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Hyperledger Projectの概要
株式会社 日立製作所 金融イノベーション推進センタ長
兼 Governing Board Member, Hyperledger Project
長 稔也
2017/3/16
オープン・ソース:
汎業種でのブロックチェーン
技術の高度化を進める共同
プロジェクト
主催:
The Linux Foundation ® が
主催するプロジェクトとして、
過 去 最 高 の ペ ー ス で 規 模 を
拡大中
グローバルでの協創:
金 融 、 IoT 、 サ プ ラ イ
チ ェ ー ン 、 製 造 、 IT 等 の
分野から幅広い企業が参画
Hyperledger Projectについて
2
Hyperledger Projectの目的
ビジネス・ユースのブロックチェーン技術を用いたシステム構築を目的として、
オープン・ソース・チームによる多様なアプローチを実践。
3
中立的でオープン
なコミュニティ
開発による
インフラ提供
技術コミュニティ
の組成
社会の啓発 コミュニティの
プロモーション
企業レベルで利用
可能なオープン・
ソースによる分散
元帳フレーム
ワークとコード・
ベースの生成
ビジネス取引の
サポート
技術面、ビジネス面
からのガバナンスの
維持
ブロックチェーン/
分散元帳の実証実験
から、ユース ケース、
トライアル、実装
まで
ブロックチェーン
技術を利用した市場
機会の訴求
多数のプラット
フォーム、フレーム
ワークとの連動を
図るツールキット・
アプローチ
Hyperledgerのアンブレラ・アプローチ
4
Explorer Cello
Fabric Iroha
Sawtooth
Lake
HyperledgerCloudFoundry Node.js
Open Container
Initiative
インフラ
技術、法務、組織、
マーケティング
オープン開発と商用化を
加速するエコシステム
フレームワーク
様々な業種からのコミュニティ参加者に
よる、ビジネス向けブロックェーン・
フレームワーク形成のためのアプローチ
モジュール
通常、特定フレームワークでの開発を行い、
共通ライセンスとコミュニティ・アプローチ
により、その他のフレームワークへ
ポーティング
ブロックチェーンの適用領域
ブロックチェーンにより、同一、共通、真正なソースを利用して、複数の参加
者がセキュアに連携されるという特性を活かし、さまざまな分野への適用が
期待されています。
5
➢ 決済の合理化
➢ 流動性の向上
➢ 透明性の向上
➢ 新商品、新市場への対応
金融
➢ 煩雑な業務処理の統合
➢ データフロー及び流動性
の向上
➢ コスト削減
➢ 患者の経験価値の向上
ヘルスケア
➢ 部品、サービスのトレース
➢ 商品の真正性の確保
➢ 偽造防止
➢ 利害対立の低減
サプライ・チェーン
Hyperledgerのブロックチェーン・フレームワーク
6
ブロックチェーン関連のインキュベーション・プロジェクト、サブ・プロジェクトについては下記URL参照願います。
www.hyperledger.org/community/projects
1 Fabric: コンセンサス、メンバシップ・サービス等のコンポーネントの利用を
可能とするモジュラー型アーキテクチャ及びプラグ&プレイとしての特徴を有する、
アプリケーション/ソリューション開発の基盤技術
Iroha: 分散元帳技術を必要とするインフラ・プロジェクトへのシンプルかつ容易
な導入を目的とする
2
Sawtooth Lake: IoTから金融分野等への幅広い領域への適用と多様な要件へ
の対応の可能性を有し、パーミッション型、パーミッションレス型の双方に対応
3
Hyperledgerの技術スコープ
スコープ外 カスタム・アプリケーション アプリケーション層
スコープ内
APIライブラリ及びGUI
専用コンセンサス・アルゴリズム
メンバシップ・ポリシー
ゲートウェイ
オペレーション・ダッシュボード
付加価値システム
コアAPI コアAPI
コード実行環境
元帳データ構造
モジュラー・コンセンサス・
フレームワーク
モジュラー・アイデンティティ・
サービス
ネットワーク・ピア
共有元帳
7
理事会とTechnical Steering Committeeの位置づけ
8
理事会(Governing Board)
Hyperledgerのプレミア・メンバ各社
から選任された投票権を有する理事に
より構成される。理事会は、TSC及び
マーケティング委員会委員長も参加して
開催され、下記の役割を果たす。
➢ 予算の承認
➢ 理事長の選任、予算案に基づく支出
の承認及び通常業務の管理
➢ 各 プ ロ ジ ェ ク ト の ビ ジ ネ ス 及 び
マーケティング活動の管掌
毎月第3月曜日、米国東部標準時9:00
~10:00AMで電話会議を開催。
Technical Steering Committee
(TSC)
TSC は 、 プ ロ ジ ェ ク ト の 技 術 的 な
ガバナンスの核として、プロジェクトに
提案されたコード・ベースのレビュー
及び承認を行う。
委員会メンバは委員長の選出、指名を
毎年行う。
毎週木曜日、米国東部標準時10:00~
11:30 AMで電話会議を開催。
TSC電 話会 議へ の 参加 及 びメ ー リン グ・
リ ス ト へ の 登 録 に つ い て は :
https://lists.hyperledger.org/mailman/listi
nfo/hyperledger-tsc
コミュニティ・ワーキング・グループ
ワーキング・グループへの参加は自由です。
中国テクニカル・
ワーキング・グループ
要件定義
ワーキング・グループ
アイデンティティ・
ワーキング・グループ
アーキテクチャ・
ワーキング・グループ
ホワイト・ペーパー・
ワーキング・グループ
ブロックチェーン・
プロトコル・
ワーキング・グループ
9
コミュニティとエコシステムへの取り組み
10
 様々な業種イベントにおける展示
と講演
 2016/12:Hyperledger Member
Summit開催(@NYC)
 Hyperledgerに関する情報発信と
啓発のために、ジャーナリスト、
アナリストと活発に交流
hyperledger.org/news
 Technical Steering Committeeは
定期的にオンライン及び
フェース・トゥ・フェースでの
ハッカソンを 開催。技術イベント
に関するメーリング・リストへの
登録は下記から可能:
hyperledger.org/community
Hyperledger関連のミートアップ開催実績
11
Hyperledger Meetups(2017/1現在)
38回のミートアップにおいて、8,600名+の参加者
Hyperledger Premier Member
12(2017年2月現在)
Hyperledger General Members
13(2017年1月現在)
Hyperledger General Members (続)
14(2017年1月現在)
Hyperledger Associate Members
15(2017年2月現在)
今すぐご参加を!
ビジネスへの長期的な基盤技術の適用に。
ブロックチェーンにおけるリーダーシップの
訴求に。
ブロックチェーン分野のリーディング企業との
協創によるHyperledgerの開発と促進に。
URL:hyperledger.org/about/join
E-mail info@hyperledger.org.

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