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勉強か?趣味か?人生か?―プログラミングコンテストとは
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Takuya Akiba
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勉強か?趣味か?人生か?―プログラミングコンテストとは
1.
2012/09/16 情報科学若手の会
勉強か?趣味か?人生か? プログラミングコンテストとは 東京大学 修士 2 年 秋葉 拓哉
2.
自己紹介 • 秋葉拓哉
(@iwiwi) – 東京大学 修士 2 年 (博士進学予定) – DB 系グラフアルゴリズムの研究 • プログラミングコンテストガチ勢 – TopCoder レーティング 3035 (いわゆるレッドコーダー) – 世界的コンテストの決勝進出 10 回 – トップ 10 入り 4 回 銅メダル (2012) 世界 7 位 (2011) 世界 9 位 (2010) 日本人のメダルは 9 年ぶり 世界 9 位 (2009) 1
3.
自己紹介 プログラミングコンテストチャレンジブック
累計一万部突破 韓国・台湾の翻訳版 (中国版も翻訳中) 2
4.
今日の目標
プログラミングコンテストは アツい!おもろい! 関心と理解を持ってもらう! <学生> <先生> <社会人> ちょっと 参加を 採用で評価 やろうかな? 促そうかな? してみるか? 3
5.
プログラミングコンテスト紹介
プログラミングコンテストとは 「プログラミングでやるスポーツ」 • 開始と共に問題が出題される • 問題を解くプログラムを作成する • 時間内に,出来るだけ多く 問題 解く 順位 4
6.
プログラミングコンテスト紹介
解答 問題 #include <iostream> 標準入力に,2 つの正整数が int main() { int a, b; 与えられます. cin >> a >> b; その和を標準出力に出力して cout << a + b << endl; ください. return 0; } ジャッジサーバ 自動でコンパイル・テスト 即座に正誤判定・順位表更新 5
7.
プログラミングコンテストの楽しさ
頭がオカシイのでは? 言われたプログラム作るだけじゃん ( ゚д゚) 楽しいの?課題と何が違うわけ? 6
8.
プログラミングコンテストの楽しさ
頭がオカシイのでは? 言われたプログラム作るだけじゃん ( ゚д゚) 楽しいの?課題と何が違うわけ? 7
9.
プログラミングコンテストの楽しさ
楽しい!! 頭がオカシイのでは? 言われたプログラム作るだけじゃん 世界中の人を惹きつけるに ( ゚д゚) 楽しいの?課題と何が違うわけ? 足る理由があります 8
10.
プログラミングコンテストの楽しさ • ゲーム的な楽しさ
– 時間制限の中で急いでプログラムを書く – 即採点,即順位更新,リアルタイム – インターネット越しに世界中の数千人と対戦 • 情報科学的な楽しさ – アルゴリズムを考えるのが楽しい – プログラミングが楽しい 9
11.
プログラミングコンテストの楽しさ • ゲーム的な楽しさ
– 時間制限の中で急いでプログラムを書く – 即採点,即順位更新,リアルタイム – インターネット越しに世界中の数千人と対戦 • 情報科学的な楽しさ – アルゴリズムを考えるのが楽しい – プログラミングが楽しい 10
12.
問題の例 • 𝑛 匹のアリが
1 cm/s で歩く • 初期位置が入力される,向きを我々が決める • ぶつかったら反対を向いて歩き出す • 端まで行くと落っこちる • アリが全滅するまでの時間を最大化したい • 𝒏 ≤ 𝟏𝟎 11
13.
問題の例 t=0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 12
14.
問題の例 t=1
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 13
15.
問題の例 t=2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 14
16.
問題の例 t=2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 15
17.
問題の例 t=3
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 16
18.
問題の例 t=3
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 17
19.
問題の例 t=4
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 18
20.
問題の例 t=5
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 19
21.
問題の例 t=6
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20
22.
問題の例 t=7
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 21
23.
問題の例 t=8
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 22
24.
問題の例 全探索のアルゴリズム
全ての向きの候補に対してシミュレーションを 行い,最大の時間を求める 向きの候補は全部で 2 𝑛 通り 10匹なら…… 210 = 1024 通り 23
25.
問題の例 • 𝑛 匹のアリが
1 cm/s で歩く • 初期位置が入力される,向きを我々が決める • ぶつかったら反対を向いて歩き出す • 端まで行くと落っこちる • アリが全滅するまでの時間を最大化したい • 𝒏 ≤ 𝟏𝟎 24
26.
問題の例 2 • 𝑛
匹のアリが 1 cm/s で歩く • 初期位置が入力される,向きを我々が決める • ぶつかったら反対を向いて歩き出す • 端まで行くと落っこちる • アリが全滅するまでの時間を最大化したい • 𝒏 ≤ 𝟏000 25
27.
問題の例 2 全探索のアルゴリズム
全ての向きの候補に対してシミュレーションを 行い,最大の時間を求める 向きの候補は全部で 2 𝑛 通り 1000匹なら…… 21000 ≒ 10300 通り 天文学的数字 ! (宇宙の年齢 ≒ 4.3 × 1017 秒) 26
28.
