環境報告書 2007
目次                                            編集方針

環境報告書 2007 の発行にあたって	             	      		2   「環境報告書 2007」は、独立行政法人産業技術総
産総研憲章	      	      	      	      	      		4   合研究所(以下、
                                                     「産総研」)では 4 回目の発行とな
                                              ります。
総合編
産業技術総合研究所とは    																											6   報告対象範囲
環境研究トピックス	 	              	      	      10      産総研の研究拠点地図に示す事業所、サイトを
環境・安全衛生マネジメント	 	                 	      14     報告対象とします。
環境負荷の全体像	          	      	      	      16      ただし、いくつかの事業所・サイトの環境パ
地球温暖化防止	           	      	      	      18     フォーマンスデータは報告対象から除きます。
大気汚染防止		           	      	      	      21    報告対象期間
水質汚濁防止		           	      	      	      22      2006 年 4 月~ 2007 年 3 月
産総研をとりまく自然	               	      	      24    報告対象分野
廃棄物処理・リサイクル  	 	                 	      26      報告対象範囲における環境活動および労働安全
化学物質の管理             				28                     衛生活動を対象とします。
環境リスクマネジメント	              	      	      30    数値の端数処理
グリーン調達		           	      	      	      32      表示桁未満を四捨五入しています。
社会とのコミュニケーション	 	                 	      33    参考にしたガイドラインなど
安全で快適な職場環境の形成	 	                 	      34    ・「環境報告ガイドライン(2007 年度版) ~持
第三者意見	      	      	      	      	      36      続可能な社会をめざして~」(環境省)
                                              ・「環境情報の提供の促進による特定事業者等の
研究拠点データ編	          	      	      	      38      環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」


                                              次回発行予定
                                                2008 年 9 月


                                              作成部署および連絡先
                                               独立行政法人産業技術総合研究所
                                               環境安全管理部、研究環境整備部門
                                                〒 305-8561
                                                茨城県つくば市東 1-1-1 中央第 1
                                                電話:029-861-2124  FAX:029-861-2125
                                                E-mail:safe@m.aist.go.jp
                                               本報告書に関するご意見、ご質問は上記までお願
                                              いします。
産総研の研究拠点(2007.7.1 現在)


・2006 年度中に廃止されたサイト(東北センター仙台泉サイト、九州センター長崎サイト、九州センター北九州サイト)および丸の内
 サイト(2007 年 4 月 30 日廃止)は報告対象に含みます。
・2007 年度に新設された東京本部大田サイトは報告対象に含みません。
・東京本部(すべての事業所・サイトを含む)、札幌大通りサイト、仙台泉サイト、仙台青葉サイト、つくば苅間サイト、船橋サイト、
 千里サイト、福岡西事業所、長崎サイト、北九州サイトの環境パフォーマンスデータは報告対象から除きます。
環境報告書 2007 の発行にあたっ




     産業技術総合研究所は、産業の発展に寄与する技    イノベーションと呼べるものは、多くの場合異分
    術を創出するために基礎から応用にいたる研究を    野の融合を前提としている。事業の単なる前進と拡
    行っており、その分野はライフサイエンス、情報通   大から、持続可能性へと質的な軌道修正が求められ
    信・エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料・   る産業にとって必要なイノベーションでは、特にそ
    製造、環境・エネルギー、地質、標準・計測など、   のことが重要である。産総研はそのために有効な技
    広い科学技術分野に亘っている。そして、すべての   術を提供しようとしているのであるから、単一分野
    分野で産業が持続可能な方向へと進展してゆくため   の成果だけを生み出しているのでは不十分である。
    の基礎技術を開発することを目的としている。     したがって、現実の研究活動において研究者間の交
     我が国の産業、更には世界の産業が、地球環境の   流と共同が必要である。一般に分野の違う研究者同
    劣化をもたらすことなしに貧困地域の解消を含む経   士が交流することは容易なことではないのである
    済発展を続けることに貢献することは、現在の産業   が、産総研においては、研究者が産業の持続性に向
    技術の単なる発展で成し遂げられるものでないこと   けての重心移動を可能にするための基礎技術を生み
    が明らかとなってきた。それは地球環境に直接影響   出すという共通の目的観を持つことによってそれが
    を与える一次、二次産業のみならず、サービス産業   可能になっている。このように、共通の目的観を持
    を含むすべての産業が対象となる。そこでは、地球   つということは、多くの分野の研究者を擁する産総
    環境に充分配慮した発展、すなわち新しい技術に基   研では特別に重要な意味を持つ。
    づくイノベーションによる産業の展開が必要であ     産総研では、本来の業務における研究活動におい
    る。産総研における研究は、そのイノベーションを   てこのような共通の目的、すなわち産業の持続可能
    可能にするための基礎技術を生み出すことに他なら   性に向けての重心移動を促進する基礎技術の創出と
    ない。したがって、それは単なる基礎研究とその成   いう目的を、自らの存在に重ね合わせることによっ
    果を応用する開発研究ではなく、すべての研究者が   て、産総研の存在自身が持続可能なものになること
    持続可能性という目的を共有した上での本格研究で   を目指す。そしてそれが、産総研における環境戦略
    あり、そのことは研究者を中心とする全所的な研究   の基本である。
    戦略の検討によって研究課題を設定することで実現    研究所として環境に配慮しなければならない点
    されている。                    は、業務である研究の固有性と多様性から言ってき




2   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
って
  独立行政法人産業技術総合研究所
  理事長




 わめて多岐にわたる。材料研究などを中心に、研究        権限が絶対であることの文化を研究所全体に樹立し
 には課題固有のエネルギー投入が不可欠であった         つつある。
 り、大気汚染ガスの排出が不可避であったりする。         産総研ではこれらの環境保全、安全管理などで効
 エネルギー消費に関しては、担当理事を定め全所的        果を上げつつあるが、これは産総研の所員一人一人
 な掛け声の下に、実験条件に対する工夫、省エネル        の努力に負っている。しかしそのような努力の継続
 ギー型設備への更新、また当然のことであるが作業        を可能にしているのは、担当部署の科学的な検討と
 環境の空調における可能な限りの節約によって、3        日々の努力に支えられていることを指摘しておかな
 年計画の初年度に対し 2006 年度は 6.7%の省エネ   ければならない。そしてまた、研究所が環境保全、
 ルギーを実現した。また大気汚染ガスに関しては、        安全管理などで共通の意識を全所員がもつことの大
 監視測定によって基準を超えることがないことを確        切さを忘れてはならない。
 認している。その他、排水、廃棄物なども、担当責         産総研の場合、多岐にわたる研究分野の研究者が
 任部署を中心に、すべての研究実施現場において基        共通の意識を持つことができているのは、個々の研
 準を設定し遵守することを実行している。            究課題、研究遂行の方法、そして創出する成果がまっ
  安全面においても体系的な工夫によってリスクの        たく違うのにもかかわらず、持続可能な要素技術の
 低減を図っている。未知の現象や物質を取り扱うこ        実現という一致した研究目的を共有しているからで
 とは研究の本質であるから、研究所は評価の難しい        ある。私たちは産総研の研究の目的が持続可能性で
 リスクの存在を避けることができないのであるが、        ある以上、研究所の存在自体が決してそれと矛盾し
 これをリスクマネジメントに精通した、熟練した管        ないことを決意しており、また矛盾しないことに誇
 理監の主導で最小化する。すなわち、安全管理につ        りを持っているのである。
 いては、その研究を行っている研究者が細心の注意
 を払うことが求められるのは当然であるが、ただ研
 究者に任せるのではなく、安全管理に熟練した管理
 監の権限で安全という見地を優先して研究条件の改
 善を日常的に実行する。このことが研究者の研究意
 欲と対立することがないとはいえないが、管理監の




                                        産業技術総合研究所 環境報告書 2007   3
4   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
総合編
産業技術総合研究所とは

    ※ 1 独立行政法人       概要                            とを基本理念として定めました。
     独立行政法人制度とは、               ※1
    各府省の行政活動から政策      独立行政法人        である産総研は、2001    産総研は、すべての研究が対応する産業
    の実施部門のうち一定の業
    務・事業を分離し、これを     年 4 月に旧通商産業省工業技術院の 15 研       への寄与を通じ、結果として全産業が持続
    担当する機関に独立の法人
    格を与えて、業務の質の向     究所と計量研修所が統合・再編されて誕生           可能性(サステナビリティ)を向上する方
    上や活性化、 効率性の向上、
    自律的な運営、透明性の向     しました。                         向へ重心移動することに貢献するという目
    上を図ることを目的とする
    制度です。             本部は東京およびつくばにあり、北海道           標を持ち、本格研究※ 2 を強化することで
    ※ 2 本格研究         から九州までの全国 9 ヶ所に研究拠点を          イノベーションを推進していきます。
      科学的な知識の創出(第
    1 種基礎研究)と、それに    配し、多様な産業技術研究を目的とした我
    続く産業が使用することが
    できる形態をもつ知識へと     が国最大級の公的研究機関です。               産総研の研究戦略
    構成する研究(第 2 種基礎
    研究) 、そして製品化研究                                   産総研は基本理念のもと、以下の 4 つ
    を統合し、それらを同時的
    にまた連続的に行う研究を     基本理念と本格研究                     の研究戦略に取り組みます。
    いい、イノベーションの主
    要な過程でもあります。
                      人類を含むすべての生命系は地球が持つ           ● 産業技術政策への貢献

    ※ 3 収入・支出
                     エコロジカルサービス機能の恩恵を享受し            将来の産業技術シーズの創出、産業技術
      各年度の金額は決算報告
    書の決算金額です。
                     て発展してきましたが、人間活動がその機           を支える共通基盤的技術の開発、有望な技
      施設整備にかかる補正予
    算を除いてあります。
                     能の長期循環的バランスを超えて拡大し、           術シーズを産業化するための産業界との連
      前年度から繰越された当
    該年度に支出した額を含ん
                     地球規模での持続的発展の可能性に対する           携による実用化開発など、本格研究を強力
    でいるので、各年度の収入
    と支出の合計は一致しませ
                     懸念が高まっています。産総研では、この           に推進します。
    ん。
      昨年度の報告において、
                     地球規模の問題を解決することが不可欠で           ● 革新的技術シーズの創出
    2004 年度の施設整備費補
                     あると強く認識し、「我が国のたゆみ無い            自然と共生した安全・安心で質の高い生
    助金(収入)および施設整
    備費(支出)は予算額の記
                     産業技術革新を先導することにより、持続           活の実現に資する研究開発を、中長期的な
    載であったため、今回の報
    告で決算額に訂正していま     的発展可能な地球社会の実現に資する」こ           シナリオに基づいて戦略的に推進します。
    す。




                     産総研のあゆみ




6      産業技術総合研究所 環境報告書 2007
● 地質調査業務および計量標準業務の着    収入・支出※ 3
実な実施
 安全で安心な社会を実現するための知的     収入
基盤となる地質調査業務および計量標準業
務を着実に実施します。
● イノベーションハブ機能の強化
 研究成果の産業界への移転や人材育成な
どを遂行するため、産学官の間で相互に情
報 人材の交流を促進する結節点
 ・             (イノベー
ションハブ)としての機能を強化します。




                        支出




                                  産業技術総合研究所 環境報告書 2007   7
※ 4 人員                 人員※ 4,5                組織
     各年度の 3 月 1 日現在
                            産総研では、職員および契約職員のほか、    産総研が進める研究は、先端的研究、長
    ※ 5 人員の区分
     職員:役員を含む              外部人材として招へい研究者、企業などの    期政策推進のための研究および科学基盤研
     契約職員:顧問・参与を
    含む                     共同研究者、技術者(産学官制度や国際制    究に類型化されます。これらの研究を推進
     産学官制度:共同研究、
    技術研修、日本人フェロー           度による)など多様な人材を積極的に受け    するための研究ユニットには、本格研究実
    制度、客員研究員制度など
    による受入                  入れることにより、研究活動の拡大および    施の場としての研究部門、研究センターと、
     国際制度:外国人客員研
    究員、外国人技術研修など           活性化を図っています。            それらの予備的段階としての研究ラボの 3
    による受入
     その他:労働者派遣法に                                  つの形態があります。
    基づく派遣労働者、請負契
    約に基づく SE および保守                                 また、研究分野は大きく分けて、ライフ
    員、AIST ベ ン チ ャ ー 企 業
    などによる受入
                                                  サイエンス、情報通信 エレクトロニクス、
                                                            ・
                                                  ナノテクノロジー・材料・製造、環境・エ
                                                  ネルギー、地質、標準・計測の 6 分野が
                                                  あります。




                                         6 つの研究分野と重点研究開発項目




8       産業技術総合研究所 環境報告書 2007
※ 6 研究センター
                                重要課題解決に向けた短
                               期集中的研究展開(最長 7
                               年)。研究資源(予算、人、
                               スペース)   の優先投入。トッ
                               プ ダ ウ ン 型 マネージメン
                               ト。

                               ※ 7 研究部門
                                一定の継続性をもった研
                               究展開とシーズ発掘。ボト
                               ムアップ型テーマ提言と長
                               のリーダーシップによるマ
                               ネージメント。

                               ※ 8 研究ラボ
                                異分野融合の促進、行政
                               ニーズへの機動的対応。新
                               しい研究センター、研究部
                               門の立ち上げに向けた研究
                               推進。

                               ※ 9 研究コア・総合セン
                               ター
                                複数ユニットから構成さ
                               れる領域を組織として定義
                               し、代表性を付与。




2007 年 8 月 1 日現在



                   産業技術総合研究所 環境報告書 2007        9
環境研究トピックス

 ※ 1 CIGS 太陽電池          CIGS 薄膜太陽電池の省資源製法                            次世代リチウムイオン電池用
  Cu(In,Ga)Se2 太陽電池の
 ことです。1974 年にベル         大面積で高効率な太陽電池の量産化に期待	                         高容量負極の開発
 研究所(米国)が CuInSe2
 により 12%という当時と                                                       ナノ積層構造を有するシリコン系複合薄膜
 しては高い変換効率を報告                           ※1
 したのを発端とし、現在ま            CIGS 太 陽 電 池        は優れた特長をもっ
 で世界各国の大学・研究機
 関・民間企業においてこの           ており、その	 薄膜作製法には、代表的な                          最近の携帯電話は、地上デジタル放送の
 材料の研究開発と製品化が                                 ※2                ※3
 進められています。①変換           ものとしてセレン化法                 と多元蒸着法            受信などで消費電力が増大しているため、
 効率が高い、②数 µm 以下
 の薄膜でも光を十分吸収で           の 2 つがあります。セレン化法は大面積                         電池高容量化が強く望まれています。ま
 きる、③経年劣化が少なく
 長期信頼性に優れている、           CIGS	 太陽電池を作る技術として知られて                       た、電気自動車やロボットの分野でも、電
 ④黒一色の落ち着いた色彩
 であるなどの特長がありま
                        いますが、高い変換効率は得られません。                          池の容量不足が実用化のネックとなってい
 す。
                        一方、多元蒸着法は、実験室レベルの小面                          ます。
 ※ 2  セレン化法
  銅、インジウムなどの金
                        積 CIGS	太陽電池では高い変換効率を実現                        産総研では、従来のリチウム(Li)イオ
 属積層プリカーサ(前駆物
 質)をセレン系ガスの中で
                        できますが、量産化は困難とされています。                         ン電池用黒鉛系負極に比べて 3 倍以上の高
 熱処理して CIGS 薄膜を形
 成する方法。
                         多元蒸着法では、通常の蒸気セレンの反                          容量化が可能なシリコン(Si)薄膜負極の

 ※ 3 多元蒸着法
                        応性が低いことや、せっかく作製された薄                          適用性を検討しました。これまでは、Si 薄
  真空蒸着において、多種
 類の蒸発源を同時に供給す
                        膜表面からセレンが再蒸発してしまうため                          膜はリチウム吸蔵時の体積膨張が大きいた
 る製膜方法。
                        に、多量のセレン原料を供給する必要があ                          めに電極構造が保持できず、サイクル寿命
 ※ 4 RF プ ラ ズ マ ク ラ ッ
 キング
                        ります。しかし、ほとんどのセレンは製膜                          が短いという課題がありました。今回、こ
  高周波による気体放電で
 発生したプラズマによっ
                        室の内壁などに付着堆積し産業廃棄物とし                          の Si と ク ロ ム(Cr) ニ オ ブ(Nb) な ど
                                                                                     、
 て、気体分子などを分解す
                        て無駄になり、頻繁な製造装置のメンテナ                          と複合薄膜を形成させる手法を開発しまし
 る方法。
                        ンスが必要となります。                                  た。開発した薄膜は 5nm 程度の周期で Si
 ※ 5 ラジカル
  遊 離 基 の こ と で す。 フ     産総研では、多元蒸着法においてセレ                           層と Cr または Nb 層が積み重なった構造
 リーラジカル、単にラジカ
 ルともいいます。分子の熱           ン原料の制御性と利用効率を高めるため、                          (ナノ積層構造)です。Li 吸蔵に伴う Si 層
 分解、光分解、放射線分解
                                                   ※4           ※5
 などによって化学結合が切           RF プラズマクラッキング                   でラジカル        の体積膨張が、Li 吸蔵しない Cr または Nb
 断されて生じる、実験室的
 条件において気相で短寿命           化したセレンを用いて CIGS 薄膜を作製す                       のナノ積層構造により緩和でき、300 サイ
 なものである中間種です。
 遊離基は化学的活性に富            る技術を開発しました。この技術によって、                         クル以上の寿命と従来の黒鉛材料に比べて
 み、速やかに他の遊離基や
 安定分子と反応する性質が           製膜時のセレン供給の精密制御が可能とな                          3 倍以上の高容量化が同時に実現できまし
 あります。
                        り、さらにラジカルセレンの反応性が高い                          た。
                        ので、原料消費量をこれまでの蒸気セレン
                        の 10 分の 1	以下に抑えることに成功しま
                        した。




                        ラジカルセレンを用いた多元蒸着法による                               銅箔上に形成された CrSi2	薄膜の
                             CIGS 製膜イメージ                                    Si/Cr 組成変調積層構造




10   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
流れる氷による冷熱の貯蔵・輸送                  水だけを使った                   ※ 6 ポリエチレンテレフ
                                                           タレート(PET)
大容量の氷スラリー輸送の実用化を目指す	             PET のケミカルリサイクル技術           テレフタル酸(TPA)と
                                                           エチレングリコール(EG)
                                 高温水による環境に優しい分散型プロセス	      がエステル結合して重合し
                                                           た高分子です。解重合反応
 分散型エネルギーシステムの導入に際し                                        によって、原料モノマーに
                                                           分解できます。
て、冷房などの冷熱利用の効率化は重要な               飲料水用ボトルとして利用が増加してい
課題です。特に需要と供給の時間的、空間              るペットボトルは、高純度のポリエチレン
的なミスマッチ解消のために、冷熱の貯蔵              テレフタレート(PET) 6 で作られており、
                                             ※


や輸送に適した媒体が求められています。              解重合反応によって原料モノマーに分解で
冷熱貯蔵技術としては、安全性、経済性、              きます。国民のリサイクル意識の高まりと
蓄熱密度の観点から、氷を媒体とした氷蓄              分別回収システムの整備の結果として現在
熱が普及してきました。最近では、細かい              30 万トンあまりの使用済みペットボトル
氷粒子と水を混ぜて流動性の機能を付加し              が各市町村などの集積所に集められていま
た「流れる氷」(氷スラリー)が注目され              すが、現在事業化されているケミカルリサ
ています。ところが氷粒子は水中で凝集す              イクルのプラントは年間数万トンを処理す
る傾向があり、凝集した氷粒子が貯蔵や輸              る大規模な化学プロセスなので、全国から
送を妨げることが問題となっています。凝              大量の使用済みペットボトルを安定的に確
集を防ぐ方法として、凍結抑制タンパク               保することが大きな課題となっています。
質(AFP)の添加が提案されていますが、              今回、各地で集められたペットボトルを
AFP には高価なものが多く、大容積の氷ス            その場でケミカルリサイクルできる分散型
ラリーへの応用は少し先の話になりそうで              プロセスとして、高温の水で処理して PET
す。                               を高効率で原料モノマーに分解する技術を
 産総研では AFP と同じ機能を持つ合成            開発しました。高温水による PET の加水
高分子を探索した結果、工業的に広く使わ              分解とモノマー回収について、温度、時間
れているポリビニルアルコール(PVA)を             などの影響を検討し、TPA、EG がともに
氷スラリーに少量添加すると、氷粒子の大              高収率で得られる条件を見出しました。
きさがほとんど変化しないことをつきとめ               この技術は、有機溶媒や触媒を使わない
ました。                             ため環境負荷が小さく、地方自治体のペッ
                                 トボトル回収システムと組み合わせれば、
                                 循環型社会へ向けたコンパクトな分散型プ
                                 ロセスとして実用化が期待できます。




 氷粒子径の時間変化に対する添加物の影響
PVA:ポリビニルアルコール、PEG:ポリエチレングリコール   PET の加水分解反応による原料モノマーの収率




                                              産業技術総合研究所 環境報告書 2007     11
※ 7 含浸法                マイクロ波によるポリエステル合成        排ガス浄化用触媒の開発
  触媒金属塩の水溶液に担
 体を浸して触媒金属を担体           重縮合の常識を覆す超高速重合を実現	      多孔質性クリオゲル触媒の実用化に向けて	
 に載せる方法。

 ※ 8 凍結乾燥法
   三 重 点 以 下 の 温 度・ 圧    ポリエステルの製造には、多段階 高温
                                        ・ ・      工場の排ガスの浄化などに用いられる触
 力(例:水であれば温度=
 0.0075℃、圧力= 0.006 気    長時間の反応が必要なため、エネルギーを     媒は高温での耐久性が要求されます。白金
 圧)にすることで、固相 -
 気相変化(昇華)によりゲ           多量に使用しており、ハロゲン化原料や溶     触媒はこれまで含浸法※ 7 によって調製さ
 ル中の溶媒を取り除く方
 法。液相 - 気相変化を伴わ         媒を使用することも多くあります。2000    れてきましたが、触媒の粒子径の不均一化
 ないので乾燥中に表面張力
 が働かず、ゲルの収縮が抑
                        年代になって、いくつかの新しい触媒系に     や分散性の低下、粒子どうしの焼結による
 制されます。
                        よる高効率の製造法が考えられましたが、     高温での触媒寿命の低下など、いろいろな
 ※ 9 クリオゲル
  湿潤ゲルを低温凍結乾燥
                        その工程には依然 10 時間以上の長時間を   問題が指摘されていました。
 によって溶媒を除去して得
 られる気孔率の極めて高い
                        要しており、シンプルで、経済的で、環境      産総研は、白金 - アルミナ系均一ゲルの
 多孔質体。クライオゲルと
 も呼ばれます。
                        にやさしく、かつ迅速な製造法の開発が産     新しい調製法を開発し、ゲル乾燥には工程

 ※ 10 エアロゲル
                        業界から望まれています。            が簡便で低コストな凍結乾燥法※ 8 を適用
  湿潤ゲルを超臨界乾燥に
 よって溶媒を除去して得ら
                         マイクロ波は、従来のヒーターやスチー     し、多孔質なクリオゲル※ 9 触媒を製造す
 れる気孔率の極めて高い多
 孔質体。
                        ムとは異なり、物体を伝熱によらず内部      ることに成功しました。作製したクリオゲ
                        から高速かつ均一に加熱できます。そこ      ル触媒の性能を空気中でのメタン酸化反応
                        でマイクロ波は、電子レンジをはじめ、食     で調べたところ、従来品に比べて触媒反応
                        品の加熱・乾燥、セラミックスの乾燥・焼     温度を約 100℃低下できることがわかりま
                        結、最近では化学合成にも用いられていま     した。しかも、耐熱性は約 200℃高いとい
                        す。ポリエステル合成の基本反応である重     う特徴を持っています。また、体積の大部
                        縮合には、おもにマイクロ波をよく吸収す     分を空隙が占める多孔質体でありながら、
                        る基質と脱離成分が関与していることに着     水による構造破壊が起きません。これは多
                        目して、脂肪族ポリエステル合成の加熱に     孔質体のエアロゲル※ 10 には見られない全
                        マイクロ波を用いれば時間とプロセスエネ     く新しい特徴です。
                        ルギーを大幅に削減でき、無溶媒化もでき      安価な水酸化アルミニウムが出発原料
                        ると考えられます。ポリコハク酸ブチルと     で、凍結乾燥など低コストかつ簡便なプロ
                        ポリ乳酸の合成にこの方法を適用したとこ     セスで製造できるので、早期の実用化が期
                        ろ、従来法の 10 倍以上の加速効果が見ら   待されます。
                        れました。
                         今後は、これらの合成法の実用化を目指
                        した実験室規模での製造プロセスの基盤
                        データの取得を行う予定です。	




                                                白金 - アルミナ触媒(クリオゲル触媒)の
                          従来の加熱法 vs マイクロ波加熱法            メタン酸化活性




12   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
低温プラズマを用いる VOC 対策              ヒ素化合物分析用タラ魚肉粉末標準物質	           ※ 11 揮発性有機化合物
                                                               VOC は Volatile Organic
省エネルギーで VOC を完全酸化分解            精確なヒ素化合物形態分析のための標準物質          Compound( 揮 発 性 有 機
                                                             化合物)の略です。ホルム
                                	                            アルデヒド、メタノール、
                                                             ギ酸メチル、アセトアルデ
 地震、雷、火事…と古来言われてきた怖             ヒ素は環境中で様々な化学形態で存在            ヒド、ベンゼン、トルエン
                                                             などで工場排ガスなどに少
いものの代表である雷をミニチュア化して            し、毒性や代謝がその形態に大きく依存し           量含まれています。通常は
                                                             アフターバーナーあるいは
リアクタ内に閉じこめた低温プラズマを揮            ます。特に海産生物中には多種のヒ素化合           酸化触媒などにより VOC
               ※ 11                                          を燃焼除去してから屋外に
発性有機化合物(VOC)          の分解に利用   物が含まれ、魚類中のヒ素は主に無毒のア           排 出 し ま す。 大 気 汚 染 防
                                                             止法により規制されていま
しています。低温プラズマを発生させると            ルセノベタイン(有機ヒ素化合物)として           す。

電子は活性化されますが、下図に示すよう            存在します。しかし、現在日本の法令など           ※ 12 アルセノベタイン
                                                             水溶液標準物質
に、ガス自体の温度は外界の温度とほとん            では「ヒ素およびその化合物」としてヒ素            NMIJ CRM 7901-a。2005
                                                             年 11 月認証。
ど変わりません。トルエン、ジクロロメタ            の規制が定められており、形態は区別され
                                                             ※ 13 タラ魚肉粉末標準
ン、メタノールなど、どのような VOC で          ません。産総研では、環境試料中ヒ素の分           物質
                                                              NMIJ CRM 7402-a。2006
も分解可能です。低温プラズマ中では水も            析値の信頼性確保に利用可能な標準物質の           年 3 月認証。

酸化剤として使うことができ、VOC の完           開発に取り組んでいます。既に化学形態分
全酸化分解に有効利用できます。低温プラ            析における標準液として、アルセノベタイ
ズマ中の電子エネルギー分布を制御するこ            ン水溶液標準物質※ 12 を開発・頒布してい
とは難しいのですが、リアクタのタイプや            ますが、実際の環境分析では複雑な組成の
運転条件を変えたり、触媒を複合化するこ            試料を取り扱うことになり、標準溶液だけ
とで、VOC の分解処理に要するエネルギー          でなく、実試料と類似した組成の標準物質
を抑え、処理後にクリーンなガスを得るこ            を分析することで、精度管理や分析手法の
とを目指して研究を行っています。               妥当性確認を行う必要があります。
 この研究は民間との受託・共同研究を実             そこで、生物試料中ヒ素の分析値の信頼
施し、連携を深めています。発表した論文            性確保に利用できるタラ魚肉粉末標準物
には、内外の学会や出版社から論文賞を受            質※ 13 を新たに開発しました。本標準物質
賞しています。                        は 2006 年 3 月に認証を終え、一般への頒
                               布が開始されています。アルセノベタイン
                               水溶液標準物質と共に活用されることによ
                               り、ヒ素およびヒ素化合物分析の精度や信
                               頼性が向上し、さらには形態の違いによる
                               適切なリスク評価や規制へとつながること
                               が期待されます。	

