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これからの開発に役立つ
ソフトウェアテスト
(エッセンシャル
版)
Useful software testing in the latest
development – short version.
15:15-16:00 7th Dec. 2019 Online Test conf.
Japan
2
自己紹介 湯本剛(@yumotsuyo)
経歴
1991年 工作機器メーカーで経理部に所属し、生産管理システムの受入テストに従事
1995年 メーカー系列ソフトハウスにてテストリーダーとしてアプリ開発に従事
– 財務会計のパッケージソフト、プリンタ、スキャナ、製造業受託開発(在庫管理、生産管理など)、顧客向けプロダク
ト販売Webサイト構築など
2003年 ソフトウェアテストコンサルタントとなりテストプロセス改善コンサル、
テストツール導入支援、テスト教育に従事
2010年 日本ヒューレット・パッカード(HP) ソフトウェア部門にて、ALM製品の
プリセールスに従事
2014年 日本HPのサービス部門にて、デリバリー案件のテストマネジメント、
QA組織立ち上げのコンサルテイング&デリバリー
2017年 外資系損保 ソリューションデリバリー部テスティング課 課長
現在(2019年11月)
2019年 freee株式会社 テスト師匠 /(株)ytte Lab 代表 & コンサルタント
NPO法人 ASTER:ソフトウェアテスト技術振興協会 理事
JSTQB(認定ソフトウェアテスト技術者資格制度)技術委員
ISO/IEC JTC1/SC7 WG26 幹事(ISO29119:テストプロセス標準の策定)
著書
 書籍(6冊): ビジネス主導のテストプロセス改善、現場の仕事がバリバリ進むテスト手法、ソフトウェアテストの基礎、
JSTQBソフトウェアテスト教科書、基本から学ぶソフトウェアテスト、ソフトウェアテスト293の鉄則
 学術論文: 「データ共有タスク間の順序組合せテストケース抽出手法」電気学会 論文誌C Vol. 137 No. 7
 国際学会: A Test Analysis Method for Black Box Testing Using AUT and Fault Knowledge など多数
 雑誌、ネット記事: 日経ITProなど多数
いまどきの開発
開発にどんな変化が起きているのか?
4
言えること
今、本当に欲しいものがわからない
1年経てば、トレンドが変わる
大規模システムは解きほぐせない
5
言えること
大規模システムは解きほぐせない
複雑なコード、大量の結合点、大量で細かいテスト
6
7
言えること
1年経てば、トレンドが変わる
完成した時には時代遅れ
8
9
言えること
今、本当に欲しいものがわからない
なんでも載せればいいわけでもない
10
11
言えること
大規模システムは解きほぐせない
複雑なコード、大量の結合点、大量で細かいテスト
1年経てば、トレンドが変わる
完成した時には時代遅れ
今、本当に欲しいものがわからない
なんでも載せればいいわけでもない
12
Trial Error
13
開発のバランス
品質
スコープ
コスト
期間
スピード
を速くする
リリース単位
を小さくする
14
15
ソフトウェア7つの原則より
開発のトレンドにテストが足並みを揃えるには
1. テストは欠陥があることは示せるが、
欠陥がないことは示せない
2. 全数テストは不可能
3. 早期テストで時間とコストを節約
4. 欠陥の偏在
5. 殺虫剤のパラドックスにご用心
6. テストは状況(context)次第
7. 「バグゼロ」の落とし穴
ここを具体的にする必要あり
16
変わることと変わらないことをわきまえる
開発のトレンドとテストへの影響
オープンソース
• 開発ベンダーに依存しない(コントロール可能)
• オープンないろいろなものを組み合わせる
クラウド
• インフラ調達が瞬時にできる(コントロール可能)
• 運用と開発が分離しないのでリリーススピードUp
アジャイル開発
• トライアル&エラーな開発で少しずつ作る
• 微調整を繰り返すことができるようにする
マイクロサービスアーキテクチャー
• 小さく頻繁なリリースをしても他に影響を与えない
• 重複を許可して結合点を最小限にする
• リグレッションテストが主役
• 組み合わせの境界をテスト
• 本番環境でのテスト
• スタブでテスト(機能、性能)
• 意識合わせしながらテスト
• リグレッションテストさらに主役
※テストで得るメトリクスが変わる
• 機能トグルを使ったテスト
• 結合点の保証方法をテスト
Trends in Dev Challenges in Test
これからの開発に役立つテスト
テストをどう役立てるのか?
