SlideShare a Scribd company logo
政府・自治体でOSMを使
ってほしい10の理由
OSC2010Tokyo/Fall
higa4@OpenStreetMap Japan
2010年9月11日
透明性とオープンガバメント
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Transparency_and_Open_Government/
透明性とオープンガバメント透明性とオープンガバメント
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Transparency_and_Open_Government/
オバマ大統領の覚書に書かれた3つの原則
Government should be transparent.
 →透明性
Government should be participatory.
 →国民参加型
Government should be collaborative.
 →協業的
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09120901.html
経済産業研究所による解説
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09120901.html
透明性
◆積極的な情報開示が最も重要
◆情報はマシンリーダブルな方法でわかりやすく
開示されなければならない
◆情報の受け手である国民が自らコンピュータ
でデータを分析し、知識を増やし、政府に
意見を出すという流れをつくることが透明性原則
の根本の考え
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09120901.html
国民参加型
◆ 「みんなの意見は案外正しい」を前提にする
が、その条件(多様性、独立性、分散性)が常に働く
とは限らない
◆Web2.0 による国民の意見の集約手法が固まってい
ないことが課題
◆いわゆる一般大衆の直感的意見と専門家の意見を
どう組み合わせるかも大きな課題
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09120901.html
協業的
◆行政サービスを提供する段階から省庁間、地方、国
民・NPOとの間で協業を進めることが重要
◆いずれの場合も国民を中心に置いて、協業を進める
◆協業原則では、縄張り・縦割り意識をどう取り除くか
が課題
政府・自治体での地図利用
【現状例1】バリアフリーマップ1/3
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/sinsin/odekakemap/files/5ginnzaeria.pdf
ご注意!
あげつらうことが目的ではありません
ごく普通の事例です
PDF
美しいがマシンは直接読めない
【現状例1】バリアフリーマップ2/3
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/sinsin/odekakemap/files/5ginnzaeria.pdf
情報の範囲・鮮度
目の見えない人が使える?
日本語の読めない人は?
【現状例1】バリアフリーマップ3/3
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/sinsin/odekakemap/index.html
2005年のデータ?
【現状例2】施設案内
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/sinsin/odekakemap/index.html
いわゆるマッシュアップ
この情報の二次利用は難しい
OSMの特徴
・マッシュアップではなく地図データそのものを
描く
・フリーでオープン(単年度活動ではない継続
的な活動、障害を持つ方自身が参加できる)
・データとレンダラーが分離
 (同一データから多様な地図が描ける)
・ユニバーサル(世界規模の活動)
・全世界共通の記述法
・自由に使うためのライセンス(CC-BY-SA2.0)
理由1)透明性
◆データ作成、運営、公開すべてにおいてオー
プン
◆マシンリーダブルなデータ(位置情報+タグ)
OSMデータの内容(タグ)
shop=convenience
name=FamilyMart
OSMデータの内容(XMLファイル)
<osm version="0.6" generator="OpenStreetMap server">
<node id="292921460" lat="35.6415142" lon="139.4099831" version="1"
changeset="490386" user="techstrom" uid="39534" visible="true"