                                                              環境研究トピックス:
                                                                ここで紹介した技
                                                              術 は 広 報 誌( 産 総 研
                                                              Today)に掲載された
                                                              記事やプレス発表した
 低温プラズマリアクタ稼動時の温度分布                                           ものなどのごく一部で
                                                              す。 ま た、 共 同 研 究
                                                              などの成果も含みま
                                                              す。関連する論文、特
                                                              許、 共 同 研 究 先 な ど
                                                              の 詳 し い 情 報 は、 産
                                                              総研公式ホームペー
                                                              ジ(http://www.aist.
                                                              go.jp/index_j.html)
                                                              でご覧になれます。
                                タラ魚肉粉末標準物質 NMIJ	CRM	7402-a




                                               産業技術総合研究所 環境報告書 2007                 13
環境・安全衛生マネジメント

 ※ 1 産総研憲章
  p.4 参照                                     環境安全憲章
 ※ 2 産総研の 23 の事業   1 地球環境の保全と人類の安全に資する研究を推進し、安心・安全で質の高い生活や環
 所(2007.7.1 現在)
  ・北海道センター              境と調和した社会の実現を目指します。
  ・東北センター
  ・つくば中央第 1 事業所    2 環境安全に関する諸法規を遵守するとともに、自ら、ガイドライン等の自主基準を設
  ・つくば中央第 2 事業所
  ・つくば中央第 3 事業所         定し、日々、環境保全と安全衛生の向上に努めます。
  ・つくば中央第 4 事業所
  ・つくば中央第 5 事業所    3 環境安全に関する情報の発信を推進し、地域社会との調和・融合に努めます。また、
  ・つくば中央第 6 事業所
  ・つくば中央第 7 事業所         万一の事故、災害においても、迅速・的確な対処を行うとともに、「公開の原則」に
  ・つくば西事業所
  ・つくば東事業所              則り、得られた知見・教訓の社会への還元に努めます。
  ・東京本部
  ・秋葉原事業所
  ・小金井事業所
  ・八王子事業所
  ・臨海副都心センター
  ・中部センター
  ・関西センター          基本理念                                に努めます。
  ・尼崎事業所
  ・中国センター
                    地球環境の保全や人の安全衛生の確保は               (5) 環境汚染、労働災害の予防に努め、
                                                        	
  ・四国センター
  ・九州センター
                   研究所存立の基盤をなす重要な取り組みで                 緊急時においては迅速かつ適切に対応
  ・福岡西事業所
                   あり、産総研としての社会的責任でもあり                 し、被害の拡大防止に努めます。
                   ます。環境と安全の基本理念は環境安全憲               (6) 環境報告書の発行、情報公開など
                                                        	
                   章として制定しています。また、産総研で                 により環境安全衛生に関する情報を積
                   働くすべての人が共有できる行動理念とし                 極的に開示し、社会とのコミュニケー
                                     ※1
                   て 2005 年春に産総研憲章        を制定しまし       ションを推進します。
                   た。
                    産総研は、環境安全憲章の理念のもと、               安全衛生管理の取り組み
                   地球と地域の環境保全と産総研で働くすべ                産総研は、東京本部と全国の研究拠点の
                   ての人々の安全と健康の確保が重要課題で               23 の事業所※ 2 において労働安全衛生法を
                   あることを強く認識し、積極的に行動する               順守した安全衛生管理体制を構築していま
                   ため、次の基本方針の下に取り組みを進め               す。月に一回以上、安全衛生委員会を開催
                   ています。                             し、災害の未然防止や健康的な職場環境の
                   (1) 環境の保全と健康で安全な社会の
                      	                              形成に向けて取り組んでいます。
                     構築に資する研究に積極的に取り組み
                     ます。                             環境影響低減に向けた取り組み
                   (2) 環 境 と 安 全 衛 生 に 関 連 す る 法 規
                      	                               産総研では、持続可能な社会の形成に寄
                     制、条例、協定を遵守するとともに、               与するため、地球温暖化などの環境問題や
                     自主管理基準を設け、一層の環境保全               エネルギー安定供給の確保に係る技術課題
                     と安全衛生の向上に努めます。                  に取り組むとともに、自らの研究活動に起
                   (3) 省エネルギー、省資源、廃棄物の
                      	                              因する環境影響の低減に努めています。地
                     削減に取組み、環境負荷の低減に努め               球温暖化防止に向けたエネルギー使用量削
                     ます。                             減キャンペーン活動をはじめ、廃水、排ガ
                   (4) 環境保全活動及び安全衛生活動を
                      	                              スの適正処理と監視、廃棄物の適正な分別
                     効果的かつ効率的に推進するための管               処理によるリサイクル推進、化学物質の適
                     理システムを確立し、全員参加による               正な管理、グリーン調達などに取り組んで
                     活動を展開するとともに、継続的改善               います。



14   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
環境マネジメントシステム
                             事業所      つくば東事業所        中部センター        四国センター
 産総研では、つくば東事業所、中部セン        認証取得        1999.11.25     2003.10.24    2004.1.23
ター、四国センターにおいて ISO14001 の   2006 年度     2006.10.23     2006.10.13    2007.1.12
                           審査状況           継続             更新           更新
認証取得を行い、環境と調和した持続的発
展を可能とする研究開発、省エネルギー、
省資源など地球環境保全に配慮した継続的
な活動に取り組んでいます。                          ISO14001 認証取得の状況



新たなマネジメントシステムの取り組み
 産総研では、環境影響の低減を目的とする環境マネジメ
ントシステム(ISO14001)と、労働災害の潜在的危険性
を低減し安全衛生水準の向上を目的とした労働安全衛生マ
ネジメントシステム(OHSAS18001)の要素を統合し、研
究機関にふさわしいマネジメントシステムの構築を進めて
います。
 研究活動を健全に推進するためには地球および地域の環
境保全への配慮と同時に、職員の健康や安全管理も同時に
                                         各事業所における環境安全マネジメント体制
確保しなければなりません。また、法規制においても、消
防法、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法など労働安全
衛生と環境それぞれで管理しなければならないものも多く
あります。産総研では ISO14001 認証取得などで得たノウ
ハウを継承しつつ、労働安全衛生も含めた新たなマネジメ
ントシステムを推進することで、より効果的で効率的な環
境・安全管理を目指します。
 2006 年度はつくば西事業所と臨海副都心センターの 2
事業所において導入を開始しました。今後、システムの
検証を進めるとともに第 2 期中期計画終了年度にあたる
                                           環境安全マネジメントシステムの概念図
2009 年度までに全国の事業所へと導入・運用を拡大します。



環境・安全教育
 産総研では、法令順守と環境・安全リス                  主な講習会とその参加人員                         ※ 3 一般研究系職員研修
                                                                           p.34 参照
クを低減するため、各種教育、講習会など                                        単位:人
                                   講習会                 開催数 参加人員
を開催しています。2006 年度は、高圧ガ      放射線合同教育訓練                    2回   117
ス、化学薬品使用に関する教育、局所排気        レーザー安全講習会                    1回   117
                           エックス線安全講習会                   4回   264
装置の取り扱い講習会、一般研究系職員研        有機溶剤作業主任者技能講習                1回    84
                           特定化学物質等作業主任者技能講習             1回    74
修※ 3 などを開催しました。また、事業所
                           組換え DNA 実験教育訓練               1回   590
内で業務を行う場合は事前に産総研安全ガ        動物実験講習会                      2回   332
                           衛生管理者(一種、二種)受験準備講習会          1回    35
イドラインに基づく教育を義務付けていま        衛生工学衛生管理者資格取得講習会             2回    87
す。



                                                    産業技術総合研究所 環境報告書 2007              15
環境負荷の全体像




16   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
産業技術総合研究所 環境報告書 2007   17
地球温暖化防止

 ※ 1 総エネルギー使用量         総エネルギー使用量                    の導入や設備運用改善などを実施すると共
   総エネルギー使用量に関
 する換算は「エネルギーの           産総研では、新しいエネルギー資源とし          に、省エネルギーキャンペーン活動を推進
 使用の合理化に関する法
 律施行規則」  (2006 年 3 月   て注目を集めている再生可能エネルギーの          し、職員の意識改革に努め、エネルギー使
 29 日改正)の換算係数を
 用いています。               研究開発をはじめ、燃料電池と電気・熱・          用量の削減を図ります。
   経年変化をみるため、過
 去 2 年間のデータについて        水素エネルギーによる分散型エネルギー
 もこの換算係数を適用して
 います。そのため昨年報告          ネットワーク技術の研究開発を行ってお
 した値と異なります。
                       り、CO2 の削減とエネルギー自給率の向上
                       に取り組んでいます。また、温暖化防止に
                       極めて大きな効果がある省エネルギー技術
                       についても、省エネ機器、冷熱源の貯蔵・
                       輸送・利用などに係わる研究開発に取り組
                       んでいます。
                        研究活動によって発生する環境負荷の低
                       減は、環境・エネルギー分野の研究を推進
                       する産総研の使命であるため、エネルギー
                       使用量の削減を目的に 2005 年 7 月に地球            購入電力量
                       温暖化対策推進チームを設置し、エネル
                       ギー使用量を 3 年間で 15%削減(2004 年
                       度比)することを決定しました。各事業所
                       では環境管理委員会を組織して使用量削減
                       を推進してきた結果、2006 年度の実績は
                       前年度比 3.7%(2004 年度比 6.7%)の削
                       減となりました。
                        また、エネルギー管理規程を制定し、エ
                       ネルギー管理体制の整備を行いました。今
                       後も省エネルギー対策として、高効率機器


                                                          都市ガス使用量




                             総エネルギー使用量※ 1                  灯油使用量




18   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
エ ネ ル ギ ー 起 源 の 温 室 効 果 ガ ス※ 2            研究用ガス使用量                            ※ 2 温室効果ガス
                                                                   単位:kg       地球温暖化の原因の 1 つ
排出量                                                                           とされている温室効果ガス
                                                2004 年度 2005 年度    2006 年度    のうち、京都議定書におけ
 購入電力および都市ガス・石油などの化              二酸化炭素             2,890   3,114      2,873   る削減約束の対象物質は、
                                 メタン                 206     266        286   二酸化炭素(購入電力、化
石燃料の消費を起源とする二酸化炭素排出                                                           石燃料) 、メタン、一酸化
                                 一酸化二窒素               12      22         19
                                                                              二窒素、代替フロンなど 3
量は、前年度比で 3.6%(6,040 トン CO2)      ハイドロフルオロカーボン         13       0         48   ガ ス(HFC、PFC、 六 フ ッ
                                 パーフルオロカーボン          140      55        109   化硫黄)です。産総研にお
の削減を実現しました。                      六フッ化硫黄              497     272        292   ける排出量のほとんどは、
                                 その他フロン※ 5           113       2         38   エネルギー消費に起因する
 2005 年度の 4.4%(7,680 トン CO2)に                                                 二酸化炭素です。

比べて低い削減率ですが、2005 年度は、                                                          ※ 3 エネルギー起源の温
                                                                               室効果ガス排出量
エネルギー利用の効率化を目指し実施し                                                              エネルギー起源の温室効
                                                                               果 ガ ス 排 出 量に関する換
た、つくばセンターのエネルギー集中供給              太陽光エネルギー                                      算 は「 地 球 温 暖 化 対 策 の
                                                                               推進に関する法律施行令」
方式から分散供給方式への大改修の結果                産総研では、つくばセンターをはじめ東                          (2006 年 3 月 24 日 改 正 )
                                                                               の 換 算 係 数 を用いていま
であり、大規模改修がなかった 2006 年度           北、臨海副都心、中部、関西、四国の各研                           す。
                                                                                経年変化をみるため、過
の実績は、全国規模で展開している省エネ              究拠点に太陽光発電設備を導入していま                            去 2 年間のデータについて
                                                                               もこの換算係数を適用して
活動と職員の意識向上の結果と考えられま              す。2006 年度における産総研全体の太陽                         います。そのため昨年報告
                                                                               した値と異なります。
す。                               光発電量は、1,273 千キロワット時で、一
                                                                              ※ 4 非エネルギー起源の
                                 般家庭 374 世帯分の年間電力使用量に相                        温室効果ガスについて
                                                                               研究用ガスは回収または
                                 当します。                                        改 質 さ れ る 場合があるた
                                                                              め、二酸化炭素排出量では
                                                                              なく使用量として報告しま
                                                                              す。

                                                                              ※ 5 その他フロン
                                                                               クロロフルオロカーボン
                                                                              およびハイドロクロロフル
                                                                              オロカーボン




                                           太陽光発電量
                          ※3
 エネルギー起源の温室効果ガス排出量




非エネルギー起源の温室効果ガス
使用量※ 4
 非エネルギー起源の温室効果ガスは、研
究用ガスとして用いる二酸化炭素、メタン、
六フッ化硫黄などです。研究用ガス使用量
はほぼ横ばいですが、使用量は研究内容な
どにより大きく増減することがあります。


                                 モニュメント型太陽光発電(つくばセンター)




                                                      産業技術総合研究所 環境報告書 2007                        19
省エネルギー取り組み事例
               ● 省エネルギー・シンポジウム 2006 の開催
                つくば市内の研究機関および官公庁などの関係者合わ
               せて 216 名の参加者がありました。シンポジウムでは、
               産総研内の地球温暖化対策推進活動における職員の意識
               改革の重要性が提起され、つくば東事業所の ISO14001 に
               係わる活動および施設改修などによる省エネ効果の実績
               が報告されました。
                他の研究機関からは、民間企業における省エネ推進体
               制と実績事例および独立行政法人の ESCO 事業導入につい
               て興味深い講演が行われました。
               ● 施設設備の改修
                老朽化対策の設備更新工事において、受変電施設の高
               効率化と送排風機・ポンプなどのインバーター化を実施
               しました。また、トイレ照明に人感センサーを導入しま
                                                         私
               した。                                       た
               ● 施設設備の運用見直し                              ち
                                                         は
                設備運転管理基準を策定し、冷暖房の設定温度・運転
                                                         軽
               時間の見直しおよびクリーンルーム、送排風機・ポンプ                 装
                                                 (

               などの設備機器運転の効率化を実施しました。                     を
               ● 日常の活動                                   心
                夏季・冬季において、省エネキャンペーンを実施し、                 が
                                                         け
               昼休みの消灯(外光の有効活用)、空調温度設定(夏季                 ま
               28℃、冬季 19℃)などの徹底を行いました。また、定時              す
                                                 )




               退庁日の設定、階段の利用(エレベータ使用の抑制)両面
                                       、 ・
                                                         。
               縮小コピーの推進などを実施しました。




                外光の有効活用(臨海副都心センター)        照明の間引き(臨海副都心センター)




20   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
大気汚染防止

発生源の状況                               研究用排ガスの処理                      ※ 1 ばいじん
                                                                     測定濃度が定量下限濃度
 産総研での大気汚染物質(窒素酸化物                    研究に使用する薬品には健康や環境に悪            以下のときは、定量下限濃
                                                                    度での排出量を算出してい
(NOx)、硫黄酸化物 (SOx))の排出源は主             影響を与えるものもあります。                 ます。そのため、正確な年
                                                                    度比較ができないためグラ
に空調用の冷熱源に用いる蒸気をつくるた                   有害な薬品を使用する場合は研究者が薬            フ の 掲 載 は 省略していま
                                                                    す。
めのボイラーであり、北海道 2 台、つく                 品によって健康を害さないために、常に陰
                                                                    ※ 2 排ガス処理装置につ
ば 11 台、中部 3 台、関西 7 台および九州            圧となっている局所排気装置内で薬品を使            いて
                                                                     排ガス処理装置は使用す
2 台の計 25 台設置されています。                  用することを徹底しています。                 る薬品により処理方法が異
                                                                    なります。有機系ガスの場
 ボイラーに使用する燃料は、SOx の発                  また、局所排気装置からの排気には薬品            合は活性炭方式、無機系ガ
                                                                    スの場合は薬剤処理方式を
生を抑制するため、一部を除き都市ガス、                  蒸気を含んでおり、そのまま大気に排出す            採用しています。

灯油を使用しています。排ガス測定は年 2                 ると周囲の環境に影響を与えるおそれがあ
回(暖房用ボイラーは年 1 回)定期的に                 ります。そのため排気ガスは排ガス処理装
                ※1
NOx、SOx、ばいじん         の濃度測定をして        置※ 2 で無害化してから大気に排出してい
います。                                 ます。
 測定結果は、すべて大気汚染防止法で定
める排出基準値未満でした。
 また、つくばセンターに設置されている
焼却炉(研究廃液焼却用 1 台)は、ダイ
オキシン対策特別措置法に基づく大気基準
適用施設として、定期的にダイオキシン濃
度を分析し報告しています。
 2006 年 度 の 測 定 結 果 は 0.012ng-TEQ/
 3
m N でした。




            NOx 排出量




                                           排ガス処理装置と局所排気装置
                                          (上)排ガス処理装置(設置台数 293 台)
                                          (下)局所排気装置(設置台数 1,364 台)

            SOx 排出量




                                                     産業技術総合研究所 環境報告書 2007          21
水質汚濁防止

 ※ 1 霞ヶ浦                水資源
  霞ヶ浦は、西浦、北浦、
 外浪逆浦の 3 湖沼および常          産総研における水の用途は、実験用、熱
 陸川、北利根川、鰐川の 3
 河川の総称です。湖面総面           源用および生活用が主なものです。冷暖房
 積 220 平方キロメートル。
 茨城県と千葉県にまたがる           などの温冷水として利用後の廃水は比較的
 流域面積は 2,157 平方キロ
 メートルにおよびます。            汚染の少ない水であり、産総研内で必要な
 ※ 2 霞ヶ浦の湖水水質           処理を行った後、ほとんどを再利用してい
   霞 ヶ 浦 の 湖 水 水 質 は、
 1970 年頃から悪化が進行         ます。2006 年度の再利用水は 1,872 千立
 し、水質改善対策などの取
 り組みで改善傾向になって           米でした。
 いるものの、近年は横ばい
 で環境基準を大きく超えて
 います。現在でも環境保全
 や水質保全などを目的に、
 霞ヶ浦水源地域整備事業、
 霞ヶ浦導水事業(国土交通
 省)などの事業が行われて
 います。
                                                              水資源投入量




                         つくばセンターの水の流れ
                          産総研の研究拠点のうち、上水使用量          浦の水は、周辺地域の生活用水や農業用水
                         が断トツに大きいつくばセンターの水の          をはじめとして、漁業や工業など地域の産
                         流れを紹介します。                   業を支えています。つくばセンターのある
                          つくばセンターで使用している上水           筑波研究学園都市も、霞ヶ浦の貴重な水資
                         は、霞ヶ浦   ※1
                                      の水を原水としています。   源※ 2 に支えられています。
                         霞ヶ浦は、琵琶湖に次ぐ国内第 2 位の湖         つくばセンター内で使用された研究廃水
                         面積を持つ湖で、その流域面積は、茨城          は、第 1 事業所から第 4 事業所までは南
                         県全体の 1/3 以上を占めています。霞ヶ       処理場、第 5 事業所から第 7 事業所およ



                              木原取水場で原水を取水し、土浦霞ヶ
                              浦浄水場で飲用に浄化されます。その
                              後、つくば市中央配水場へ配送され上
                              水道管により産総研つくばセンターで
                              供給を受けています。




                                                       AIST




22   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
廃水
 産総研内で使用された廃水は、一部を除
き廃水処理施設で処理されたのち下水道ま
たは公共用水域(河川など)へ放流されま
す。また、廃水処理を行わない廃水につい
ても、研究廃液などの徹底管理により適切
に下水道などに放流しています。これらの
廃水についてはモニタリングシステムによ
る水質検査や、定期的なサンプリング検査
などにより規制基準をクリアするための監
視をしています。




び東事業所の廃水を北処理場、西事業所の
                          各処理施設の処理能力など
廃水を西処理場の各廃水処理設備で処理し
                      1)北処理場(中央・東地区)
た後、そのほとんどを研究冷却水や水洗ト    ①一般研究廃水処理設備
イレ用水として再利用しています。        処理水量:533m3/ 日(最大 682m3/ 日)
                       ②実験冷却水廃水処理設備
 また、処理済みの研究廃水は、上記 3     処理水量 754m3/ 日(最大 1,206m3/ 日)
                              :
箇所の処理場からつくば市下水道へ放流さ    ③再利用水供給処理設備
                        処理水量 905m3/ 日(最大 1,888m3/ 日)
                              :
れ、利根浄化センター(終末処理場)で浄    ④研究廃液処理設備
化され利根川へ放流されます。          無機系廃液:分別後、薬品処理法による
                        処理。
                        有機系廃液:分別後、噴霧焼却炉による
                        燃焼処理。
                       ⑤高 BOD 廃水処理設備
                        処理水量:30m3/ 月
                      2)南処理場(中央地区)
                       ①一般研究廃水処理設備
                        処理水量 874m3/ 日(最大 1,118m3/ 日)
                              :
                       ②実験冷却水廃水処理設備
                        処理水量 1,902m3/ 日
                              :        (最大 2,034m3/ 日)
                       ③再利用水供給処理設備
     廃水処理施設             処理水量 1,696m3/ 日
                              :        (最大 3,459m3/ 日)
                      3)西処理場(西地区)
                       ①一般研究廃水処理設備
                        処理水量:153m3/ 日(最大 275m3/ 日)
                       ②実験冷却水処理設備
                        処理水量:167m3/ 日(最大 401m3/ 日)
                       ③再利用水供給設備
                        処理水量:320m3/ 日(最大 676m3/ 日)
                      4)北サイト処理施設
                       ①物理化学処理方式を行う設備
                        処理水量:12m3/ 日(最大 50m3/ 日)

        研究廃水ろ過装置




                                         産業技術総合研究所 環境報告書 2007   23
産総研をとりまく自然 ― 中国センター ―

      中国センターは、瀬戸内海に面した自然豊かな研究拠点であり、都市沿岸域の開発により損なわれた自然
     環境を積極的に修復・再生し、健全な生態系の回復や持続的な利用が可能な活動空間を創生する技術開発に
     関する研究や、木質系バイオマス資源を原料とした経済的な燃料製造技術確立のための研究など、地球環境
     や海洋環境などに関連した研究を行っています。
                      あ じ さ い
      中国センターの敷地内には、紫陽花が多く植えられており、初夏に一斉に花開く様子は実にきれいなもの
     です。四季折々の花が咲き、ヤマモモも実る中国センターです。




               アジサイ             スイレン   ヤマモモ      スイセン




           ツルニチニチソウ             コスモス    シラー      フヨウ




              ウマゴヤシ              ツツジ     ユリ      アブラナ




24   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
瀬戸内海を守るための法律
 中国センターが面する瀬戸内海は、本州と四国、九州に挟まれた内海です。
 瀬戸内海の環境保全を目的として、1973 年に瀬戸内海環境保全臨時措置法(議員立法)として
公布され、1978 年に瀬戸内海環境保全特別措置法として恒久法化された法律であり、海域水質の
汚濁防止に関する各条項から構成されています。
 では、なぜ法律により、海域の環境保全を行わなければならないのでしょうか。
 それは、瀬戸内海が閉鎖性海域という自然の自浄能力による自然回復力が乏しい海であるためで
す。
 閉鎖性海域は、地理的要因から、水が流出入する機会が乏しいため、自然が本来もつ自浄能力が
弱く、人間による沿岸部の乱開発や環境汚染が即、海域全体の環境破壊につながりやすいため、法
律により、沿岸部の砂浜や干潟の保護や、排水中に含まれる窒素やリンの排出制限をしなくてはな
りません。
 水中に窒素やリンが多量に含まれると、プランクトンの異常繁殖が発生し、海域の生態系だけで
はなく、魚の養殖などにも悪影響を及ぼします。
 また、沿岸部の砂浜や干潟を保護するのは、景観の保護という意味合いもありますが、水中のプ
ランクトンを餌にしている砂浜や干潟に生息する貝類を保護する意味合いもあります。
 本来自然がもつ能力の中で環境が保全されるよう、人間が海に及ぼす影響に制限をかけているわ
けです。




                               産業技術総合研究所 環境報告書 2007   25
廃棄物処理・リサイクル

 ※ お断り            廃棄物の適正処理
  昨年度の報告において一
 部の研究拠点における排出      産総研では環境負荷の少ない製品の購入
 量に誤謬がありましたの
 で、今回の報告で数字の訂     (グリーン調達)やリサイクル可能製品の
 正をしています。
                  使用などにより廃棄物の排出を抑制してい
 ※ 1 廃棄物処理法
  「廃棄物の処理及び清掃     ます。また、廃棄物の適正な分別を徹底し、
 に関する法律」 の略称です。
                  環境への負荷をできる限り低減させるよう
                  努めています。
                   廃棄物の収集・運搬および処理を委託す
                  る業者に対しては、産業廃棄物処理業の許
                  可証の確認、産業廃棄物管理票(マニフェ
                  スト)による適正処理の確認を行い、不法
                  投棄などの違反がないよう監視していま              一般廃棄物排出量
                  す。また、自主的に処理場の現地調査を行
                  うなど、産業廃棄物処理業者の信頼性確保     産業廃棄物
                  のために取り組んでいます。            廃棄物処理法 ※ 1 で定められたもので、
                                          主に研究活動から発生する事業系廃棄物で
                  総排出量および最終処分量            す。また、産業廃棄物のうち、爆発性、毒
                   2006 年度は産業廃棄物および廃棄物品   性、感染性そのほか人の健康または生活環
                  の排出量が増加したため、総排出量が前年     境への被害を生じるおそれのある性状を有
                  度に対し約 12%増加しました。        するものを特別管理産業廃棄物として区分
                                          し、研究用途で使用した試薬類、研究廃液
                                          などが該当します。
                                           2006 年度は、主につくばセンターの強
                                          酸性廃液やフッ酸系廃液および実験消耗品
                                          のプラスチック類や金属類の排出量が増加
                                          したことなどにより、前年度に比して約
                                          22%増加しました。

                                                  産業廃棄物排出量
                                                                      単位:t
                                              区分     2004 年度 2005 年度 2006 年度
                                           電池類              4       4       3
                                           蛍光灯類             5       4       5
                                           ガラス類            32      18      17
                       総排出量と最終処分量
                                           プラスチック         102     108     121
                                           金属             124     121     149
                                           廃油・塗料           19      13      15
                  一般廃棄物                    汚泥(一般)          61      61      76
                   一般廃棄物は各市区町村の処理センター      鉱さい             42      31      33
                                           がれき類           124      58      92
                  などで処分されるため、研究拠点により分      発泡スチロール          4       6       4
                  別方法が異なる場合があります。2006 年    薬品付着物           37      39      42
                                           ※感染性廃棄物         22      25      21
                  度は不燃ごみが減少したことで排出量は前      ※廃薬品類           20      18      20
                                           ※汚泥(有害)        155     109     151
                  年度に対し微減しましたが、ほぼ横ばいの
                                               計          750     615     749
                  状態です。                                   ※は特別管理産業廃棄物