27
29.
28
30.
29
31.
30
32.
31
33.
32
34.
33
35.
問題の例 2
よく考えると,アリを区別する必要がない 34
36.
問題の例2 衝突を考える必要が実は全くない! 効率の良いアルゴリズム
各アリから遠い方の端までの距離の最大値 𝑂(𝑛) 時間しかかからない 1000匹居ても超余裕! 35
37.
プログラミングコンテストで問われるもの アルゴリズム設計とプログラミングの複合競技
問題 アルゴリズム設計 プログラム実装 36
38.
プログラミングコンテストで問われるもの
アルゴリズム設計 のために必要なもの 大きく分けると 2 つ 1. 幅広い知識 – 基礎的なアルゴリズムの知識 • データ構造,グラフ,連立方程式,… – 設計技法,その実例 • 動的計画法,貪欲法,ネットワークフロー,…… 2. 柔軟な思考力・経験 – 実際にアルゴリズムを設計する 37
39.
プログラミングコンテストで問われるもの
アルゴリズム設計 の知識を得る方法 • 大学の授業?有名な教科書? – 知識についてのみカバーされる • 本「アルゴリズムデザイン」 – 設計技法について詳しく扱う珍しい本 • アルゴリズムの適用法,組合せ方 • 細かいテクニック • 少し進んだアルゴリズム こういった物を知るには昔は苦労がつきなかったが……! 38
40.
プログラミングコンテストで問われるもの
プログラム実装 のために必要なもの • 実装に関する能力 – スラスラと書く • 言語への慣れ,見通し – コンパクトに書く • 標準ライブラリの活用,抽象化 – 正確に実装する • 間違いやすい部分に気づく,無理に短くしない • デバッグに関する能力 – すぐに間違っている部分を特定する – デバッグしやすいテストケースを考える 39
41.
プログラミングコンテストで問われるもの
プログラム実装 のために必要なもの • 実装が楽なアルゴリズムを選択する – アルゴリズムを思いついても,満足しない – もっと簡単に実装できる別解を探る – 制約が緩ければ,逆に計算量や精度が悪くし てでもシンプルにして実装を楽に 40
42.
プログラミングコンテストで問われるもの アルゴリズム設計とプログラミングの複合競技
問題 アルゴリズム設計 プログラム実装 41
43.
プログラミングコンテストで問われるもの アルゴリズム設計とプログラミングの複合競技
問題 やらない人には意外な事実? アルゴリズム設計 この部分の方が差がつく アルゴリズムの方が難易度の幅が大きい プログラム実装 強い人には一瞬でも, 苦手な人はいつまで経っても解けなかったり 42
44.
プログラミングコンテストの
真相! 43
45.
プログラミングコンテストの真相 1
どのコンテストが一番凄いの? まずは色々なコンテストを紹介! 44
46.
プログラミングコンテスト ACM/ICPC •
大学対抗プログラミングコンテスト • 1970 年開始,最も歴史がある • 世界約 2000 大学から 20000 人以上が参加! • 3 人 1 チームのチーム戦 45
47.
アジア地区大会 東京サイト (2009)
46
48.
世界大会 (2009 中国ハルビン)
47
49.
プログラミングコンテスト Google Code
Jam • Google の開催するコンテスト • 世界中から 10000 人以上が参加 TopCoder • インターネットで定期的に開催される • 参加者にはレーティングが付き評価される • 毎年 1 度,アメリカで世界大会 48
50.
TopCoder Open 2011
49
51.
TopCoder Open 2011
50
52.
プログラミングコンテストの真相 1
どのコンテストが一番凄いの? • 現在 ACM-ICPC の知名度・評価がダントツ – 歴史がある? – 規模が大きい? • これに僕は異議を唱えたい! • 他の世界的コンテストも知って,それらでの戦 果も正当に評価してほしい! 51
53.
プログラミングコンテストの真相 1
どのコンテストが一番凄いの? ACM-ICPC の最大の問題点:歪んだルール • 大学,地域ごとの格差がメチャクチャ • 例えば,大学ごとに進出校数制限 • 東大からの世界大会進出は超絶大変 • 他校の世界大会進出チームは,東大の敗退チー ムより下位なことがよくある – 従って,「世界大会進出」の背景が全然違う また,年齢制限・回数制限なども厳しいため,例 えば優勝者が本当に時点最強と言えない 52
54.
プログラミングコンテストの真相 1
どのコンテストが一番凄いの? 一方で,世界的なインターネット予選で純粋に上 から選抜されるシステムは超公平 • TopCoder Open – ほぼ全人類が参加可! (スタッフ以外) • Google Code Jam,Facebook Hacker Cup – 社員以外参加可! ただし 18 歳以上 53
55.
プログラミングコンテストの真相 1
どのコンテストが一番凄いの? ACM-ICPC の他の問題点 • 問題が面白くない – アルゴリズム的な面白さが重視されていない – 実装するだけの問題ばかり • 問題の準備が適当 – 世界大会でも入力データにミス (最近だと 2007 年問題 J) – しかも無視し結果はそのまま,公式サイトには情報なし – 当時の掲示板カキコで見れる http://bit.ly/RZGqfE 54
56.