timestamp="2008-09-01T18:18:56Z">
<tag k="shop" v="convenience"/>
<tag k="name" v="FamilyMart"/>
</node>
</osm>
Machine Readableだからできること
iPhoneアプリ (True Offline Map 2)
Machine Readableだからできること
iPhoneアプリ (True Offline Map 2)
Machine Readableだからできること
iPhoneアプリ (True Offline Map 2)
Machine Readableだからできること
iPhoneアプリ (True Offline Map 2)
Machine Readableだからできること
iPhoneアプリ (True Offline Map 2)
・データをまるごとコピーするだけで
・加工することなしに
・好きな地図アプリが作れる
理由2)継続性
◆自由意志による活動がベースであるため、予
算が切れると終わりになるわけではない
◆何もしなくてもデータ更新は続く
政府・自治体でOSMを使って欲しい10の理由
理由3)書き込み可能
◆マッシュアップに加えて地図そのものに書き
込める。
Potlatchによる編集
理由4)分かりやすいライセンス
◆クリエイティブ・コモンズ表示・継承ライセンス
(CC-BY-SA 2.0)
◆条件は下記2つ
1)印刷物や画面に
「OpenStreetMap(&Contributors)」を表示する
限り何に使っても自由
2)製作作品や派生物にも同じ条件を適用する
こと
マイクロソフト賛も使っています
http://www.bing.com/maps/explore/#5003/s=w/5872/style=Mapnik&lat=35.584167&lon=140.104996&z=11&pid=50735
理由5)二次利用促進、公開性
◆誰かが作ったものを他の誰かが再利用でき
る
◆印刷も自由、他のシステムへの移植も自由
http://www.gsi.go.jp/chirikukan/chirikukan60004.html
国土地理院による二次利用促進
http://www.gsi.go.jp/common/000055898.pdf
国土地理院による二次利用促進
◆本ガイドラインは、地理空間情報の有用性・潜在性を
最大限発揮することを念頭に、行政機関等が保有す
る地理空間情報の二次利用を促進するに当たって、
その理念や基本方針とともに、二次利用の
許諾の考え方等の知的財産権等
に係る具体的な処理の方法等に
ついて事例を交えて解説する。
ニュージーランドの土地資源情報ポータル
http://lris.scinfo.org.nz/#
理由6)国民参加型
◆誰でも参加できる
◆例えばバリアフリーマップであれば障害を持
つ当事者が事実情報提供者として主体的に
参加できる
◆多言語マップであれば地域に居住する外国
人が参加できる
OSMのメーリングリストへの当事者からの投稿
Hello all,
I appologize if any of this has been explained before, but I'm so
confused. I am blind, and I do have a Nokia N82, and I do have the
latest Loadstone gps program.
理由7)国民みずからが社会的課
題に取り組むツール
◆バリアフリーマップ
 バリアーの定義(タグ)、触地図、視覚障害者
向けモバイル案内アプリなど
◆クライシスマップ
 ハイチ震災、パキスタン洪水などの災害復興
支援体制が世界規模である
ドイツの車椅子利用者向けマップ
http://en.wheelmap.org/
車椅子利用者向けオンライン経路案内
触地図(銅製の原版)
理由8)住民の健康増進
◆地図を描くために地域を歩く機会が増える
◆社会参加意識が生まれ、やり甲斐を感じられ
るため、心の健康にも良い
わが町の掲示板にOSM
理由9)参加することに意義がある
◆防災・防犯マップの最大の効果はマップづく
りに参加することによる防災・防犯意識の向
上
◆参加型の活動であるOSMはこういった用途
にピッタリ
◆地域社会に目を向けることが地域コミュニテ
ィの再生のきっかけになる
地域をマッピング
国内導入事例(OSC2010Nagoya)
http://www.ospn.jp/osc2010-nagoya/pdf/20100807_OSC2010Nagoya_OSM_Aichi.pdf
理由10)普及支援をぜひ
◆OSMの最大の課題はデータ不足。
◆世界では約30万人が参加しているが、国内
のアクティブユーザ数は約300。
◆公的機関での利用・調達がOSM
の認知、普及につながります
◆安定したサービス提供には官民との連携が
不可欠
ご清聴ありがとうござい
ました。資料は
http://bit.ly/cV6WUP

