SlideShare a Scribd company logo
デザイン指向クラウドオーケストレータ
CloudConductorのアーキテクチャ
2015年3月13日
TIS株式会社 松井 暢之
OSSコンソーシアム クラウド部会
クラウドオーケストレーションセミナー
2
松井 暢之(まつい のぶゆき)
TIS株式会社 戦略技術センター
~2003
2003~2008
2009
2010~2012
2013~
現場PJでアーキテクト兼モデラー兼プログラマ兼…を歴任
基盤技術センター(現戦略技術センター)で不芳PJの火消しに奔走
全社生産性向上の企画策定に従事
オープンでエッジな技術を活用した事業企画に従事
Cloud Orchestrator “CloudConductor®” の企画開発とOSS化開始
http://cloudconductor.org
nbyk.matsui nmatsui
nbyk.matsui@n_matsui
Agenda
1. デザイン指向クラウドオーケストレータ CloudConductorとは
2. CloudConductorのアーキテクチャ
3. CloudConductorのこれから
3
CloudConductorとは
 デザイン指向クラウドオーケストレータ CloudConductor
 インフラ・運用のノウハウを込めた パターン を中心に、
いつでも誰でもどのクラウドにでも、その時点で最適な
非機能要件を持ったシステムを簡単に構築することができる
4
インフラ・運用のパターン化
 システムの設計ノウハウを抽象化して標準化し、パターンとして実装
することで、実績のある構成を再利用し、運用設計・構築プロセスを
簡素化。
5
アジャイル開発
プロセス
アジャイル運用
プロセス設計
開発
検証
設計
自働構築
自律運用
リリース
運用標準
(QMS/ITIL、SLAレベル、業務継続計画(BCP)、クラウドポートフォリオ)
インフラ方式標準
(冗長化方式、負荷分散方式、DR/バックアップ方式、ネットワーク設計、統合ログ管理方式、統合監視方式等)
標準運用を含むインフラパターン
(Build/Bootstrap/Test Scripts, Configuration Parameters, ...)
パターン化された設計、自働化された構築、標準化された運用
(Hypervisor, Orchestrator = CloudConductor, Platform-as-a-Service, ...)
ミドルウェア標準
(Web/APサーバ、RDBMS、冗長化ソフトウェア、認証認可システム、統合ログ管理システム、統合監視システム等)
CloudConductorの特徴①
 Infrastructure Design Patterns as Code
 インフラ・運用のノウハウを依存関係を整理してパターン化
 パターンを機械可読な形式で集積し、集合知化
6
CloudFormation Template
Chef Cookbook
ServerSpec TestCode
…
オーバーレイネットワークも
スクリプト化することで、
ネットワークトポロジとNFVを
パターンへ組み込み(予定)
CloudConductorの特徴②
 Everyone, EveryTime & EveryCloud
 必要なパターンを組み合わせて誰でも最適なインフラ設計を獲得
 クラウドを跨りデータを遍在化させ、どのクラウドでもシステムを
再現(現在はAWSとOpenStack)
7
広域分散ストレージによる
リアルタイムなデータ遍在化
(予定)
コンテナ技術やオーバーレイ
ネットワーク等を活用し、
クラウド透過性を向上
(予定)
CloudConductorの特徴③
 OnDemand Service Level
 「負荷分散」「災害対策」「ログ分析」等の非機能要件は最初か
ら作りこまず、必要になった段階で適用したシステムへ乗り換え
8
広域分散ストレージによる
リアルタイムなデータ遍在化
(予定)
経済産業省 補助金事業への採択
 CloudConductorは経済産業省の補助金事業に採択
 開発成果は全てオープンソース(Apache License 2.0)として公開
9
平成25年度
産業技術実用化開発事業費補助金(ソフトウェア制御型クラウドシステム技術開発プロジェクト)
平成26年度
中小企業等のクラウド利用による革新的省エネ化実証支援事業クラウド基盤ソフトウェア導入実証
CloudConductorの情報公開
10
公式サイト http://cloudconductor.org
ソーシャル
https://twitter.com/ccndctr
https://www.facebook.com/cloudconductor
https://github.com/cloudconductor
http://www.slideshare.net/cloudconductor
CloudConductorのロードマップ
2014/03/24
version 0.2.0 Released
version 0.2.1
version 0.2.2
2014/10/31
version 0.3.0 Released
2015/03/27
version 1.0.0 Release
2014/06/30
version 0.3.0 Feature List
2014/11/末
version 1.0.0 Feature List
High Availability Pattern
シングルノードのパターンに加え、より高い可用性が求められるシステムを構築するためパターンに対応します
