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『イシューからはじめよ』
               を読む

              @tricken   130124Thu




13年1月24日木曜日
文献情報

              ‣ 安宅和人,2010,
               『イシューからはじめよ――

               知的生産の「シンプルな本質」』

               英治出版.



13年1月24日木曜日
>現状で評価されていない、結果が出て
              いないのは「イシューが掴めていない」
              と言うことだ。
              (Amazon.co.jpにて、アマゾネス愛子による)




13年1月24日木曜日
あまりに見合わない
          努力/結果の比率(とその日々)

              「認められたい」。

              「努力していないわけじゃない」。

              「何が間違っているのか分からない」。

              「この数年間は何だったんだ」。

              「この徒労感は一体……」。


13年1月24日木曜日
quality
     of
  solution
                    「価値ある仕事」
                       の領域




              You
                            level of
                           importance
13年1月24日木曜日
quality
     of
  solution
               「犬の道」




                You
                        level of
                       importance
[安宅2010: 25]
13年1月24日木曜日
真にバリューある仕事は本当にわずか。

              issueの絞り込みをせずに仕事量を増や
              しても価値の創出効率は悪いまま。

              ではissueとは何か?




13年1月24日木曜日
the definition of issue
              ‣   A) a matter that is in dispute between two or
                  more parties

                  (2つ以上の集団間で決着のついていない問題)

              ‣   B) a vital or unsettled matter

                  (根本に関わる、もしくは

                   白黒がはっきりしていない問題)

                  しかし、良いissueとはどんなものか?


13年1月24日木曜日
issue見極めの条件
              ‣    どんなissueが良いissueであるかは、(見極めのより得意な人に)相談しよう!
                       全編通じて何度も言われている。

                       その道の先達に遠慮せず尋ねるフットワークの軽さが重要。

              ‣    テーマや関心で終わらせず、「仮説を徹底して言葉にすること」にこだわろう!
                   (=境界条件が明確化しないテーマはissueではない)

              ‣    (なんちゃってissueではない)良いissueとは
                  a.   本質的な選択肢であること

                       (=予想される解が、分野の意志決定に決定的影響を及ぼしうる)

                  b.   深い仮説があること
                       (=仮説が「新しい構造、共通性、関係性、グルーピング、ルール等の発見とその適用」
                       を含んでいたり、それによって「既存の常識の否定」を齎しうること)

                  c.   その上で、ある一定期間を経て答えを出せる問いであること(→次のスライド参照)
                       (=答えを出せる範囲でもっともインパクトのある問いになっていること。)




13年1月24日木曜日
〔世の中の〕ほとんどの問題 (98%)



                                          確かに重要といえる
                                          が、答えを出す「手
                                         段」がまだこの世の誰
                                         にも確保できない問題
       “NO”                                【1%程度】



   答えを
   出せるか                                  (1)「今、本当に答え
                                         を出すべき」かつ
                                         (2)答えを出す手段が
                                           ある」問題
      “YES”                              (=今取り組むべき
                                            issue)
                   答えを出す必要性                【1%程度】




               低         中           高
[安宅2010: 72]
13年1月24日木曜日
その他、役立つけど書き写すのが面倒だったtopics



              •   issueが見つからない時のアプローチ

              •   「考えすぎ」「知りすぎ」の図(surveyの収穫逓減)

              •   MECE⇄フレームワーク

              •   メインイシューをサブイシューに分解する

              •   「イシューからはじめる」は「答えありき」ではない

              •   ストーリーラインを30秒で説明する(エレベーターテスト)

              •   とはいっても、深い理解にはやっぱり修練時間が必要

              •   論のコンテづくり/So what/空雨傘などのhow to



13年1月24日木曜日
研究への応用
              ‣   「犬の道」回避の手順は、仮説構築作業の巧拙を判
                  断する作業と全く同じ。