26   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
廃棄物品                               刈り草のリサイクル                      ※ 2 廃棄物品について
                                                                   保管スペースの状況、研
 研究用途の終了した研究機器、老朽化し                 つくばセンターでは敷地内の除草作業を            究ユニットの移転などの要
                                                                  因で排出量が大きく変動す
た什器類など使用不能となった物品類につ                年 2 回実施していますが、大量に発生す           ることがあります。

いては産業廃棄物として処理をしていま                 る刈り草は廃棄物処理ではなく敷地内で堆            ※ 3 リサイクル成立件数
                                                                   2005 年 5 月運用開始の
す。これらのものは、鉄、非鉄金属、樹脂                肥化させて、再びセンター内の緑地に天然            ため、2004 年度のデータ
                                                                  はありません。
などの複合製品が多いため廃棄物品として                肥料としてリサイクルしています。年間の
                                                                   ※ 4 ポリ塩化ビフェニル
区分しています。2006 年度は、つくばセ              堆肥量はおよそ 150 立米になります。           (PCB)
                                                                    PCB は絶縁性、不燃性な
ンターにおける排出量が増加したため、前                                                どの特性により、  トランス、
                                                                   コンデンサなど電気機器を
年度に比して約 28%増加※ 2 しました。                                             はじめ幅広い用途に使用さ
                                                                   れてきましたが、1968 年
                                                                   のカネミ油症事件が発生す
                                                                   るなど、その毒性が社会問
古紙回収                                                               題化し、日本では 1972 年
                                                                   以降その製造が行われてい
 コピー用紙、雑誌類、新聞紙、ダンボー                                                ません。しかし、処理体制
                                                                   の整備が進まないことなど
ル紙などは資源ごみとして回収していま                                                 から長期にわたる保管が続
                                                                   いています。
す。2006 年 度 に 回 収 し た 古 紙 の 量 は 約
                                                                  ※ 5 PCB 特措法
264 トンでした。                                                         「ポリ塩化ビフェニル廃
                                                                  棄物の適正な処理の推進に
                                                                  関する特別措置法」の略称
リサイクル情報システムを活用した                      敷地内で堆肥化されている刈り草             で す。2001 年 6 月 に 制 定
                                                                  されました。
資産の有効利用
 所内イントラネットシステムにおいて、                PCB	廃棄物の適正管理および処理
新リサイクル情報システムを 2005 年 5 月            ポリ塩化ビフェニル(PCB) ※ 4 は人の
より運用を開始しています。譲る」 求む」
            「   「
                、                  健康および生活環境にかかる被害を生じる
ごとのリサイクル情報が簡易に検索できる                おそれがある物質であり、難分解性、高蓄
機能を新たに搭載し、リサイクル促進に役                積性、大気や移動性の生物種を介して長距
立てています。                            離を移動する性質を有することから、将来
                                   にわたる環境汚染をもたらす危険性があり
                                   ます。PCB	 特措法 ※ 5 では、PCB	 廃棄物の
                                   処理体制の構築に向けた施策を実施し、今
                                   後 2016	年までに PCB	廃棄物の処理を終え
                                   ることとしています。
                                    産総研では、国による PCB 廃棄物処理
                                   体制が整備されるまで、PCB	が漏えいしな
                                   いよう適正な保管施設において適切に保管
                                   しています。2007 年 3 月 31 日現在の保
                                   管量は、高圧コンデンサ 82 台、高圧トラ
                                   ンス 37 台、低圧コンデンサ 416 台、安定
                                   器 5,739 台となっており、その他 PCB 廃
                                   液付着物などがあります。今後は、処理体
                      ※3
        リサイクル成立件数                  制の整備状況に応じて計画的に処理を進め
                                   ていく予定です。




                                                   産業技術総合研究所 環境報告書 2007              27
化学物質の管理

 ※ 1 危険薬品                 化学物質の総合的な管理                       で、保有者・保管場所の管理、関連法規制
  産総研では、化学物質の
 うち、何らかの法規制のあ               薬品やガスなどの化学物質は、私たちの              のチェック、使用量の集計、MSDS	 ※ 2 検
 るものを「危険薬品」と定
 義しています。化学物質を             生活を豊かで快適なものにするために欠                索といった、納品から廃棄までに必要とな
 規制する主な法律には、労
 働安全衛生法、毒物及び劇             かすことができません。しかし、化学物                る情報の総合的な管理が可能です。
 物 取 締 法、 消 防 法、PRTR
 法などがあります。                質を取り扱うには、安全性の確保はもちろ                また、事業所ごとに危険薬品専門委員会
 ※ 2 MSDS                 んのこと、環境に対する影響を低減するた               や高圧ガス専門委員会を常設し、関連法令
   化学物質等安全データ
 シ ー ト(Material Safety    めに総合的な管理が必要です。そこで、産               の順守や適正な取り扱い・管理に向けた取
 Data Sheet) を 指 し ま す。
 MSDS には、化学物質の名           総研ではイントラネットワークを用いた独               り組みを推進しています。さまざまな実験
 称、性質、危険有害性、取
 扱上の注意などについての             自の化学物質総合管理システムを構築し、               で必要となる高圧ガスの消費、貯蔵や製造
 情報が記載されています。
                          2001	年 8	月から運用しています。              についても法的な許可または届出の手続を
 ※ 3  つ く ば ス ー パ ー ク
 リーンルーム産学官連携研
                            産総研内に保有しているすべての危険薬              踏み、法令で定められた技術基準への適合
 究棟の概要                        ※1
    関連政府総予算額:252
                          品        や高圧ガスボンベにバーコードラベ         性を維持し、事故および環境影響の防止に
 億円
    スーパークリーンルー
                          ルを発行し、このシステムに登録すること               努めています。
 ム:3,000m2( ク リ ー ン 度
 JIS クラス 3)
    研究用クリーンルーム:
 1,500m2(クリーン度 JIS ク
 ラス 5)
    研 究 棟 : 地 下 1 階、 地
 上 5 階建て
    屋外施設棟: 地下 1 階、
                           つくば西事業所におけるフッ化水素の使用
 地上 2 階
    総 延 べ 床 面 積: 約
                              つ く ば 西 事 業 所 で は、
 22,000m2(各種施設、研究
                          つくばスーパークリーン
 事務室などを含む)
    建設面積:約 9,700m2
                          ルーム産学官連携研究棟
 ※ 4 エッチング                (SCR 棟 ) ※ 3 が 2002 年 に
  化学薬品などを使って絶
 縁体などの材料を溶かし表             建設されたのを機にフッ
 面を加工する技法のこと
 で、 半 導 体 プ ロ セ ス で は     酸(フッ化水素の水溶液)
 ウェハ上の不要な薄膜を除
 去して微細構造を形成する             の使用量が急増しました。               つくばスーパークリーンルーム産学官連携研究棟
 のに用いられます。
                          2006 年度でみると西事業
                          所全体のフッ化水素の使用量は 8,937kg ですが、このうち 8,932kg が SCR 棟で使用され
                          ています。
                              SCR 棟では民間企業および大学と共同で半導体製造技術に関する研究が行われていて、
                          フッ酸は半導体製造工程におけるエッチング※ 4 用の薬品として使用されています。
                              使用後のフッ酸は、パイプラインを通じて廃液タンクに集められた後、フッ酸専用の
                          施設で処理されます。施設では、消石灰と反応させてフッ化カルシウムを生成させ、こ
                          れに凝集剤(塩化鉄)を添加して大きな凝集体とした後、沈殿回収する方法(凝集沈殿
                          方法)でフッ素を除去しています。回収したフッ化カルシウムは加圧脱水で汚泥とし、
                          業者に引き取られます。ま
                          た、処理後の廃水は、フッ
                          素濃度が基準値(8mg/L)
                          未満であることを確認し
                          た 後、 下 水 道 へ 放 流 さ れ
                          ます。
                                                    SCR クリーンルーム内   処理施設 フッ素濃度モニター




28    産業技術総合研究所 環境報告書 2007
PRTR 法などへの対応                                                                                       ※ 5 PRTR 法
                       ※5                                                                            PRTR とは、環境汚染物
 産総研では、PRTR 法               に基づき、対象              した。                                               質排出 移動登録
                                                                                                         ・     (Pollutant
                                                                                                   Release and Transfer
化学物質を管理し、該当する化学物質の排                                その他に、北海道センターでは「札幌市                              Register)の 略称で、工場
                                                                                                   や研究所から環境中に排出
出量と移動量を把握して届出を行っていま                              生活環境の確保に関する条例」に基づき、                               さ れ る 環 境 汚染物質を把
                                                                                                   握・報告し、公表する制度
す。2006 年度は、対象 354 化学物質(群)                        2 物質を報告し、臨海副都心センターでは                              のことです。
                                                                                                     PRTR 法とは、 「特定化学
のうち、全研究拠点を合わせると 145 物                           「都民の健康と安全を確保する環境に関す                                物質の環境への排出量の把
                                                                                                   握及び管理の改善の促進に
質(群)の使用実績があり、3 事業所での                             る条例」に基づき、4 物質の報告をしてい                              関する法律」の略称です。
                                                                                                   化学物質管理促進法、化管
べ 4 物質を届出しました。また、年間使用                            ます。                                               法ともいいます。特定化学
                                                                                                   物 質 と し て 指定された物
量が 10kg 以上のものは 32 物質(群)で                                                                           質を取り扱う事業者には、
                                                                                                   MSDS 作成と PRTR 届出が
                                                                                                   義務づけられています。
        PRTR 対象化学物質の排出・移動量(届出義務物質:取扱量 1t 以上)※ 6、7、8
                                                                                         単位:kg     ※ 6 有効数字について
                                                                                                     届出・報告が有効数字 2
         政令                                         排出量                             移動量            桁ですので、それに合わせ
事業所      番号      物質名        取扱量
                                      大気        公共用水域   土壌           埋立          下水道    その他        て記載しています。また、
つくば 1    179   ダイオキシン類          -      0.015        0.0    0.0             0.0      0.0      0.0   PRTR 法では、取扱量の報
つくば 5     95   クロロホルム        2,700       340        0.0    0.0             0.0      0.0     240    告はありませんが、参考の
                                                                                                   ため記載しています。
         145   ジクロロメタン       2,800       300        0.0    0.0             0.0      0.0     460
つくば西     283   ふっ化水素及び       8,900        0.0       0.0    0.0             0.0     460    8,500    ※ 7 ダイオキシンの取扱
               その水溶性塩                                                                              量について
                                                                                                     PRTR 法に定める特別要
                                                                                                   件施設(廃棄物処理施設:
                                                                                                   p.21 参 照 ) を 設 置 し て い
   札幌市条例対象化学物質の排出・移動量(報告義務物質:使用量 100kg 以上)※ 6                                                      るため届出が義務づけられ
                                                                                         単位:kg     ているものであり、取り扱
                                                                                                   いはありません。
                                       製造               排出量                         移動量
事業所      番号       物質名        使用量       など        大気    公共用水域         その他         廃棄物   下水道         ※ 8 ダイオキシンの単位
北海道      21    クロロホルム           220       0.0       12     0.0          0.0        200    0.0      について
         35    N,N- ジメチルホル      300       0.0       34     0.0          0.0        270    0.0       ダイオキシンについて
               ムアミド                                                                                は、単位は mg-TEQ です。



   東京都条例対象化学物質の排出・移動量(報告義務物質:使用量 100kg 以上)※ 6
                                                                                         単位:kg
                                       製造                   排出量                     移動量
事業所      番号       物質名        使用量       など        大気        公共用水域     その他         廃棄物   下水道
 臨海      2     アセトン             130       0.0         39       0.0      0.0         96    0.0
         16    酢酸エチル            220       0.0         41       0.0      0.0        180    0.0
         26    ジクロロメタン          170       0.0         14       0.0      0.0        160    0.0
         53    メタノール            660       0.0         62       0.0      0.0        600    0.0


                                                                 2006 年度

                                                                 2005 年度

                                                                 2004 年度




         PRTR 対象化学物質取扱量(上位 10 物質)                                                  研究拠点別取扱量




                                                                           産業技術総合研究所 環境報告書 2007                        29
環境リスクマネジメント

 ※ 1 規制値を上回った箇           環境リスク低減への取り組み               遺伝子組換え生物等の使用等についての
 所
   北海道センター、関西セ            産総研では、研究活動で発生する環境汚         文部科学省からの厳重注意について
 ンターおよび尼崎事業所の
 一 部。 詳 し く は 研 究 拠 点    染事故をはじめとする環境リスクを未然に          産総研は、2006 年 9 月 8 日付で文部科
 データ編を参照(p.48 ~)     。
                         防止し、万が一事故が発生した場合に被害         学省研究振興局長から遺伝子組換え生物等
 ※ 2 カルタヘナ法
  「遺伝子組換え生物等の            を最小化するよう、迅速かつ適切に対処で         の使用等についての厳重注意を受けまし
 使用等の規制による生物の
 多様性の確保に関する法             きる体制をとっています。また、包括的な         た。これは、産総研がカルタヘナ法 ※ 2 に
 律」の通称です。 「生物の
 多様性に関する条約」およ            リスク管理のため、リスク管理運用フロー         定められた拡散防止措置に適合した対応を
 び「生物の多様性に関する
 バイオセーフティに関する            を整備し、各部門に担当者・責任者を置い         取っていない部分があったことが判明した
 条約のカルタヘナ議定書」
 に対応するために制定され
                         たリスク管理体制を構築してきました。環         ためです。
 た法律です。生物の多様性
 の保全および遺伝子組換え
                         境リスクの低減も包括的なリスク管理の           今後、産総研はこの厳重注意を真摯に受
 生物などによる生物多様性
 環境への影響を防止するこ
                         PDCA サイクルの中で実行しています。        け止め、遺伝子組換え生物等の使用等を
 とを目的としています。
                          騒音については、一部の事業所で基準を         行う場合には、再びこのような問題を引き
 ※ 3 放射性物質                               ※1
  ある種の原子核は、不安
                         超える騒音が観測されました        が、防音   起こさないよう策定した再発防止策を徹底
 定なものがあり、これらの
 原子核は、アルファ(α)
                         対策などの措置を実施し、順次低減を図っ         し、着実に取り組んでいるところです。な
 線、ベータ(β)線あるい
 はガンマ(γ)線などの放
                         ていきます。                      お、本件により周囲の環境には影響を与え
 射線を出し、安定な原子核
 に変わります(壊変現象)      。
                          2006 年度は近隣にお住まいの方から 3      ていないことを確認しております。
 この能力を放射能と呼び、
 強 さ を ベ ク レ ル(Bq) で
                         件の苦情が寄せられましたが、施設の改修
 表します。放射能をもって
 いる物質を放射性物質とい
                         を含め、誠意を持って迅速に対応を行い、
 い、自然界にある元素では
 ウラン、ラジウムなどがあ
                         すべてご了承いただいています。また、罰         放射性物質※ 3 の不適切な使用などに
 ります。
                         金/科料はありませんでした。              ついて
 ※ 4 管理区域                                             2006 年 12 月、つくばセンターにおいて、
  関係者以外の者の無用な
 放射線被ばくを防止すると                                        一部の研究者による放射性物質の不適切な
 ともに、施設内で作業する
 人の被ばく管理を適正に行                                        保管、使用などが判明し、2007 年 1 月に
 うためには、放射線被ばく
 のおそれのある区域は他の                                        公表いたしました。本件では一部の放射性
 一般区域から物理的に隔離
 した「管理区域」として管                                        物質水溶液が誤って実験用流しに廃棄され
 理する必要があります。
                                                     ましたが、放射能計測などの結果、周辺環
                                                     境への放射能の汚染は検知されませんでし
                                                     た。また、管理区域※ 4 外で扱われた放射
                                                     性物質の量は微量であるため、現場研究者
                                                     への影響はありません。したがって、本件
                           騒音の自主測定(つくばセンター)          による周辺地域および産総研構内における
                                                     人体、環境への影響はないと考えられます。
                                                     産総研は、文部科学省、経済産業省などに
                                                     調査結果および今後の、(1)個人の法令
                                                     順守徹底、(2)管理体制強化を柱とする
                                                     再発防止策について報告を行いました。今
                                                     後産総研は再発防止策を徹底し、再び同様
                                                     の事態が生じる事のないよう、着実に実施
                                                     していきます。




30   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
ライフサイエンス実験管理センター・           石綿含有吹き付け材除去計画
放射線管理センターの設立                基本方針策定
 産総研は、2007 年 4 月 1 日にライフサ    産総研内において使用されている石綿含
イエンス実験管理センターを、同年 7 月 1      有吹き付け材について、石綿障害予防規則
日に放射線管理センターを環境安全管理部         に基づいて 2005 年度から所在箇所の特定、
内に設立しました。両センターでは環境安         劣化度調査ならびに石綿含有率の分析を行
全にかかわる法令順守を徹底するため、一         うとともに、並行して一部の汎用性の高い
元管理体制の強化と教育訓練の充実を主軸         箇所の石綿および毒性の高い青石綿と茶石
に、主に次のような取り組みを実施してい         綿などの一部除去を行ってきました。隠ぺ
ます。                         い部の吹き付け材の石綿含有率の調査は、
● ライフサイエンス実験管理センター          2007 年 10 月までに終了させる予定です。
 実験計画審査の一元管理                このたび、露出部の石綿含有吹き付け材に
 安全主任者などの選任                 ついて、産総研全体の現状が明らかになっ
 実験現場の定期巡視                  たことから、より効率的かつ計画的に石綿
 実験動物飼育の一元管理  など            含有吹き付け材の除去を行うために、除去
● 放射線管理センター                 計画策定の基本方針および除去計画を定め
 管理区域内や貯蔵室、廃棄物保管室への         ました。
  入退室の一元管理                   劣化度調査および室内環境測定の結果、
 非密封放射性物質の受入・使用・保管・         石綿含有吹き付け材には一定の劣化などが
  廃棄・払出しなどの一元管理             認められましたが、その劣化などにより粉
 年に 2 回の棚卸の実施  など           じんを発散させ、直ちに職員などが石綿粉
                            じんにばく露する危険性はないものと判断
                            されたこと、また、現況において石綿粉じ
石綿を用いた研究について                んが飛散している部屋は確認されていない
 産総研では石綿および石綿含有鉱物の標         ことから、予算と代替スペースの確保に
本を、環境に影響を与えることのないよう、        努めつつ、段階的かつ計画的に実施してい
十分留意し保管管理しています。また、石         くこととしました。除去計画期間の年限は
綿廃棄物の無害化の研究は社会的な要請事         2007 年度から 2013 年度までの 7 年間と
項であり、産総研としても今後必要に応じ         しています。
て実験を行うこともありますが、石綿を使
用した実験を実施するにあたっては労働安
全衛生法に従って労働局長の許可を得たう
えで、実験者および環境に影響を与えない
よう十分な準備と配慮の上で適正に実施し
ていきます。




                              石綿作業環境測定士による気中分析




                                          産業技術総合研究所 環境報告書 2007   31
グリーン調達

 ※ 1 グリーン購入法            グリーン調達への取り組み                             特定調達品目の判断基準に化学物質の使
  「国等による環境物品等
 の調達の推進等に関する法            産総研では、研究開発を行うために必要                      用の制限などが加わり、2005 年度までは
 律」の略称です。
                        な製品・部品・材料を購入するときや、加                      基準を満たしていたが外れてしまった機
 ※ 2 基本方針
  「環境物品等の調達の推           工・試作などを外部の業者に依頼するとき                      種※ 4 がありました。新規購入のコピー機
 進に関する基本方針」が
 正式名称で、グリーン購入           は、品質や価格だけでなく環境も考慮して、                     は 2005 年度までレンタルにて使用してい
 法に基づき国が定めていま
 す。                     環境負荷ができる限り小さい製品・サービ                      た機種です。調達目標達成率はコピー機
 ※ 3 2006 年 度 特 定 調 達   スを優先して選ぶグリーン調達を進めてい                      を除き 100%目標達成することが出来まし
 品目について
  2006 年 2 月 28 日の閣議    ます。                                      た。また、文具調達においては、再生材料
 決 定 に よ り、17 分 野 214
 品目が定められるとともに
                         また、グリーン調達を促進させるため、                      又は、古紙の配合率が判断基準より高い水
 判断基準の見直しが行われ                         ※1             ※2
 ました。
                        グリーン購入法            および基本方針        に基     準のものも一部調達しました※ 5。

 ※ 4  基 準 か ら 外 れ て し
                        づいて、「環境物品等の調達の推進を図る
 まった機種
  コピー機  (購入 2 台、  リー
                        ための方針」を定め公表しています。                        ハイブリッド車保有台数
 ス・レンタル 144 台)
                                                                     2007 年 6 月現在で、産総研の全研究拠
 ※ 5 代表的な調達品
  フ ァ イ リ ン グ 用 品、      環境物品等の調達実績の概要                            点で保有する自動車計 79 台のうち 6 台が
 シャープペンシル、マーキ
 ングペン、 事務用修正具  (液
                         産総研が 2006 年度調達した特定調達品                   ハイブリッド車です(実験用車両も含む)。
 状)                         ※3
                        目        は、紙類、文具、OA 機器、役務など              購入、リース・レンタルにあたってはハイ
 ※ 6 目標達成率
   目標達成率=(特定調達
                        の 16 分野 139 品目でした。OA 機器分野                ブリッド車または低公害車の選定を推進し
 物品の調達量 / 総調達量)
 / 目標値
                        のコピー機の購入においては、2006 年度                    ています。


                                            主な特定調達品目調達実績

           分野                              品目                  目標値         総調達量         特定調達物品の 目標達成率※ 6
                                                                                           調達量
                コピー用紙                                          100   %   116502.1	 kg    116502.1	 kg 100 %
                印刷用紙(カラー用紙を除く)                                 100   %     2353.9	 kg      2353.9	 kg 100 %
         紙 類    印刷用紙(カラー用紙)                                    100   %     1840.7	 kg      1840.7	 kg 100 %
                トイレットペーパー                                      100   %    11623.8	 kg     11623.8	 kg 100 %
                ティッシュペーパー                                      100   %     3018.3 kg       3018.3	 kg 100 %
                ボールペン                                          100   %     18761 本         18761 本    100 %
                マーキングペン                                        100   %     11440 本         11440 本    100 %
                ファイル                                           100   %    127555 冊        127555 冊    100 %
         文具類
                事務用封筒(紙製)                                      100   %    241618 枚        241618 枚    100 %
                付箋紙                                            100   %     11640 個         11640 個    100 %
                名札(衣服取付型・首下げ型)                                 100   %      9496 個          9496 個    100 %
                いす                                             100   %      1132 脚          1132 脚    100 %
         機器類    机                                              100   %       575 台           575 台    100 %
                棚                                              100   %       749 連           749 連    100 %
                            購入                                                  2台              0台
                                                               100 %                                   67 %
                コピー機        リース・レンタル(新規)                                        4台              4台
                            リース・レンタル(継続)                                     249 台           105 台
        OA 機器
                プリンタ等       購入                                 100   %       500 台           500 台    100 %
                記録用メディア                                        100   %     12458 個         12458 個    100 %
                一次電池又は小型充電式電池                                  100   %     21303 個         21303 個    100 %
        家電製品    電気冷凍冷蔵庫     購入                                 100   %       117 台           117 台    100 %
     エアコンディショナー エアコンディショナー  購入                                 100   %        14 台            14 台    100 %
                            Hfインバータ方式器具                                       42 台            42 台
                蛍光灯照明器具                                        100 %                                  100 %
                            インバータ方式以外器具                                       45 台            45 台
         照 明
                            高周波点灯専用形(Hf)                                    2921 本          2921 本
                蛍光ランプ                                          100 %                                  100 %
                            ラピッドスタート形又はスタータ形                             18345 本         18345 本
        自動車等    一般公用車以外     購入                                                  3台              3台
        作業手袋    作業手袋                                           100 %       48171 組         48171 組    100 %
        役 務     印刷                                             100 %         871 件           871 件    100 %




32    産業技術総合研究所 環境報告書 2007
社会とのコミュニケーション

コミュニケーション                 常設展示施設                            ※ 1 2006 年 度 の 産 総 研
                                                            環境・エネルギーシンポジ
 産総研では、一般の方々を対象として、        つくばセンターにある常設展示施設「サ               ウムシリーズ
                                                             (1)  喫 緊 の 資 源・ 環 境
研究成果をわかりやすく発信するよう努め       イエンス スクエアつくば」「地質標本館」
                              ・        、                    制約とリサイクル技術開発
                                                             (2)  第 4 回 水 素 エ ネ ル
ています。                     は、土日祝日にも開館しています。2006              ギーシンポジウム
                                                             (3)  第 3 回 分 散 型 エ ネ
一般公開                      年度の入場者数は、サイエンス・スクエア               ルギーシンポジウム-シス
                                                            テムに不可欠なエネルギー
 一般の方々を対象としたイベントのう        つくばで 30,413 名、地質標本館で 41,103       貯蔵・平準化技術最前線-
                                                             (4) 21 世紀の化学反応
ち、各研究拠点で大々的に毎年 1 回開催      名でした。                             とプロセス-機能性化学品
                                                            と化学プロセスの新しい展
されているのが、一般公開です。2006 年      また、臨海副都心センターには、「サイ               開-
                                                             (5)  我 が 国 に お け る 環
度の一般公開では、のべ 12,198 名の来場   エンス・スクエア臨海」が開設されていま               境技術開発の新たな展開-
                                                            低エネルギー消費型環境負
者がありました。                  す。                                荷物質低減技術開発成果報
                                                            告会-
 つくばセンターの一般公開では、サイエ       産総研 TV シリーズ
ンストークとして、将来研究者を目指して        産総研の研究や活動をより多くの方々に
いる高校生と若手研究者のディスカッショ       知っていただくためのテレビ番組「つくば
ンの場を設けました。                発しなやかな産業革命」というシリーズが、
                          多くのケーブルテレビ局を通じてサイエン
                          スチャンネルで放映されました。
                          出版物・Web ページ
                           産総研の研究開発やニュースをお届けす
                          る月刊の広報誌「産総研 Today」、産総研
                          の研究成果に限らず現在の産業技術・科学
                          技術をわかりやすく紹介する広報誌「産総
                          研 SAN・SO・KEN」を発行しています。
                           また、産総研の Web ページでは、広報
                          誌の電子版や産総研 TV シリーズを収めた
                          ビデオライブラリーなど、多くの情報がご
                          覧になれます。
                           産総研 URL http://www.aist.go.jp/


                          研究成果の社会への還元
                           産総研の研究成果を発信する手段とし
                          て、数多くの講演会を主催・共催していま
                          す。産総研環境・エネルギーシンポジウム
                          シリーズは、2006 年度は 5 テーマ※ 1 に関
                          して企画・開催しました。このほかにも、
                          国内外の展示会などに積極的に出展してい
                          ます。
                           また、環境・エネルギー分野以外でも、
                          数多くの研究成果を発信しています。


        一般公開の様子




                                             産業技術総合研究所 環境報告書 2007               33
安全で快適な職場環境の形成

 ※ 1 一般研究系職員研修          安全への取り組み                    健康管理の取り組み
   研 究 者 行 動 規 範(2006
 年 1 月制定)  を基礎にして、      安全管理                         定期に一般健康診断および特殊健康診断
 研究者にとって日常的に大
 きな課題である安全管理お            産総研では、組織的な安全管理に関する         を実施するとともに人間ドックの受診も奨
 よび研究倫理についての研
 修を 2006 年度より実施し        教育・啓蒙などによる安全意識の向上、施         励し、職員の健康障害や疾病の早期の発見
 ました。
   2006 年度は、常勤職員        設・設備などの改善などにより災害の未然         を目指しています。健康診断実施後の有所
 と契約職員などを対象に
 1,172 名が参加しました。        防止を図っています。発生した事故災害に         見者に対しては医療スタッフとの面談を呼
 ※ 2 ヒヤリ・ハット活動          ついては、軽微なことでも、安全衛生委員         びかけ、健康管理システムなどを利用した
  日常の業務の中で、ヒヤ
 リとしたりハッとしたりし           会の議題として、対応・対策を検討して、         定期的なフォローを行っています。また、
 たが、災害にはならなかっ
 た体験を「ヒヤリ ハット」
          ・
                        職員などに周知しています。               過重労働による健康障害防止の観点から、
 と呼んでいます。これらの
 体験報告を共有することに
                        研究者研修                       産総研としての基準※ 3 を定め、労働安全
 より、事故災害の未然防止
 に役立てる活動です。
                         産総研では、契約職員を含む産総研に勤         衛生法に基づく医師などによる面談指導を