・シンプルなシングルノードのPlatform Pattern(Tomcat+PostgreSQL、Nginx+Rails+MySQL)
・冗長化され、スケールイン・スケールアウトに対応したPlatform Pattern(Tomcatクラスタ+PostgerSQL HA)
・各サーバからログを収集するOptional Pattern
・バックアップを行うOptional Pattern
・監視を行うOptional Pattern
Security Improvement
CloudConductorのセキュリティに関する機能を拡充します
・利用者の認証機能の追加
・通信路の暗号化の徹底
Others
・スケールイン・スケールアウトにも対応した、パラメータ変更を伴う構成変更への対応
・その他各種APIの改善
version 0.3.1 version 0.3.2
11
Agenda
1. デザイン指向クラウドオーケストレータ CloudConductorとは
2. CloudConductorのアーキテクチャ
3. CloudConductorのこれから
12
CloudConductor v1.0 の全体構成
13
ruby 2.1 + Rails 4.1
CloudConductor
RESTAPI
CloudDriver
障害時システム再構築
利用者の認証・認可
パターンの取得と解釈
パラメータの解釈
Blueprintの生成
システム自動構築
システム自動テスト
パターンの集積
リポジトリ
(Github等)
CloudConductor
CLI
障害時Actionパターン取得
・ユーザやクラウドの登録
・Blueprint登録
・パラメータを指定して
システム構築指示
・アプリケーションデプロイ
CloudAPI
・パターンの作成と登録
システム
構築指示
システム構成
アプリデプロイ
システム監視
構築された
システム
アプリの集積
クラウド
(AWS, OpenStack等)
システムの監視
障害時の通知
システムの外形監視
(Zabbix等)
パターンや
アプリ取得
CloudConductor v1.0 のデータモデル
 System
 CloudConductorが
構築するシステム
 Blueprint
 複数のパターンから構成
されたシステムの青写真
 Environment
 Blueprintから構築する
実際のシステムの環境
(Develop, Product, …)
 Stack
 クラウドに要求する
リソースの集合体
14
CloudConductor リポジトリ利用者 クラウド
CloudConductor v1.0 の処理概要(1/2)
15
②利用ユーザやプロジェクトの情報、クラウドの情報を登録する
①パターンとアプリを作成し、リポジトリへ格納する
CLI
RDB
③利用するパターンを選択し、パターンの集合体であるBlueprintを登録する
CLI Blueprint
RDB
利用ユーザ
プロジェクト
クラウド
1. ベースイメージからインスタンス立ち上げ
2. リポジトリよりパターン取得
3. パターンからchefがOSとミドルウェアを設定
4. イメージ化
イメージ作成用インスタンス
パターンごとの
イメージ
Packer
パターン
パターン
15
CloudConductor RepositoryUser Cloud
CloudConductor v1.0 の処理概要(2/2)
④Environmentを指定しBlueprintからシステムを自動構築する
CLI Blueprint
Environment
追加パラメータ
RDB
1. オーケストレーションツールを用い
ネットワークやインスタンス等を作成
Orchestrator
2. consulのKVSにユーザー指定パラメータを設定
3. 自分自身を設定するconsulイベント発行
4. consulがchefを起動しシステム全体を設定
5. DNS設定
⑤アプリケーションをデプロイする
CLI アプリのURL
追加パラメータ
RDB
1. consulのKVSにパラメータを設定
2. 自分自身を設定するconsulイベント発行
3. consulが自分自身へ適切なアプリをデプロイ
アプリ
16
Agenda
1. デザイン指向クラウドオーケストレータ CloudConductorとは
2. CloudConductorのアーキテクチャ
3. CloudConductorのこれから
17
CloudConductorの開発プラン(案)
 複数のクラウドやコンテナ技術等への対応
 データ登録やシステム状態を表示するUIの向上
 パターンへ組み込まれる自動テストの発展
 ネットワークのパターン化
 広域分散ストレージの検証と対応
 サンプルパターンの拡充
 CloudConductorを簡単に試せる環境の提供
 ・・・
18
CloudConductorへの参加
 CloudConductorの開発と発展にご協力ください!
 お問い合わせ: ccndctr@gmail.com
 ソースコード: https://github.com/cloudconductor
https://github.com/cloudconductor-patterns
 ソーシャル: https://www.facebook.com/cloudconductor
https://twitter.com/ccndctr
 OSSコンソーシアム クラウド部会へのご参加もお待ちしております
 お問い合わせ: ws-cloud@osscons.jp
19
CloudConductorのアーキテクチャ

