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資料
 Software Developers Manual
  http://download.intel.com/products/proce
  ssor/manual/325462.pdf
 ICH10 Datasheet
  http://www.intel.com/assets/pdf/datashe
  et/319973.pdf
おさらい
 このあたりは「はじめて読む486」を読
  んでれば分かってるはず
 わかってない人がこの場にいるとも思え
  ないんだけれども…
割り込みとは
   現在CPU上で実行しているプログラムを停止
    して別の処理を実行する為にCPUが持つ機能
     UNIX上のアプリケーションにおける「シグナル」に
     近い概念
   二種類ある
     ハードウェア割り込み
      ○ ハードウェアからCPUへ「キーボード押されたよ」な
        どのメッセージを通知するのに使う
      ○ 単に「割り込み」と呼ばれる事もある
     ソフトウェア割り込み
      ○ ソフトウェアから割り込みを起こせる
      ○ モード切替に利用される→システムコールに使う
ハードウェア割り込みの例
   ATAコントローラ
     HDDへのread/writeリクエストの完了通知
   シリアルポート・NIC
     受信通知
     送信完了通知
   タイマー
     一定期間毎に割り込み
     指定期間後に割り込み
ATA受信割り込みの例
1.   ユーザプログラムがファイルに対して
     writeシステムコールを実行
2.   ファイルシステムがバッファキャッシュ
     へ書き込み(ダーティフラグON)
3.   バッファキャッシュがHDDへライトバッ
     ク
4.   ATAドライバがATAコントローラへ書き込
     み要求を送信
5.   書き込みが終了したらバッファキャッ
     シュのダーティフラグをクリア
書き込みが終了したら?
割り込みを使わない場合
   ATAコントローラのステータスレジスタを確
    認し続ければ完了したかどうか分かる
     send_write_request(buffer);
     while(read_ata_status() &
             ATA_STATUS_BUSY)
             ;
     buffer.is_dirty = 0;
   busy waitになってしまう→CPUの無駄
書き込みが終了したら?
割り込みを使う場合
   送信完了時の処理は、割り込み着信時に実行すれ
    ばいい
    書き込み処理:
      send_write_request(buffer);
      sleep(buffer);
    割り込みハンドラ:
      buffer = find_buffer(ata_reg);
      buffer.is_dirty = 0;
      wakeup(buffer);
 busy waitしていない分のCPU時間を別の処
  理(別のプロセスを実行など)にまわせる
 sleep()/wakeup()で待ち合わせ
割り込みハンドラ
 割り込みを受けた時にCPUが実行するプロ
  グラム(関数呼び出しを伴わない関数のよ
  うなもの)
 割り込みハンドラ実行時にCPUがレジスタ
  の状態をスタックへ退避
 ハードウェア割り込みの場合は、デバイス
  のレジスタを読んで割り込みの処理に応じ
  た最小限の処理を実行
 割り込みハンドラから終了用の命令を実行
  して、スタックから割り込み前の状態へ復
  帰
プリエンプティブマルチタスク
と割り込み
 プリエンプティブマルチタスク:
  カーネルがプロセスへのCPUの割り当
  て時間を管理、タイマーを使ってアプリ
  ケーションを一定時間毎に切り替え
 プロセスが無限ループなどに陥りカーネ
  ルへ制御を渡さない場合でもタイマー割
  り込みにより中断され、割り当て時間を
  使い切ったら他のプロセスへ切り替えら
  れる
 割り込みがないと実現出来ない
例外
   割り込みとは別の概念だが、実装上の共
    通点は多いためx86では共通の仕組みで
    取り扱われている
     アプリケーション上の例外とほぼ意味は同
    じだが、CPU上の機能
   例外の例:
    ゼロ除算、無効な命令、ページフォール
    ト、一般保護例外、ブレークポイント
割り込み/例外ベクタ
   0-255のベクタ番号が割り込みと例外に
    割り当てられる
     例外は要因毎に0-19の固定された値
     ソフト割り込みは0-255へ割り込み可
     ハードウェア割り込みはLAPIC経由の場合
     16-255へ割り込み可
   OSはIDT(Interrupt Descriptor Table)
    を作成し、CPUへアドレスを設定
IDT(Interrupt Descriptor
Table)とIDTR
 各ベクタの割り込みハンドラの情報を持
  つGate Descriptorが並んでいるメモリ上
  のテーブル
 テーブルの先頭アドレスとLimit値
  (テーブルのサイズ、255未満のGate数
  に対応)をCPUのIDTRに書き込む事に
  より設定(IDTRを設定しない限り、
  CPUは割り込み時に何をしたらいいか
  分からない)
Gate Descriptor
   前述の「割込みハンドラ」のアドレスを持つ
    構造体
   単なる関数へのポインタではなくて、セグメ
    ントの設定とか権限(Ring)とか16 bit/32 bit
    のモード選択とか、幾つかのパラメータを含
    む
   Task gate, Interrupt gate, Trap gateの三種類あ
    る
     Task gateはHWのマルチタスク機能でハンドリング
      する方法で今は使われていない
     Interrupt gateとTrap gateは普通に割り込みハンドラ
      へジャンプする方法
      EFLAGS.IFフラグをクリアするか否かが違い
IDT,IDTR,Gate descriptorの関
係
                    IDTR register
47                         16 15            0

