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2018/3/31 植田惠法
(UedaShigenori)
第71回オープンCAE勉強会@関東(流体など)
Redmineによる試験勉強管理の結末
~計算力学技術者認定試験編~
本資料は「計算力学技術者試験 Redmineによる試験勉強管理」の続きです
https://www.slideshare.net/ssusere33bfb/redmine-79022616
けど、上記の資料を見てなくても問題ありません
勉強会を立ち上げて皆でやれば嫌でも勉強するんじゃないか?
資格試験の勉強ってやる気出ない
ついでにプロジェクト管理ソフトRedmineなるものを使って
試験勉強の管理をしよう
背景
計算力学技術者認定試験勉強会発足!!
発足日 2017年8月ごろ
試験日 2017年12月
イベント管理
connpass
進捗管理
知識整理
Redmine
ビデオ通話
チャット
Skype
https://cae-exam.connpass.com/
勉強会の詳細な内容は以下をご覧ください
計算力学技術者認定試験の合格を目指し
皆で効率よく知識を整理して一緒に勉強する
一緒に勉強はするが
自分の合格だけを目指して
他人の合格については
とやかく言わない
目的
多くのソフトウェア開発の現場で使われているオープンソースプロジェクト管理ソフト
多機能かつ拡張性・操作性が非常に高い
プロジェクトのタスクをチケットで管理するチケット駆動開発を強力に推し進めるツール
Redmineとは?
運用 さくらのVPSサーバ + bitnami
チケット例
活動内容
① 一緒に勉強・・・勉強会、もくもく会、小テストの開催
(すべてオンライン)
② 知識の整理・・・Wikiなどで知識をまとめて分かりやすく見える化
③ 例題を解析・・・
(Redmine使用)
イメージのつかない現象や数式を解析ソフトを
使って具体化
(OpenFOAM使用)
勉強会メンバー
connpassのグループ登録 9名
継続して参加した人 4名
(大阪、富山、東京、神奈川)
一度だけ参加した人 2名
継続して参加した4名は全員同じ分野(熱流体1級混相流)を受験
勉強会(ビデオ通話で自分の勉強内容を説明)
①一緒に勉強 すべてオンライン(Skype使用)
もくもく会(自分の勉強、チャットのみで進捗報告)
小テストの開催(自作テストを実施)
1回1時間 週2~3回開催 計23回実施
良かった点
・カフェからや歩きながら参加できる
・参加者が同じ分野を受験
悪かった点
・受験範囲が異なると会話に混ざれない
計2回実施
標準問題集の例題を解くことに忙しく、勉強した内容を説明する時間が取れなかった
作成は大変だが、自分が全然できないことを理解できる良い機会になった
②知識の整理
RedmineのWiki機能を使って、
各章ごとの例題の解説や用語の説明などを作成
・各自が積極的に作成してくれて
凄く良い解説資料になった
・数式がTeX形式のため書きづらい
Wiki
良かった点
悪かった点
・他のサーバーに移行しづらい
・スタイルガイドを作成していなかったので
情報の書き方に一貫性がない
③例題を解析
・試験問題だけでは分からないことが
実感として分かるようになる
・OpenFOAM(SRF?)収束しづらい・・・
良かった点
悪かった点
・こればっかりやると試験勉強の
時間が取れない
レイリー・テイラー不安定
くるくるかき混ぜた紅茶の茶葉はなぜ真ん中に集まるか
やるべきことを一元管理、見える化
情報の共有
相談の場
一番使用率が高かった
一問解くたびにチケットを
書くのは面倒すぎてだれも
チケットを使ってなかった
優先順位は役に立った
Skypeで十分だった
しかしSkypeはアーカイ
ブ性がないので保存が
できない
Good!
Bad!
Bad!
標準問題集の例題を一問ごとにチケットとして管理
ガントチャートとして整理することで進捗を可視化
過去試験に出てきた問題の優先順位を高くする
Wikiを利用して、自分の知識の整理
掲示板によってわからないところの相談などが可能
Redmineの活用結果
標準問題集をどこまでやったかを管理するのにチケットは向いていない
(チケットの適切な粒度を見つけられなかった)
・ 1チケットにつき数時間程度の工数が良いらしいが
例題を一回解くのは数分で終わってしまうため
チケットの編集が面倒
・しかし、複数の例題を一つのチケットで管理すると
苦手な例題や例題のポイントが分からなくなってしまう
(私は結局、Googleスプレッドシートを使った)
RedmineのWiki機能、ユーザーの閲覧制限、ファイルアップロードなどが
役に立ったがRedmineでなくても良かった
◯
◯
Redmineを使用した感想
勉強会について メンバーからの感想
・お互いが否定したり馬鹿にせず積極的に教えあっていたので
もくもく会が楽しかった
・参加率の高いメンバー同士が顔見知りだったのも良かった
参加率の高いメンバーが皆良い人で良かった◯
開催から終了まで全てオンラインで行って問題は無いことが分かった◯
新規の参加者が定着しなかった◯
・二人ほど参加してくれたが2回目の参加はなかった
参加者の受験分野が違うせいか原因は分からない
主催する側のやる気が一番上がる◯
一人で勉強するとちゃんと調べないが他の人とWikiに
まとめることによりちゃんと調べるようになった
◯
Skypeチャットだと会話の履歴が残って、それを読むだけで勉強になる◯
計算力学技術者認定試験(熱流体1級)について
標準問題集を6割程度完答出来れば受かると思う
熱流体1級混相流の場合
熱流体1級の合格基準(全8分野)
正解率が5割以上
7割正解が3分野以上
全問不正解が2分野以下
標準問題集の総例題数 135
完答できる例題数 72
完答できる例題の割合[%] 53
7割完答できる分野数 5
全問不正解になりそうな分野数 1
私の受験当日までのデータ
受験当日の手ごたえは「多分大丈夫かなぁ」程度
参考 Googleスプレッドシートによる進捗管理例
◯:正解
△:正解したが理屈をちゃんと把握していない
×:不正解
★:もうこの例題をやる必要はないくらい理解した
やらない:この例題を解くことは諦める
各例題ごとに例題を解こうとした回数、正解か不正解かなどをまとめる
以下のように一覧にして、自分の苦手なところ、得意なところを見える化した
結果発表!!
熱流体1級混相流合格!!
勉強会参加メンバーからも続々合格発表の連絡が来ました
熱流体1級&2級初受験で合格した方も!
皆様 お疲れ様でした!!
まとめ
Redmineによる試験勉強管理
知識の整理、見える化にWikiは役立つ
進捗管理にチケットを役立てるのは難しい
勉強は皆でやると楽しい
試験分野は同じ方が良い
勉強会はオンラインでも大丈夫
計算力学技術者認定試験は例題が大事

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