 ※ 3 面談対象者の基準
                        務するすべての研究職員が、産総研内で研         実施しています。
   研究業務:3 ヶ月の時間
 外労働が連続して 80 時間
                        究を遂行する上で日常的に理解しなければ          また、禁煙相談やウォーキング活動など
 を越えている者
   研究関連・管理業務:3 ヶ
                        ならない必要知識の講習として、2006 年       を通して、職員の健康維持・増進のための
 月の時間外労働が連続して                          ※1
 45 時間を越えている者
                        度から一般研究系職員研修        を開始しま   活動に取り組んでいます。
                        した。
                        ヒヤリ・ハット活動※ 2                石綿に関する健康相談の取り組み
                         2005 年度から開始していますが、より        建物内に使用されている吹き付け材など
                        提出しやすい報告書様式を作成して、安全         の石綿に関する情報を発信するとともに、
                        衛生委員会を通した安全衛生会議におい          過去に取り扱ったり健康に不安を感じてい
                        て、従来のヒヤリ・ハット体験以外の危険         る職員からの相談に産業医が対応していま
                        箇所の情報を新たに求めています。今まで         す。
                        の事故情報とともに産総研全体の情報の共
                        有により、事故災害の再発防止活動に活用         メンタルヘルスの取り組み
                        しています。指摘された危険箇所は、可能          プライバシー保護に十分な配慮を行い、
                        な限り改善をしています。                産業医や産業カウンセラーによるカウンセ
                        安全巡視                        リングや電話・メール相談などを行ってい
                         定期的に実施している産業医、衛生管理         ます。また、職員健康管理等検討委員会に
                        者、研究ユニットおよび研究ユニット長の         よるメンタルヘルスケア体制の検討および
                        巡視により、基本的な整理・整頓、什器の         推進、メンタルヘルス不全職員のための職
                        転倒防止などの措置や危険有害要因の排除         場復帰支援プランの策定も開始しました。
                        により、事故災害の予防措置を図っていま          産業医および外部の講師によるメンタル
                        す。また、月ごとにテーマを決めポイント         ヘルスセミナーを開催し、セルフケアおよ
                        を絞った重点的なチェックや違う職場を点         びラインによるケアについて、必要な知識
                        検する研究拠点間の相互巡視を実施するこ         を習得してもらうよう情報提供を行ってい
                        とで巡視の形骸化防止と視点の統一性を          ます。
                        図っています。2006 年度も、外部講師を        さらに、外部専門機関との連携により、
                        招いた巡視セミナーを開催しました。           臨床心理士へのメールや電話による相談、
                                                    対面カウンセリングが全国の各研究拠点か
                                                    ら利用できる体制を整えています。



34   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
セクシュアル・ハラスメント防止の           労働災害の状況                     ※ 4 度数率グラフについ
                                                       て
取り組み                        産総研では、研究開発に伴って取り扱う           度数率:100 万延実労働
                                                       時間あたりの死傷者数
 セクシュアル ハラスメントについては、
       ・                   薬品やガスなどにより日常的に潜在的な危           全産業:事業所規模 100
                                                       人以上
各事業所にいる相談員および産業医、イン        険要因にさらされています。                 産総研:構内および近辺
                                                       の自転車転倒を含んだ交通
ターネットによる健康相談で応じていま          すべてに安全を優先して行うことを基本         事故を含む

す。どの相談員にも、気軽に相談できる体        として、過去の事故事例やヒヤリ・ハット         ※ 5  不 休 災 害 度 数 率 の
                                                       データについて
制になっています。                  事例から得た対策などを受け、安全衛生委          2006 年度の不休災害の
                                                       度数率については、全産業
 2006 年度の相談件数は 5 件ありました。   員会を通して職員に情報を周知することで         のデータは公表されていま
                                                       せ ん(2007 年 9 月 1 日 現
                           事故災害の未然防止と再発防止を図ってい         在)。

研究ハラスメント防止の取り組み            ます。
 研究ハラスメントについては、各事業所         2006 年度は、休業災害が 4 件発生しま
にいる相談員が対応しています。なお、相        した。そのうち 3 件は転倒事故でした。室
談の内容などによっては委員会が審査を行        内および屋外における転倒の可能性がある
い、必要な措置を提言することで、研究ハ        危険箇所について広く情報を求め、改善し
ラスメントにより職員が被った不利益を回        ていくなどの転倒対策の取り組みを強化し
復します。                      ています。
 2006 年度の相談件数は 4 件ありました。


防災訓練 
 産総研では、自衛消防隊を主体として通
報・連絡、消火、避難誘導などの自衛消防
活動を年 1 回実施しています。
 火災発生時の初期対応行動になる消火や
放水は、消防署員の指導を受けています。
 2006 年度の防災訓練の参加者は 3,600
人でした。


                                   休業災害度数率※ 4




粉末消火器による消火訓練(関西センター)




                                   不休災害度数率※ 4,5




                                           産業技術総合研究所 環境報告書 2007           35
第三者意見
                                                 特定非営利活動法人 循環型社会研究会 
                                                                 代表  山口民雄 
                                                                 副代表 田中宏二郎


      昨年に続き第三者意見を担当させていただきましたが、今回は本報告書の初稿ができた段階でダイアログ
     を実施しました。そして、その中で提起しました多くの意見が貴研究所内で討議され最終稿に反映されてい
     ます。こうした姿勢をさらに発展させ、今後一層、ステークホルダーの関心、懸念事項を十分に把握され、
     本報告書に反映されることを期待します。また、本第三者意見を含め、提起された意見項目について実現不
     可能であればその理由、実現に時間がかかるのであればその期間などについてフィードバックされることも
     ステークホルダー・エンゲージメントの観点から重要と考えます。
      報告書の理解を促進する上で、当該組織の概要と特異性、ビジョン、戦略を示すことが重要ですが、本報
     告書では吉川理事長の緒言をはじめ本文でこれらの点が明確に記載されています。緒言では、研究者が産業
     の持続性に向けての重心移動を促進する基礎技術を生み出すという共通の目的意識を持つことを研究所の環
     境戦略の基本と明記されています。そして、研究の固有性と多様性に起因する環境面、安全面での特異性に
     も言及されています。こうした緒言は報告書全体の基調を示すとともに本文の項目と有機的に結合し、読者
     の理解を助けています。
      こうした緒言に示された環境戦略のもとに研究所が環境に関する技術開発に注力されていることは「環境
     研究トピックス」によって理解できます。しばしば、こうした技術の説明は他の記載に比べ難解な文章にな
     りがちですが、本トピックスは技術の社会的な要請も含めて比較的平易に記載され、さらに注も多く理解を
     助けています。こうした理解容易性への努力については、定量的な記載が増えてきたことや環境負荷の全体
     像における「○世帯分」といった記載などにも表れています。
      また、ネガティブ情報についても積極的に開示されています。こうした開示姿勢は研究所の透明性や情報
     開示に対する誠実性をうかがうことができます。ただ、その内容や程度については報告書の記載だけでは実
     態が十分把握しがたいことや再発防止策の内容やその有効性が分かりません。こうした詳細な内容について、
     Web などでの情報開示を期待します。
      環境負荷の実態については「環境負荷の全体像」が示され、全体の状況が一目で把握できます。また、負
     荷削減の努力によって総エネルギー使用量や NOx、 排出量などが低減していることは高く評価できます。
                              SOx
     しかし、個々の負荷削減についてその削減に向けての方針、目標、実績、評価、今後の課題について一連の
     記載が全体的に弱いといわざるを得ません。今後は環境と安全衛生を統合したマネジメントの構築を進めて
     いますので、この両者について方針から課題までを一覧にした掲載を検討していただきたいと考えます。
      廃棄物処理については、昨年も申し上げましたが一般の企業に比べ最終処分率が非常に高い数値(18.3%)
     となっています。この要因と最終処分率低減に向けた今後の施策についてはぜひ、次回の報告書で言及すべ
     きと考えます。また、PRTR 対象化学物質の排出・移動量でつくば西事業所の「その他」の数値が大きいこ
     とが目に付きます。このような場合には「リサイクル」など「その他」についての内容も示していただくこ
     とを希望します。
      わが国の報告書は環境報告書から大きく CSR 報告書にシフトしてきています。これは、ステークホルダー
     の強い要請の結果といえます。そこで、貴研究所においてもこうした動向を視野に入れ、今後のコミュニケー
     ション戦略を確立していただくことを期待します。そして、過重労働やメンタルヘルス疾患、労働者派遣な
     ど貴研究所として関わりを持つ多くの社会的課題に対してどのように対応し、問題解決を図るのか、その取
     り組みと成果を報告されることを期待します。


     循環型社会研究会:次世代に継承すべき自然生態系と調和した循環型社会のあり方を地球的視点から考察し、地域における市民、事業者、行政の循環型社会形成に向
     けた取り組みの研究、支援、実践を行うことを目的とする市民団体。URL:http://www.nord-ise.com/junkan/




36   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
研究拠点データ編
所在地

                       所在地                                                  電話



         北海道センター       〒 062-8517       札幌市豊平区月寒東 2 条 17-2-1                011-857-8400
            札幌大通りサイト   〒 060-0042       札幌市中央区大通西 5-8 昭和ビル 1 階              011-219-3359
          東北センター       〒 983-8551       仙台市宮城野区苦竹 4-2-1                     022-237-5211
             仙台青葉サイト   〒 980-0811       仙台市青葉区一番町 4-7-17 小田急仙台ビル 3 階        022-237-5218
            中央第1       〒 305-8561       つくば市東 1-1-1 中央第 1
              北サイト     〒 300-4201       つくば市大字寺具字柏山 1497-1
              苅間サイト    〒 305-0822       つくば市苅間 2530                           029-852-8742
            中央第2       〒 305-8568       つくば市梅園 1-1-1 中央第 2
     つ
     く      中央第3       〒 305-8563       つくば市梅園 1-1-1 中央第 3
     ば
     セ      中央第4       〒 305-8562       つくば市東 1-1-1 中央第 4                    029-861-2000
     ン                                                                      (総合)
     タ      中央第5       〒 305-8565       つくば市東 1-1-1 中央第 5
     ー
            中央第6       〒 305-8566       つくば市東 1-1-1 中央第 6
            中央第7       〒 305-8567       つくば市東 1-1-1 中央第 7
              船橋サイト    〒 273-0012       船橋市浜町 2-16-4
              西        〒 305-8569       つくば市小野川 16-1
              東        〒 305-8564       つくば市並木 1-2-1
         臨海副都心センター     〒 135-0064       江東区青海 2-41-6                        03-3599-8001
          中部センター       〒 463-8560       名古屋市守山区下志段味穴ケ洞 2266-98              052-736-7000
              瀬戸サイト    〒 489-0884       瀬戸市西茨町 110                          0561-82-2141
          関西センター       〒 563-8577       池田市緑丘 1-8-31                        072-751-9601
             大阪扇町サイト   〒 530-0025       大阪市北区扇町 2-6-20                      06-6312-0521
             千里サイト     〒 560-0083       豊中市新千里西町 1-2-14 三井住友海上千里ビル 5 階 06-4863-5025
            尼崎事業所      〒 661-0974       尼崎市若王寺 3-11-46                      06-6494-7854
          中国センター       〒 737-0197       呉市広末広 2-2-2                         0823-72-1111
          四国センター       〒 761-0395       高松市林町 2217-14                       087-869-3511
          九州センター       〒 841-0052       鳥栖市宿町 807-1                         0942-81-3600
              福岡サイト    〒 810-0022       福岡市中央区薬院 4-4-20                     092-524-9047
              直方サイト    〒 822-0002       直方市頓野 1541                          0949-26-5511
           福岡西事業所      〒 819-0395       福岡市西区元岡 744                         092-802-0260
           東京本部        〒 100-8921       千代田区霞ヶ関 1-3-1                       03-5501-0900
             丸の内サイト    (2007.4.30 廃止)

              大田サイト    〒 144-0042       大田区羽田旭町 7-1 大田区創業支援施設
           秋葉原事業所      〒 101-0021       千代田区外神田 1-18-13 秋葉原ダイビル 10 階 11 階   03-5298-4721
           八王子事業所      〒 192-0982       八王子市片倉町 1404-1 東京工科大学内
           小金井事業所      〒 184-8588       小金井市中町 2-24-16 東京農工大学内              042-386-8441




38   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
面積

URL                                     敷地面積 (m2)       建床面積 (m2)      延床面積 (m2)       緑地面積 (m2)



                                              58,547	        12,042	         23,641	           16,647	
http://unit.aist.go.jp/hokkaido/

                                              29,443	         9,421	         15,945	           12,318	
http://unit.aist.go.jp/tohoku/

                                                             31,914	         59,692	
                                             616,024          6,948	          8,023	         434,231
                                               7,142          2,506	          4,672	
                                                             42,874	        130,920	
                                             988,131	        13,185	         33,450	         560,739	
                                                              7,632	         19,655	
http://unit.aist.go.jp/tsukuba/
                                                             22,429	         68,904	
                                                             14,246	         42,025	
                                                             11,934	         43,941	
                                               1,000	          398	            796	
                                             262,498	        43,397	         81,175	         151,843	
                                             147,281	        23,047	         42,959	           89,949	
http://unit.aist.go.jp/waterfront/jp/         16,803	         6,636	         35,417	            3,787	
                                              46,259	         9,239	         27,598	
http://unit.aist.go.jp/chubu/                                                                  20,804	
                                              12,327	         2,203	          4,098	
                                              78,768	        23,137	         48,058	
                                               2,318	          713	           2,848	           14,890
http://unit.aist.go.jp/kansai/                                                                      	

                                              16,936	         3,790	          8,154	
http://unit.aist.go.jp/chugoku/               96,335	        24,918	         27,977	           32,500	
http://unit.aist.go.jp/shikoku/               15,000	         4,490	         10,005	            5,036	
                                              71,923	        11,157	         16,295	           56,100	

http://unit.aist.go.jp/kyushu/
                                              22,907	         2,140	          3,059	




 2007.4.1 現在の事業所・サイトを記載してい                                                              2007.1.17 現在
ます。ただし、それ以降の変更については追加・
更新しています。
 秋葉原サイト、八王子サイト、小金井サイト、
福岡西サイトは 2007.7.1 に事業所になりまし
た。
                                                               980            2,831




                                                                産業技術総合研究所 環境報告書 2007                     39
人員                                                            エネルギー投入量
                                               契約       産学官 国際
                       Total          職員                              その他
                                               職員       制度  制度                       Total(GJ)
                       (人)            (人)                             (人)
                                               (人)      (人) (人)

         北海道センター                                                                          82,757	
                               246	      72       77      62      2     33
            札幌大通りサイト

          東北センター               219	      49       59      99      5      7                19,623	
             仙台青葉サイト

            中央第1
              北サイト             299	     127       87       1      1     83
              苅間サイト

            中央第2          2,349	        849	     586	    627   31      256
     つ
     く      中央第3               456      225      132      62      3     34
     ば                                                                                 2,368,885	
     セ      中央第4               313	      72	      74	    137      4     26
     ン
     タ      中央第5               947	     273	     288	    279   34       73
     ー
            中央第6               715	     175	     250	    194   10       86
            中央第7
                               651	     260      175     187      6     23
              船橋サイト

              西            1,028	       217	     267	    175   16      353
              東                598	     159	     157	    208   15       59
         臨海副都心センター             537       88      108     268      2     71               173,904	
          中部センター
                               492      163      103     162      1     63                60,263	
              瀬戸サイト

          関西センター
                                                                                         144,154	
             大阪扇町サイト           802      208      210     346   12       26
             千里サイト

            尼崎事業所              103       12       21      60      2      8                29,031	
          中国センター               108	      41	      50	     12      1      4                15,336	
          四国センター                96	      38	      39	     17      0      2                17,499	
          九州センター
              福岡サイト                                                                       22,586	
                               235       70       94      57      1     13
              直方サイト

           福岡西事業所
           東京本部
             丸の内サイト            341      136       91      28      4     82
              大田サイト

           秋葉原事業所
           八王子事業所                                                      2007.3.1 現在

           小金井事業所




40   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
太陽光
                                                                      温水         冷水          太陽光
購入電力        都市ガス        プロパン
                                    灯油 (kL)     重油 (kL)    軽油 (kL)    熱供給        熱供給         発電
( 千 kWh)    ( 千 m3)     ガス (kg)
                                                                      (GJ)       (GJ)        ( 千 kWh)

   6,124	       429	       4,685	          6	       116	


   1,774	        50	                                                                                4	




   2,952




 135,180	      6,459	                    28	          2	         9	                             1,014	




  52,238	      2,502	                  1,050	
   7,873	        85	
  13,636	       112	                                                   14,095	    10,592	        177	
   5,225	       178	                                                                               35	
     119	          1	
  11,363	       611	                                102	                                           ※
     309	          0	


   2,337	       147	
   1,418	        31	
   1,526	        59	                                                                               43	
   1,920	          1	                      0	        78	
      14	          0	
      22	                    10	




                                                                                            ※ 関西センターで
                                                                                            は、累積発電量を取
                                                                                            得していません。




                                                                             産業技術総合研究所 環境報告書 2007        41
温室効果ガス排出量                           大気汚染物質排出量                     排ガス測定結果

                       Total        購入電力        化石燃料等       NOx       SOx         ばいじん
                       (t-CO2)      (t-CO2)     (t-CO2)     (kg)      (kg)        (kg)


                                                                                          ボイラー
         北海道センター           4,587	      3,399	      1,189	     204	       525	       18	   11-1
                                                                                          ボイラー
            札幌大通りサイト                                                                      11-2

          東北センター           1,083	       984	          98	
             仙台青葉サイト                                                                      焼却炉

                                                                                          コジェネ
            中央第1                                                                          32-1
                                                                                          コジェネ
              北サイト                                                                        32-2
                                                                                          コジェネ
              苅間サイト                                                                       32-3
                                                                                          冷温水機
            中央第2                                                                          32-1
     つ
                                                                                          冷温水機
     く      中央第3                                                                          32-2
     ば                                                                                    冷温水機
     セ      中央第4                                                                          35-1
     ン                  130,570	     110,025      20,545	    3,820	          7	     57	   冷温水機
     タ      中央第5                                                                          35-2
     ー                                                                                    冷温水機
            中央第6                                                                          35-3
                                                                                          ボイラー
            中央第7                                                                          38-1
                                                                                          ボイラー
              船橋サイト                                                                       38-2
                                                                                          ボイラー
              西                                                                           38-3

              東
                                                                                          冷温水機
         臨海副都心センター         9,703	      7,568	      2,135	                                 51-1
                                                                                          冷温水機
          中部センター                                               94	           -       1	   51-2
                           3,319	      2,966	       353	                                  冷温水機
              瀬戸サイト                                                                       51-3

          関西センター                                             1,785	          -     163	
                           7,958	      6,478	      1,481	                                 冷温水機
             大阪扇町サイト                                                                      71-1
                                                                                          冷温水機
             千里サイト                                                                        71-2
                                                                                          冷温水機
            尼崎事業所          1,587	      1,297	       290	                                  71-3
                                                                                          ボイラー
          中国センター             848	       787	          61	                                 71-1
                                                                                          ボイラー
          四国センター             963	       847	        115	                                  71-2
                                                                                          ボイラー
          九州センター                                              123	       840	       45	   71-3
                                                                                          ボイラー
              福岡サイト        1,299	      1,085	       213	                                  71-4

              直方サイト
                                                                                          ヒーター
           福岡西事業所                                                                         83-1
                                                                                          冷温水機
           東京本部                                                                           83-1

             丸の内サイト

              大田サイト

           秋葉原事業所
           八王子事業所
           小金井事業所




42   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
水資源投入量

NOx(ppm)           SOx(m3N/h)          ばいじん (g/m3N)        上水                工業用水        地下水           再利用水
                                                           (m3)              (m3)        (m3)          (m3)
  測定値        基準値     測定値        基準値      測定値       基準値


        89   180        0.14    1.75      <0.02    0.30	                                     33,595	
    100      180        0.14    1.75      <0.02    0.30	

                                                                    5,557	
        67   250        0.01     5.9     0.0178    0.25	

        38   600                         0.0003    0.10	

        33   600                         0.0003    0.10	          10,543
        30   600                         0.0003    0.10	

        31   150                         0.0007    0.10	

        25   150                         0.0007    0.10	

        45   150                         0.0005    0.10	
                                                                  803,114	                              1,816,224	
        45   150                         0.0005    0.10	

        45   150                         0.0004    0.10	

        57   250                         0.0010    0.30	

        60   250                         0.0008    0.30	

        70   180                         0.0007    0.30	      542,919                                     55,510	


        33   150                         <0.002    0.05	           22,317	      3,836	
        37   150                         <0.002    0.05	           13,607	
        30   150                         <0.002    0.05	             405	
                                                                   57,719	
        26   150                          0.001    0.10	             697	
        50   150                          0.012    0.10	

        38   150                          0.016    0.10	           13,644	
        19   150                          0.007    0.10	           10,006	
        54   150                          0.006    0.10	            3,151	
        80   180           -              0.001    0.30	               67	                   20,973	
        88   180           -              0.002    0.30	               78	
                                                                     132	
        -    180           -                   -   0.30	

        64   180        0.41    3.02      0.025    0.30	




・測定値は、基準値と比較するために、実測値を換算しています。
・複数回のデータがある項目は、その最大値を記載しています。
・ヒーター 83-1 は 2006 年度の運転実績がないため未測定です。




                                                                              産業技術総合研究所 環境報告書 2007                   43
排水量                    水質汚濁物質排出量                                   水質測定結果

                       下水道          その他       BOD        COD        窒素         リン         pH
                       (m3)         (m3)      (kg)       (kg)       (kg)       (kg)
                                                                                          実測値        基準値


         北海道センター          5,130	                 -          -           -          -           7.4   5~9

            札幌大通りサイト

          東北センター          9,940	                 -          -           -          -           6.8   5~9

             仙台青葉サイト

            中央第1
              北サイト                    2,449      -              3      26             1        7.2   5.8~8.6

              苅間サイト

            中央第2        *96,529	                     6      -           -          -           7.4   5~9
     つ
     く      中央第3
     ば
     セ      中央第4
     ン
     タ      中央第5
     ー
            中央第6
                       *336,561                      7      -           -          -           7.3   5~9
            中央第7
              船橋サイト

              西        *311,883                      1          1      -          -            7.5   5~9

              東
         臨海副都心センター       26,727	                606        278             -          -        6.8   5~9

          中部センター          4,553	                 -          -           -          -           -         -

              瀬戸サイト           73	                -          -           -          -           -         -

          関西センター         20,330	                 24         51             -          -        7.9   5~9

             大阪扇町サイト      *697	                  66         -           -          -           6.4   5~9

             千里サイト

            尼崎事業所          715	                      1      -           -          -           -     5~9

          中国センター         *7,397	      4,500     366        329             -          -        7.1   5~9

          四国センター          2,328	                     5          7          7          0        7.5   5~9

          九州センター        *20,873	       167       25         63             -          -        7.3   5~9

              福岡サイト         *78
              直方サイト                    132
           福岡西事業所
           東京本部
             丸の内サイト    下水道への排水量は、廃水
                       処理施設からの排水量です。
              大田サイト
                       ただし、*印は廃水処理施
           秋葉原事業所      設からの排水量および生活
                       排水量の合計です。
           八王子事業所
           小金井事業所




44   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
浮遊物質                 n- ヘキサン抽出           窒素含有量          りん含有量            よう素消費量
BOD(mg/L)           COD(mg/L)
                                         (mg/L)               物質 (mg/L)           (mg/L)         (mg/L)           (mg/L)
実測値     基準値         実測値      基準値         実測値      基準値         実測値      基準値        実測値     基準値    実測値      基準値     実測値      基準値


                                                                        5( 鉱油 )
   -        600        -          -         -        600         -     30( 動植 )      -      -       -        -       -      220



                                                                        5( 鉱油 )
   -        600        -          -         -        600      < 1.0    30( 動植 )      -      -       -        -       -      220




         10( 平均 )             10( 平均 )             10( 平均 )            3( 鉱油 )
   1     15( 最大 )     1.3     15( 最大 )    < 1.0    15( 最大 )    < 0.5   5( 動植 )     10.6     15    0.28       2      -        -




    1       600        -          -        1.4       600        1.0     5( 鉱油 )      -      -       -        -      1.0     220




    1       600        -          -      < 1.0       600      < 1.0     5( 鉱油 )      -      -       -        -    < 1.0     220




                                                               < 1.0   5( 鉱油 )
  1.1       600       1.4         -       < 1.0      600       < 1.0   30( 動植 )     -       -      -      ≦ 1.0     1.6     220




 25.4       600      11.4	        -       10.5	      600      < 5.0    30( 動植 )      -     120      -        16      -      220

   -         -         -          -         -          -         -          -        -      -       -        -       -       -

   -         -         -          -         -          -         -          -        -      -       -        -       -       -

                                                                        5( 鉱油 )
  1.2       600       2.5	        -        1.8	      600      < 1.0    30( 動植 )      -     240      -        32     2.2	    220

 94.8       600        -          -        6.3	      600         -          -        -      -       -        32      -       -



                                                                        5( 鉱油 )
  1.9       600        -          -        1.3	      600         -     30( 動植 )      -      -       -        -       -      220

 49.5       600      44.5	        -         -        600      < 0.5     5( 鉱油 )
                                                                                     -      -       -        -       -      220
                                                               6.95    30( 動植 )

 1.95       600       3.1	        -         -        600      < 1.0     5( 鉱油 )
                                                                                    3.2    240    0.12	      32      -      220
                                                              < 1.0    30( 動植 )

  1.2       600       3.0	        -        1.0	      600        0.5	    5( 鉱油 )      -      -       -        -     28.0	    220




                                                                                           産業技術総合研究所 環境報告書 2007                   45
廃棄物排出量
                                                   特別管理
                                       一般廃棄物 産業廃棄物       廃棄物品                      最終処分量
                       Total(kg)                   産業廃棄物
                                       (kg)  (kg)        (kg)                      (kg)
                                                   (kg)


         北海道センター             36,938	      571	     10,785	     6,002	    19,580	     4,388	
            札幌大通りサイト

          東北センター            124,827	   104,000	    15,253	     5,574	         0	    18,332	
             仙台青葉サイト

            中央第1
              北サイト

              苅間サイト

            中央第2
     つ
     く      中央第3
     ば
     セ      中央第4
     ン                    1,155,557	   450,660	   270,648	   148,329	   285,920	   210,061	
     タ      中央第5
     ー
            中央第6
            中央第7
              船橋サイト

              西
              東
         臨海副都心センター           50,213	    24,109	     9,150	    16,954	         0	     4,299	
          中部センター
                           142,773	      6,071	    83,051	      621	     53,030	    17,298	
              瀬戸サイト

          関西センター
                             97,541	    54,450	    23,209	     7,682	    12,200	    16,987	
             大阪扇町サイト

             千里サイト

            尼崎事業所            11,927	     7,100	     1,020	     3,407	      400	      2,045	
          中国センター             35,636	    24,930	     8,306	     2,400	         	      2,163	
          四国センター             37,417	    28,260	      705	       452	      8,000	    31,226	
          九州センター
              福岡サイト         145,390	     9,805	   134,925	      660	          	     30,337	
              直方サイト

