jQuery Validation x ASP.NET MVC
で遭遇した不具合 & 対抗ハック

                      @jsakamoto




         Community Open Day
         2012
Twitter Hashtag

•   よろしければ、        #clrh71 でお願いいたします。
    –   #cod2012jp だけだと、全国会場の Tweet と混信しそうなので...

    –   本セッション中、MiniTwitter にて #clrh71 を含む Tweet をポップ
        アップします。
jQuery Validation についておさらい
•   クライアント側スクリプトによる入力検証機能を提供する JavaScript
    ライブラリ。
    –   jQuery のプラグイン

•   ASP.NET MVC の、標準のクライアント側入力検証エンジンに採用
    –   MVC3以降
    –   Visual Studio にて ASP.NET MVC アプリを新規作成すると標準で使用。

•   この資料を作成している時点での最新バージョン:
    –   jQuery = v.1.7.2
    –   jQuery Validation = v.1.9
本セッションのテーマ

•   jQuery Validation を使っている上で ”些細な” 不具合にいくつか遭遇

•   それら不具合について紹介、どう対策して解決したのかを披露

•   対策はすべて、クライアント側 JavaScript コード上で施工
    –   本セッションの本質的な部分では、C# とか ASP.NET とか出てきません。

    –   プラットフォーム問わず、Web アプリ共通の話題ではないでしょうか?

    –   っていうか、むしろ、Ruby on Rails などなど、他のプラットフォームでは
        問題になってないのか? 気になります。
デモ アプリ

•   こんな ASP.NET MVC4 な
    Webアプリを肴に、実演を
    交えつつ、進めて参ります。
Case 1.

  文字数検証 - input type=“text”
Demo
何が起きてる?

•   jQuery Validation は、行頭行末の空白を除いた文字数で
    チェック
    –   ”期待” とは異なったクライアント側検証。

•   サーバー側検証では、行頭行末の空白もそのままに文字
    数チェックするのでセーフ。
    –   ”Post Back” な挙動。

    –   Webではクライアント側検証に頼らないという鉄則。
対応
•   jQuery Validation の検証メソッドを改変すればいい




maxlength: function(value, element, param) {
 return this.optional(element) ||
 this.getLength($.trim(value), element) <= param;
}

                      この trim 要らない!
方法1 - jQuery Validation のソースを直接変更

•   MIT License

•   でも将来の jQuery Validation 本家のバージョンアップに
    ついていける?
方法2 – 開発元にフィードバック

•   trim しているのは、それはそれで意味があるのでしょう。

•   その上でなお、破壊的変更が受け入れられるのか?

•   仮に受け入れられるとして、リリースされるまで待てる?
    – “今そこにある危機”
方法3 – 実行時にOverride
•   JavaScript なので、実行時に「書き換え」できます。



    $.validator.methods.maxlength =
      function (value, element, param) {
        return this.optional(element) ||
          this.getLength(value, element) >= param;
      };
JavaScript コードの Hack
•   いかにも “動的言語” らしく、Hack しやすい。
•   しかし Closure が使える...!
    –   関数型言語っぽい手法で作成されると手が出せない。
•   jQuery Validation はそんな実装されてなく良かった...

                      これで学びました。
Case 2.

  文字数検証 - textarea
Demo
何が起きてる?

•   jQuery Validation は、改行は1文字として文字数チェック。
•   サーバー側検証では、改行は2文字として文字数チェック。
    –   POST データ中、改行が CR+LF になってる
    –   Windows7上で、IE9 でも Firefox12 でも Chrome19 でも同じ挙動
              ※以上を Fiddler v.2.3.9.3 で確認。MacOSではどうなんでしょう?

•   クライアント側とサーバー側とで検証動作が異なる。
    –   ちなみに、XHR要求だと改行が LF で送信されたり。
対応

•   サーバー側で CR+LF を LF に置換することで対応可能。

•   でも、漏れなく実装するのは大変では?

•   それでは jQuery Validation の実装を変更しましょう。
    –   オリジナルの $.validator.prototype.getLength(value, element ) が
        呼び出される前に、value に含まれる改行文字(LF)を2文字に置換し
        てオリジナル実装に渡すよう、カスタムコードを ”差し込む”。
実行時に Override
         元の実装をorgに確保

var org = $.validator.prototype.getLength;
                                       getLength メソッドを
                                        独自実装に差し替え
$.validator.prototype.getLength =
  function (value, element) {               LFを適当な
       value = value.replace(/¥n/g, "++"); 2文字に置換
       return org.apply(this, [value, element]);
    };
                       元の実装をapplyで実行
Case 3.