プログラミングコンテストの真相 1
どのコンテストが一番凄いの? ACM-ICPC は裾野が広いのが素晴らしい • 大学対抗,年に 1 回 • ACM が後援で先生方も応援してくれる • 予選は問題も日本語 • 予選を突破すると日本の地区予選に行ける – トップ 100 人ぐらい – 他の大会では旅行が伴うのはかなり上のみ 参加の価値は依然として高い 55
57.
プログラミングコンテストの真相 2
「レッドコーダー」は本当に凄い? レッドコーダーとは? • TopCoder では,レーティング (評価値) に応じて, 名前に色がつく • レーティングが 2200 に到達し赤色になった人のこと 56
58.
プログラミングコンテストの真相 2
「レッドコーダー」は本当に凄い? • 世界に約 300 人,上位 3 %に相当 • 日本には現在 26 人 – ちなみに,俺がはじめた頃は 4 人とか – 本当に神だと思って憧れてた,崇めてた – 信じられないような速度・正確性 – 安定した上位 – 自分がそうなれる日が来ると思ってなかった 57
59.
プログラミングコンテストの真相 2
「レッドコーダー」は本当に凄い? ……でも実はもっと遥かに凄い集団が!!! その名も「ターゲット」 • レーティングが 3000 に到達した人のこと • 名前の左側のインジケータが満タンになる – 射的の的(=ターゲット)になる ↓ レッドコーダー (溜りかけ) • 世界に 18 人,上位 0.2%! – レッドコーダー (= 上位 3%) のさらに上位 6% ↓ ターゲット(満タン) • 日本には 3 人! – lyrically, wata, 俺 (+ rng_58) 58
60.
プログラミングコンテストの真相 3
トップ選手はどのように育つ? • コンテストにおける実力の差は絶大 – トップ層は安定して常に上位をとり続ける • トップの中のトップ選手 やってる人で知らない人は居ない.普段1位を取っても誰も驚かない.) – 3位:Petr (ロシア, 現 3489, 最高 3923) • 落ち着きがヤバイ.着実な感じ. – 2位:ACRush (中国, 現 3511, 最高 3902) • 勢いがヤバイ.怖い.結構ミスってオモロイ. – 1位:tourist (ベラルーシ, 現 3583, 最高 3656) • 最近では人類最強,何とまだ高校生… 59
61.
プログラミングコンテストの真相 3
トップ選手はどのように育つ? そこまでじゃなくても,世界大会に進出していく ようなトップ層はどうやって生まれる? 60
62.
プログラミングコンテストの真相 3
トップ選手はどのように育つ? そこまでじゃなくても,世界大会に進出していく ようなトップ層はどうやって生まれる? 修行あるのみ!! 問題を解きまくる!! 61
63.
プログラミングコンテストの真相 3
トップ選手はどのように育つ? 10000 問解きました tourist さん 62
64.
プログラミングコンテストの真相 3
トップ選手はどのように育つ? • 闇雲に解けば良いという物ではない – 丁度いい難易度&質の良い問題 – ただ解くだけじゃなく,最大限に知見を得る • 仲間の存在が重要かも? – 解法や実装についての議論 – アイツに差をつけるんだ!って解きまくる – 俺は岩田,北川(アリ本の人たち)とかなり一 緒にやってた 63
65.
プログラミングコンテストの真相 4
日本はなぜ強豪国に? • 現在,日本は国別ランク 4 位 – 特に東京大学は大学ランク 1 位 (冒頭) – 一方,僕がはじめた 5 年前はトップ 10 圏外 • 一体何が起きたのか? 64
66.
プログラミングコンテストの真相 4
日本はなぜ強豪国に? • コミュニティ形成・拡大 – コンテストをやる人自体が増えた – テクニックや知識も簡単に手に入る • 強者登場 → 憧れて練習,の良い循環 努力だけなら一人でもできる? → × トップ層は,かなりの時間をコンテストに捧げる 割り切った生活になる.心強さが全然違う. 65
67.
プログラミングコンテストの真相 5
コンテスト勢の得意と不得意は? 基本的にはコンテストで問われるか否か • 得意 – アルゴリズム – プロトタイピング – ややこしいルーチンの正確な実装 • 苦手 – 大規模なソフトウェアの設計・実装・メンテ • コンテスト以外でこういうそういうことをやっている人も居 るとは思います 66
68.
プログラミングコンテストの真相 6
勉強か?趣味か?人生か? 67
69.
プログラミングコンテストの真相 6
勉強か?趣味か?人生か? もちろん全部! (ありきたりな答えですみません……) • 勉強! – 色々な能力が間違いなくついた • 趣味! – ちょー楽しい • 人生! – 一時期は熱中していて,本当にコンテスト=人生 – そうじゃない今でも,人生への影響は絶大 • コンテスト好きをこじらせてアルゴリズム研究 • かけがえのない人間関係や機会,経験 68
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