              ‣   issue(=研究上の問い)の質を高めるために
                  survey(=先行研究)がある、と考えればよい。

              ‣   研究におけるissueの質は、surveyから独創的な問
                  いを引き出す手腕に掛かっていると言ってよい。

              ‣   しかし、surveyに時間を掛けすぎるのもダメ。

              ‣   survey ⇄ issue ⇄ solution の循環速度が大事。


13年1月24日木曜日
具体的な活用


               手許で続き。




13年1月24日木曜日

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Issue driven

  • 1. 『イシューからはじめよ』 を読む @tricken 130124Thu 13年1月24日木曜日
  • 2. 文献情報 ‣ 安宅和人,2010, 『イシューからはじめよ―― 知的生産の「シンプルな本質」』 英治出版. 13年1月24日木曜日
  • 3. >現状で評価されていない、結果が出て いないのは「イシューが掴めていない」 と言うことだ。 (Amazon.co.jpにて、アマゾネス愛子による) 13年1月24日木曜日
  • 4. あまりに見合わない 努力/結果の比率(とその日々) 「認められたい」。 「努力していないわけじゃない」。 「何が間違っているのか分からない」。 「この数年間は何だったんだ」。 「この徒労感は一体……」。 13年1月24日木曜日
  • 5. quality of solution 「価値ある仕事」 の領域 You level of importance 13年1月24日木曜日
  • 6. quality of solution 「犬の道」 You level of importance [安宅2010: 25] 13年1月24日木曜日
  • 7. 真にバリューある仕事は本当にわずか。 issueの絞り込みをせずに仕事量を増や しても価値の創出効率は悪いまま。 ではissueとは何か? 13年1月24日木曜日
  • 8. the definition of issue ‣ A) a matter that is in dispute between two or more parties (2つ以上の集団間で決着のついていない問題) ‣ B) a vital or unsettled matter (根本に関わる、もしくは  白黒がはっきりしていない問題) しかし、良いissueとはどんなものか? 13年1月24日木曜日
  • 9. issue見極めの条件 ‣ どんなissueが良いissueであるかは、(見極めのより得意な人に)相談しよう! 全編通じて何度も言われている。 その道の先達に遠慮せず尋ねるフットワークの軽さが重要。 ‣ テーマや関心で終わらせず、「仮説を徹底して言葉にすること」にこだわろう! (=境界条件が明確化しないテーマはissueではない) ‣ (なんちゃってissueではない)良いissueとは a. 本質的な選択肢であること (=予想される解が、分野の意志決定に決定的影響を及ぼしうる) b. 深い仮説があること (=仮説が「新しい構造、共通性、関係性、グルーピング、ルール等の発見とその適用」 を含んでいたり、それによって「既存の常識の否定」を齎しうること) c. その上で、ある一定期間を経て答えを出せる問いであること(→次のスライド参照) (=答えを出せる範囲でもっともインパクトのある問いになっていること。) 13年1月24日木曜日
  • 10. 〔世の中の〕ほとんどの問題 (98%) 確かに重要といえる が、答えを出す「手 段」がまだこの世の誰 にも確保できない問題 “NO” 【1%程度】 答えを 出せるか (1)「今、本当に答え を出すべき」かつ (2)答えを出す手段が ある」問題 “YES” (=今取り組むべき issue) 答えを出す必要性 【1%程度】 低 中 高 [安宅2010: 72] 13年1月24日木曜日
  • 11. その他、役立つけど書き写すのが面倒だったtopics • issueが見つからない時のアプローチ • 「考えすぎ」「知りすぎ」の図(surveyの収穫逓減) • MECE⇄フレームワーク • メインイシューをサブイシューに分解する • 「イシューからはじめる」は「答えありき」ではない • ストーリーラインを30秒で説明する(エレベーターテスト) • とはいっても、深い理解にはやっぱり修練時間が必要 • 論のコンテづくり/So what/空雨傘などのhow to 13年1月24日木曜日
  • 12. 研究への応用 ‣ 「犬の道」回避の手順は、仮説構築作業の巧拙を判 断する作業と全く同じ。 ‣ issue(=研究上の問い)の質を高めるために survey(=先行研究)がある、と考えればよい。 ‣ 研究におけるissueの質は、surveyから独創的な問 いを引き出す手腕に掛かっていると言ってよい。 ‣ しかし、surveyに時間を掛けすぎるのもダメ。 ‣ survey ⇄ issue ⇄ solution の循環速度が大事。 13年1月24日木曜日
  • 13. 具体的な活用 手許で続き。 13年1月24日木曜日