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サポートサイトでの解析ツールの活用(2019-07-31版)
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Keisuke Anzai
サポートサイトでの解析ツールの活用(2019-07-31版)。TC協会内にてディスカッションを実施した内容をまとめたものになります。
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サポートサイトでの解析ツールの活用(2019-07-31版)
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1 サポートサイトでの解析ツールの活用(2019-07-31版) アドビ システムズ株式会社 安西 当資料は、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会の解析研究会でのディスカッションをもとに作成をしたものです。 内容については適宜議論内容に合わせてアップデートしていく予定となっています。 1:解析をする目的 解析ツールとは? サイトでの行動を計測・集計することで、サイト上での顧客の行動を可視化できるツールを指しま す。一般的にはどのページからどのページへ遷移しているかといった顧客動線を可視化するレポー トや、設定した場所への到達(購買など)をKPIとして可視化するといったことを機能として提供 しています。 一般的な顧客とコミュニケーションを実施するECサイトやメディアサイトなどには必要不可欠な ツールとなっており、現在では利用していないサイトは無いと言っても良いほど活用されていま す。オンラインマニュアルやFAQなどを含めたサポートサイトでも、その利用は不可欠となってい ます。しかしながら、通常のサイトとは活用方法が異なるため、指標の考え方、データの活用方法 などが異なります。 ウェブ解析ツールを利用することは、顧客行動の<結果>を把握すること以上にはなりません。言 い換えると、数値だけ眺めていても何も良くならず、施策の結果の確認、また、次のアクションに 繋げるためのKPIとして見ていく必要があります。この点においては、ECサイトなどとサポートサ イトにおいて違いはありません。では、何が違うのでしょうか? ゴールを定義すること ECサイトとサポートサイトで大きく異なるのは、ゴールとそれを把握するためのアクションが明 確に定義できるかどうか、にあります。ECサイトの場合は「購入」が大きなゴールとなってお り、その計測ポイントとして「購入完了」が存在しています。そのため、KPIの定義も容易であ り、分析ができます。購入完了というKPIをどれだけ上げられるかが、直接的なビジネス貢献とな
2.
2 るため、それに紐づく評価指標を定義しやすくなります。 サポートサイトの場合は、このゴールの定義が難しいといった部分が挙げられます。しかし、ここ を定義せずにウェブ解析ツールを導入してしまうと、結果としてデータは取得できているものの、 次のアクションが取れず、単純にデータを眺めているだけの無用のツールとなってしまいます。 サポートサイトのゴール サポートサイトの役割は大きく2つに分類ができます。 1:サポート寄り 2:マーケティング寄り 「サポート寄り」のコンテンツであるか「マーケティング寄り」のコンテンツであるかによって、 その評価方法は大きく異なります。自社のサポートサイトがどちらに近いかを、まずは把握する必 要があります。 サポート寄り 役割の1つは、製品を購入した方向けのサポート情報です。説明書やFAQなど、製品を購入された 方が製品を使用する際に不明点を確認するためのコンテンツであり、具体的な利用方法や活用方法 を記載したものです。 大上段の目的は「訪問者の疑問を解決する」ことであり、そのためには、必要なコンテンツを最短 で見つけそのコンテンツの中で解決できることが重要です。 マーケティング寄り 役割のもう1つは、製品の購入を検討する方向けの情報です。仕様が複雑なものなど、購入前にそ の仕様が購入者のニーズを満たしているかを確認したい商材もあります。このようなケースでは、 購買動線の中で、説明書や購買に向けたFAQなどが提供されます。大上段の目的は「購入前の疑問 を解決し、購入を促すこと」となります。
3.