       Base address                 Limit




              IDT

     Gate for interrupt 255
              …

      Gate for interrupt 3
      Gate for interrupt 2
      Gate for interrupt 1                            Interrupt Gate
                                                   DPL rese segment
      Gate for interrupt 0           offset 31..16                     offset 15..0
                                                    /P rved selector
xv6のIDT周りを見てみる
   main.c:main()
     tvinit(); 割り込みベクタの設定
     mpmain();
      ○ idtinit(); IDTRの設定
   trap.c:tvinit()
     for(0..255) SETGATE(idt[i] … vectors[i] …)
      idt[i]にvectors[i]を割り込みハンドラとしたgate
      descriptorを設定
     システムコールだけDPL_USERに
   trap.c:idtinit()
     x86.h:lidt()
      ○ asm volatile(“lidt (%0)” :: “r” (pd)); LIDT命令でidtのアド
        レスを設定
xv6の割り込み・例外ハンド
ラ
   vectors.pl→vectors.S
     vectorsはvector0..vector255を指すポインタが入っている
      テーブルで、vectorNはalltrapsを呼んでいる
   trapasm.S
       全レジスタpush
       pushl %esp
       call trap
       全レジスタpop
       iret (割り込みからの復帰)
   trap.c:trap()
     trapasm.Sから引数として渡されたスタックポインタを構
      造体として参照
     trapnoがシステムコールの場合・タイマ/IDE/キーボー
      ド/シリアル割り込みの場合についてそれぞれのハンド
      ル関数をコールしている
CPU内部の割り込みの話おわり
 実際には、割り込みはCPUの外から
  やってくる
 これを受け取ってどうCPUへ割り込み
  をかけるかを司る、仲介役を果たす「割
  り込みコントローラ」が必要
 割り込みコントローラのずっと向こう側
  に、実際に割り込みを送っているデバイ
  スが居る
 さぁ、CPUの向こう側の話をしよう
Advanced Programmable
Interrupt Controller (APIC)
 オリジナルのx86アーキテクチャでは割
  り込みコントローラとしてPIC(8259)を
  使っていたが、P6以降のx86アーキテク
  チャではAPICへ移行(PICも未だ存在し
  ていて使える)
 CPU毎に存在しCPUに内蔵されている
  Local APICと、ICH(Southbridge)に
  内蔵されているI/O APICから構成されて
  いる
Local APICとI/O APIC
 Local APIC
  ローカル割り込みのベクタ番号設定、割
  り込みベクタ番号通知、EOIなど一般的
  な割り込みコントローラの役割
 I/O APIC
  どの外部割り込みをどのLocal APICに振
  るか等を決める役割
Local APICとI/O APIC

8259A PIC
              CPU                CPU                   CPU
   LINT0                                     IPI
                              Local APIC            Local APIC
               Timer