More Related Content

PPTX
[PrimeCloud Controller / OSS MeetUp] CloudConductorのご紹介
PPTX
[OCPJ PoCWG Engineering Workshop] Zabbixを用いたOCPベアメタル監視環境の自動構築
PDF
【第17回八子クラウド座談会 LT】CloudConductor+VDCのご紹介
PDF
20180817 azure antenna_iot
PDF
Microsoft Intelligent Edge Technologies
PDF
Node-REDで生体情報測定するIoTデバイス試作
PPTX
20140905 AWS Night in ITHD LT2
PDF
Googleにおける機械学習の活用とクラウドサービス
[PrimeCloud Controller / OSS MeetUp] CloudConductorのご紹介
[OCPJ PoCWG Engineering Workshop] Zabbixを用いたOCPベアメタル監視環境の自動構築
【第17回八子クラウド座談会 LT】CloudConductor+VDCのご紹介
20180817 azure antenna_iot
Microsoft Intelligent Edge Technologies
Node-REDで生体情報測定するIoTデバイス試作
20140905 AWS Night in ITHD LT2
Googleにおける機械学習の活用とクラウドサービス

What's hot (13)

PDF
20180817 azure antenna_iot central hands-on
PDF
Azure IoT Edge入門
PDF
VS Code & Flaskで作るCloud NativeアプリとDevOps
PPTX
【Tech-Circle #3 & OCDET #7 SDS勉強会】 Ceph on SoftLayer
PDF
Let's add AI model in own home using azure IoT
PPTX
20210616 Microsoft MeshはAzure Remote Renderingの夢を見るか
PDF
Visual Studio 2019 GA ! ~ 最新情報 & これからの開発スタイル
PDF
Microsoft Azure IoT Skills Challenge
PPTX
First git ops
PDF
Tech Summit 2018 【事例紹介】 自社サービスに Azure IoT Hub Device Provisioning Serviceを適用してみた
PDF
2021/03/19 パブリッククラウドを活かす運用プロセス自動化
PPT
テスト用
PDF
de:code 2019 Azure IoT Hub クラウド側の最新機能:デモも交えてご紹介
20180817 azure antenna_iot central hands-on
Azure IoT Edge入門
VS Code & Flaskで作るCloud NativeアプリとDevOps
【Tech-Circle #3 & OCDET #7 SDS勉強会】 Ceph on SoftLayer
Let's add AI model in own home using azure IoT
20210616 Microsoft MeshはAzure Remote Renderingの夢を見るか
Visual Studio 2019 GA ! ~ 最新情報 & これからの開発スタイル
Microsoft Azure IoT Skills Challenge
First git ops
Tech Summit 2018 【事例紹介】 自社サービスに Azure IoT Hub Device Provisioning Serviceを適用してみた
2021/03/19 パブリッククラウドを活かす運用プロセス自動化
テスト用
de:code 2019 Azure IoT Hub クラウド側の最新機能:デモも交えてご紹介
Ad

Viewers also liked (20)

