシーケンス図

認証の流れをコミュニケーション図

実装
の幻
相互作用図
例：Syncアプリの構成をUMLで
描く

Syncアプリの構成をクラス図で描く

Syncアプリの状態遷移をステートマシン図で描く

実習：UMLで書こう

• コンソールアプリの三目並べ
• 先手と後手が交互に入力する
• 勝負がつくと終了する
お題：三目並べ

ユースケース図

アクティビティ図

クラス図

まとめ

• メリット
– 矛盾が発生しにくい
– 一つの事象を複数の方面から捉えられる
– 他人との意思疎通に使える
• デメリット
– 冗長な表記が多い
– 図の数が多い
UMLについて

• UMLに限らず物事をモデル化して捉えよう
• 自身の思考のモデルを増やそう
• 意思疎通を取る手段を増やそう
最後に

ご清聴ありがとうございました

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