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「京都オープンデータの活動と
学校教育における
オープンデータ活用の意義」
青木和人
京都オープンデータ実践会・立命館大学
日本学術会議公開シンポジウム 2014.8.20
総務省の地域情報化推進施策などが行われてきており、
多様な担い手による地域情報化の必要性
地域活性化のための地域情報化
出典:総務省|地域情報化の推進: http://t.co/l0qblpg
民間企業
市民NPO
行政
大学
これまでのオープンデータの意義
行政情報をオープンデータ公開することによる
・市民生活の向上や行政の透明化への期待
・2次利用による付加価値のあるデータコンテンツ流通
・新たなイノベーションの創出 経済効果
オープンデータは行政から、もらうだけのもの?
多様な担い手になってない。
行政情報を
オープンデータと
して公開 民間企業
市民NPO
データを
作る人
データを
使う人
行政
経済の活性化
イノベー
ション創出
データ流通
大学行政の透明化
4
地域活性化のために
オープンデータを行政に期待するだけでなく、
多様な担い手(市民)でつくるオープンデータを
デファクトスタンダードな、オープンデータプラットフォー
ム 「wikipedia」や「OpenStreetMap(OSM)」を利用して
地域情報をイベント形式によりオープンデータ化する
市民参加型オープンデータ作成イベントを行っています。
京都オープンデータ実践会の活動
Wikipediaタウン
出典:高橋 陽一,Wikipediaタウンのご紹介: http://t.co/0bTJGFJ
街の情報をまるごとウィキペディア化する
地域の文化や
観光情報を
ウィキペディアに
掲載し,
そのアクセスを
容易にした町
町中に無料のWi-Fi
ウィキペディア検索
へのQRコード
OpenStreetMap
出典:OpenStreetMap Japan http://openstreetmap.jp/
OpenStreetMap(OSM)は、
道路地図などの地理情報データを
誰でも利用できるよう、
フリーでオープンな地理空間情報を
作成することを目的としたプロジェクト
誰でも自由に参加して、
誰でも自由に編集でき、
誰でも自由に利用する事が出来ます。
地理空間情報におけるオープンデータ
OpenStreetMapマッピングパーティー
ご当地Wikipediaタウン 二子玉川
出典:木田和海, 6月22日 二子玉川をWikipediaタウンにしよう!(東京都): http://t.co/UAA2SxT
Wikipedia+OpenStreetMapで相互連携
インターナショナルオープンデータデイ 2014 in 京都
2月16日(日) プレイベント 島原周辺
2月22日(土) 本イベント 堀川周辺
京都まちあるきオープンデータソン2014
Vol.1 7月12日(土)
Vol.2 8月30日(土)
京都 岡崎地域
会場 京都府立図書館
2ヶ月に1回開催
地元協議会と
連携
郷土史家さん
のご協力
京都まちあるきオープンデータ作成イベント
郷土史家さんから
現地の案内と説明
GPSによる
地図作成
スマホで
古地図を
確認しながら
現地調査
京都まちあるきオープンデータ作成イベント
図書館司書による
レファレンス講習
グループで
オープンデータ作成
OpenStreetMap
の作成講習
Wikipedia
の作成講習
京都まちあるきオープンデータ作成イベント
Wikipediaにページ
を作成
地図(オープンストリートマップ)
を作成
成果発表
OpenStreetMap
行政
地域の活動団体
デジタル活動 多様な担い手によるデジタル化、オープンデータ化
知られているオープンデータプラットフォームへデータ蓄積
地域をよく知る住民
アナログの地域情報をデジタルなオープンデータとして公開
インターネットでの地域情報の公開・流通・2次利用促進
地域の再発見、活性化につなげる可能性を広げること
オープンデータのもう1つの意義
アナログ活動 連綿と整理・蓄積されてきた地域の歴史・文化情報
つなぐ
つなぐ
オープンデータ京都実践会の活動
図書館・資料館・美術館
知られている情報基盤 オープンデータ
Wikipedia
インターネット
郷土
史家
市民がその担い手!
学校教育におけるオープンデータ活用の意義
今回、はたと思いつきました!
地域情報オープンデータをみんなで作りましょう!
という活動、今は大人がやっているのですが、
大人じゃないとできないなんてことはない!
このような活動をそれぞれの地域の次世代を担う
こどもたちにしてもらってはどうでしょうか?
14
学校教育におけるオープンデータ活用の意義
①地域の歴史・文化を世代継承してデジタル化
こどもたちが、地域をよく知る大人から
地域の文化・歴史を教えてもらい(地域学習)
住んでる地域のデジタルなオープンデータを作成・公開
大人の人が見る地域情報を作ることによる誇り
a.文献情報から地域の情報を文章化(Wikipedia)
b.まちあるきして地域の地図作成(OpenStreetMap)
学校教育におけるオープンデータ活用の意義
①地域の歴史・文化をデジタル化して世代継承
・地域学習 → 地域の歴史文化の継承
・地理教育・地図力 → 地域の地図作りの中で学習
・GIS 技能 → OpenStreetMap作成の中で、GIS概念
(図形・属性情報、レイヤ構造、ベクタデータ)の理解
出典:景観まちづくり学習について - 福山市
www.city.fukuyama.hiroshima.jp
Wikipediaで
観光パンフレット
作成
学校教育におけるオープンデータ活用の意義
②こどもたち自身がオープンデータ作成・2次利用
単にオープンデータをアプリケーションソフトで活用するだけでなく、
こどもたちが、自ら作成した地域に関する地図や歴史・
文化内容のオープンデータを自ら2次利用して、
こどもたちが、観光案内のパンフレット、ホームページ、
商品開発を行うという地域活性化の実践教育ができる
出典:トイレこんしぇる
http://fukuno.jig.jp/2012/wcconcierge
出典:子どもたちの作った豊丘村パンフレット
http://www.vill.nagano-
toyooka.lg.jp/16toyooka/04kodomopanfu/
OSMで
観光パンフレット
作成
出典:奥三河観光協議会
http://www.okuminavi.jp/pamphlet/index.php
学校教育におけるオープンデータ活用の意義
③地域情報発信拠点としての図書館の有効利用
・学校と図書館との連携
・こどもたちへ図書館の利用方法を知ってもらえる
・図書館を会場にした図書館の情報集積機能の活用
・図書館司書のレファレンス機能の活用
図書館司書による
レファレンス図書館の情報集積機能
OpenStreetMap
地域の活動団体
デジタル活動 多様な担い手によるデジタル化、オープンデータ化
知られているオープンデータプラットフォームへデータ蓄積
地域をよく知る住民
①地域の歴史・文化を世代継承してデジタル化
・地理教育・地図力 → 地図作りの中で学習
②こどもたち自身がオープンデータ作成・2次利用
③地域情報発信拠点としての図書館の有効利用
アナログ活動 地域をよく知る大人から地域の文化・歴史を教えて
もらい(地域学習)
まとめ 学校教育におけるオープンデータ活用の意義
図書館・資料館・美術館
知られている情報基盤 オープンデータ
Wikipedia
インターネット
地域のこどもたちがその担い手!
郷土史家
市民・ 教師・
・

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