3 2:解析ツールを活用する 解析ツールを利用してコンテンツを扱う場合、そのコンテンツが「サポート寄り」であるか「マー ケティング寄り」であるかで扱いが大きく異なります。最も重要な評価指標が異なるためです。解 析ツールを活用する目的は、KPIを設定しサイト自体が目的に沿って運用されているか?を判断す る部分と、より良いサイトにしていくためにサイトの課題を見つけ出す部分に大きく分かれます。 概要を知るための指標(共通) サポートコンテンツ全体の状況を知るためにトラフィックの状況を把握する必要があります。下記 が全体の状況を知るための指標となります。 ・サポートコンテンツ全体の訪問者(セッション)数 ・サポートコンテンツへの流入チャネル ・サポートコンテンツ全体の月間ユニーク訪問者数 ・サポートコンテンツページ群の閲覧数(トップページや検索ページなどを除いたもの) サポート寄りコンテンツのKPI設定 サポート寄りコンテンツの場合「訪問者の疑問を解決する」が大上段の目的です。そこから具体的 な評価のポイントを落とし込んでいくことでKPIを設定していきます。 訪問者の疑問を解決できる └必要なコンテンツページを見つけられている └詳細コンテンツページへの到達にかかるページ遷移が少ない └検索やトップページを何度も行ったり来たりしていない └見つけたコンテンツページで解決できている └詳細コンテンツページを沢山遷移せずに閲覧できている └コンテンツページの解決度が高い └お問い合わせをせずに解決できている 平均コンテンツ閲覧数 コンテンツ閲覧数/サポートコンテンツ訪問者数で表現されます。この指標の値が増えるとコンテン
4.
4 ツの回遊が増えていることとなり、必要なコンテンツページを見つけられていない、もしくは、見 つけても当該コンテンツページで解決できていないことを示しています。 お問い合わせ数 オンラインのコンテンツを閲覧しても解決できなかった場合、お問い合わせに繋がっているケース も多くあります。オンラインのお問い合わせ完了を1つの評価ポイントとします。このポイントが 上がると、サポートコンテンツだけで解決できていないことが多いことを示す1つの指標となりま す。オンラインのお問い合わせがない場合は、お問い合わせ用の電話番号の表示ページを指標とす る場合もあります。 平均サポートコンテンツ検索数 サポートサイトに検索を設けるサイトも多くなりました。これらの利用率についても確認をしてい くと良いでしょう。サポートコンテンツ検索数/訪問数で計算します。他の指標と同様に、これが増 えることで一人あたり複数回検索をしていることとなり、必要なコンテンツへの到達、もしくは、 コンテンツでの解決ができていないことが多くなっていることを示します。 マーケティング寄りコンテンツのKPI設定 マーケティング寄りコンテンツの場合は、サポートコンテンツと似ている部分もありますが、大き な目的として売上に貢献する必要があります。そのため、マーケティングへの貢献をKPIとして図 っていく必要があります。 マーケティング貢献率 購入など明確なマーケティング活動へのコンバージョンが存在している場合、サポートコンテンツ の来訪者がどの程度貢献しているかを図る必要があります。サポートコンテンツのうち、どの程度 の訪問者が購買などのマーケティングコンバージョンを達成したかを計測します。サポートコンテ ンツを経由したマーケティングコンバージョン達成数/サポートコンテンツ訪問者数で評価します。 3:改善のためのツール活用 紙の説明書などと違い、オンラインのサポートコンテンツのメリットはリアルタイムに修正ができ ることです。しかし、膨大なコンテンツに対して、端から修正していくことは難しいものです。そ
5.
5 こで解析ツールを利用して、どこから手を付けていくべきか改善すべきコンテンツをあぶり出して 対応ができます。 コンテンツ改善のポイントは、トラフィックが多くボトルネックとなっている(サポートのコンテ ンツの場合は課題解決できていない)部分を優先的に改善していくことです。これらコンテンツの あぶり出しについても、前述したゴールからの落とし込みで実施していきます。ここではそのいく つかの手法をご紹介します。 お問い合わせへの貢献が高いコンテンツページ 閲覧後にお問い合わせへの遷移が多いコンテンツも対象となります。トラフィックが多く、閲覧後 にお問い合わせに遷移している件数が多いものは、改善の対象コンテンツページとします。評価の 仕方はツールにより変わりますが、基本的な考え方としては詳細コンテンツページ閲覧後にお問い 合わせに直接的、間接的に遷移している件数を、各詳細コンテンツページのページビュー数などで 割り、その値が高いものが対象となります。もちろんコンテンツが多いところ、全体のトラフィッ クが多いところを対象とします。 計算的に表示する場合は、改善の目安として下記の計算式を利用するのも良いでしょう。 ―― お問い合わせ貢献改善指標 = (ページお問い合わせ貢献率
- サポートサイト平均お問い合わせ貢献 率)☓ページのページビュー数 ―― 回遊率貢献の高いコンテンツ 回遊率貢献度の高いサポートコンテンツページは、そのページだけで解決していないケースが多く あります。ユーザーがページを見つけたとしても実際の問題が解決できず、他のコンテンツを探し て回遊してしまっている可能性があります。閲覧されている割合も高く(ページビューやセッショ ン数が多い)、かつ、他のページへ回遊をしてしまっている場合は、そのコンテンツページの内容 を見直すことを検討するのが良いでしょう。 回遊を促してしまっているページはツールにより取得できる情報が異なります。
6.
