#24:さて、こんな私ですが、受託開発を行っている某ソフトウェアハウスに新卒で就職して少なくても5,6年は、楽しくない人生を送っていました。顧客の指定する要件通りにプログラムを作っていくことにさっぱり喜びを感じませんでした。そのときの課長に、「お前はいったいなんでこの会社に就職したのだ」ときかれてしまったことを今でもよく覚えています。さて、そんな私に、ある時転機が訪れます。ソニーエリクソンモバイルコミュニケーションズという会社で、欧米市場向けのフィーチャーフォンの新規製品開発にかかわる機会を得たのです。機種名はSONY ERICSSON S700i、海外では初めての横置きカメラUIを誇るハンドセットでした。品川にあるオフィスは国際色豊かな面々がそろっており、毎日充実した時間を過ごすことができ、私は転職を得たと思いました。
#31:ネット上にあふれたバイアスとはどんな代物なのか?かつてあるデザインファームがカーアクセサリーメーカーのもと新規事業開発のためのデザイン志向のワークショップをやった時の話です。そのとき、クライアント企業から出てくるアイデアは、軒並み「人工知能を活用したカーナビ
」というものでした。このアイデアはおかしいわけです。なぜなら、AI技術が発達して自動運転が当たり前になれば、間違いなくカーナビの出番はなくなるからです。しかしこのクラインと企業の方々は、いわば「カーナビってこういうものだ」という従来の枠組み、ボックスの中だけで発想が完全に閉じてしまって、その殻を破る、英語で文字通りout of the boxといいますけど、発想ができなかったわけです。これがバイアスです。ネットにはこうした人間のバイアスにまみれた情報がわんさと転がっているわけです。