           福岡西事業所
           東京本部
             丸の内サイト

              大田サイト

           秋葉原事業所
           八王子事業所
           小金井事業所




46   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
家電リサイクル                           PRTR 対象化学物質使用量
     エ        テ         冷        洗
     ア        レ         蔵        濯
台    コ   台    ビ    台    庫    台   機    Total(kg)    使用量上位 3 物質(物質名、使用量 (kg))
(


         (


                   (


                             (
     ン
)


         )


                   )


                             )



    0	        2	        2	       0	        898	    N,N- ジメチルホルムアミド    263	    アセトニトリル      259	    クロロホルム            200	


    0	        0	        0	       0	        177	    トルエン                78	    エチレングリコール     21	    アセトニトリル            13	




                                          1,060	   ふっ化水素及びその水溶性塩      781	    アセトニトリル      205	    トルエン               28	
                                           293	    アセトニトリル            227	    トルエン          45	    ジクロロメタン            11	
                                           737	    クロロホルム             427	    ジクロロメタン      117	    アセトニトリル           105	
    2	       20	       37	       1	
                                          6,690	   ジクロロメタン           2,750	   クロロホルム      2,700	   トルエン              585	
                                           433	    アセトニトリル            185	    クロロホルム       156	    N,N- ジメチルホルムアミド    64	
                                             43	   ふっ化水素及びその水溶性塩       21	    ジクロロメタン         7	   アセトニトリル             6	


                                          9,320	   ふっ化水素及びその水溶性塩     8,937	   アセトニトリル      119	    トルエン              113	
                                           203	    ニッケル化合物             93	    ニッケル          51	    アセトニトリル            24	
    0	        0	        0	       0	       1,111	   アセトニトリル            751	    ジクロロメタン      176	    クロロホルム             84	

    0	        0	        6	       0	          79	   トルエン                23	    ジクロロメタン       13	    ベンゼン                7	


    0	        9	       12	       2	       1,349	   ジクロロメタン            535	    クロロホルム       326	    アセトニトリル           205	

    	
    0	        0	        1	       0	          24    ホルムアルデヒド              9	   アセトニトリル         6	   クロロホルム              2	
    0	        2	        1	       0	          48	   アセトニトリル             30	    ホルムアルデヒド        5	   クロロホルム              4	
    0	        0	        0	       0	          84	   アセトニトリル             67	    クロロホルム          6	   アクリルアミド             4	
                                           210	    トルエン                48	    クロロホルム        44	    アセトニトリル            36	
    0	        3	       13	       3	




                                                                                     産業技術総合研究所 環境報告書 2007                   47
騒音
                       測定点 No.1                                                測定点 No.2
                       朝             昼             夕             夜             朝             昼             夕             夜
                       実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値


         北海道センター       *47     45     48     55     45     45    *41     40    *49     45     48     55     44     45    *42
            札幌大通りサイト

          東北センター
             仙台青葉サイト

            中央第1
              北サイト

              苅間サイト

            中央第2
     つ
     く      中央第3        40     45     43     50    !
                                                    46     45    !
                                                                  43     40     42	    50	    43	    55	    47	    50	    44	
     ば
     セ      中央第4
     ン
     タ      中央第5
     ー
            中央第6
            中央第7
              船橋サイト

              西         41	    50	    40	    55	    42	    50	    44	    45	    41	    50	    43	    55	    44	    50	    43	
              東         44	    50	    46	    55	    47	    50	    45	    45	    39	    45	    47	    50	    44	    45	    40	
         臨海副都心センター
          中部センター        48	    60	    48	    65	    50	    60	    47	    50	    50	    60	    51	    65	    48	    60	    44	
              瀬戸サイト

          関西センター        49	    50	    48	    55	    47	    50	    45	    45	    50	    50	    51	    55	    49	    50	 *50	
             大阪扇町サイト    53	    60	    58	    65	    57	    60	   52	    55	    55	    60	    62	    65	    59	    60	    54	
             千里サイト
                                                                                                           !             !
            尼崎事業所      49	    50	    51	    60	    49	    50	 *47	       45	    45	    45     55	    55	    46	    45	    44	
          中国センター        59	    70	    59	    70	    59	    70	    59	    65	    50	    70	    50	    70	    50	    70	    50	
          四国センター        49	    60	    48	    65	    46	    60	    44	    50	    46	    60	    44	    65	    44	    60	    43	
          九州センター        50	    65	    52	    65	    47	    65	    42	    55	    49	    65	    49	    65	    46	    65	    44	
              福岡サイト

              直方サイト

           福岡西事業所
           東京本部
             丸の内サイト

              大田サイト

           秋葉原事業所
           八王子事業所
           小金井事業所




48   産業技術総合研究所 環境報告書 2007
測定点 No.3                                                測定点 No.4
       朝             昼             夕             夜             朝             昼             夕             夜
基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値    実測値    基準値


 40    *49     45     49     55    *47     45     *43    40    *49     45     51     55    *50     45    *42     40




 45	    42	    50	    43	    55	    45	    50	    45	    45	            	




 45	    40	    50	    39	    55	    43	    50	    44	    45	            	             	             	             	
 40	    36	    50	    40	    55	    46	    50	    42	    45	    40	    50	    45	    55	    48	    50	    42	    45	


 50	    44	    60	    45	    65	    44	    60	    43	    50	    49	    60	    47	    65	    47	    60	    45	    50	


 45	    50	    50	    46	    55	    45	    50	    44	    45	    48	    50	    54	    55	    50	    50	 *49	      45	
55	    53	    60	    59	    65	    55	    60	     52	   55	    49	    60	    55	    65	    53	    60	    49	    55	


       !                           !              !
 40	    53	    45	    54	    55	    51	    45	    51	    40	    47	    50	    50	    60	    47	    50	 *46	      45	
 65	    57	    70	    54	    70	    57	    70	    59	    65	            	             	             	             	
 50	    45	    60	    46	    65	    44	    60	    44	    50	    45	    60	    48	    65	    44	    60	    44	    50	
 55	    49	    65	    49	    65	    47	    65	    44	    55	    53	    65	    52	    65	    49	    65	    42	    55	




                                                ・敷地境界線の 3 ~ 4 箇所を選んで測定しています(測定地点
                                                 の詳細は省略します)。
                                                ・複数回のデータがある項目は、その最大値を記載しています。
                                                ・*の測定値は、実測値が基準値を上回ったものです。
                                                ・!の測定値は、実測値が基準値を上回ったもののうち、研究
                                                 所以外の音(自動車の走行音など)の影響によるものです。