6 ―― ■簡易的な確認 ページごとに離脱率を計算し、トラフィックが多く、離脱傾向が低いものを改善対象候補としま す。(離脱数÷セッション数) ―― ■ツールにより具体的に算出 Adobe Analyticsなどページ回遊貢献度を取得できるツールの場合は、回遊貢献度を表示し、その数 値が高く、セッション数も多い場所を改善対象候補とします。 ―― コンテンツの追加を検討 足りないコンテンツを検討するにあたっても解析ツールを利用できます。まず、最も利用できるの はサイト内検索の情報です。サイト、または、サポートコンテンツのカテゴリに訪れた中で、検索 をして目的のコンテンツを探すことは多くあります。これを利用することでサポートコンテンツ訪 問者のニーズを探ることができます。 特に検索キーワードの中でも「ゼロ件検索」とも呼ばれる、検索をしたが検索結果がヒットしなか ったものをレポートとして作成できるツールがあります。このレポートの上位のキーワードを確認 することで、訪問者の高いニーズかつ、足りないコンテンツのきっかけを掴むヒントになることが 多くあります。 検索キーワードは想定しなかったキーワードが利用されていることも多くあります。たとえば、他 社で似たような製品やサービスが提供されている場合、競合のキーワードが利用され、提供企業と して利用するワードと一般的に利用されるワードが違うケース(航空機と飛行機など)など。こう いったキーワードを参考にし、探しやすいコンテンツを作っていくこともオンラインコンテンツの 場合は重要となります。 サイト内アンケートの活用 サポートコンテンツページにはその満足度を図るために満足度・解決度を図るアンケートが設置さ れているケースがあります。これも計測を行うことで、課題ページを洗い出すうえでの1つの指標
7.
7 にすることが可能になります。サポートコンテンツに設置されるアンケートは「良かった(解決し た)」「悪かった(解決しなかった)」の大きくは2点となります。 解析ツールでこのクリックをページ別に計測をしておくことで、これらを評価することが可能にな ります。この2つの指標を割り算し、レシオ(割合)を出し、その評価が低いもの、かつ、訪問回 数が多いものは改善を検討すべきコンテンツとなります。 4:解析ツールを利用する上でのポイント ここでは解析ツールをより活用していく上でのTipsや実際の改善事例などについてご紹介させて頂 きます。 ページを長くしない 解析ツールで動線の分析などをする場合の最小単位の基本は、URL(ページ)になります。そのた め、1ページに複数の意味を持つコンテンツが含まれている場合は、どちらが読まれているか、と いった分析は難しくなります。そのため、前述した改善したいコンテンツのあぶり出しなどが難し くなってしまいます。 1ページに複数の製品やサービスの情報を掲載することは出来るだけ避け、1つのページに1つの コンテンツを設定することで解析ツールとしても分析しやすくなります。 URLのグルーピングと可読性 ほとんどの解析ツールにおいてはURLが分析する際の識別子になります。そのためランダムな文字 列などで生成されたサポートコンテンツになってしまうと、解析ツール上で分析する際にそのコン テンツが何のコンテンツであるかを識別することが難しくなってしまいます。
8.