PPTX
【Cloud Week 2015@Hokkaido University】Dockerとインフラ運用自働化とIoT
PPTX
【マジセミ】クラウドオーケストレーションが描く明日からのシステム構築
PPTX
[SoftLayer Summit 2015] DockerとOpenVNetを用いたSoftLayer VLAN上への仮想ネットワークオーバーレイ
PDF
【第17回八子クラウド座談会 LT】CloudConductor+VDCのご紹介
PPTX
【オペレーションカンファレンス 2015 Spring】 LT 僕が考えるSIerにとってのMSP
PDF
【Interop Tokyo 2015】クラウドオーケストレーションと仮想データセンターが描く、明日からのシステム構築
PDF
B 6-2 cinqsmile igarashi
PDF
B 3new jsls2015
PDF
B 7 slカンファレンス用ppt-20150211-02
PDF
Setta soft layersummit(公開用)_creationline
PDF
5 mnu pbox_solftlayer_summit
PDF
Lt4 japansoftlayersummit2015 fbi_lt_20150212
PDF
Lt 8 miracleご紹介資料.201502121_16対9版
PDF
6 lt セントラルソフトサービス
PDF
Lt2 tokai ライトニングトーク資料(16:9)
PDF
B 5 20150212-summit資料_mics
PDF
B 6-3 jsls15-startup-shibata
PDF
B 8スポンサー講演資料 osnexus steven umbehocker (アファーム・ビジネスパートナーズ株)
PDF
B 6-1 sl summit catalyst
PDF
A8 150206【サードウェア】drbdで実現する高可用性システムと災害対策
【Cloud Week 2015@Hokkaido University】Dockerとインフラ運用自働化とIoT
【マジセミ】クラウドオーケストレーションが描く明日からのシステム構築
[SoftLayer Summit 2015] DockerとOpenVNetを用いたSoftLayer VLAN上への仮想ネットワークオーバーレイ
【第17回八子クラウド座談会 LT】CloudConductor+VDCのご紹介
【オペレーションカンファレンス 2015 Spring】 LT 僕が考えるSIerにとってのMSP
【Interop Tokyo 2015】クラウドオーケストレーションと仮想データセンターが描く、明日からのシステム構築
B 6-2 cinqsmile igarashi
B 3new jsls2015
B 7 slカンファレンス用ppt-20150211-02
Setta soft layersummit(公開用)_creationline
5 mnu pbox_solftlayer_summit
Lt4 japansoftlayersummit2015 fbi_lt_20150212
Lt 8 miracleご紹介資料.201502121_16対9版
6 lt セントラルソフトサービス
Lt2 tokai ライトニングトーク資料(16:9)
B 5 20150212-summit資料_mics
B 6-3 jsls15-startup-shibata
B 8スポンサー講演資料 osnexus steven umbehocker (アファーム・ビジネスパートナーズ株)
B 6-1 sl summit catalyst
A8 150206【サードウェア】drbdで実現する高可用性システムと災害対策
Ad

Similar to CloudConductorのアーキテクチャ (13)

PDF
デザイン指向クラウドオーケストレータ CloudConductor
PPTX
Cloud conductorのご紹介 20150123
PPTX
CloudConductorの特長と最新動向(OSSユーザーのための勉強会#7)
PDF
SDI時代のシステムインテグレーション~CloudConductorの紹介~
PDF
CloudConductorのご紹介
PDF
OSSのオーケストレーションツール CloudConductor入門 ~インストールでのハマりどころ~
PDF
Re: ご注文は自動化ですか?[2]
PDF
DevOps day Tokyo 2013: プラットフォームベンダーから見たオープンクラウド設計と運用のポイント
PDF
クラウドオーケストレーターを使ってみよう
PDF
2022_sakura-yube_ddd.pdf
PDF
クラウドやOSSで“デザイン”するモダンなシステムアーキテクチャ
PDF
Cloud from Scratch / ゼロからクラウド構築
PDF
OpenStackベースのオープン・クラウドでビジネス価値を高める秘訣 @201402
デザイン指向クラウドオーケストレータ CloudConductor
Cloud conductorのご紹介 20150123
CloudConductorの特長と最新動向(OSSユーザーのための勉強会#7)
SDI時代のシステムインテグレーション~CloudConductorの紹介~
CloudConductorのご紹介
OSSのオーケストレーションツール CloudConductor入門 ~インストールでのハマりどころ~
Re: ご注文は自動化ですか?[2]
DevOps day Tokyo 2013: プラットフォームベンダーから見たオープンクラウド設計と運用のポイント
クラウドオーケストレーターを使ってみよう
2022_sakura-yube_ddd.pdf
クラウドやOSSで“デザイン”するモダンなシステムアーキテクチャ
Cloud from Scratch / ゼロからクラウド構築
OpenStackベースのオープン・クラウドでビジネス価値を高める秘訣 @201402

CloudConductorのアーキテクチャ