                                                                                           産業技術総合研究所 環境報告書 2007        49
表紙の写真:中国センターの自然




AIST04-X00031-4   2007 年 9 月発行

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【産業技術総合研究所】平成19年環境報告書2007

  • 2. 目次 編集方針 環境報告書 2007 の発行にあたって 2 「環境報告書 2007」は、独立行政法人産業技術総 産総研憲章 4 合研究所(以下、 「産総研」)では 4 回目の発行とな ります。 総合編 産業技術総合研究所とは     6 報告対象範囲 環境研究トピックス 10 産総研の研究拠点地図に示す事業所、サイトを 環境・安全衛生マネジメント 14 報告対象とします。 環境負荷の全体像 16 ただし、いくつかの事業所・サイトの環境パ 地球温暖化防止 18 フォーマンスデータは報告対象から除きます。 大気汚染防止 21 報告対象期間 水質汚濁防止 22 2006 年 4 月~ 2007 年 3 月 産総研をとりまく自然 24 報告対象分野 廃棄物処理・リサイクル   26 報告対象範囲における環境活動および労働安全 化学物質の管理              28 衛生活動を対象とします。 環境リスクマネジメント 30 数値の端数処理 グリーン調達 32 表示桁未満を四捨五入しています。 社会とのコミュニケーション 33 参考にしたガイドラインなど 安全で快適な職場環境の形成 34 ・「環境報告ガイドライン(2007 年度版) ~持 第三者意見 36 続可能な社会をめざして~」(環境省) ・「環境情報の提供の促進による特定事業者等の 研究拠点データ編 38 環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」 次回発行予定  2008 年 9 月 作成部署および連絡先 独立行政法人産業技術総合研究所 環境安全管理部、研究環境整備部門  〒 305-8561  茨城県つくば市東 1-1-1 中央第 1  電話:029-861-2124  FAX:029-861-2125  E-mail:safe@m.aist.go.jp 本報告書に関するご意見、ご質問は上記までお願 いします。
  • 3. 産総研の研究拠点(2007.7.1 現在) ・2006 年度中に廃止されたサイト(東北センター仙台泉サイト、九州センター長崎サイト、九州センター北九州サイト)および丸の内 サイト(2007 年 4 月 30 日廃止)は報告対象に含みます。 ・2007 年度に新設された東京本部大田サイトは報告対象に含みません。 ・東京本部(すべての事業所・サイトを含む)、札幌大通りサイト、仙台泉サイト、仙台青葉サイト、つくば苅間サイト、船橋サイト、 千里サイト、福岡西事業所、長崎サイト、北九州サイトの環境パフォーマンスデータは報告対象から除きます。
  • 4. 環境報告書 2007 の発行にあたっ 産業技術総合研究所は、産業の発展に寄与する技 イノベーションと呼べるものは、多くの場合異分 術を創出するために基礎から応用にいたる研究を 野の融合を前提としている。事業の単なる前進と拡 行っており、その分野はライフサイエンス、情報通 大から、持続可能性へと質的な軌道修正が求められ 信・エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料・ る産業にとって必要なイノベーションでは、特にそ 製造、環境・エネルギー、地質、標準・計測など、 のことが重要である。産総研はそのために有効な技 広い科学技術分野に亘っている。そして、すべての 術を提供しようとしているのであるから、単一分野 分野で産業が持続可能な方向へと進展してゆくため の成果だけを生み出しているのでは不十分である。 の基礎技術を開発することを目的としている。 したがって、現実の研究活動において研究者間の交 我が国の産業、更には世界の産業が、地球環境の 流と共同が必要である。一般に分野の違う研究者同 劣化をもたらすことなしに貧困地域の解消を含む経 士が交流することは容易なことではないのである 済発展を続けることに貢献することは、現在の産業 が、産総研においては、研究者が産業の持続性に向 技術の単なる発展で成し遂げられるものでないこと けての重心移動を可能にするための基礎技術を生み が明らかとなってきた。それは地球環境に直接影響 出すという共通の目的観を持つことによってそれが を与える一次、二次産業のみならず、サービス産業 可能になっている。このように、共通の目的観を持 を含むすべての産業が対象となる。そこでは、地球 つということは、多くの分野の研究者を擁する産総 環境に充分配慮した発展、すなわち新しい技術に基 研では特別に重要な意味を持つ。 づくイノベーションによる産業の展開が必要であ 産総研では、本来の業務における研究活動におい る。産総研における研究は、そのイノベーションを てこのような共通の目的、すなわち産業の持続可能 可能にするための基礎技術を生み出すことに他なら 性に向けての重心移動を促進する基礎技術の創出と ない。したがって、それは単なる基礎研究とその成 いう目的を、自らの存在に重ね合わせることによっ 果を応用する開発研究ではなく、すべての研究者が て、産総研の存在自身が持続可能なものになること 持続可能性という目的を共有した上での本格研究で を目指す。そしてそれが、産総研における環境戦略 あり、そのことは研究者を中心とする全所的な研究 の基本である。 戦略の検討によって研究課題を設定することで実現 研究所として環境に配慮しなければならない点 されている。 は、業務である研究の固有性と多様性から言ってき 2 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 5. って 独立行政法人産業技術総合研究所 理事長 わめて多岐にわたる。材料研究などを中心に、研究 権限が絶対であることの文化を研究所全体に樹立し には課題固有のエネルギー投入が不可欠であった つつある。 り、大気汚染ガスの排出が不可避であったりする。 産総研ではこれらの環境保全、安全管理などで効 エネルギー消費に関しては、担当理事を定め全所的 果を上げつつあるが、これは産総研の所員一人一人 な掛け声の下に、実験条件に対する工夫、省エネル の努力に負っている。しかしそのような努力の継続 ギー型設備への更新、また当然のことであるが作業 を可能にしているのは、担当部署の科学的な検討と 環境の空調における可能な限りの節約によって、3 日々の努力に支えられていることを指摘しておかな 年計画の初年度に対し 2006 年度は 6.7%の省エネ ければならない。そしてまた、研究所が環境保全、 ルギーを実現した。また大気汚染ガスに関しては、 安全管理などで共通の意識を全所員がもつことの大 監視測定によって基準を超えることがないことを確 切さを忘れてはならない。 認している。その他、排水、廃棄物なども、担当責 産総研の場合、多岐にわたる研究分野の研究者が 任部署を中心に、すべての研究実施現場において基 共通の意識を持つことができているのは、個々の研 準を設定し遵守することを実行している。 究課題、研究遂行の方法、そして創出する成果がまっ 安全面においても体系的な工夫によってリスクの たく違うのにもかかわらず、持続可能な要素技術の 低減を図っている。未知の現象や物質を取り扱うこ 実現という一致した研究目的を共有しているからで とは研究の本質であるから、研究所は評価の難しい ある。私たちは産総研の研究の目的が持続可能性で リスクの存在を避けることができないのであるが、 ある以上、研究所の存在自体が決してそれと矛盾し これをリスクマネジメントに精通した、熟練した管 ないことを決意しており、また矛盾しないことに誇 理監の主導で最小化する。すなわち、安全管理につ りを持っているのである。 いては、その研究を行っている研究者が細心の注意 を払うことが求められるのは当然であるが、ただ研 究者に任せるのではなく、安全管理に熟練した管理 監の権限で安全という見地を優先して研究条件の改 善を日常的に実行する。このことが研究者の研究意 欲と対立することがないとはいえないが、管理監の 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 3
  • 6. 4 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 8. 産業技術総合研究所とは ※ 1 独立行政法人 概要 とを基本理念として定めました。 独立行政法人制度とは、 ※1 各府省の行政活動から政策 独立行政法人 である産総研は、2001 産総研は、すべての研究が対応する産業 の実施部門のうち一定の業 務・事業を分離し、これを 年 4 月に旧通商産業省工業技術院の 15 研 への寄与を通じ、結果として全産業が持続 担当する機関に独立の法人 格を与えて、業務の質の向 究所と計量研修所が統合・再編されて誕生 可能性(サステナビリティ)を向上する方 上や活性化、 効率性の向上、 自律的な運営、透明性の向 しました。 向へ重心移動することに貢献するという目 上を図ることを目的とする 制度です。 本部は東京およびつくばにあり、北海道 標を持ち、本格研究※ 2 を強化することで ※ 2 本格研究 から九州までの全国 9 ヶ所に研究拠点を イノベーションを推進していきます。 科学的な知識の創出(第 1 種基礎研究)と、それに 配し、多様な産業技術研究を目的とした我 続く産業が使用することが できる形態をもつ知識へと が国最大級の公的研究機関です。 産総研の研究戦略 構成する研究(第 2 種基礎 研究) 、そして製品化研究 産総研は基本理念のもと、以下の 4 つ を統合し、それらを同時的 にまた連続的に行う研究を 基本理念と本格研究 の研究戦略に取り組みます。 いい、イノベーションの主 要な過程でもあります。 人類を含むすべての生命系は地球が持つ ● 産業技術政策への貢献 ※ 3 収入・支出 エコロジカルサービス機能の恩恵を享受し 将来の産業技術シーズの創出、産業技術 各年度の金額は決算報告 書の決算金額です。 て発展してきましたが、人間活動がその機 を支える共通基盤的技術の開発、有望な技 施設整備にかかる補正予 算を除いてあります。 能の長期循環的バランスを超えて拡大し、 術シーズを産業化するための産業界との連 前年度から繰越された当 該年度に支出した額を含ん 地球規模での持続的発展の可能性に対する 携による実用化開発など、本格研究を強力 でいるので、各年度の収入 と支出の合計は一致しませ 懸念が高まっています。産総研では、この に推進します。 ん。 昨年度の報告において、 地球規模の問題を解決することが不可欠で ● 革新的技術シーズの創出 2004 年度の施設整備費補 あると強く認識し、「我が国のたゆみ無い 自然と共生した安全・安心で質の高い生 助金(収入)および施設整 備費(支出)は予算額の記 産業技術革新を先導することにより、持続 活の実現に資する研究開発を、中長期的な 載であったため、今回の報 告で決算額に訂正していま 的発展可能な地球社会の実現に資する」こ シナリオに基づいて戦略的に推進します。 す。 産総研のあゆみ 6 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 9. ● 地質調査業務および計量標準業務の着 収入・支出※ 3 実な実施 安全で安心な社会を実現するための知的 収入 基盤となる地質調査業務および計量標準業 務を着実に実施します。 ● イノベーションハブ機能の強化 研究成果の産業界への移転や人材育成な どを遂行するため、産学官の間で相互に情 報 人材の交流を促進する結節点 ・ (イノベー ションハブ)としての機能を強化します。 支出 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 7
  • 10. ※ 4 人員 人員※ 4,5 組織 各年度の 3 月 1 日現在 産総研では、職員および契約職員のほか、 産総研が進める研究は、先端的研究、長 ※ 5 人員の区分 職員:役員を含む 外部人材として招へい研究者、企業などの 期政策推進のための研究および科学基盤研 契約職員:顧問・参与を 含む 共同研究者、技術者(産学官制度や国際制 究に類型化されます。これらの研究を推進 産学官制度:共同研究、 技術研修、日本人フェロー 度による)など多様な人材を積極的に受け するための研究ユニットには、本格研究実 制度、客員研究員制度など による受入 入れることにより、研究活動の拡大および 施の場としての研究部門、研究センターと、 国際制度:外国人客員研 究員、外国人技術研修など 活性化を図っています。 それらの予備的段階としての研究ラボの 3 による受入 その他:労働者派遣法に つの形態があります。 基づく派遣労働者、請負契 約に基づく SE および保守 また、研究分野は大きく分けて、ライフ 員、AIST ベ ン チ ャ ー 企 業 などによる受入 サイエンス、情報通信 エレクトロニクス、 ・ ナノテクノロジー・材料・製造、環境・エ ネルギー、地質、標準・計測の 6 分野が あります。 6 つの研究分野と重点研究開発項目 8 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 11. ※ 6 研究センター 重要課題解決に向けた短 期集中的研究展開(最長 7 年)。研究資源(予算、人、 スペース) の優先投入。トッ プ ダ ウ ン 型 マネージメン ト。 ※ 7 研究部門 一定の継続性をもった研 究展開とシーズ発掘。ボト ムアップ型テーマ提言と長 のリーダーシップによるマ ネージメント。 ※ 8 研究ラボ 異分野融合の促進、行政 ニーズへの機動的対応。新 しい研究センター、研究部 門の立ち上げに向けた研究 推進。 ※ 9 研究コア・総合セン ター 複数ユニットから構成さ れる領域を組織として定義 し、代表性を付与。 2007 年 8 月 1 日現在 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 9
  • 12. 環境研究トピックス ※ 1 CIGS 太陽電池 CIGS 薄膜太陽電池の省資源製法 次世代リチウムイオン電池用 Cu(In,Ga)Se2 太陽電池の ことです。1974 年にベル 大面積で高効率な太陽電池の量産化に期待 高容量負極の開発 研究所(米国)が CuInSe2 により 12%という当時と ナノ積層構造を有するシリコン系複合薄膜 しては高い変換効率を報告 ※1 したのを発端とし、現在ま CIGS 太 陽 電 池 は優れた特長をもっ で世界各国の大学・研究機 関・民間企業においてこの ており、その 薄膜作製法には、代表的な 最近の携帯電話は、地上デジタル放送の 材料の研究開発と製品化が ※2 ※3 進められています。①変換 ものとしてセレン化法 と多元蒸着法 受信などで消費電力が増大しているため、 効率が高い、②数 µm 以下 の薄膜でも光を十分吸収で の 2 つがあります。セレン化法は大面積 電池高容量化が強く望まれています。ま きる、③経年劣化が少なく 長期信頼性に優れている、 CIGS 太陽電池を作る技術として知られて た、電気自動車やロボットの分野でも、電 ④黒一色の落ち着いた色彩 であるなどの特長がありま いますが、高い変換効率は得られません。 池の容量不足が実用化のネックとなってい す。 一方、多元蒸着法は、実験室レベルの小面 ます。 ※ 2  セレン化法 銅、インジウムなどの金 積 CIGS 太陽電池では高い変換効率を実現 産総研では、従来のリチウム(Li)イオ 属積層プリカーサ(前駆物 質)をセレン系ガスの中で できますが、量産化は困難とされています。 ン電池用黒鉛系負極に比べて 3 倍以上の高 熱処理して CIGS 薄膜を形 成する方法。 多元蒸着法では、通常の蒸気セレンの反 容量化が可能なシリコン(Si)薄膜負極の ※ 3 多元蒸着法 応性が低いことや、せっかく作製された薄 適用性を検討しました。これまでは、Si 薄 真空蒸着において、多種 類の蒸発源を同時に供給す 膜表面からセレンが再蒸発してしまうため 膜はリチウム吸蔵時の体積膨張が大きいた る製膜方法。 に、多量のセレン原料を供給する必要があ めに電極構造が保持できず、サイクル寿命 ※ 4 RF プ ラ ズ マ ク ラ ッ キング ります。しかし、ほとんどのセレンは製膜 が短いという課題がありました。今回、こ 高周波による気体放電で 発生したプラズマによっ 室の内壁などに付着堆積し産業廃棄物とし の Si と ク ロ ム(Cr) ニ オ ブ(Nb) な ど 、 て、気体分子などを分解す て無駄になり、頻繁な製造装置のメンテナ と複合薄膜を形成させる手法を開発しまし る方法。 ンスが必要となります。 た。開発した薄膜は 5nm 程度の周期で Si ※ 5 ラジカル 遊 離 基 の こ と で す。 フ 産総研では、多元蒸着法においてセレ 層と Cr または Nb 層が積み重なった構造 リーラジカル、単にラジカ ルともいいます。分子の熱 ン原料の制御性と利用効率を高めるため、 (ナノ積層構造)です。Li 吸蔵に伴う Si 層 分解、光分解、放射線分解 ※4 ※5 などによって化学結合が切 RF プラズマクラッキング でラジカル の体積膨張が、Li 吸蔵しない Cr または Nb 断されて生じる、実験室的 条件において気相で短寿命 化したセレンを用いて CIGS 薄膜を作製す のナノ積層構造により緩和でき、300 サイ なものである中間種です。 遊離基は化学的活性に富 る技術を開発しました。この技術によって、 クル以上の寿命と従来の黒鉛材料に比べて み、速やかに他の遊離基や 安定分子と反応する性質が 製膜時のセレン供給の精密制御が可能とな 3 倍以上の高容量化が同時に実現できまし あります。 り、さらにラジカルセレンの反応性が高い た。 ので、原料消費量をこれまでの蒸気セレン の 10 分の 1 以下に抑えることに成功しま した。 ラジカルセレンを用いた多元蒸着法による 銅箔上に形成された CrSi2 薄膜の CIGS 製膜イメージ Si/Cr 組成変調積層構造 10 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 13. 流れる氷による冷熱の貯蔵・輸送 水だけを使った ※ 6 ポリエチレンテレフ タレート(PET) 大容量の氷スラリー輸送の実用化を目指す PET のケミカルリサイクル技術 テレフタル酸(TPA)と エチレングリコール(EG) 高温水による環境に優しい分散型プロセス がエステル結合して重合し た高分子です。解重合反応 分散型エネルギーシステムの導入に際し によって、原料モノマーに 分解できます。 て、冷房などの冷熱利用の効率化は重要な 飲料水用ボトルとして利用が増加してい 課題です。特に需要と供給の時間的、空間 るペットボトルは、高純度のポリエチレン 的なミスマッチ解消のために、冷熱の貯蔵 テレフタレート(PET) 6 で作られており、 ※ や輸送に適した媒体が求められています。 解重合反応によって原料モノマーに分解で 冷熱貯蔵技術としては、安全性、経済性、 きます。国民のリサイクル意識の高まりと 蓄熱密度の観点から、氷を媒体とした氷蓄 分別回収システムの整備の結果として現在 熱が普及してきました。最近では、細かい 30 万トンあまりの使用済みペットボトル 氷粒子と水を混ぜて流動性の機能を付加し が各市町村などの集積所に集められていま た「流れる氷」(氷スラリー)が注目され すが、現在事業化されているケミカルリサ ています。ところが氷粒子は水中で凝集す イクルのプラントは年間数万トンを処理す る傾向があり、凝集した氷粒子が貯蔵や輸 る大規模な化学プロセスなので、全国から 送を妨げることが問題となっています。凝 大量の使用済みペットボトルを安定的に確 集を防ぐ方法として、凍結抑制タンパク 保することが大きな課題となっています。 質(AFP)の添加が提案されていますが、 今回、各地で集められたペットボトルを AFP には高価なものが多く、大容積の氷ス その場でケミカルリサイクルできる分散型 ラリーへの応用は少し先の話になりそうで プロセスとして、高温の水で処理して PET す。 を高効率で原料モノマーに分解する技術を 産総研では AFP と同じ機能を持つ合成 開発しました。高温水による PET の加水 高分子を探索した結果、工業的に広く使わ 分解とモノマー回収について、温度、時間 れているポリビニルアルコール(PVA)を などの影響を検討し、TPA、EG がともに 氷スラリーに少量添加すると、氷粒子の大 高収率で得られる条件を見出しました。 きさがほとんど変化しないことをつきとめ この技術は、有機溶媒や触媒を使わない ました。 ため環境負荷が小さく、地方自治体のペッ トボトル回収システムと組み合わせれば、 循環型社会へ向けたコンパクトな分散型プ ロセスとして実用化が期待できます。 氷粒子径の時間変化に対する添加物の影響 PVA:ポリビニルアルコール、PEG:ポリエチレングリコール PET の加水分解反応による原料モノマーの収率 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 11
  • 14. ※ 7 含浸法 マイクロ波によるポリエステル合成 排ガス浄化用触媒の開発 触媒金属塩の水溶液に担 体を浸して触媒金属を担体 重縮合の常識を覆す超高速重合を実現 多孔質性クリオゲル触媒の実用化に向けて に載せる方法。 ※ 8 凍結乾燥法 三 重 点 以 下 の 温 度・ 圧 ポリエステルの製造には、多段階 高温 ・ ・ 工場の排ガスの浄化などに用いられる触 力(例:水であれば温度= 0.0075℃、圧力= 0.006 気 長時間の反応が必要なため、エネルギーを 媒は高温での耐久性が要求されます。白金 圧)にすることで、固相 - 気相変化(昇華)によりゲ 多量に使用しており、ハロゲン化原料や溶 触媒はこれまで含浸法※ 7 によって調製さ ル中の溶媒を取り除く方 法。液相 - 気相変化を伴わ 媒を使用することも多くあります。2000 れてきましたが、触媒の粒子径の不均一化 ないので乾燥中に表面張力 が働かず、ゲルの収縮が抑 年代になって、いくつかの新しい触媒系に や分散性の低下、粒子どうしの焼結による 制されます。 よる高効率の製造法が考えられましたが、 高温での触媒寿命の低下など、いろいろな ※ 9 クリオゲル 湿潤ゲルを低温凍結乾燥 その工程には依然 10 時間以上の長時間を 問題が指摘されていました。 によって溶媒を除去して得 られる気孔率の極めて高い 要しており、シンプルで、経済的で、環境 産総研は、白金 - アルミナ系均一ゲルの 多孔質体。クライオゲルと も呼ばれます。 にやさしく、かつ迅速な製造法の開発が産 新しい調製法を開発し、ゲル乾燥には工程 ※ 10 エアロゲル 業界から望まれています。 が簡便で低コストな凍結乾燥法※ 8 を適用 湿潤ゲルを超臨界乾燥に よって溶媒を除去して得ら マイクロ波は、従来のヒーターやスチー し、多孔質なクリオゲル※ 9 触媒を製造す れる気孔率の極めて高い多 孔質体。 ムとは異なり、物体を伝熱によらず内部 ることに成功しました。作製したクリオゲ から高速かつ均一に加熱できます。そこ ル触媒の性能を空気中でのメタン酸化反応 でマイクロ波は、電子レンジをはじめ、食 で調べたところ、従来品に比べて触媒反応 品の加熱・乾燥、セラミックスの乾燥・焼 温度を約 100℃低下できることがわかりま 結、最近では化学合成にも用いられていま した。しかも、耐熱性は約 200℃高いとい す。ポリエステル合成の基本反応である重 う特徴を持っています。また、体積の大部 縮合には、おもにマイクロ波をよく吸収す 分を空隙が占める多孔質体でありながら、 る基質と脱離成分が関与していることに着 水による構造破壊が起きません。これは多 目して、脂肪族ポリエステル合成の加熱に 孔質体のエアロゲル※ 10 には見られない全 マイクロ波を用いれば時間とプロセスエネ く新しい特徴です。 ルギーを大幅に削減でき、無溶媒化もでき 安価な水酸化アルミニウムが出発原料 ると考えられます。ポリコハク酸ブチルと で、凍結乾燥など低コストかつ簡便なプロ ポリ乳酸の合成にこの方法を適用したとこ セスで製造できるので、早期の実用化が期 ろ、従来法の 10 倍以上の加速効果が見ら 待されます。 れました。 今後は、これらの合成法の実用化を目指 した実験室規模での製造プロセスの基盤 データの取得を行う予定です。 白金 - アルミナ触媒(クリオゲル触媒)の 従来の加熱法 vs マイクロ波加熱法 メタン酸化活性 12 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 15. 低温プラズマを用いる VOC 対策 ヒ素化合物分析用タラ魚肉粉末標準物質 ※ 11 揮発性有機化合物 VOC は Volatile Organic 省エネルギーで VOC を完全酸化分解 精確なヒ素化合物形態分析のための標準物質 Compound( 揮 発 性 有 機 化合物)の略です。ホルム アルデヒド、メタノール、 ギ酸メチル、アセトアルデ 地震、雷、火事…と古来言われてきた怖 ヒ素は環境中で様々な化学形態で存在 ヒド、ベンゼン、トルエン などで工場排ガスなどに少 いものの代表である雷をミニチュア化して し、毒性や代謝がその形態に大きく依存し 量含まれています。通常は アフターバーナーあるいは リアクタ内に閉じこめた低温プラズマを揮 ます。特に海産生物中には多種のヒ素化合 酸化触媒などにより VOC ※ 11 を燃焼除去してから屋外に 発性有機化合物(VOC) の分解に利用 物が含まれ、魚類中のヒ素は主に無毒のア 排 出 し ま す。 大 気 汚 染 防 止法により規制されていま しています。低温プラズマを発生させると ルセノベタイン(有機ヒ素化合物)として す。 電子は活性化されますが、下図に示すよう 存在します。しかし、現在日本の法令など ※ 12 アルセノベタイン 水溶液標準物質 に、ガス自体の温度は外界の温度とほとん では「ヒ素およびその化合物」としてヒ素 NMIJ CRM 7901-a。2005 年 11 月認証。 ど変わりません。トルエン、ジクロロメタ の規制が定められており、形態は区別され ※ 13 タラ魚肉粉末標準 ン、メタノールなど、どのような VOC で ません。産総研では、環境試料中ヒ素の分 物質 NMIJ CRM 7402-a。2006 も分解可能です。低温プラズマ中では水も 析値の信頼性確保に利用可能な標準物質の 年 3 月認証。 酸化剤として使うことができ、VOC の完 開発に取り組んでいます。既に化学形態分 全酸化分解に有効利用できます。低温プラ 析における標準液として、アルセノベタイ ズマ中の電子エネルギー分布を制御するこ ン水溶液標準物質※ 12 を開発・頒布してい とは難しいのですが、リアクタのタイプや ますが、実際の環境分析では複雑な組成の 運転条件を変えたり、触媒を複合化するこ 試料を取り扱うことになり、標準溶液だけ とで、VOC の分解処理に要するエネルギー でなく、実試料と類似した組成の標準物質 を抑え、処理後にクリーンなガスを得るこ を分析することで、精度管理や分析手法の とを目指して研究を行っています。 妥当性確認を行う必要があります。 この研究は民間との受託・共同研究を実 そこで、生物試料中ヒ素の分析値の信頼 施し、連携を深めています。発表した論文 性確保に利用できるタラ魚肉粉末標準物 には、内外の学会や出版社から論文賞を受 質※ 13 を新たに開発しました。本標準物質 賞しています。 は 2006 年 3 月に認証を終え、一般への頒 布が開始されています。アルセノベタイン 水溶液標準物質と共に活用されることによ り、ヒ素およびヒ素化合物分析の精度や信 頼性が向上し、さらには形態の違いによる 適切なリスク評価や規制へとつながること が期待されます。 環境研究トピックス: ここで紹介した技 術 は 広 報 誌( 産 総 研 Today)に掲載された 記事やプレス発表した 低温プラズマリアクタ稼動時の温度分布 ものなどのごく一部で す。 ま た、 共 同 研 究 などの成果も含みま す。関連する論文、特 許、 共 同 研 究 先 な ど の 詳 し い 情 報 は、 産 総研公式ホームペー ジ(http://www.aist. go.jp/index_j.html) でご覧になれます。 タラ魚肉粉末標準物質 NMIJ CRM 7402-a 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 13
  • 16. 環境・安全衛生マネジメント ※ 1 産総研憲章 p.4 参照 環境安全憲章 ※ 2 産総研の 23 の事業 1 地球環境の保全と人類の安全に資する研究を推進し、安心・安全で質の高い生活や環 所(2007.7.1 現在) ・北海道センター 境と調和した社会の実現を目指します。 ・東北センター ・つくば中央第 1 事業所 2 環境安全に関する諸法規を遵守するとともに、自ら、ガイドライン等の自主基準を設 ・つくば中央第 2 事業所 ・つくば中央第 3 事業所 定し、日々、環境保全と安全衛生の向上に努めます。 ・つくば中央第 4 事業所 ・つくば中央第 5 事業所 3 環境安全に関する情報の発信を推進し、地域社会との調和・融合に努めます。また、 ・つくば中央第 6 事業所 ・つくば中央第 7 事業所 万一の事故、災害においても、迅速・的確な対処を行うとともに、「公開の原則」に ・つくば西事業所 ・つくば東事業所 則り、得られた知見・教訓の社会への還元に努めます。 ・東京本部 ・秋葉原事業所 ・小金井事業所 ・八王子事業所 ・臨海副都心センター ・中部センター ・関西センター 基本理念 に努めます。 ・尼崎事業所 ・中国センター 地球環境の保全や人の安全衛生の確保は (5) 環境汚染、労働災害の予防に努め、 ・四国センター ・九州センター 研究所存立の基盤をなす重要な取り組みで 緊急時においては迅速かつ適切に対応 ・福岡西事業所 あり、産総研としての社会的責任でもあり し、被害の拡大防止に努めます。 ます。環境と安全の基本理念は環境安全憲 (6) 環境報告書の発行、情報公開など 章として制定しています。また、産総研で により環境安全衛生に関する情報を積 働くすべての人が共有できる行動理念とし 極的に開示し、社会とのコミュニケー ※1 て 2005 年春に産総研憲章 を制定しまし ションを推進します。 た。 産総研は、環境安全憲章の理念のもと、 安全衛生管理の取り組み 地球と地域の環境保全と産総研で働くすべ 産総研は、東京本部と全国の研究拠点の ての人々の安全と健康の確保が重要課題で 23 の事業所※ 2 において労働安全衛生法を あることを強く認識し、積極的に行動する 順守した安全衛生管理体制を構築していま ため、次の基本方針の下に取り組みを進め す。月に一回以上、安全衛生委員会を開催 ています。 し、災害の未然防止や健康的な職場環境の (1) 環境の保全と健康で安全な社会の 形成に向けて取り組んでいます。 構築に資する研究に積極的に取り組み ます。 環境影響低減に向けた取り組み (2) 環 境 と 安 全 衛 生 に 関 連 す る 法 規 産総研では、持続可能な社会の形成に寄 制、条例、協定を遵守するとともに、 与するため、地球温暖化などの環境問題や 自主管理基準を設け、一層の環境保全 エネルギー安定供給の確保に係る技術課題 と安全衛生の向上に努めます。 に取り組むとともに、自らの研究活動に起 (3) 省エネルギー、省資源、廃棄物の 因する環境影響の低減に努めています。地 削減に取組み、環境負荷の低減に努め 球温暖化防止に向けたエネルギー使用量削 ます。 減キャンペーン活動をはじめ、廃水、排ガ (4) 環境保全活動及び安全衛生活動を スの適正処理と監視、廃棄物の適正な分別 効果的かつ効率的に推進するための管 処理によるリサイクル推進、化学物質の適 理システムを確立し、全員参加による 正な管理、グリーン調達などに取り組んで 活動を展開するとともに、継続的改善 います。 14 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 17. 環境マネジメントシステム 事業所 つくば東事業所 中部センター 四国センター 産総研では、つくば東事業所、中部セン 認証取得 1999.11.25 2003.10.24 2004.1.23 ター、四国センターにおいて ISO14001 の 2006 年度 2006.10.23 2006.10.13 2007.1.12 審査状況 継続 更新 更新 認証取得を行い、環境と調和した持続的発 展を可能とする研究開発、省エネルギー、 省資源など地球環境保全に配慮した継続的 な活動に取り組んでいます。 ISO14001 認証取得の状況 新たなマネジメントシステムの取り組み 産総研では、環境影響の低減を目的とする環境マネジメ ントシステム(ISO14001)と、労働災害の潜在的危険性 を低減し安全衛生水準の向上を目的とした労働安全衛生マ ネジメントシステム(OHSAS18001)の要素を統合し、研 究機関にふさわしいマネジメントシステムの構築を進めて います。 研究活動を健全に推進するためには地球および地域の環 境保全への配慮と同時に、職員の健康や安全管理も同時に 各事業所における環境安全マネジメント体制 確保しなければなりません。また、法規制においても、消 防法、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法など労働安全 衛生と環境それぞれで管理しなければならないものも多く あります。産総研では ISO14001 認証取得などで得たノウ ハウを継承しつつ、労働安全衛生も含めた新たなマネジメ ントシステムを推進することで、より効果的で効率的な環 境・安全管理を目指します。 2006 年度はつくば西事業所と臨海副都心センターの 2 事業所において導入を開始しました。今後、システムの 検証を進めるとともに第 2 期中期計画終了年度にあたる 環境安全マネジメントシステムの概念図 2009 年度までに全国の事業所へと導入・運用を拡大します。 環境・安全教育 産総研では、法令順守と環境・安全リス 主な講習会とその参加人員 ※ 3 一般研究系職員研修 p.34 参照 クを低減するため、各種教育、講習会など 単位:人 講習会 開催数 参加人員 を開催しています。2006 年度は、高圧ガ 放射線合同教育訓練 2回 117 ス、化学薬品使用に関する教育、局所排気 レーザー安全講習会 1回 117 エックス線安全講習会 4回 264 装置の取り扱い講習会、一般研究系職員研 有機溶剤作業主任者技能講習 1回 84 特定化学物質等作業主任者技能講習 1回 74 修※ 3 などを開催しました。また、事業所 組換え DNA 実験教育訓練 1回 590 内で業務を行う場合は事前に産総研安全ガ 動物実験講習会 2回 332 衛生管理者(一種、二種)受験準備講習会 1回 35 イドラインに基づく教育を義務付けていま 衛生工学衛生管理者資格取得講習会 2回 87 す。 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 15
  • 18. 環境負荷の全体像 16 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 20. 地球温暖化防止 ※ 1 総エネルギー使用量 総エネルギー使用量 の導入や設備運用改善などを実施すると共 総エネルギー使用量に関 する換算は「エネルギーの 産総研では、新しいエネルギー資源とし に、省エネルギーキャンペーン活動を推進 使用の合理化に関する法 律施行規則」 (2006 年 3 月 て注目を集めている再生可能エネルギーの し、職員の意識改革に努め、エネルギー使 29 日改正)の換算係数を 用いています。 研究開発をはじめ、燃料電池と電気・熱・ 用量の削減を図ります。 経年変化をみるため、過 去 2 年間のデータについて 水素エネルギーによる分散型エネルギー もこの換算係数を適用して います。そのため昨年報告 ネットワーク技術の研究開発を行ってお した値と異なります。 り、CO2 の削減とエネルギー自給率の向上 に取り組んでいます。また、温暖化防止に 極めて大きな効果がある省エネルギー技術 についても、省エネ機器、冷熱源の貯蔵・ 輸送・利用などに係わる研究開発に取り組 んでいます。 研究活動によって発生する環境負荷の低 減は、環境・エネルギー分野の研究を推進 する産総研の使命であるため、エネルギー 使用量の削減を目的に 2005 年 7 月に地球 購入電力量 温暖化対策推進チームを設置し、エネル ギー使用量を 3 年間で 15%削減(2004 年 度比)することを決定しました。各事業所 では環境管理委員会を組織して使用量削減 を推進してきた結果、2006 年度の実績は 前年度比 3.7%(2004 年度比 6.7%)の削 減となりました。 また、エネルギー管理規程を制定し、エ ネルギー管理体制の整備を行いました。今 後も省エネルギー対策として、高効率機器 都市ガス使用量 総エネルギー使用量※ 1 灯油使用量 18 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 21. エ ネ ル ギ ー 起 源 の 温 室 効 果 ガ ス※ 2 研究用ガス使用量 ※ 2 温室効果ガス 単位:kg 地球温暖化の原因の 1 つ 排出量 とされている温室効果ガス 2004 年度 2005 年度 2006 年度 のうち、京都議定書におけ 購入電力および都市ガス・石油などの化 二酸化炭素 2,890 3,114 2,873 る削減約束の対象物質は、 メタン 206 266 286 二酸化炭素(購入電力、化 石燃料の消費を起源とする二酸化炭素排出 石燃料) 、メタン、一酸化 一酸化二窒素 12 22 19 二窒素、代替フロンなど 3 量は、前年度比で 3.6%(6,040 トン CO2) ハイドロフルオロカーボン 13 0 48 ガ ス(HFC、PFC、 六 フ ッ パーフルオロカーボン 140 55 109 化硫黄)です。産総研にお の削減を実現しました。 六フッ化硫黄 497 272 292 ける排出量のほとんどは、 その他フロン※ 5 113 2 38 エネルギー消費に起因する 2005 年度の 4.4%(7,680 トン CO2)に 二酸化炭素です。 比べて低い削減率ですが、2005 年度は、 ※ 3 エネルギー起源の温 室効果ガス排出量 エネルギー利用の効率化を目指し実施し エネルギー起源の温室効 果 ガ ス 排 出 量に関する換 た、つくばセンターのエネルギー集中供給 太陽光エネルギー 算 は「 地 球 温 暖 化 対 策 の 推進に関する法律施行令」 方式から分散供給方式への大改修の結果 産総研では、つくばセンターをはじめ東 (2006 年 3 月 24 日 改 正 ) の 換 算 係 数 を用いていま であり、大規模改修がなかった 2006 年度 北、臨海副都心、中部、関西、四国の各研 す。 経年変化をみるため、過 の実績は、全国規模で展開している省エネ 究拠点に太陽光発電設備を導入していま 去 2 年間のデータについて もこの換算係数を適用して 活動と職員の意識向上の結果と考えられま す。2006 年度における産総研全体の太陽 います。そのため昨年報告 した値と異なります。 す。 光発電量は、1,273 千キロワット時で、一 ※ 4 非エネルギー起源の 般家庭 374 世帯分の年間電力使用量に相 温室効果ガスについて 研究用ガスは回収または 当します。 改 質 さ れ る 場合があるた め、二酸化炭素排出量では なく使用量として報告しま す。 ※ 5 その他フロン クロロフルオロカーボン およびハイドロクロロフル オロカーボン 太陽光発電量 ※3 エネルギー起源の温室効果ガス排出量 非エネルギー起源の温室効果ガス 使用量※ 4 非エネルギー起源の温室効果ガスは、研 究用ガスとして用いる二酸化炭素、メタン、 六フッ化硫黄などです。研究用ガス使用量 はほぼ横ばいですが、使用量は研究内容な どにより大きく増減することがあります。 モニュメント型太陽光発電(つくばセンター) 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 19