8 URLには可読性(判別できる)名称を設定し、さらにグルーピングすることを意識しておくこと で、後々分析しやすくなります。 PDFの計測 オンラインのサポートコンテンツには、マニュアルとしてPDFを設置することも多くあります。こ のPDF自体は残念ながら閲覧情報を解析できません。そのため直接PDFへのリンクを設定した場合 は、その効果測定ができなくなってしまいます。 だからといって、効果測定が何も出来ないわけではありません。ほとんどの解析ツールで、特定の リンクのクリックを計測できます。これを利用し、PDFのリンククリックを計測しておくことで、 どのPDFがダウンロードされたかを確認し、ある程度の効果測定に利用できます。 これは製品から直接オンラインマニュアルのPDFリンクが設定されているケースも同様です。計測 できるページをワンクッション挟むことで、製品から直接閲覧されたかの効果計測も出来るように なります。 QRコードの計測 QRコードも多くの誘導ケースで利用されることが多くなりました。解析ツールは、解析している ページへの誘導であればパラメータを設定し特定の場所からの遷移であることを分析できます。場 所によりこのパラメータの設定を分け、解析ツールで効果分析をすることで、実際にどの場所から の遷移が多いかを分析することもできます。 QRコードも、PDFへの直接リンクなどで利用されているケースもありますが、こちらも1つ前の 計測が出来るページに一旦誘導するようにすることで、どの場所からの誘導でPDFダウンロードが 発生したかを分析できます。 個人情報の取扱い 通常、解析ツールを利用する場合はCookieを発行し、それに紐づけたデータを処理します。ツール により会員IDを計測時に取得して、データをダウンロード・アップロードし、属性情報などと紐づ
9.
9 けて分析できます。そのため、解析ツールを利用する場合は、それぞれのツールベンダーが提供し ているガイドラインに従ってプライバシーポリシーに記載し、オプトアウト処理や計測されたデー タの利用意図を掲載する必要があります。 また、Cookie情報は、日本や米国の法令では個人情報として取り扱われませんが、2018年5月より EUにて施行されたGDPRでは個人情報として取扱い、解析する場合も事前の承諾が必要となりま す。EUにてオンラインでのサービス提供をされている企業については、GDPRに基づき解析ツール を利用する必要がありますのでご留意ください。 ヒートマップツールとの併用 ヒートマップツールは特定のページの中で、どの部分が閲覧されているかを確認するのに非常に有 用なツールです。しかし、このツールから入ってしまうと、それほどKPIに貢献していない、もし くは課題のあるページではない、重要でないところから分析に入ってしまう可能性があり、改善を してもその効果が出ない原因となることもあります。 サポートコンテンツは非常にボリュームが多いものです。ヒートマップツールを効果的に利用する ためにも、まずは解析ツールで改善対象となるコンテンツを特定していき、そのコンテンツページ の内容をさらに修正する場合の1つの参考としてヒートマップツールを利用することで、より効果 的に改善できます。 5:改善事例 オンラインサポートコンテンツ改善事例1 コンテンツの動線の改善例です。オンラインマニュアルのトップページからの動線を分析したとこ ろ、行ったり来たりしてしまっている訪問者が多いことがわかり、その人たちの検索キーワードを 分析すると、様々な検索キーワードを何度も変えながら検索しており、恐らく探したいであろうコ ンテンツがヒットしていない事がわかりました。そこで、該当コンテンツに紐づく情報を見直し、 検索キーワードでヒットしやすくすることで、行ったり来たりする訪問者の割合を下げることに繋 がりました。
10.
10 オンラインサポートコンテンツ改善事例2 お問い合わせの軽減を目的としたサポートコンテンツの改善例です。オンラインのお問い合わせペ ージをコンバージョンのポイントとして計測し、お問い合わせへの貢献(コンバージョンへの貢 献)が多い、コンテンツを洗い出し。これらを精査すると一部のコンテンツは、コンテンツは閲覧 されたものの、オンラインに掲載されている内容だけでは解決できずにお問い合わせに繋がってし まっているようだったため、掲載されているコンテンツの見直し、お問い合わせを軽減させること に繋がりました。 オンラインサポートコンテンツ改善事例3 サポートコンテンツは運用を重ねることで、過去のバージョンを保持しコンテンツが肥大かするこ とになります。これらコンテンツをメンテナンスすることも多くのコストがかかってしまいます。 ソフトウェア会社では、これら過去のバージョンのアクセス状況を分析し、ある一定の過去のバー ジョンの閲覧に関しては、メンテナンスコストよりもお問い合わせで対応をした方がコストが安い ため、お問い合わせへの誘導文言に置き換え、アーカイブすることコンテンツ更新運用とお問い合 わせのバランスをとり全体コスト削減に繋がりました。 6:解析ツール導入のステップ ここではアクセス解析ツールの導入ついて、標準のステップについて記載をします。 ゴール設定(KGI)の明確化 事前に整理をしておくべき内容として、対象となるサポートコンテンツサイトの目的とそれに即し たサイトでのKGI・KPIを整理しておくと良いでしょう。これらを整理しておくことで、「このペ ージが見られている」「更新したのに見られていない」といった、各ページの閲覧データからの一 喜一憂から脱し、目的を持って改善に取り組み最終的に企業のゴールに結びつけていくことができ るようになります。冒頭に記載したゴールの定義から、そこに紐付いた具体的に評価すべきコンバ ージョンポイントを整理しておくことで、ツールの導入がスムーズになります。 ツール選定のポイント(無料ツールや有料ツールなどの違い) 解析ツールを利用するにあたり無料ツールや有料ツールなど様々なものがあります。それぞれ製品 ごとに特徴があるため、自社に合わせたツールの選定が必要になります。
11.