  Cancel ボタン
Demo
何が起きてる?
•   “cancel” CSSクラスを持つ input か button がクリックさ
    れると「入力検証しない」のフラグが立つ。
•   そしてそのフラグは解除されない。


     this
       .find("input,button")
       .filter(".cancel")
       .click(function() {
          validator.cancelSubmit = true;
       });
正攻法 – input で Cancel ボタンを実装しない
•   a 要素で。
•   Twitter Bootstrap など昨今の CSS ライブラリを使えば、a も
    input も、同じ外観に作れる。
どうしても、という場合...
•   「検証しない」フラグをワンショット遅延でオフに復元。


    $(".cancel").click(function () {

      var validator =
        $(this).closest("form").validate();

      setTimeout(function () {
          validator.cancelSubmit = false;
        }, 0);
    });
Case 4.

  IE8
Demo
何が起きてる?

•   $.validator.elements メソッドの内部に原因

•   IE8 だとなぜか、$($(“form”)[0].elements).filter(“:input”)
    の結果が、要素数 = 0個になっている
    – IE9   でも、ドキュメントモードが IE8 かそれ以前だと再現
対応 – jQuery Validation を最新に

•   この問題を抱えているのは、実は ver.1.8.0.1 まで。

•   jQuery Validation を ver.1.8.1 以降に Upgrade で解決。
    –   ver.1.8.1 のパッケージは 2011年6月10日頃から出現している模様。

    –   それ以前に作成されたASP.NET MVC3 アプリは注意?
jQuery Validation を最新にできない場合は...
•   $.validator.elements の実装を実行時に Override。
•   .filter(“:input”) ではなく、.find(“input, select, textarea”)
    で要素を絞り込む。

$.validator.prototype.elements = function () {
  ...
  return $([])
    .add(this.currentForm.elements)
    .find("input, select, textarea")
    ...;
};
Case 5.

  CSS Class 名が検証ルール名にかぶった
Demo
何が起きてる?

•   ASP.NET としての入力検証機構とは無関係に、jQuery
    Validation による入力検証機構は活きている

•   そのひとつ、CSSクラス名による入力検証の発動
    –   email
    –   required
    –   date
    –   number
    –   ...
jQuery Validation 標準の検証ルールは潰せる

•   $.validator.classRuleSettings からCSSクラス名ルールを削除



     delete $.validator.classRuleSettings.email;
徒然に
些細なことにこだわってばかりで、
自分が器の小さい人間に思えてきました...


だって、結局は、サーバー側検証が機能するんだし...
結局、フィードバックは、Microsoft を含め、
どこにもしていません。


他の仕事とか優先してしまい...
どなたか Microsoft Connect とかに投稿いただません?
Web Forms や、MVC2 までの
クライアント側入力検証では、些細とはいえ、
こんな問題はなかったよな... と思ったり。


さすが Microsoft 純正品クォリティ?

今振り返るに、jQuery Validation の採用はどうだったんだろう...
Thank you...

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jQuery Validation x ASP.NET MVC で遭遇した不具合 & 対抗ハック