  • 22. 省エネルギー取り組み事例 ● 省エネルギー・シンポジウム 2006 の開催 つくば市内の研究機関および官公庁などの関係者合わ せて 216 名の参加者がありました。シンポジウムでは、 産総研内の地球温暖化対策推進活動における職員の意識 改革の重要性が提起され、つくば東事業所の ISO14001 に 係わる活動および施設改修などによる省エネ効果の実績 が報告されました。 他の研究機関からは、民間企業における省エネ推進体 制と実績事例および独立行政法人の ESCO 事業導入につい て興味深い講演が行われました。 ● 施設設備の改修 老朽化対策の設備更新工事において、受変電施設の高 効率化と送排風機・ポンプなどのインバーター化を実施 しました。また、トイレ照明に人感センサーを導入しま 私 した。 た ● 施設設備の運用見直し ち は 設備運転管理基準を策定し、冷暖房の設定温度・運転 軽 時間の見直しおよびクリーンルーム、送排風機・ポンプ   装 ( などの設備機器運転の効率化を実施しました。   を ● 日常の活動   心 夏季・冬季において、省エネキャンペーンを実施し、   が け 昼休みの消灯(外光の有効活用)、空調温度設定(夏季   ま 28℃、冬季 19℃)などの徹底を行いました。また、定時 す ) 退庁日の設定、階段の利用(エレベータ使用の抑制)両面 、 ・ 。 縮小コピーの推進などを実施しました。 外光の有効活用(臨海副都心センター) 照明の間引き(臨海副都心センター) 20 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 23. 大気汚染防止 発生源の状況 研究用排ガスの処理 ※ 1 ばいじん 測定濃度が定量下限濃度 産総研での大気汚染物質(窒素酸化物 研究に使用する薬品には健康や環境に悪 以下のときは、定量下限濃 度での排出量を算出してい (NOx)、硫黄酸化物 (SOx))の排出源は主 影響を与えるものもあります。 ます。そのため、正確な年 度比較ができないためグラ に空調用の冷熱源に用いる蒸気をつくるた 有害な薬品を使用する場合は研究者が薬 フ の 掲 載 は 省略していま す。 めのボイラーであり、北海道 2 台、つく 品によって健康を害さないために、常に陰 ※ 2 排ガス処理装置につ ば 11 台、中部 3 台、関西 7 台および九州 圧となっている局所排気装置内で薬品を使 いて 排ガス処理装置は使用す 2 台の計 25 台設置されています。 用することを徹底しています。 る薬品により処理方法が異 なります。有機系ガスの場 ボイラーに使用する燃料は、SOx の発 また、局所排気装置からの排気には薬品 合は活性炭方式、無機系ガ スの場合は薬剤処理方式を 生を抑制するため、一部を除き都市ガス、 蒸気を含んでおり、そのまま大気に排出す 採用しています。 灯油を使用しています。排ガス測定は年 2 ると周囲の環境に影響を与えるおそれがあ 回(暖房用ボイラーは年 1 回)定期的に ります。そのため排気ガスは排ガス処理装 ※1 NOx、SOx、ばいじん の濃度測定をして 置※ 2 で無害化してから大気に排出してい います。 ます。 測定結果は、すべて大気汚染防止法で定 める排出基準値未満でした。 また、つくばセンターに設置されている 焼却炉(研究廃液焼却用 1 台)は、ダイ オキシン対策特別措置法に基づく大気基準 適用施設として、定期的にダイオキシン濃 度を分析し報告しています。 2006 年 度 の 測 定 結 果 は 0.012ng-TEQ/ 3 m N でした。 NOx 排出量 排ガス処理装置と局所排気装置      (上)排ガス処理装置(設置台数 293 台)      (下)局所排気装置(設置台数 1,364 台) SOx 排出量 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 21
  • 24. 水質汚濁防止 ※ 1 霞ヶ浦 水資源 霞ヶ浦は、西浦、北浦、 外浪逆浦の 3 湖沼および常 産総研における水の用途は、実験用、熱 陸川、北利根川、鰐川の 3 河川の総称です。湖面総面 源用および生活用が主なものです。冷暖房 積 220 平方キロメートル。 茨城県と千葉県にまたがる などの温冷水として利用後の廃水は比較的 流域面積は 2,157 平方キロ メートルにおよびます。 汚染の少ない水であり、産総研内で必要な ※ 2 霞ヶ浦の湖水水質 処理を行った後、ほとんどを再利用してい 霞 ヶ 浦 の 湖 水 水 質 は、 1970 年頃から悪化が進行 ます。2006 年度の再利用水は 1,872 千立 し、水質改善対策などの取 り組みで改善傾向になって 米でした。 いるものの、近年は横ばい で環境基準を大きく超えて います。現在でも環境保全 や水質保全などを目的に、 霞ヶ浦水源地域整備事業、 霞ヶ浦導水事業(国土交通 省)などの事業が行われて います。 水資源投入量 つくばセンターの水の流れ 産総研の研究拠点のうち、上水使用量 浦の水は、周辺地域の生活用水や農業用水 が断トツに大きいつくばセンターの水の をはじめとして、漁業や工業など地域の産 流れを紹介します。 業を支えています。つくばセンターのある つくばセンターで使用している上水 筑波研究学園都市も、霞ヶ浦の貴重な水資 は、霞ヶ浦 ※1 の水を原水としています。 源※ 2 に支えられています。 霞ヶ浦は、琵琶湖に次ぐ国内第 2 位の湖 つくばセンター内で使用された研究廃水 面積を持つ湖で、その流域面積は、茨城 は、第 1 事業所から第 4 事業所までは南 県全体の 1/3 以上を占めています。霞ヶ 処理場、第 5 事業所から第 7 事業所およ 木原取水場で原水を取水し、土浦霞ヶ 浦浄水場で飲用に浄化されます。その 後、つくば市中央配水場へ配送され上 水道管により産総研つくばセンターで 供給を受けています。 AIST 22 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 25. 廃水 産総研内で使用された廃水は、一部を除 き廃水処理施設で処理されたのち下水道ま たは公共用水域(河川など)へ放流されま す。また、廃水処理を行わない廃水につい ても、研究廃液などの徹底管理により適切 に下水道などに放流しています。これらの 廃水についてはモニタリングシステムによ る水質検査や、定期的なサンプリング検査 などにより規制基準をクリアするための監 視をしています。 び東事業所の廃水を北処理場、西事業所の 各処理施設の処理能力など 廃水を西処理場の各廃水処理設備で処理し 1)北処理場(中央・東地区) た後、そのほとんどを研究冷却水や水洗ト  ①一般研究廃水処理設備 イレ用水として再利用しています。   処理水量:533m3/ 日(最大 682m3/ 日)  ②実験冷却水廃水処理設備 また、処理済みの研究廃水は、上記 3   処理水量 754m3/ 日(最大 1,206m3/ 日) : 箇所の処理場からつくば市下水道へ放流さ  ③再利用水供給処理設備   処理水量 905m3/ 日(最大 1,888m3/ 日) : れ、利根浄化センター(終末処理場)で浄  ④研究廃液処理設備 化され利根川へ放流されます。 無機系廃液:分別後、薬品処理法による 処理。 有機系廃液:分別後、噴霧焼却炉による 燃焼処理。  ⑤高 BOD 廃水処理設備   処理水量:30m3/ 月 2)南処理場(中央地区)  ①一般研究廃水処理設備   処理水量 874m3/ 日(最大 1,118m3/ 日) :  ②実験冷却水廃水処理設備   処理水量 1,902m3/ 日 : (最大 2,034m3/ 日)  ③再利用水供給処理設備 廃水処理施設   処理水量 1,696m3/ 日 : (最大 3,459m3/ 日) 3)西処理場(西地区)  ①一般研究廃水処理設備   処理水量:153m3/ 日(最大 275m3/ 日)  ②実験冷却水処理設備   処理水量:167m3/ 日(最大 401m3/ 日)  ③再利用水供給設備   処理水量:320m3/ 日(最大 676m3/ 日) 4)北サイト処理施設  ①物理化学処理方式を行う設備   処理水量:12m3/ 日(最大 50m3/ 日) 研究廃水ろ過装置 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 23
  • 26. 産総研をとりまく自然 ― 中国センター ― 中国センターは、瀬戸内海に面した自然豊かな研究拠点であり、都市沿岸域の開発により損なわれた自然 環境を積極的に修復・再生し、健全な生態系の回復や持続的な利用が可能な活動空間を創生する技術開発に 関する研究や、木質系バイオマス資源を原料とした経済的な燃料製造技術確立のための研究など、地球環境 や海洋環境などに関連した研究を行っています。 あ じ さ い 中国センターの敷地内には、紫陽花が多く植えられており、初夏に一斉に花開く様子は実にきれいなもの です。四季折々の花が咲き、ヤマモモも実る中国センターです。 アジサイ スイレン ヤマモモ スイセン ツルニチニチソウ コスモス シラー フヨウ ウマゴヤシ ツツジ ユリ アブラナ 24 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 27. 瀬戸内海を守るための法律 中国センターが面する瀬戸内海は、本州と四国、九州に挟まれた内海です。 瀬戸内海の環境保全を目的として、1973 年に瀬戸内海環境保全臨時措置法(議員立法)として 公布され、1978 年に瀬戸内海環境保全特別措置法として恒久法化された法律であり、海域水質の 汚濁防止に関する各条項から構成されています。 では、なぜ法律により、海域の環境保全を行わなければならないのでしょうか。 それは、瀬戸内海が閉鎖性海域という自然の自浄能力による自然回復力が乏しい海であるためで す。 閉鎖性海域は、地理的要因から、水が流出入する機会が乏しいため、自然が本来もつ自浄能力が 弱く、人間による沿岸部の乱開発や環境汚染が即、海域全体の環境破壊につながりやすいため、法 律により、沿岸部の砂浜や干潟の保護や、排水中に含まれる窒素やリンの排出制限をしなくてはな りません。 水中に窒素やリンが多量に含まれると、プランクトンの異常繁殖が発生し、海域の生態系だけで はなく、魚の養殖などにも悪影響を及ぼします。 また、沿岸部の砂浜や干潟を保護するのは、景観の保護という意味合いもありますが、水中のプ ランクトンを餌にしている砂浜や干潟に生息する貝類を保護する意味合いもあります。 本来自然がもつ能力の中で環境が保全されるよう、人間が海に及ぼす影響に制限をかけているわ けです。 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 25
  • 28. 廃棄物処理・リサイクル ※ お断り 廃棄物の適正処理 昨年度の報告において一 部の研究拠点における排出 産総研では環境負荷の少ない製品の購入 量に誤謬がありましたの で、今回の報告で数字の訂 (グリーン調達)やリサイクル可能製品の 正をしています。 使用などにより廃棄物の排出を抑制してい ※ 1 廃棄物処理法 「廃棄物の処理及び清掃 ます。また、廃棄物の適正な分別を徹底し、 に関する法律」 の略称です。 環境への負荷をできる限り低減させるよう 努めています。 廃棄物の収集・運搬および処理を委託す る業者に対しては、産業廃棄物処理業の許 可証の確認、産業廃棄物管理票(マニフェ スト)による適正処理の確認を行い、不法 投棄などの違反がないよう監視していま 一般廃棄物排出量 す。また、自主的に処理場の現地調査を行 うなど、産業廃棄物処理業者の信頼性確保 産業廃棄物 のために取り組んでいます。 廃棄物処理法 ※ 1 で定められたもので、 主に研究活動から発生する事業系廃棄物で 総排出量および最終処分量 す。また、産業廃棄物のうち、爆発性、毒 2006 年度は産業廃棄物および廃棄物品 性、感染性そのほか人の健康または生活環 の排出量が増加したため、総排出量が前年 境への被害を生じるおそれのある性状を有 度に対し約 12%増加しました。 するものを特別管理産業廃棄物として区分 し、研究用途で使用した試薬類、研究廃液 などが該当します。 2006 年度は、主につくばセンターの強 酸性廃液やフッ酸系廃液および実験消耗品 のプラスチック類や金属類の排出量が増加 したことなどにより、前年度に比して約 22%増加しました。 産業廃棄物排出量 単位:t 区分 2004 年度 2005 年度 2006 年度  電池類 4 4 3  蛍光灯類 5 4 5  ガラス類 32 18 17 総排出量と最終処分量  プラスチック 102 108 121  金属 124 121 149  廃油・塗料 19 13 15 一般廃棄物  汚泥(一般) 61 61 76 一般廃棄物は各市区町村の処理センター  鉱さい 42 31 33  がれき類 124 58 92 などで処分されるため、研究拠点により分  発泡スチロール 4 6 4 別方法が異なる場合があります。2006 年  薬品付着物 37 39 42  ※感染性廃棄物 22 25 21 度は不燃ごみが減少したことで排出量は前  ※廃薬品類 20 18 20  ※汚泥(有害) 155 109 151 年度に対し微減しましたが、ほぼ横ばいの 計 750 615 749 状態です。 ※は特別管理産業廃棄物 26 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 29. 廃棄物品 刈り草のリサイクル ※ 2 廃棄物品について 保管スペースの状況、研 研究用途の終了した研究機器、老朽化し つくばセンターでは敷地内の除草作業を 究ユニットの移転などの要 因で排出量が大きく変動す た什器類など使用不能となった物品類につ 年 2 回実施していますが、大量に発生す ることがあります。 いては産業廃棄物として処理をしていま る刈り草は廃棄物処理ではなく敷地内で堆 ※ 3 リサイクル成立件数 2005 年 5 月運用開始の す。これらのものは、鉄、非鉄金属、樹脂 肥化させて、再びセンター内の緑地に天然 ため、2004 年度のデータ はありません。 などの複合製品が多いため廃棄物品として 肥料としてリサイクルしています。年間の ※ 4 ポリ塩化ビフェニル 区分しています。2006 年度は、つくばセ 堆肥量はおよそ 150 立米になります。 (PCB) PCB は絶縁性、不燃性な ンターにおける排出量が増加したため、前 どの特性により、 トランス、 コンデンサなど電気機器を 年度に比して約 28%増加※ 2 しました。 はじめ幅広い用途に使用さ れてきましたが、1968 年 のカネミ油症事件が発生す るなど、その毒性が社会問 古紙回収 題化し、日本では 1972 年 以降その製造が行われてい コピー用紙、雑誌類、新聞紙、ダンボー ません。しかし、処理体制 の整備が進まないことなど ル紙などは資源ごみとして回収していま から長期にわたる保管が続 いています。 す。2006 年 度 に 回 収 し た 古 紙 の 量 は 約 ※ 5 PCB 特措法 264 トンでした。 「ポリ塩化ビフェニル廃 棄物の適正な処理の推進に 関する特別措置法」の略称 リサイクル情報システムを活用した 敷地内で堆肥化されている刈り草 で す。2001 年 6 月 に 制 定 されました。 資産の有効利用 所内イントラネットシステムにおいて、 PCB 廃棄物の適正管理および処理 新リサイクル情報システムを 2005 年 5 月 ポリ塩化ビフェニル(PCB) ※ 4 は人の より運用を開始しています。譲る」 求む」 「 「 、 健康および生活環境にかかる被害を生じる ごとのリサイクル情報が簡易に検索できる おそれがある物質であり、難分解性、高蓄 機能を新たに搭載し、リサイクル促進に役 積性、大気や移動性の生物種を介して長距 立てています。 離を移動する性質を有することから、将来 にわたる環境汚染をもたらす危険性があり ます。PCB 特措法 ※ 5 では、PCB 廃棄物の 処理体制の構築に向けた施策を実施し、今 後 2016 年までに PCB 廃棄物の処理を終え ることとしています。 産総研では、国による PCB 廃棄物処理 体制が整備されるまで、PCB が漏えいしな いよう適正な保管施設において適切に保管 しています。2007 年 3 月 31 日現在の保 管量は、高圧コンデンサ 82 台、高圧トラ ンス 37 台、低圧コンデンサ 416 台、安定 器 5,739 台となっており、その他 PCB 廃 液付着物などがあります。今後は、処理体 ※3 リサイクル成立件数 制の整備状況に応じて計画的に処理を進め ていく予定です。 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 27
  • 30. 化学物質の管理 ※ 1 危険薬品 化学物質の総合的な管理 で、保有者・保管場所の管理、関連法規制 産総研では、化学物質の うち、何らかの法規制のあ 薬品やガスなどの化学物質は、私たちの のチェック、使用量の集計、MSDS ※ 2 検 るものを「危険薬品」と定 義しています。化学物質を 生活を豊かで快適なものにするために欠 索といった、納品から廃棄までに必要とな 規制する主な法律には、労 働安全衛生法、毒物及び劇 かすことができません。しかし、化学物 る情報の総合的な管理が可能です。 物 取 締 法、 消 防 法、PRTR 法などがあります。 質を取り扱うには、安全性の確保はもちろ また、事業所ごとに危険薬品専門委員会 ※ 2 MSDS んのこと、環境に対する影響を低減するた や高圧ガス専門委員会を常設し、関連法令 化学物質等安全データ シ ー ト(Material Safety めに総合的な管理が必要です。そこで、産 の順守や適正な取り扱い・管理に向けた取 Data Sheet) を 指 し ま す。 MSDS には、化学物質の名 総研ではイントラネットワークを用いた独 り組みを推進しています。さまざまな実験 称、性質、危険有害性、取 扱上の注意などについての 自の化学物質総合管理システムを構築し、 で必要となる高圧ガスの消費、貯蔵や製造 情報が記載されています。 2001 年 8 月から運用しています。 についても法的な許可または届出の手続を ※ 3  つ く ば ス ー パ ー ク リーンルーム産学官連携研 産総研内に保有しているすべての危険薬 踏み、法令で定められた技術基準への適合 究棟の概要 ※1 関連政府総予算額:252 品 や高圧ガスボンベにバーコードラベ 性を維持し、事故および環境影響の防止に 億円 スーパークリーンルー ルを発行し、このシステムに登録すること 努めています。 ム:3,000m2( ク リ ー ン 度 JIS クラス 3) 研究用クリーンルーム: 1,500m2(クリーン度 JIS ク ラス 5) 研 究 棟 : 地 下 1 階、 地 上 5 階建て 屋外施設棟: 地下 1 階、 つくば西事業所におけるフッ化水素の使用 地上 2 階 総 延 べ 床 面 積: 約 つ く ば 西 事 業 所 で は、 22,000m2(各種施設、研究 つくばスーパークリーン 事務室などを含む) 建設面積:約 9,700m2 ルーム産学官連携研究棟 ※ 4 エッチング (SCR 棟 ) ※ 3 が 2002 年 に 化学薬品などを使って絶 縁体などの材料を溶かし表 建設されたのを機にフッ 面を加工する技法のこと で、 半 導 体 プ ロ セ ス で は 酸(フッ化水素の水溶液) ウェハ上の不要な薄膜を除 去して微細構造を形成する の使用量が急増しました。 つくばスーパークリーンルーム産学官連携研究棟 のに用いられます。 2006 年度でみると西事業 所全体のフッ化水素の使用量は 8,937kg ですが、このうち 8,932kg が SCR 棟で使用され ています。 SCR 棟では民間企業および大学と共同で半導体製造技術に関する研究が行われていて、 フッ酸は半導体製造工程におけるエッチング※ 4 用の薬品として使用されています。 使用後のフッ酸は、パイプラインを通じて廃液タンクに集められた後、フッ酸専用の 施設で処理されます。施設では、消石灰と反応させてフッ化カルシウムを生成させ、こ れに凝集剤(塩化鉄)を添加して大きな凝集体とした後、沈殿回収する方法(凝集沈殿 方法)でフッ素を除去しています。回収したフッ化カルシウムは加圧脱水で汚泥とし、 業者に引き取られます。ま た、処理後の廃水は、フッ 素濃度が基準値(8mg/L) 未満であることを確認し た 後、 下 水 道 へ 放 流 さ れ ます。 SCR クリーンルーム内 処理施設 フッ素濃度モニター 28 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 31. PRTR 法などへの対応 ※ 5 PRTR 法 ※5 PRTR とは、環境汚染物 産総研では、PRTR 法 に基づき、対象 した。 質排出 移動登録 ・ (Pollutant Release and Transfer 化学物質を管理し、該当する化学物質の排 その他に、北海道センターでは「札幌市 Register)の 略称で、工場 や研究所から環境中に排出 出量と移動量を把握して届出を行っていま 生活環境の確保に関する条例」に基づき、 さ れ る 環 境 汚染物質を把 握・報告し、公表する制度 す。2006 年度は、対象 354 化学物質(群) 2 物質を報告し、臨海副都心センターでは のことです。 PRTR 法とは、 「特定化学 のうち、全研究拠点を合わせると 145 物 「都民の健康と安全を確保する環境に関す 物質の環境への排出量の把 握及び管理の改善の促進に 質(群)の使用実績があり、3 事業所での る条例」に基づき、4 物質の報告をしてい 関する法律」の略称です。 化学物質管理促進法、化管 べ 4 物質を届出しました。また、年間使用 ます。 法ともいいます。特定化学 物 質 と し て 指定された物 量が 10kg 以上のものは 32 物質(群)で 質を取り扱う事業者には、 MSDS 作成と PRTR 届出が 義務づけられています。 PRTR 対象化学物質の排出・移動量(届出義務物質:取扱量 1t 以上)※ 6、7、8 単位:kg ※ 6 有効数字について 届出・報告が有効数字 2 政令 排出量 移動量 桁ですので、それに合わせ 事業所 番号 物質名 取扱量 大気 公共用水域 土壌 埋立 下水道 その他 て記載しています。また、 つくば 1 179 ダイオキシン類 - 0.015 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 PRTR 法では、取扱量の報 つくば 5 95 クロロホルム 2,700 340 0.0 0.0 0.0 0.0 240 告はありませんが、参考の ため記載しています。 145 ジクロロメタン 2,800 300 0.0 0.0 0.0 0.0 460 つくば西 283 ふっ化水素及び 8,900 0.0 0.0 0.0 0.0 460 8,500 ※ 7 ダイオキシンの取扱 その水溶性塩 量について PRTR 法に定める特別要 件施設(廃棄物処理施設: p.21 参 照 ) を 設 置 し て い 札幌市条例対象化学物質の排出・移動量(報告義務物質:使用量 100kg 以上)※ 6 るため届出が義務づけられ 単位:kg ているものであり、取り扱 いはありません。 製造 排出量 移動量 事業所 番号 物質名 使用量 など 大気 公共用水域 その他 廃棄物 下水道 ※ 8 ダイオキシンの単位 北海道 21 クロロホルム 220 0.0 12 0.0 0.0 200 0.0 について 35 N,N- ジメチルホル 300 0.0 34 0.0 0.0 270 0.0 ダイオキシンについて ムアミド は、単位は mg-TEQ です。 東京都条例対象化学物質の排出・移動量(報告義務物質:使用量 100kg 以上)※ 6 単位:kg 製造 排出量 移動量 事業所 番号 物質名 使用量 など 大気 公共用水域 その他 廃棄物 下水道 臨海 2 アセトン 130 0.0 39 0.0 0.0 96 0.0 16 酢酸エチル 220 0.0 41 0.0 0.0 180 0.0 26 ジクロロメタン 170 0.0 14 0.0 0.0 160 0.0 53 メタノール 660 0.0 62 0.0 0.0 600 0.0 2006 年度 2005 年度 2004 年度 PRTR 対象化学物質取扱量(上位 10 物質) 研究拠点別取扱量 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 29
  • 32. 環境リスクマネジメント ※ 1 規制値を上回った箇 環境リスク低減への取り組み 遺伝子組換え生物等の使用等についての 所 北海道センター、関西セ 産総研では、研究活動で発生する環境汚 文部科学省からの厳重注意について ンターおよび尼崎事業所の 一 部。 詳 し く は 研 究 拠 点 染事故をはじめとする環境リスクを未然に 産総研は、2006 年 9 月 8 日付で文部科 データ編を参照(p.48 ~) 。 防止し、万が一事故が発生した場合に被害 学省研究振興局長から遺伝子組換え生物等 ※ 2 カルタヘナ法 「遺伝子組換え生物等の を最小化するよう、迅速かつ適切に対処で の使用等についての厳重注意を受けまし 使用等の規制による生物の 多様性の確保に関する法 きる体制をとっています。また、包括的な た。これは、産総研がカルタヘナ法 ※ 2 に 律」の通称です。 「生物の 多様性に関する条約」およ リスク管理のため、リスク管理運用フロー 定められた拡散防止措置に適合した対応を び「生物の多様性に関する バイオセーフティに関する を整備し、各部門に担当者・責任者を置い 取っていない部分があったことが判明した 条約のカルタヘナ議定書」 に対応するために制定され たリスク管理体制を構築してきました。環 ためです。 た法律です。生物の多様性 の保全および遺伝子組換え 境リスクの低減も包括的なリスク管理の 今後、産総研はこの厳重注意を真摯に受 生物などによる生物多様性 環境への影響を防止するこ PDCA サイクルの中で実行しています。 け止め、遺伝子組換え生物等の使用等を とを目的としています。 騒音については、一部の事業所で基準を 行う場合には、再びこのような問題を引き ※ 3 放射性物質 ※1 ある種の原子核は、不安 超える騒音が観測されました が、防音 起こさないよう策定した再発防止策を徹底 定なものがあり、これらの 原子核は、アルファ(α) 対策などの措置を実施し、順次低減を図っ し、着実に取り組んでいるところです。な 線、ベータ(β)線あるい はガンマ(γ)線などの放 ていきます。 お、本件により周囲の環境には影響を与え 射線を出し、安定な原子核 に変わります(壊変現象) 。 2006 年度は近隣にお住まいの方から 3 ていないことを確認しております。 この能力を放射能と呼び、 強 さ を ベ ク レ ル(Bq) で 件の苦情が寄せられましたが、施設の改修 表します。放射能をもって いる物質を放射性物質とい を含め、誠意を持って迅速に対応を行い、 い、自然界にある元素では ウラン、ラジウムなどがあ すべてご了承いただいています。また、罰 放射性物質※ 3 の不適切な使用などに ります。 金/科料はありませんでした。 ついて ※ 4 管理区域 2006 年 12 月、つくばセンターにおいて、 関係者以外の者の無用な 放射線被ばくを防止すると 一部の研究者による放射性物質の不適切な ともに、施設内で作業する 人の被ばく管理を適正に行 保管、使用などが判明し、2007 年 1 月に うためには、放射線被ばく のおそれのある区域は他の 公表いたしました。本件では一部の放射性 一般区域から物理的に隔離 した「管理区域」として管 物質水溶液が誤って実験用流しに廃棄され 理する必要があります。 ましたが、放射能計測などの結果、周辺環 境への放射能の汚染は検知されませんでし た。また、管理区域※ 4 外で扱われた放射 性物質の量は微量であるため、現場研究者 への影響はありません。したがって、本件 騒音の自主測定(つくばセンター) による周辺地域および産総研構内における 人体、環境への影響はないと考えられます。 産総研は、文部科学省、経済産業省などに 調査結果および今後の、(1)個人の法令 順守徹底、(2)管理体制強化を柱とする 再発防止策について報告を行いました。今 後産総研は再発防止策を徹底し、再び同様 の事態が生じる事のないよう、着実に実施 していきます。 30 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 33. ライフサイエンス実験管理センター・ 石綿含有吹き付け材除去計画 放射線管理センターの設立 基本方針策定 産総研は、2007 年 4 月 1 日にライフサ 産総研内において使用されている石綿含 イエンス実験管理センターを、同年 7 月 1 有吹き付け材について、石綿障害予防規則 日に放射線管理センターを環境安全管理部 に基づいて 2005 年度から所在箇所の特定、 内に設立しました。両センターでは環境安 劣化度調査ならびに石綿含有率の分析を行 全にかかわる法令順守を徹底するため、一 うとともに、並行して一部の汎用性の高い 元管理体制の強化と教育訓練の充実を主軸 箇所の石綿および毒性の高い青石綿と茶石 に、主に次のような取り組みを実施してい 綿などの一部除去を行ってきました。隠ぺ ます。 い部の吹き付け材の石綿含有率の調査は、 ● ライフサイエンス実験管理センター 2007 年 10 月までに終了させる予定です。 実験計画審査の一元管理 このたび、露出部の石綿含有吹き付け材に 安全主任者などの選任 ついて、産総研全体の現状が明らかになっ 実験現場の定期巡視 たことから、より効率的かつ計画的に石綿 実験動物飼育の一元管理  など 含有吹き付け材の除去を行うために、除去 ● 放射線管理センター 計画策定の基本方針および除去計画を定め 管理区域内や貯蔵室、廃棄物保管室への ました。 入退室の一元管理 劣化度調査および室内環境測定の結果、 非密封放射性物質の受入・使用・保管・ 石綿含有吹き付け材には一定の劣化などが 廃棄・払出しなどの一元管理 認められましたが、その劣化などにより粉 年に 2 回の棚卸の実施  など じんを発散させ、直ちに職員などが石綿粉 じんにばく露する危険性はないものと判断 されたこと、また、現況において石綿粉じ 石綿を用いた研究について んが飛散している部屋は確認されていない 産総研では石綿および石綿含有鉱物の標 ことから、予算と代替スペースの確保に 本を、環境に影響を与えることのないよう、 努めつつ、段階的かつ計画的に実施してい 十分留意し保管管理しています。また、石 くこととしました。除去計画期間の年限は 綿廃棄物の無害化の研究は社会的な要請事 2007 年度から 2013 年度までの 7 年間と 項であり、産総研としても今後必要に応じ しています。 て実験を行うこともありますが、石綿を使 用した実験を実施するにあたっては労働安 全衛生法に従って労働局長の許可を得たう えで、実験者および環境に影響を与えない よう十分な準備と配慮の上で適正に実施し ていきます。 石綿作業環境測定士による気中分析 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 31
  • 34. グリーン調達 ※ 1 グリーン購入法 グリーン調達への取り組み 特定調達品目の判断基準に化学物質の使 「国等による環境物品等 の調達の推進等に関する法 産総研では、研究開発を行うために必要 用の制限などが加わり、2005 年度までは 律」の略称です。 な製品・部品・材料を購入するときや、加 基準を満たしていたが外れてしまった機 ※ 2 基本方針 「環境物品等の調達の推 工・試作などを外部の業者に依頼するとき 種※ 4 がありました。新規購入のコピー機 進に関する基本方針」が 正式名称で、グリーン購入 は、品質や価格だけでなく環境も考慮して、 は 2005 年度までレンタルにて使用してい 法に基づき国が定めていま す。 環境負荷ができる限り小さい製品・サービ た機種です。調達目標達成率はコピー機 ※ 3 2006 年 度 特 定 調 達 スを優先して選ぶグリーン調達を進めてい を除き 100%目標達成することが出来まし 品目について 2006 年 2 月 28 日の閣議 ます。 た。また、文具調達においては、再生材料 決 定 に よ り、17 分 野 214 品目が定められるとともに また、グリーン調達を促進させるため、 又は、古紙の配合率が判断基準より高い水 判断基準の見直しが行われ ※1 ※2 ました。 グリーン購入法 および基本方針 に基 準のものも一部調達しました※ 5。 ※ 4  基 準 か ら 外 れ て し づいて、「環境物品等の調達の推進を図る まった機種 コピー機 (購入 2 台、 リー ための方針」を定め公表しています。 ハイブリッド車保有台数 ス・レンタル 144 台) 2007 年 6 月現在で、産総研の全研究拠 ※ 5 代表的な調達品 フ ァ イ リ ン グ 用 品、 環境物品等の調達実績の概要 点で保有する自動車計 79 台のうち 6 台が シャープペンシル、マーキ ングペン、 事務用修正具 (液 産総研が 2006 年度調達した特定調達品 ハイブリッド車です(実験用車両も含む)。 状) ※3 目 は、紙類、文具、OA 機器、役務など 購入、リース・レンタルにあたってはハイ ※ 6 目標達成率 目標達成率=(特定調達 の 16 分野 139 品目でした。OA 機器分野 ブリッド車または低公害車の選定を推進し 物品の調達量 / 総調達量) / 目標値 のコピー機の購入においては、2006 年度 ています。 主な特定調達品目調達実績 分野 品目 目標値 総調達量 特定調達物品の 目標達成率※ 6 調達量 コピー用紙 100 % 116502.1 kg 116502.1 kg 100 % 印刷用紙(カラー用紙を除く) 100 % 2353.9 kg 2353.9 kg 100 % 紙 類 印刷用紙(カラー用紙) 100 % 1840.7 kg 1840.7 kg 100 % トイレットペーパー 100 % 11623.8 kg 11623.8 kg 100 % ティッシュペーパー 100 % 3018.3 kg 3018.3 kg 100 % ボールペン 100 % 18761 本 18761 本 100 % マーキングペン 100 % 11440 本 11440 本 100 % ファイル 100 % 127555 冊 127555 冊 100 % 文具類 事務用封筒(紙製) 100 % 241618 枚 241618 枚 100 % 付箋紙 100 % 11640 個 11640 個 100 % 名札(衣服取付型・首下げ型) 100 % 9496 個 9496 個 100 % いす 100 % 1132 脚 1132 脚 100 % 機器類 机 100 % 575 台 575 台 100 % 棚 100 % 749 連 749 連 100 % 購入 2台 0台 100 % 67 % コピー機 リース・レンタル(新規) 4台 4台 リース・レンタル(継続) 249 台 105 台 OA 機器 プリンタ等 購入 100 % 500 台 500 台 100 % 記録用メディア 100 % 12458 個 12458 個 100 % 一次電池又は小型充電式電池 100 % 21303 個 21303 個 100 % 家電製品 電気冷凍冷蔵庫 購入 100 % 117 台 117 台 100 % エアコンディショナー エアコンディショナー 購入 100 % 14 台 14 台 100 % Hfインバータ方式器具 42 台 42 台 蛍光灯照明器具 100 % 100 % インバータ方式以外器具 45 台 45 台 照 明 高周波点灯専用形(Hf) 2921 本 2921 本 蛍光ランプ 100 % 100 % ラピッドスタート形又はスタータ形 18345 本 18345 本 自動車等 一般公用車以外 購入 3台 3台 作業手袋 作業手袋 100 % 48171 組 48171 組 100 % 役 務 印刷 100 % 871 件 871 件 100 % 32 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 35. 社会とのコミュニケーション コミュニケーション 常設展示施設 ※ 1 2006 年 度 の 産 総 研 環境・エネルギーシンポジ 産総研では、一般の方々を対象として、 つくばセンターにある常設展示施設「サ ウムシリーズ (1)  喫 緊 の 資 源・ 環 境 研究成果をわかりやすく発信するよう努め イエンス スクエアつくば」「地質標本館」 ・ 、 制約とリサイクル技術開発 (2)  第 4 回 水 素 エ ネ ル ています。 は、土日祝日にも開館しています。2006 ギーシンポジウム (3)  第 3 回 分 散 型 エ ネ 一般公開 年度の入場者数は、サイエンス・スクエア ルギーシンポジウム-シス テムに不可欠なエネルギー 一般の方々を対象としたイベントのう つくばで 30,413 名、地質標本館で 41,103 貯蔵・平準化技術最前線- (4) 21 世紀の化学反応 ち、各研究拠点で大々的に毎年 1 回開催 名でした。 とプロセス-機能性化学品 と化学プロセスの新しい展 されているのが、一般公開です。2006 年 また、臨海副都心センターには、「サイ 開- (5)  我 が 国 に お け る 環 度の一般公開では、のべ 12,198 名の来場 エンス・スクエア臨海」が開設されていま 境技術開発の新たな展開- 低エネルギー消費型環境負 者がありました。 す。 荷物質低減技術開発成果報 告会- つくばセンターの一般公開では、サイエ 産総研 TV シリーズ ンストークとして、将来研究者を目指して 産総研の研究や活動をより多くの方々に いる高校生と若手研究者のディスカッショ 知っていただくためのテレビ番組「つくば ンの場を設けました。 発しなやかな産業革命」というシリーズが、 多くのケーブルテレビ局を通じてサイエン スチャンネルで放映されました。 出版物・Web ページ 産総研の研究開発やニュースをお届けす る月刊の広報誌「産総研 Today」、産総研 の研究成果に限らず現在の産業技術・科学 技術をわかりやすく紹介する広報誌「産総 研 SAN・SO・KEN」を発行しています。 また、産総研の Web ページでは、広報 誌の電子版や産総研 TV シリーズを収めた ビデオライブラリーなど、多くの情報がご 覧になれます。 産総研 URL http://www.aist.go.jp/ 研究成果の社会への還元 産総研の研究成果を発信する手段とし て、数多くの講演会を主催・共催していま す。産総研環境・エネルギーシンポジウム シリーズは、2006 年度は 5 テーマ※ 1 に関 して企画・開催しました。このほかにも、 国内外の展示会などに積極的に出展してい ます。 また、環境・エネルギー分野以外でも、 数多くの研究成果を発信しています。 一般公開の様子 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 33