More Related Content

PDF
OpenDataKyoto(20130420)
PPTX
オープンデータ最新動向(2014年11月13日版)
PDF
JEITA(20110301)
PDF
2015.11.29オープンガバメント推進協議会公開シンポジウム「オープンデータの国内外の現状とこれから」川島宏一氏
PDF
200912210 新しい公共のかたち 公表版(旧)
PDF
7th_LinkedData(20131008)
PDF
Jeita(20100914)
PDF
Yokohama stream(20101026)
OpenDataKyoto(20130420)
オープンデータ最新動向(2014年11月13日版)
JEITA(20110301)
2015.11.29オープンガバメント推進協議会公開シンポジウム「オープンデータの国内外の現状とこれから」川島宏一氏
200912210 新しい公共のかたち 公表版(旧)
7th_LinkedData(20131008)
Jeita(20100914)
Yokohama stream(20101026)

Similar to 政府・自治体でOSMを使って欲しい10の理由 (11)

PDF
OpenGLAM(20130813)
PDF
オープンデータを利用した事業創出
PDF
YODS(20121124)
PDF
シビックテックで、共に考え共に創る社会 - 横浜共創フォーラム
PPT
2014/06/19 第3回 CKAN コミュニティミーティング | homata
PPTX
今後の九州経済とIoT/industrie4.0との関わり
PDF
20140603 ogp asia conf. report final
PPTX
官民データの利活用社会に向けて
PDF
Politics
PDF
20150211関西オープンデータexpo広報紙オープンデータ発表
PDF
【静岡県】日本写真測量学会関西支部(20170203)
OpenGLAM(20130813)
オープンデータを利用した事業創出
YODS(20121124)
シビックテックで、共に考え共に創る社会 - 横浜共創フォーラム
2014/06/19 第3回 CKAN コミュニティミーティング | homata
今後の九州経済とIoT/industrie4.0との関わり
20140603 ogp asia conf. report final
官民データの利活用社会に向けて
Politics
20150211関西オープンデータexpo広報紙オープンデータ発表
【静岡県】日本写真測量学会関西支部(20170203)
Ad

More from Shu Higashi (20)

PDF
Da 20210424
PDF
知識情報基盤としてのウィキペディア - 「オープンデータと市民協働」の視点から
PDF
Da 20201017
PDF
20180929 osm kumamoto
PDF
シビックテックから見たウィキデータ&その活動の現状と広がり
PDF
シビックテックから見たウィキデータ
PDF
ITを活用した市民参加型の防災・減災を考えるヒント
PDF
歩道マッピングパーティやろうぜ
PDF
インターナショナル オープンデータデイ2016 開催に向けた国内外の準備状況
PDF
20151031 sot m_japan2015_osm_service
PDF
20151031 sot m_japan2015_license
PDF
オープンデータとは何か ~その概要と科学との関わり~
PDF
20141213 OpenStreetMapライセンスクイズ
PDF
オープンデータ利活用に向けたソリューション動向
PDF
オープンデータ/オープンガバメントソリューション事例17連発!!
PDF
OpenStreetMapのご紹介とオープンデータとの関わり
PDF
20140328 nihon chirigakkai2
PDF
20140328 nihon chirigakkai1
PDF
20130816infotalk odcライセンス導入事例紹介
PDF
20130816infotalk okfjの活動紹介
Da 20210424
知識情報基盤としてのウィキペディア - 「オープンデータと市民協働」の視点から
Da 20201017
20180929 osm kumamoto
シビックテックから見たウィキデータ&その活動の現状と広がり
シビックテックから見たウィキデータ
ITを活用した市民参加型の防災・減災を考えるヒント
歩道マッピングパーティやろうぜ
インターナショナル オープンデータデイ2016 開催に向けた国内外の準備状況
20151031 sot m_japan2015_osm_service
20151031 sot m_japan2015_license
オープンデータとは何か ~その概要と科学との関わり~
20141213 OpenStreetMapライセンスクイズ
オープンデータ利活用に向けたソリューション動向
オープンデータ/オープンガバメントソリューション事例17連発!!
OpenStreetMapのご紹介とオープンデータとの関わり
20140328 nihon chirigakkai2
20140328 nihon chirigakkai1
20130816infotalk odcライセンス導入事例紹介
20130816infotalk okfjの活動紹介
Ad

政府・自治体でOSMを使って欲しい10の理由