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GTFSリアルタイムで変わるバスの世界
Code for Sagaでのバスオープンデータに対する取り組み
Code for Saga・佐賀大学
吉賀夏子
2019-03-02
バスアイコン:CC0
このスライド自体の利用許諾:
Code for Saga
• 佐賀県でICTを使った地域おこし活動
を展開するシビックテック団体
– メンバー:佐賀県のIT関連企業・大学教
職員・自治体職員・デザイナー・マスコ
ミ・自営業・学生など多様
– 情報交換:月1程度のゆるい集まり(井
戸端会議+飲み会)とSNSでの連絡
– キックオフ:2014年2月22日に開催した、
インターナショナル・オープンデータ・
デイ in 佐賀
– これまでチャレンジした課題:マッピン
グ活動による景観保全・交通事故防止
2018年度の取り組み
「公共交通」
• 佐賀県バスのリアル
– 日頃自動車を使う人と使わない人では、バス
そのものの重要度が大きく異なるというのが、
最初の印象
– 車社会でバスより自動車を利用する傾向
• 市民のニーズに合わない(路線・時間)
• 30年後には地方で老年者が急増し、交通事
故の増加、交通弱者の増加は確実
• このまま自動車中心の生活を続けていくと、
交通トラブルも増加
• 公共サービスとしての交通の見直しは、避
けられない!
人口10万人当たり負傷者数
佐賀県 全国
1位
(出典「警察白書 都道府県別の交通
事故発生状況(平成29年)」
警察庁HP)
軽自動車普及率 佐賀県
全国
1位
(出典「平成29年12月末現在 軽四輪
車保有台数と世帯当たり普及台数」
全国軽自動車協会連合会HP)
UDC2018コンテストに参加
• アーバンデータチャレンジ(UDC)とは
–オープンデータ利活用促進のためのアイデアを提案す
るコンテスト 3/16最終審査
キックオフ
勉強会
+
アイデアソン
10/13
アイデアソン2
11/17
ハッカソン
12/8-9
UDC関連イベントを開催
• キックオフ:佐賀県がGTFSデータをリアルタイムデータ
を含めて配信することをアナウンス(2018年10月)・
GTFSについて勉強会・バス利用促進に向けたアイデア出し
バスに求めるもの
バスによる支援の
高度化
ゲーム
キャラクター
快適な移動のみ
ではない価値
機能性向上
安心
ヘルスケア
その他
付箋(アイデア)の数 • バスに安心・確実に乗れる機能
• イベント情報
• 飲み会対策
• 車イスを含めた席の確保
• 乗車特典(ポイント)
• バスの中やバス停待ちで遊べる
ゲーム・キャラクター
• 車内物品・サービス販売
• 見守り・占い・健康チェック
…etc.
手持ちのスマホやスマート
スピーカーを活用したい
バス位置、混み具
合、バス待ち客の数
渋滞情報など
アイデアソン:「アプリ」化するため、前回の
アイデアから4つの具体案に集約
一旦ここで降りる
ここで乗り換える
地図データ 2019©︎Google, ZENRIN
↑アイデアソン会場
旧枝梅酒造
↑乗り換えがやや分かりづらい
イラスト © いらすとや
ハッカソン:アプリ化作業
アーバンデータ鍋↓
5作品をUDCに応募・1作品予選通過
1. 🌸アイデア部門「はなせばわかる」
– バスストップ〜乗り降りお知らせアプリ
– 運転手さんとのコミュニケーションを促進
– 3/15-16のUDCデモ・デーと最終審査に臨みま
す!
2. アイデア部門「佐賀バス手ふり県民運動」
– すれ違うバス同士で乗客がアプリを使って手を
振るアプリ
3. データ部門「佐賀県のバス情報オープン
データとその活用」
– バスオープンデータに関連する取り組みの総括
©︎今村有里@c4s
©︎増本瑶子@佐賀大学
今年1/26
アプリケーション部門での実装・研究
4.「いざゆけ!UDバ
ス」
• 標柱(バス停)を
使ったポイント獲得
ゲーム
– ポイント獲得
• 周辺イベント・観光
情報など連携
• バスの停車ボタンや
ラッピングの権利
• 新しい標柱の提案が
できる
5.「ちどりーど」
• 経路検索を単純化
したアプリ
– バスボタンを押せ
ば、帰りたいバス
停までの検索結果
が出る
– 酔っ払いでもナビ
キャラの助けでバ
スで家に帰れると
いうモチーフ
– バスに乗る前・
乗った後の不安を
楽しく解消
バスイケメン
©︎小石克@c4sタイトル:中園竜佑一@c4s
GTFS-RT(リアルタイム運行情報)を活用した
実装方法を検討
• 汎用性と動作スピードに配慮
–コードはHTML/JS/CSSのみで完結
• 公共サービスを広めるには、5374.jp
(ゴミ仕分けアプリ、Code for Kanazawa
作)のような様々な地域で使い回せる
コードになるように工夫
–Progressive Web Apps (PWA) 対応
PCでもモバイルでも使えるWebアプリ
–キャッシュを強化
アクセス速度ができるだけ速くなるように工夫
佐賀市の5374バージョン
「ちどりーど」について
Qiita解説記事2編・Githubにソースコード公開
+このスライドをSlideShareで公開
• 「ちどりーど」でGoogle検索すると記事がヒットします