  • 36. 安全で快適な職場環境の形成 ※ 1 一般研究系職員研修 安全への取り組み 健康管理の取り組み 研 究 者 行 動 規 範(2006 年 1 月制定) を基礎にして、 安全管理  定期に一般健康診断および特殊健康診断 研究者にとって日常的に大 きな課題である安全管理お 産総研では、組織的な安全管理に関する を実施するとともに人間ドックの受診も奨 よび研究倫理についての研 修を 2006 年度より実施し 教育・啓蒙などによる安全意識の向上、施 励し、職員の健康障害や疾病の早期の発見 ました。 2006 年度は、常勤職員 設・設備などの改善などにより災害の未然 を目指しています。健康診断実施後の有所 と契約職員などを対象に 1,172 名が参加しました。 防止を図っています。発生した事故災害に 見者に対しては医療スタッフとの面談を呼 ※ 2 ヒヤリ・ハット活動 ついては、軽微なことでも、安全衛生委員 びかけ、健康管理システムなどを利用した 日常の業務の中で、ヒヤ リとしたりハッとしたりし 会の議題として、対応・対策を検討して、 定期的なフォローを行っています。また、 たが、災害にはならなかっ た体験を「ヒヤリ ハット」 ・ 職員などに周知しています。 過重労働による健康障害防止の観点から、 と呼んでいます。これらの 体験報告を共有することに 研究者研修  産総研としての基準※ 3 を定め、労働安全 より、事故災害の未然防止 に役立てる活動です。 産総研では、契約職員を含む産総研に勤 衛生法に基づく医師などによる面談指導を ※ 3 面談対象者の基準 務するすべての研究職員が、産総研内で研 実施しています。 研究業務:3 ヶ月の時間 外労働が連続して 80 時間 究を遂行する上で日常的に理解しなければ また、禁煙相談やウォーキング活動など を越えている者 研究関連・管理業務:3 ヶ ならない必要知識の講習として、2006 年 を通して、職員の健康維持・増進のための 月の時間外労働が連続して ※1 45 時間を越えている者 度から一般研究系職員研修 を開始しま 活動に取り組んでいます。 した。 ヒヤリ・ハット活動※ 2 石綿に関する健康相談の取り組み 2005 年度から開始していますが、より 建物内に使用されている吹き付け材など 提出しやすい報告書様式を作成して、安全 の石綿に関する情報を発信するとともに、 衛生委員会を通した安全衛生会議におい 過去に取り扱ったり健康に不安を感じてい て、従来のヒヤリ・ハット体験以外の危険 る職員からの相談に産業医が対応していま 箇所の情報を新たに求めています。今まで す。 の事故情報とともに産総研全体の情報の共 有により、事故災害の再発防止活動に活用 メンタルヘルスの取り組み しています。指摘された危険箇所は、可能 プライバシー保護に十分な配慮を行い、 な限り改善をしています。 産業医や産業カウンセラーによるカウンセ 安全巡視  リングや電話・メール相談などを行ってい 定期的に実施している産業医、衛生管理 ます。また、職員健康管理等検討委員会に 者、研究ユニットおよび研究ユニット長の よるメンタルヘルスケア体制の検討および 巡視により、基本的な整理・整頓、什器の 推進、メンタルヘルス不全職員のための職 転倒防止などの措置や危険有害要因の排除 場復帰支援プランの策定も開始しました。 により、事故災害の予防措置を図っていま 産業医および外部の講師によるメンタル す。また、月ごとにテーマを決めポイント ヘルスセミナーを開催し、セルフケアおよ を絞った重点的なチェックや違う職場を点 びラインによるケアについて、必要な知識 検する研究拠点間の相互巡視を実施するこ を習得してもらうよう情報提供を行ってい とで巡視の形骸化防止と視点の統一性を ます。 図っています。2006 年度も、外部講師を さらに、外部専門機関との連携により、 招いた巡視セミナーを開催しました。 臨床心理士へのメールや電話による相談、 対面カウンセリングが全国の各研究拠点か ら利用できる体制を整えています。 34 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 37. セクシュアル・ハラスメント防止の 労働災害の状況 ※ 4 度数率グラフについ て 取り組み 産総研では、研究開発に伴って取り扱う 度数率:100 万延実労働 時間あたりの死傷者数 セクシュアル ハラスメントについては、 ・ 薬品やガスなどにより日常的に潜在的な危 全産業:事業所規模 100 人以上 各事業所にいる相談員および産業医、イン 険要因にさらされています。 産総研:構内および近辺 の自転車転倒を含んだ交通 ターネットによる健康相談で応じていま すべてに安全を優先して行うことを基本 事故を含む す。どの相談員にも、気軽に相談できる体 として、過去の事故事例やヒヤリ・ハット ※ 5  不 休 災 害 度 数 率 の データについて 制になっています。 事例から得た対策などを受け、安全衛生委 2006 年度の不休災害の 度数率については、全産業 2006 年度の相談件数は 5 件ありました。 員会を通して職員に情報を周知することで のデータは公表されていま せ ん(2007 年 9 月 1 日 現 事故災害の未然防止と再発防止を図ってい 在)。 研究ハラスメント防止の取り組み ます。 研究ハラスメントについては、各事業所 2006 年度は、休業災害が 4 件発生しま にいる相談員が対応しています。なお、相 した。そのうち 3 件は転倒事故でした。室 談の内容などによっては委員会が審査を行 内および屋外における転倒の可能性がある い、必要な措置を提言することで、研究ハ 危険箇所について広く情報を求め、改善し ラスメントにより職員が被った不利益を回 ていくなどの転倒対策の取り組みを強化し 復します。 ています。 2006 年度の相談件数は 4 件ありました。 防災訓練  産総研では、自衛消防隊を主体として通 報・連絡、消火、避難誘導などの自衛消防 活動を年 1 回実施しています。 火災発生時の初期対応行動になる消火や 放水は、消防署員の指導を受けています。 2006 年度の防災訓練の参加者は 3,600 人でした。 休業災害度数率※ 4 粉末消火器による消火訓練(関西センター) 不休災害度数率※ 4,5 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 35
  • 38. 第三者意見 特定非営利活動法人 循環型社会研究会  代表  山口民雄  副代表 田中宏二郎 昨年に続き第三者意見を担当させていただきましたが、今回は本報告書の初稿ができた段階でダイアログ を実施しました。そして、その中で提起しました多くの意見が貴研究所内で討議され最終稿に反映されてい ます。こうした姿勢をさらに発展させ、今後一層、ステークホルダーの関心、懸念事項を十分に把握され、 本報告書に反映されることを期待します。また、本第三者意見を含め、提起された意見項目について実現不 可能であればその理由、実現に時間がかかるのであればその期間などについてフィードバックされることも ステークホルダー・エンゲージメントの観点から重要と考えます。 報告書の理解を促進する上で、当該組織の概要と特異性、ビジョン、戦略を示すことが重要ですが、本報 告書では吉川理事長の緒言をはじめ本文でこれらの点が明確に記載されています。緒言では、研究者が産業 の持続性に向けての重心移動を促進する基礎技術を生み出すという共通の目的意識を持つことを研究所の環 境戦略の基本と明記されています。そして、研究の固有性と多様性に起因する環境面、安全面での特異性に も言及されています。こうした緒言は報告書全体の基調を示すとともに本文の項目と有機的に結合し、読者 の理解を助けています。 こうした緒言に示された環境戦略のもとに研究所が環境に関する技術開発に注力されていることは「環境 研究トピックス」によって理解できます。しばしば、こうした技術の説明は他の記載に比べ難解な文章にな りがちですが、本トピックスは技術の社会的な要請も含めて比較的平易に記載され、さらに注も多く理解を 助けています。こうした理解容易性への努力については、定量的な記載が増えてきたことや環境負荷の全体 像における「○世帯分」といった記載などにも表れています。 また、ネガティブ情報についても積極的に開示されています。こうした開示姿勢は研究所の透明性や情報 開示に対する誠実性をうかがうことができます。ただ、その内容や程度については報告書の記載だけでは実 態が十分把握しがたいことや再発防止策の内容やその有効性が分かりません。こうした詳細な内容について、 Web などでの情報開示を期待します。 環境負荷の実態については「環境負荷の全体像」が示され、全体の状況が一目で把握できます。また、負 荷削減の努力によって総エネルギー使用量や NOx、 排出量などが低減していることは高く評価できます。 SOx しかし、個々の負荷削減についてその削減に向けての方針、目標、実績、評価、今後の課題について一連の 記載が全体的に弱いといわざるを得ません。今後は環境と安全衛生を統合したマネジメントの構築を進めて いますので、この両者について方針から課題までを一覧にした掲載を検討していただきたいと考えます。 廃棄物処理については、昨年も申し上げましたが一般の企業に比べ最終処分率が非常に高い数値(18.3%) となっています。この要因と最終処分率低減に向けた今後の施策についてはぜひ、次回の報告書で言及すべ きと考えます。また、PRTR 対象化学物質の排出・移動量でつくば西事業所の「その他」の数値が大きいこ とが目に付きます。このような場合には「リサイクル」など「その他」についての内容も示していただくこ とを希望します。 わが国の報告書は環境報告書から大きく CSR 報告書にシフトしてきています。これは、ステークホルダー の強い要請の結果といえます。そこで、貴研究所においてもこうした動向を視野に入れ、今後のコミュニケー ション戦略を確立していただくことを期待します。そして、過重労働やメンタルヘルス疾患、労働者派遣な ど貴研究所として関わりを持つ多くの社会的課題に対してどのように対応し、問題解決を図るのか、その取 り組みと成果を報告されることを期待します。 循環型社会研究会:次世代に継承すべき自然生態系と調和した循環型社会のあり方を地球的視点から考察し、地域における市民、事業者、行政の循環型社会形成に向 けた取り組みの研究、支援、実践を行うことを目的とする市民団体。URL:http://www.nord-ise.com/junkan/ 36 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 40. 所在地 所在地 電話 北海道センター 〒 062-8517 札幌市豊平区月寒東 2 条 17-2-1 011-857-8400 札幌大通りサイト 〒 060-0042 札幌市中央区大通西 5-8 昭和ビル 1 階 011-219-3359 東北センター 〒 983-8551 仙台市宮城野区苦竹 4-2-1 022-237-5211 仙台青葉サイト 〒 980-0811 仙台市青葉区一番町 4-7-17 小田急仙台ビル 3 階 022-237-5218 中央第1 〒 305-8561 つくば市東 1-1-1 中央第 1 北サイト 〒 300-4201 つくば市大字寺具字柏山 1497-1 苅間サイト 〒 305-0822 つくば市苅間 2530  029-852-8742 中央第2 〒 305-8568 つくば市梅園 1-1-1 中央第 2 つ く 中央第3 〒 305-8563 つくば市梅園 1-1-1 中央第 3 ば セ 中央第4 〒 305-8562 つくば市東 1-1-1 中央第 4 029-861-2000 ン (総合) タ 中央第5 〒 305-8565 つくば市東 1-1-1 中央第 5 ー 中央第6 〒 305-8566 つくば市東 1-1-1 中央第 6 中央第7 〒 305-8567 つくば市東 1-1-1 中央第 7 船橋サイト 〒 273-0012 船橋市浜町 2-16-4 西 〒 305-8569 つくば市小野川 16-1 東 〒 305-8564 つくば市並木 1-2-1 臨海副都心センター 〒 135-0064 江東区青海 2-41-6 03-3599-8001 中部センター 〒 463-8560 名古屋市守山区下志段味穴ケ洞 2266-98 052-736-7000 瀬戸サイト 〒 489-0884 瀬戸市西茨町 110 0561-82-2141 関西センター 〒 563-8577 池田市緑丘 1-8-31 072-751-9601 大阪扇町サイト 〒 530-0025 大阪市北区扇町 2-6-20 06-6312-0521 千里サイト 〒 560-0083 豊中市新千里西町 1-2-14 三井住友海上千里ビル 5 階 06-4863-5025 尼崎事業所 〒 661-0974 尼崎市若王寺 3-11-46 06-6494-7854 中国センター 〒 737-0197 呉市広末広 2-2-2 0823-72-1111 四国センター 〒 761-0395 高松市林町 2217-14 087-869-3511 九州センター 〒 841-0052 鳥栖市宿町 807-1 0942-81-3600 福岡サイト 〒 810-0022 福岡市中央区薬院 4-4-20 092-524-9047 直方サイト 〒 822-0002 直方市頓野 1541 0949-26-5511 福岡西事業所 〒 819-0395 福岡市西区元岡 744 092-802-0260 東京本部 〒 100-8921 千代田区霞ヶ関 1-3-1 03-5501-0900 丸の内サイト (2007.4.30 廃止) 大田サイト 〒 144-0042 大田区羽田旭町 7-1 大田区創業支援施設 秋葉原事業所 〒 101-0021 千代田区外神田 1-18-13 秋葉原ダイビル 10 階 11 階 03-5298-4721 八王子事業所 〒 192-0982 八王子市片倉町 1404-1 東京工科大学内 小金井事業所 〒 184-8588 小金井市中町 2-24-16 東京農工大学内 042-386-8441 38 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 41. 面積 URL 敷地面積 (m2) 建床面積 (m2) 延床面積 (m2) 緑地面積 (m2) 58,547 12,042 23,641 16,647 http://unit.aist.go.jp/hokkaido/ 29,443 9,421 15,945 12,318 http://unit.aist.go.jp/tohoku/ 31,914 59,692 616,024 6,948 8,023 434,231 7,142 2,506 4,672 42,874 130,920 988,131 13,185 33,450 560,739 7,632 19,655 http://unit.aist.go.jp/tsukuba/ 22,429 68,904 14,246 42,025 11,934 43,941 1,000 398 796 262,498 43,397 81,175 151,843 147,281 23,047 42,959 89,949 http://unit.aist.go.jp/waterfront/jp/ 16,803 6,636 35,417 3,787 46,259 9,239 27,598 http://unit.aist.go.jp/chubu/ 20,804 12,327 2,203 4,098 78,768 23,137 48,058 2,318 713 2,848 14,890 http://unit.aist.go.jp/kansai/ 16,936 3,790 8,154 http://unit.aist.go.jp/chugoku/ 96,335 24,918 27,977 32,500 http://unit.aist.go.jp/shikoku/ 15,000 4,490 10,005 5,036 71,923 11,157 16,295 56,100 http://unit.aist.go.jp/kyushu/ 22,907 2,140 3,059  2007.4.1 現在の事業所・サイトを記載してい 2007.1.17 現在 ます。ただし、それ以降の変更については追加・ 更新しています。  秋葉原サイト、八王子サイト、小金井サイト、 福岡西サイトは 2007.7.1 に事業所になりまし た。 980 2,831 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 39
  • 42. 人員 エネルギー投入量 契約 産学官 国際 Total 職員 その他 職員 制度 制度 Total(GJ) (人) (人) (人) (人) (人) (人) 北海道センター 82,757 246 72 77 62 2 33 札幌大通りサイト 東北センター 219 49 59 99 5 7 19,623 仙台青葉サイト 中央第1 北サイト 299 127 87 1 1 83 苅間サイト 中央第2 2,349 849 586 627 31 256 つ く 中央第3 456 225 132 62 3 34 ば 2,368,885 セ 中央第4 313 72 74 137 4 26 ン タ 中央第5 947 273 288 279 34 73 ー 中央第6 715 175 250 194 10 86 中央第7 651 260 175 187 6 23 船橋サイト 西 1,028 217 267 175 16 353 東 598 159 157 208 15 59 臨海副都心センター 537 88 108 268 2 71 173,904 中部センター 492 163 103 162 1 63 60,263 瀬戸サイト 関西センター 144,154 大阪扇町サイト 802 208 210 346 12 26 千里サイト 尼崎事業所 103 12 21 60 2 8 29,031 中国センター 108 41 50 12 1 4 15,336 四国センター 96 38 39 17 0 2 17,499 九州センター 福岡サイト 22,586 235 70 94 57 1 13 直方サイト 福岡西事業所 東京本部 丸の内サイト 341 136 91 28 4 82 大田サイト 秋葉原事業所 八王子事業所 2007.3.1 現在 小金井事業所 40 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 43. 太陽光 温水 冷水 太陽光 購入電力 都市ガス プロパン 灯油 (kL) 重油 (kL) 軽油 (kL) 熱供給 熱供給 発電 ( 千 kWh) ( 千 m3) ガス (kg) (GJ) (GJ) ( 千 kWh) 6,124 429 4,685 6 116 1,774 50 4 2,952 135,180 6,459 28 2 9 1,014 52,238 2,502 1,050 7,873 85 13,636 112 14,095 10,592 177 5,225 178 35 119 1 11,363 611 102 ※ 309 0 2,337 147 1,418 31 1,526 59 43 1,920 1 0 78 14 0 22 10 ※ 関西センターで は、累積発電量を取 得していません。 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 41
  • 44. 温室効果ガス排出量 大気汚染物質排出量 排ガス測定結果 Total 購入電力 化石燃料等 NOx SOx ばいじん (t-CO2) (t-CO2) (t-CO2) (kg) (kg) (kg) ボイラー 北海道センター 4,587 3,399 1,189 204 525 18 11-1 ボイラー 札幌大通りサイト 11-2 東北センター 1,083 984 98 仙台青葉サイト 焼却炉 コジェネ 中央第1 32-1 コジェネ 北サイト 32-2 コジェネ 苅間サイト 32-3 冷温水機 中央第2 32-1 つ 冷温水機 く 中央第3 32-2 ば 冷温水機 セ 中央第4 35-1 ン 130,570 110,025 20,545 3,820 7 57 冷温水機 タ 中央第5 35-2 ー 冷温水機 中央第6 35-3 ボイラー 中央第7 38-1 ボイラー 船橋サイト 38-2 ボイラー 西 38-3 東 冷温水機 臨海副都心センター 9,703 7,568 2,135 51-1 冷温水機 中部センター 94 - 1 51-2 3,319 2,966 353 冷温水機 瀬戸サイト 51-3 関西センター 1,785 - 163 7,958 6,478 1,481 冷温水機 大阪扇町サイト 71-1 冷温水機 千里サイト 71-2 冷温水機 尼崎事業所 1,587 1,297 290 71-3 ボイラー 中国センター 848 787 61 71-1 ボイラー 四国センター 963 847 115 71-2 ボイラー 九州センター 123 840 45 71-3 ボイラー 福岡サイト 1,299 1,085 213 71-4 直方サイト ヒーター 福岡西事業所 83-1 冷温水機 東京本部 83-1 丸の内サイト 大田サイト 秋葉原事業所 八王子事業所 小金井事業所 42 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 45. 水資源投入量 NOx(ppm) SOx(m3N/h) ばいじん (g/m3N) 上水 工業用水 地下水 再利用水 (m3) (m3) (m3)  (m3) 測定値 基準値 測定値 基準値 測定値 基準値 89 180 0.14 1.75 <0.02 0.30 33,595 100 180 0.14 1.75 <0.02 0.30 5,557 67 250 0.01 5.9 0.0178 0.25 38 600 0.0003 0.10 33 600 0.0003 0.10 10,543 30 600 0.0003 0.10 31 150 0.0007 0.10 25 150 0.0007 0.10 45 150 0.0005 0.10 803,114 1,816,224 45 150 0.0005 0.10 45 150 0.0004 0.10 57 250 0.0010 0.30 60 250 0.0008 0.30 70 180 0.0007 0.30 542,919 55,510 33 150 <0.002 0.05 22,317 3,836 37 150 <0.002 0.05 13,607 30 150 <0.002 0.05 405 57,719 26 150 0.001 0.10 697 50 150 0.012 0.10 38 150 0.016 0.10 13,644 19 150 0.007 0.10 10,006 54 150 0.006 0.10 3,151 80 180 - 0.001 0.30 67 20,973 88 180 - 0.002 0.30 78 132 - 180 - - 0.30 64 180 0.41 3.02 0.025 0.30 ・測定値は、基準値と比較するために、実測値を換算しています。 ・複数回のデータがある項目は、その最大値を記載しています。 ・ヒーター 83-1 は 2006 年度の運転実績がないため未測定です。 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 43
  • 46. 排水量 水質汚濁物質排出量 水質測定結果 下水道 その他 BOD COD 窒素 リン pH (m3) (m3) (kg) (kg) (kg) (kg) 実測値 基準値 北海道センター 5,130 - - - - 7.4 5~9 札幌大通りサイト 東北センター 9,940 - - - - 6.8 5~9 仙台青葉サイト 中央第1 北サイト 2,449 - 3 26 1 7.2 5.8~8.6 苅間サイト 中央第2 *96,529 6 - - - 7.4 5~9 つ く 中央第3 ば セ 中央第4 ン タ 中央第5 ー 中央第6 *336,561 7 - - - 7.3 5~9 中央第7 船橋サイト 西 *311,883 1 1 - - 7.5 5~9 東 臨海副都心センター 26,727 606 278 - - 6.8 5~9 中部センター 4,553 - - - - - - 瀬戸サイト 73 - - - - - - 関西センター 20,330 24 51 - - 7.9 5~9 大阪扇町サイト *697 66 - - - 6.4 5~9 千里サイト 尼崎事業所 715 1 - - - - 5~9 中国センター *7,397 4,500 366 329 - - 7.1 5~9 四国センター 2,328 5 7 7 0 7.5 5~9 九州センター *20,873 167 25 63 - - 7.3 5~9 福岡サイト *78 直方サイト 132 福岡西事業所 東京本部 丸の内サイト 下水道への排水量は、廃水 処理施設からの排水量です。 大田サイト ただし、*印は廃水処理施 秋葉原事業所 設からの排水量および生活 排水量の合計です。 八王子事業所 小金井事業所 44 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 47. 浮遊物質 n- ヘキサン抽出 窒素含有量 りん含有量 よう素消費量 BOD(mg/L) COD(mg/L) (mg/L) 物質 (mg/L) (mg/L) (mg/L) (mg/L) 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 5( 鉱油 ) - 600 - - - 600 - 30( 動植 ) - - - - - 220 5( 鉱油 ) - 600 - - - 600 < 1.0 30( 動植 ) - - - - - 220 10( 平均 ) 10( 平均 ) 10( 平均 ) 3( 鉱油 ) 1 15( 最大 ) 1.3 15( 最大 ) < 1.0 15( 最大 ) < 0.5 5( 動植 ) 10.6 15 0.28 2 - - 1 600 - - 1.4 600 1.0 5( 鉱油 ) - - - - 1.0 220 1 600 - - < 1.0 600 < 1.0 5( 鉱油 ) - - - - < 1.0 220 < 1.0 5( 鉱油 ) 1.1 600 1.4 - < 1.0 600 < 1.0 30( 動植 ) - - - ≦ 1.0 1.6 220 25.4 600 11.4 - 10.5 600 < 5.0 30( 動植 ) - 120 - 16 - 220 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 5( 鉱油 ) 1.2 600 2.5 - 1.8 600 < 1.0 30( 動植 ) - 240 - 32 2.2 220 94.8 600 - - 6.3 600 - - - - - 32 - - 5( 鉱油 ) 1.9 600 - - 1.3 600 - 30( 動植 ) - - - - - 220 49.5 600 44.5 - - 600 < 0.5 5( 鉱油 ) - - - - - 220 6.95 30( 動植 ) 1.95 600 3.1 - - 600 < 1.0 5( 鉱油 ) 3.2 240 0.12 32 - 220 < 1.0 30( 動植 ) 1.2 600 3.0 - 1.0 600 0.5 5( 鉱油 ) - - - - 28.0 220 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 45
  • 48. 廃棄物排出量 特別管理 一般廃棄物 産業廃棄物 廃棄物品 最終処分量 Total(kg) 産業廃棄物 (kg) (kg) (kg) (kg) (kg) 北海道センター 36,938 571 10,785 6,002 19,580 4,388 札幌大通りサイト 東北センター 124,827 104,000 15,253 5,574 0 18,332 仙台青葉サイト 中央第1 北サイト 苅間サイト 中央第2 つ く 中央第3 ば セ 中央第4 ン 1,155,557 450,660 270,648 148,329 285,920 210,061 タ 中央第5 ー 中央第6 中央第7 船橋サイト 西 東 臨海副都心センター 50,213 24,109 9,150 16,954 0 4,299 中部センター 142,773 6,071 83,051 621 53,030 17,298 瀬戸サイト 関西センター 97,541 54,450 23,209 7,682 12,200 16,987 大阪扇町サイト 千里サイト 尼崎事業所 11,927 7,100 1,020 3,407 400 2,045 中国センター 35,636 24,930 8,306 2,400 2,163 四国センター 37,417 28,260 705 452 8,000 31,226 九州センター 福岡サイト 145,390 9,805 134,925 660 30,337 直方サイト 福岡西事業所 東京本部 丸の内サイト 大田サイト 秋葉原事業所 八王子事業所 小金井事業所 46 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 49. 家電リサイクル PRTR 対象化学物質使用量 エ テ 冷 洗 ア レ 蔵 濯 台 コ 台 ビ 台 庫 台 機 Total(kg) 使用量上位 3 物質(物質名、使用量 (kg)) ( ( ( ( ン ) ) ) ) 0 2 2 0 898 N,N- ジメチルホルムアミド 263 アセトニトリル 259 クロロホルム 200 0 0 0 0 177 トルエン 78 エチレングリコール 21 アセトニトリル 13 1,060 ふっ化水素及びその水溶性塩 781 アセトニトリル 205 トルエン 28 293 アセトニトリル 227 トルエン 45 ジクロロメタン 11 737 クロロホルム 427 ジクロロメタン 117 アセトニトリル 105 2 20 37 1 6,690 ジクロロメタン 2,750 クロロホルム 2,700 トルエン 585 433 アセトニトリル 185 クロロホルム 156 N,N- ジメチルホルムアミド 64 43 ふっ化水素及びその水溶性塩 21 ジクロロメタン 7 アセトニトリル 6 9,320 ふっ化水素及びその水溶性塩 8,937 アセトニトリル 119 トルエン 113 203 ニッケル化合物 93 ニッケル 51 アセトニトリル 24 0 0 0 0 1,111 アセトニトリル 751 ジクロロメタン 176 クロロホルム 84 0 0 6 0 79 トルエン 23 ジクロロメタン 13 ベンゼン 7 0 9 12 2 1,349 ジクロロメタン 535 クロロホルム 326 アセトニトリル 205 0 0 1 0 24 ホルムアルデヒド 9 アセトニトリル 6 クロロホルム 2 0 2 1 0 48 アセトニトリル 30 ホルムアルデヒド 5 クロロホルム 4 0 0 0 0 84 アセトニトリル 67 クロロホルム 6 アクリルアミド 4 210 トルエン 48 クロロホルム 44 アセトニトリル 36 0 3 13 3 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 47
  • 50. 騒音 測定点 No.1 測定点 No.2 朝 昼 夕 夜 朝 昼 夕 夜 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 北海道センター *47 45 48 55 45 45 *41 40 *49 45 48 55 44 45 *42 札幌大通りサイト 東北センター 仙台青葉サイト 中央第1 北サイト 苅間サイト 中央第2 つ く 中央第3 40 45 43 50 ! 46 45 ! 43 40 42 50 43 55 47 50 44 ば セ 中央第4 ン タ 中央第5 ー 中央第6 中央第7 船橋サイト 西 41 50 40 55 42 50 44 45 41 50 43 55 44 50 43 東 44 50 46 55 47 50 45 45 39 45 47 50 44 45 40 臨海副都心センター 中部センター 48 60 48 65 50 60 47 50 50 60 51 65 48 60 44 瀬戸サイト 関西センター 49 50 48 55 47 50 45 45 50 50 51 55 49 50 *50 大阪扇町サイト 53 60 58 65 57 60 52 55 55 60 62 65 59 60 54 千里サイト ! ! 尼崎事業所 49 50 51 60 49 50 *47 45 45 45 55 55 46 45 44 中国センター 59 70 59 70 59 70 59 65 50 70 50 70 50 70 50 四国センター 49 60 48 65 46 60 44 50 46 60 44 65 44 60 43 九州センター 50 65 52 65 47 65 42 55 49 65 49 65 46 65 44 福岡サイト 直方サイト 福岡西事業所 東京本部 丸の内サイト 大田サイト 秋葉原事業所 八王子事業所 小金井事業所 48 産業技術総合研究所 環境報告書 2007
  • 51. 測定点 No.3 測定点 No.4 朝 昼 夕 夜 朝 昼 夕 夜 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 実測値 基準値 40 *49 45 49 55 *47 45 *43 40 *49 45 51 55 *50 45 *42 40 45 42 50 43 55 45 50 45 45 45 40 50 39 55 43 50 44 45 40 36 50 40 55 46 50 42 45 40 50 45 55 48 50 42 45 50 44 60 45 65 44 60 43 50 49 60 47 65 47 60 45 50 45 50 50 46 55 45 50 44 45 48 50 54 55 50 50 *49 45 55 53 60 59 65 55 60 52 55 49 60 55 65 53 60 49 55 ! ! ! 40 53 45 54 55 51 45 51 40 47 50 50 60 47 50 *46 45 65 57 70 54 70 57 70 59 65 50 45 60 46 65 44 60 44 50 45 60 48 65 44 60 44 50 55 49 65 49 65 47 65 44 55 53 65 52 65 49 65 42 55 ・敷地境界線の 3 ~ 4 箇所を選んで測定しています(測定地点 の詳細は省略します)。 ・複数回のデータがある項目は、その最大値を記載しています。 ・*の測定値は、実測値が基準値を上回ったものです。 ・!の測定値は、実測値が基準値を上回ったもののうち、研究 所以外の音(自動車の走行音など)の影響によるものです。 産業技術総合研究所 環境報告書 2007 49