11 <他部門との連携> ここ数年のテクノロジーの深化により、解析ツールは単純にデータを分析するツールだけではな く、オンライン広告との連携や自社サイト内のパーソナライズツールなど様々なものとの連携がで きるようになっています。そのため、サイトの特定のセクション(サポートサイトのみ)から、企 業がコミュニケーションする顧客全体の動線分析およびコミュニケーションへのデータ活用など活 用範囲が幅広くなってきています。検討する場合は、関係部門と調整した上で、既に導入されてい るツールなども踏まえた選定が必要になります。 <データの保持> 無料にツールについては無料で利用できる反面、データの保持権利についてはツールベンダーが保 持することになります。データ保持権利などについても確認のうえ判断をしていく必要がありま す。グローバルで提供しているようなサイトの場合はGDPRがどこまで対応しているかなども確認 しておくと良いでしょう。 <データのガバナンス> サイトが大きくなればなるほど、コンテンツ管理者、制作会社、広告代理店などサイトへの関係者 は増えます。ツールで計測されたデータは企業の資産です。見せて良い部分、見せては良くない部 分などもあります。対象サイトの運用状況・関係者とツールで管理できる権限を見極め、適切な権 限管理ができるツールを選定することも留意すべきポイントとなります。 <データサンプリング> 無料ツールにおいてはデータボリュームに応じてサンプリングが実施されます。多くのサポートコ ンテンツに関しては、傾向値を判断することがほとんどになるため問題ないと思いますが選定にお いて留意する必要があります。 <構造化データの深さ> 解析ツールによっては最小の単位が「ページ = URL」であることがほとんどです。そのためサポ ートコンテンツページの構造とURLの構造が一致している方が分析しやすくなります。一部のツー ルでは、このURLしかページの分類条件として取得することができないものもありますが、Adobe
12.
12 Analyticsといった有料ツールによっては、カテゴリ別、サブカテゴリ別、製品別、製品カテゴリ別 といった様々な情報により違う分類粒度で分析することができ、その分析の深度をより深めること が可能になります。 導入 導入を実施する際にはいくつかの相談先があります。ほとんどの解析ツールは、そのツールととも にタグ管理ツールが提供され、それを利用し解析タグ(多くはJava Scriptのコード)を 展開していくことになります。導入主体についてはいくつかの手法が検討可能です。自社にあった ものを選定するためにも、様々な情報や前述した選定ポイントなどを参考にし、導入をすすめると 良いでしょう。 ツールベンダーへの相談
コンサルティング会社、制作会社への相談 自社での導入 ダッシュボード作成や運用サイクルの決定 ツールは導入したところがスタートで、実際にそこから分析やそこからのインサイトでの改善を行 っていくことになります。この運用を効率的に回していくためにもダッシュボードの作成を行って おくと良いでしょう。必要な人が必要なデータをサマリで参照できるようにするものです。ツール によっては、ツール上でほとんどのダッシュボードが作成できるもの、EXCELなどと連携できるも のなど様々なものがありますので、利用しやすい形態を活用すると良いでしょう。 また、コンテンツを分析・改善するサイクルを自社に取り込んでいくことも重要です。サポートコ ンテンツの改善は終わりがありません。1ヶ月に1回データを深掘り分析し、改善すべきコンテン ツを洗い出していく機会を作るなど、PDCAサイクルを回すための工夫もしておくと良いでしょ う。 以上
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