• ただし、ちどりーどのサイトは3月末で閉鎖予定
Qiita記事にリンクあります
RESTful
API
GTFS-RT
⇅
JSON
変換処理
(protocol
buffers変換)HTTP
レスポンス
(JSON)
結果返却
(JSON)
HTTP
レスポンス
(GET)
LAMBDA
処理起動
HTTP
リクエスト
(pbファイル取得)
HTTP
レスポンス
(pbファイル
ダウンロード)
ユーザ
API
GATEWAY
LAMBDA
(nodejs) データ提供サイト
(佐賀県の路線バス情報)
GTFS-RT
DATA
route.pb
alert.pb
vehicle.pb
AWS
コードの再利用性の向上: GTFS-RTの
RESTful API化イメージ
作図:遠田浩太@c4s
圧縮データ・
20-30秒に一回程度更新
(上図は「いざゆけ!UDバス」の例)
外部APIを使ったマッシュアップ
GoogleのStreet View Static API
バス停周辺の画像を自動取得
ぐるなびAPI
現在地+標柱+飲食店の位置関
係を同じマップに表示
標柱「佐賀駅北口
(1)」周辺の画像
OpenTripPlanner
(経路検索ツール)
および
リアルタイム速度・
現在位置の活用
バス乗車後(5m/秒以上検知
後)、自分のバス位置と通過
バス停の順番、目的のバス停
までの距離が分かる!
OTPから取得した圧縮
データをデコード・
旅程描画(青線)
「佐賀大学前(3)まで1463m!」
まとめ
シビックテック活動を通じて、公共交通
に対する関心が確実に高まった
• バスは車や人の影響を受けやすい乗り
物であることを再確認
• 巨大企業のシステムに頼りすぎること
なく、地元のバスに関わる会社、運転
手、乗客が共創できるシステムやアプ
リを作ることには大いに意義がある
• リアルタイム情報重要・他者とのコ
ミュニケーションの可能性を生かした
技術開発の余地は測り知れない

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GTFSリアルタイムで変わるバスの世界 - Code for Sagaでのバスオープンデータに対する取り組み

Editor's Notes

  • #2: こんにちは、Code for Saga、佐賀大学の吉賀夏子です。本日は、Code for Sagaでのバスオープンデータに対する取り組みについて、お話しします。 また、私たちが作った、GTFSリアルタイムデータをはじめとした、オープンデータ、ツールを活用したアプリ開発について、ご紹介します。
  • #3: Code for Sagaは、佐賀県でICTを使った地域おこし活動を展開する、シビックテック団体です。 メンバーは、IT関連企業、大学教職員、自治体職員、デザイナー、マスコミ、自営業、学生など多様です。 情報交換は、月1程度の飲み会を兼ねたゆるい集まりと、SlackやFacebookなどを使ったSNSでの連絡で行なっています。 5年前のオープンデータ・デイから始まった活動ですが、これまでに、マッピング活動による景観保全や、交通事故防止を課題に活動してきました。
  • #4: 今年の取り組みは、公共交通をテーマとしました。 ただし、このテーマが出た時、メンバー内の、日頃、自動車を使う人と使わない人では、バスそのものの重要度が、大きく違うというのが、最初の印象でした。 なぜかというと、地方では、車社会で、バスよりも自動車を利用する傾向が強いためです。 おそらく、路線、時間の点で市民のニーズに合わないのが原因だと思われます。 しかし、これから30年後には、地方で、老年者が急増し、交通事故の増加、そして交通弱者の増加となるのは確実です。 したがって、このまま自動車中心の生活を続けていけば、交通トラブルも増えていくだろうと思われます。 現時点でも、佐賀県では、手軽に所有できて、維持費の安い軽自動車が多く、交通事故も多いという結果が現れています。 公共サービスとしての、交通の見直しは避けられません。
  • #5: そこで、Code for Sagaは、課題に取り組むきっかけとして、アーバンデータチャレンジ2018コンテストに参加しました。 アーバンデータチャレンジとは、オープンデータ利活用促進のためのアイデアを提案するコンテストです。 Code for Sagaでは、キックオフとして勉強会、アイデアソン、アイデア絞り込みのためのアイデアソン、ハッカソンを年末にかけて行いました。
  • #6: まず、キックオフですが、去年10月に、タイミングよく、佐賀県が、GTFSデータをリアルタイムデータを含めて配信することをアナウンスしました。 そこで、GTFSについての勉強会・バス利用促進に向けたアイデア出しを行いました。
  • #7: このアイデアソンの後、バスに人が何を求めているのかをまとめました。 その結果、例えば、バス位置や混み具合、バス待ちしている客の数を取得できるといった、バスに安心・確実に乗るための機能面の向上、 イベント情報のプッシュ配信、飲み会対策としてバスを活用したい、車いすを含めた席の確保といった支援の高度化、 快適な移動のみではない価値が得られるような仕組みとして、乗車特典でポイントを貯めて、いいものをゲットといったアイデアが多く集まっていました。 そのほか、バスの中やバス停待ちで遊べるゲーム・キャラクター、 車内で物品やサービスの販売、 見守り、占い、健康チェックなど、面白いアイデアがたくさんでました。