  • 1. jQuery Validation x ASP.NET MVC で遭遇した不具合 & 対抗ハック @jsakamoto Community Open Day 2012
  • 2. Twitter Hashtag • よろしければ、 #clrh71 でお願いいたします。 – #cod2012jp だけだと、全国会場の Tweet と混信しそうなので... – 本セッション中、MiniTwitter にて #clrh71 を含む Tweet をポップ アップします。
  • 3. jQuery Validation についておさらい • クライアント側スクリプトによる入力検証機能を提供する JavaScript ライブラリ。 – jQuery のプラグイン • ASP.NET MVC の、標準のクライアント側入力検証エンジンに採用 – MVC3以降 – Visual Studio にて ASP.NET MVC アプリを新規作成すると標準で使用。 • この資料を作成している時点での最新バージョン: – jQuery = v.1.7.2 – jQuery Validation = v.1.9
  • 4. 本セッションのテーマ • jQuery Validation を使っている上で ”些細な” 不具合にいくつか遭遇 • それら不具合について紹介、どう対策して解決したのかを披露 • 対策はすべて、クライアント側 JavaScript コード上で施工 – 本セッションの本質的な部分では、C# とか ASP.NET とか出てきません。 – プラットフォーム問わず、Web アプリ共通の話題ではないでしょうか? – っていうか、むしろ、Ruby on Rails などなど、他のプラットフォームでは 問題になってないのか? 気になります。
  • 5. デモ アプリ • こんな ASP.NET MVC4 な Webアプリを肴に、実演を 交えつつ、進めて参ります。
  • 6. Case 1. 文字数検証 - input type=“text”
  • 8. 何が起きてる? • jQuery Validation は、行頭行末の空白を除いた文字数で チェック – ”期待” とは異なったクライアント側検証。 • サーバー側検証では、行頭行末の空白もそのままに文字 数チェックするのでセーフ。 – ”Post Back” な挙動。 – Webではクライアント側検証に頼らないという鉄則。
  • 9. 対応 • jQuery Validation の検証メソッドを改変すればいい maxlength: function(value, element, param) { return this.optional(element) || this.getLength($.trim(value), element) <= param; } この trim 要らない!
  • 10. 方法1 - jQuery Validation のソースを直接変更 • MIT License • でも将来の jQuery Validation 本家のバージョンアップに ついていける?
  • 11. 方法2 – 開発元にフィードバック • trim しているのは、それはそれで意味があるのでしょう。 • その上でなお、破壊的変更が受け入れられるのか? • 仮に受け入れられるとして、リリースされるまで待てる? – “今そこにある危機”
  • 12. 方法3 – 実行時にOverride • JavaScript なので、実行時に「書き換え」できます。 $.validator.methods.maxlength = function (value, element, param) { return this.optional(element) || this.getLength(value, element) >= param; };
  • 13. JavaScript コードの Hack • いかにも “動的言語” らしく、Hack しやすい。 • しかし Closure が使える...! – 関数型言語っぽい手法で作成されると手が出せない。 • jQuery Validation はそんな実装されてなく良かった... これで学びました。
  • 14. Case 2. 文字数検証 - textarea
  • 15. Demo
  • 16. 何が起きてる? • jQuery Validation は、改行は1文字として文字数チェック。 • サーバー側検証では、改行は2文字として文字数チェック。 – POST データ中、改行が CR+LF になってる – Windows7上で、IE9 でも Firefox12 でも Chrome19 でも同じ挙動 ※以上を Fiddler v.2.3.9.3 で確認。MacOSではどうなんでしょう? • クライアント側とサーバー側とで検証動作が異なる。 – ちなみに、XHR要求だと改行が LF で送信されたり。
  • 17. 対応 • サーバー側で CR+LF を LF に置換することで対応可能。 • でも、漏れなく実装するのは大変では? • それでは jQuery Validation の実装を変更しましょう。 – オリジナルの $.validator.prototype.getLength(value, element ) が 呼び出される前に、value に含まれる改行文字(LF)を2文字に置換し てオリジナル実装に渡すよう、カスタムコードを ”差し込む”。
  • 18. 実行時に Override 元の実装をorgに確保 var org = $.validator.prototype.getLength; getLength メソッドを 独自実装に差し替え $.validator.prototype.getLength = function (value, element) { LFを適当な value = value.replace(/¥n/g, "++"); 2文字に置換 return org.apply(this, [value, element]); }; 元の実装をapplyで実行
  • 19. Case 3. Cancel ボタン
  • 20. Demo
  • 21. 何が起きてる? • “cancel” CSSクラスを持つ input か button がクリックさ れると「入力検証しない」のフラグが立つ。 • そしてそのフラグは解除されない。 this .find("input,button") .filter(".cancel") .click(function() { validator.cancelSubmit = true; });
  • 22. 正攻法 – input で Cancel ボタンを実装しない • a 要素で。 • Twitter Bootstrap など昨今の CSS ライブラリを使えば、a も input も、同じ外観に作れる。
  • 23. どうしても、という場合... • 「検証しない」フラグをワンショット遅延でオフに復元。 $(".cancel").click(function () { var validator = $(this).closest("form").validate(); setTimeout(function () { validator.cancelSubmit = false; }, 0); });
  • 24. Case 4. IE8
  • 25. Demo
  • 26. 何が起きてる? • $.validator.elements メソッドの内部に原因 • IE8 だとなぜか、$($(“form”)[0].elements).filter(“:input”) の結果が、要素数 = 0個になっている – IE9 でも、ドキュメントモードが IE8 かそれ以前だと再現
  • 27. 対応 – jQuery Validation を最新に • この問題を抱えているのは、実は ver.1.8.0.1 まで。 • jQuery Validation を ver.1.8.1 以降に Upgrade で解決。 – ver.1.8.1 のパッケージは 2011年6月10日頃から出現している模様。 – それ以前に作成されたASP.NET MVC3 アプリは注意?
  • 28. jQuery Validation を最新にできない場合は... • $.validator.elements の実装を実行時に Override。 • .filter(“:input”) ではなく、.find(“input, select, textarea”) で要素を絞り込む。 $.validator.prototype.elements = function () { ... return $([]) .add(this.currentForm.elements) .find("input, select, textarea") ...; };
  • 29. Case 5. CSS Class 名が検証ルール名にかぶった
  • 30. Demo
  • 31. 何が起きてる? • ASP.NET としての入力検証機構とは無関係に、jQuery Validation による入力検証機構は活きている • そのひとつ、CSSクラス名による入力検証の発動 – email – required – date – number – ...
  • 32. jQuery Validation 標準の検証ルールは潰せる • $.validator.classRuleSettings からCSSクラス名ルールを削除 delete $.validator.classRuleSettings.email;
  • 36. Web Forms や、MVC2 までの クライアント側入力検証では、些細とはいえ、 こんな問題はなかったよな... と思ったり。 さすが Microsoft 純正品クォリティ? 今振り返るに、jQuery Validation の採用はどうだったんだろう...