18
いまどきの開発とテストの関係あるある
PM/PO
eng
QA
1人
数人
たくさん
区切
体制
開発期間
パターン1:開発期間よりQA期間の方が長い
パターン2:開発期間の後、すぐにQAに入れない
開発 QA
Go-live
Go-live開発 QA
区切
19
理想的な将来
PM/PO
eng
1人
数人
体制
QAのロールは包含されている
開発期間
現在の開発期間より長くなるが全体的には短縮
リグレッションテストは特定のリリースとは非同期に継続して行う
本番環境の欠陥が見つかったらすぐに修正モジュールをリリースする
開発 (QA) Go-live
リグレッションテスト自動化
SET
QAチーム
各開発チームへの
横断的な支援
リグレッション
バグ対応
20
テストをどう変えるか?
開発とQAが別チーム
というアプローチ
QAがチームに内在するアプ
ローチ(チーム自身が品質に
対する判断をする)
Traditionalな品質リスク
の許容度合い
いまどきの品質リスク許容度
合い(すぐに修正/リリース
できる欠陥は許容する)
ビッグバンテスト
(リリース前に大量
にテストをする)
予防テスト(リリース直前に
欠陥修正による手戻りがない
ようにテストをする)
品質保証的判断(リリー
ス可能な品質にあること
を様々な証拠をもとに第
三者が判断する)
継続的品質改善(リリースと
は関係なく常にチーム全員が
品質をよくしていく)
※メトリクスを変える
21
テストの「変えてはいけないこと」は?
テスト計画
• 誰が何をテストするのか? =役割分担を曖昧にしない
• 起きてはいけない障害
• テストしといた方が良いこと
テスト分析
• 業務、プロダクト、構造、
品質リスクを理解する
• テストチャーター =なんのためのテストか?を見失ってはいけない
テスト設計
• 自動テストの時は必須
• 手動テストの時に探索的テストをするのであれば、普段の基礎体力をつける
– テスト技法をすぐに使えるようにする
テスト実装
• いまどきの開発に役立つテストの最も重要なポイント
– 自動テスト環境構築、テスト実行環境構築、テスト環境へのリリース用パイプライン
テスト実行
• テスト実行状況の把握
• 欠陥追跡、欠陥分析
=品質リスクを合意する
=「さじ加減」を正しく理解する
22
テストプロセスは変わらない
やることはコンテキストに合わせる
23
いつの時代も変わらない - テストの大きな役割
品質の良いものを世の中に
送り出すための大事な手段
・品質計測のインプット情報
として鮮度がよく綺麗な情報
を渡すこと
開発ライフサイクルの主要
な活動
・技術業として、決められた
QCDを達成できるように仕事
をすること
SWEBOKを参考に記述した品質マネジメント体系
<アロー図>
どれだけ正しく写す鏡か?
どれだけ効率的にできるか?
24
テストの役割は変わらない
やることはコンテキストに合わせる
25
まとめ
いまどきの開発
• どんな変化が起きてるのか
• テストの変わることと変わらないこと
これからの開発に役立つソフトウェアテスト
• いまどきの開発のテストあるある
• テストの何をどう変えるのか?
ご清聴
ありがとうございました

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Editor's Notes

  • #2: ソフトウェアテストは、ソフトウェア開発の中で平均して40%以上の工数を占めると言われています。 テストを効率的に行いコスト削減することが開発コストの削減に直結します。 しかし、現場では「テスト工数が足りない」「品質が確保できない」といった課題があることも多く見受けられます。 本講演では、問題の原因をテストの基本的な考え方とともに説明します。 また、テストマネジメントに携わる立場から、これらの課題にどう対処していく実践例をご紹介します。
  • #24: テストは品質の良い製品を世の中に送り出すための大事な手段   →品質保証の一手段。最も確実に品質を把握できるかわりにコストがかかる。 テストは開発ライフサイクルの中の主要な活動(プロジェクトリスクになる)   →技術力、管理方法次第でクリティカルパスになる ※クリティカルパスとは、プロジェクトの各工程を、プロジェクト開始から終了まで「前の工程が終わらないと次の工程が始まらない」という依存関係に従って結んでいったときに、所要時間が最長となるような経路のこと。
  • #26: 他にもあるからい