  • #8: 翌月には、アプリ化するため、前回のアイデアから4つの具体案に集約しました。 この時は、東大の伊藤先生を勉強会講師としてお招きしました。
  • #9: 当日、伊藤先生は、佐賀県で配信中のGTFSデータが載ったGoogleの経路案内を頼りに、途中乗り継ぎとバス停間のやや分かりづらい徒歩移動があるにも関わらず、 空港から佐賀市内の会場まで迷わずバスで来ていただけました。 このことで、私たちもGTFSデータのすごさを体感することができました。
  • #10: その後、アーバンデータ鍋をつつきながらアプリを作っていきました。
  • #11: その結果、年明け1月になんとか5作品をUDCに応募することができ、そのうち、アイデア部門に応募した、話せばわかる、バスストップ乗り降りお知らせアプリが予選通過しました。 これは、運転手さんに乗り降りを知らせたり、ありがとうのメッセージを送れる、運転手と乗客間のコミュニケーションを促進するアプリのアイデアです。 3月15-16両日にチームがUDC最終審査に臨みます。 もしUDCに行かれる方がいらっしゃいましたら、ぜひご声援よろしくお願いします。 そのほか、すれ違うバス同士で乗客がアプリを使って手を振るという、佐賀バス手ふり県民運動、 データ部門では、バスオープンデータに関連する取り組みの総括として、佐賀県のバス情報オープンデータとその活用をまとめました。
  • #12: さらに、実際に動作するアプリを応募するアプリケーション部門では、以下の2作品を応募しました。 まず、いざゆけUDバスは、標柱つまりバス停を使ったポイント獲得ゲームで、周辺イベント、観光情報などと連携してポイントをたくさん獲得すると、 バスの停車ボタンやラッピングの権利をもらえたり、新しい標柱の提案ができます。 もう片方の、ちどりーどは、経路検索を単純化したアプリで、スマホ画面のバスボタンを押せば、帰りたいバス停までの検索結果がでるものです。 酔っ払いでも、バスイケメンなどのナビキャラの助けでバスで家に帰れるというモチーフで作っており、バスに乗る前、乗った後の不安を楽しく解消できるようになっています。
  • #13: これらのアプリでは、GTFS-RT、リアルタイム運行情報を活用した実装方法を検討しました。 特に、汎用性と動作スピードに配慮するようにしました。 つまり、5374.jpという、市民が簡単な操作でゴミを仕分けられるアプリのように、様々な地域で使いまわせるコードになるように、工夫しました。 また、PCでもモバイルでも使えるWebアプリで、アクセス速度ができるだけ速くなるようにも、工夫しました。
  • #14: ちなみに、ちどりーどについては、Qiita解説記事2編・Githubにソースコードを公開しています。 さらに、このスライド自体もSlide Shareで公開しています。 ちどりーどとひらがなでググるとヒットします。 これから数枚のスライドにもQRコードを貼りますので、ぜひご参照ください。
  • #15: では、2つのアプリの技術的な工夫例をご紹介します。 まず、GTFSリアルタイムデータの取得ですが、圧縮された状態で、2,30秒に1回程度の頻度で更新されているため、このデータを定期的に取得した後、圧縮データのデコードを行う必要があります。 これら一連の取得作業をWebで簡単に行うため、AWS上にAPIサービスを設けました。
  • #16: また、小規模運用なら無料で使える外部のAPIとGTFSデータをマッシュアップしました。 例えば、佐賀駅北口の標柱の緯度経度がGTFSデータから得られるので、バス停周辺の画像を自動で取得したり、 自分の近くにある飲食店とバス停を地図で確認して、バスで帰りやすい飲食店をチェックできるようにしました。
  • #17: また、OpenTripPlannerという、オープンソースの経路検索ツールを利用して、使い方を研究しました。 具体的には、バスの乗客が、自分がどこにいこうとしてるのか、バス内外でわかるようにする機能を作りました。 例えば、OTPからの経路検索結果には、圧縮された旅程の緯度経度情報が入っていますが、解読して地図上に描画できるようにしました。 右側の画面では、バスに乗車して、秒速5m以上をスマホが検知すると、バス車内とみなして、自分のバスとスマホの現在位置と、通過バス停の順番、そして、目的のバス停までの距離を確認できるようにしました。
  • #18: 最後に、シビックテック活動を通じて、公共交通に対する関心が確実に高まりました。 その中で、バスは車や人の影響を受けやすい乗り物であることを再確認しました。 また、巨大企業のシステムに頼りすぎることなく、地元のバスに関わる会社、運転手、乗客が、共創できるシステムやアプリを作ることには、大いに意義があると感じました。 特に、リアルタイム情報が重要であることや、他者とのコミュニケーションの可能性を生かした技術開発の余地は測り知れません。 これで発表を終わります。