   LINT1    Local APIC

 NMI
                                IOAPIC         External Interrupts


                         ICH(South bridge)
Local APIC内のコンポーネ
ント
なにやら割り込みコントローラ以外にも幾
つか機能が乗っている
 タイマー
  カーネルのtickに使うことが多い
 温度センサ
 パフォーマンスモニタリングカウンタ
APIC ID
 Local APIC ID Registerから取得可
 APIC IDでプロセッサを一意に特定
 このIDでI/O APICから割り込み先CPUを
  指定
Local Vector Table
   ローカル割り込みのベクタ番号を設定
     CMCI(Corrected Machine Check Interrupt)
     Timer
     Thermal Monitor
     Performance Counter
     LINT0/1   レガシーデバイスとか
     Error
   外部割り込みはここで設定しない
割り込みの受信
 IRR: Interrupt Request Register
  CPUが未処理の割り込みベクタ番号にビッ
  トが立っている
 ISR: In Service Register
  次に割り込む候補
  EOIへ書き込まれた時にIRR→ISRへビット
  が更新される
 EOI: End Of Interrupt Register
  割り込みハンドラ終了通知として0を書き
  込む(例外有り)
I/O APIC (ICH10の場合)
 24本の割り込みをサポート
 Redirection Tableで割り込み先Local
  APICを決定(24エントリのテーブル)
Redirection Table
   各IRQの宛先APIC ID, Vectorなどを設定
       Destination        宛先APIC ID
       Mask               割り込みマスク
       Trigger Mode       Edge/Level
       Remote             IRR
       Interrupt          Input Pin Polarity
       Delivery Status    Idle/Pending
       Destination Mode   Physical/Logical
       Delivery Mode      Fixed/Lowest…
       Vector             Vector no of interrupt
Destination Mode
   Physical Destination Mode
     LAPIC上のLocal APIC ID Registerの値を指
     定する事によりCPUを一意に特定
   Logical Destination Mode
     LAPIC上のLogical Destination Registerと
     Destination Format Registerの値とAddress
     されたIDがマッチするかどうかで判別
Logical Destination Mode
 Destination Format Registerでモード選択
 flat model
     各LAPIC毎にLDRへ異なるbitを立て、宛先アド
      レスには複数のbitを立てる事で複数のCPUのを
      選択可能
     アドレスが8bitしか無いので対応CPU数は8まで
   cluster model
     LDRと宛先アドレスを4bitで分割、双方cluster
      IDとlogical IDを持つ
     使い方がよくわからない…8より多いCPUをサ
      ポートする為の階層化?
Delivery Mode
 Fixed
  Destinationに指定された全てのCPUへ
  割り込み
 Lowest priority
  DestinationのうちLAPICのTask Priority
  Registerの値が最も小さいCPUへ割り込
  み
  →TPRを制御する事で動的に割り込み先
  を変更可能
xv6のLAPIC周りを見てみる
   main.c:main()
     lapicinit(); LAPICを初期化
   lapic.c:lapicinit()
     LAPIC有効化
     タイマー初期化
     LINT0/LINT1、パフォーマンスカウンタ割り
      込み無効化
     エラー割り込みのベクタ番号設定
     エラーステータスレジスタクリア
     割り込みクリア
割り込みハンドラ周りの
LAPIC
   trap.c:trap()
     lapiceoi(); EOIレジスタへ0書き込み
   lapic.c:lapiceoi()
xv6のI/O APIC周り
   main.c:main()
     ioapicinit();
     ideinit();
   ioapic.c:ioapicinit()
     全ての割り込みを無効に
   ide.c:ideinit()
     ioapicenable(IRQ_IDE, ncpu – 1);
      IRQ_IDEをAPIC ID=ncpu -1へ送るよう設定
     質問:Delivery ModeとDestination Modeは
      何?
xv6のI/O APIC周り
 console.c:consoleinit()
  ioapicenable(IRQ_KBD, 0)
 uart.c:uartinit()
  ioapicenable(IRQ_COM1, 0)
PIC(8259)
 IOAPICと同様ICHに存在
  IOAPIC(又はcpu0のLocal APIC)へ接続
  されている
 「古い割り込みコントローラ」のように紹
  介したが、レガシデバイスが接続されてい
  るのでそのようなデバイスを使う場合は
  PICを使う必要がある
 xv6ではレガシデバイスを使う為、
  PIC→IOAPICの順で割り込みの設定を行
  なっている
     ideinit(),consoleinit(),uartinit()で呼んでいる
     ioapicenable()の手前にあるpicenable()
レガシデバイス
   以下の様なデバイス
     PS/2     キーボード/マウス
     IDE
     COM0, COM1
     Floppy
     etc…
MSI: Message Signal Interrupt
MSI-X: MSI Extended Interrupt
 物理的な割り込み線を用いず、(多分、
  PCIの?)メッセージング機構により割
  り込みを通知する仕組み
 PCI Expressからサポート必須
 IO APICを経由しない(!)
 →割り込み先どうやって決めんの?
     PCI Configuration Spaceに設定
MSIの割り込み設定
 詳細はここをみてね
 IOAPICと同じく、Logical/Physicalの
  Destination Mode、Fixed/Lowestなどの
  Delivery modeが存在
x2apic
 拡張されたAPIC
 何が拡張されたか?
     色々あるはずだが、少なくともLocal APIC
      IDやDestinationのフィールド長が拡張され
      ている
     より沢山のCPUをサポート出来るように
      なった

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Interrupts on xv6

  • 2. 資料  Software Developers Manual http://download.intel.com/products/proce ssor/manual/325462.pdf  ICH10 Datasheet http://www.intel.com/assets/pdf/datashe et/319973.pdf
  • 3. おさらい  このあたりは「はじめて読む486」を読 んでれば分かってるはず  わかってない人がこの場にいるとも思え ないんだけれども…
  • 4. 割り込みとは  現在CPU上で実行しているプログラムを停止 して別の処理を実行する為にCPUが持つ機能  UNIX上のアプリケーションにおける「シグナル」に 近い概念  二種類ある  ハードウェア割り込み ○ ハードウェアからCPUへ「キーボード押されたよ」な どのメッセージを通知するのに使う ○ 単に「割り込み」と呼ばれる事もある  ソフトウェア割り込み ○ ソフトウェアから割り込みを起こせる ○ モード切替に利用される→システムコールに使う
  • 5. ハードウェア割り込みの例  ATAコントローラ  HDDへのread/writeリクエストの完了通知  シリアルポート・NIC  受信通知  送信完了通知  タイマー  一定期間毎に割り込み  指定期間後に割り込み
  • 6. ATA受信割り込みの例 1. ユーザプログラムがファイルに対して writeシステムコールを実行 2. ファイルシステムがバッファキャッシュ へ書き込み(ダーティフラグON) 3. バッファキャッシュがHDDへライトバッ ク 4. ATAドライバがATAコントローラへ書き込 み要求を送信 5. 書き込みが終了したらバッファキャッ シュのダーティフラグをクリア
  • 7. 書き込みが終了したら? 割り込みを使わない場合  ATAコントローラのステータスレジスタを確 認し続ければ完了したかどうか分かる send_write_request(buffer); while(read_ata_status() & ATA_STATUS_BUSY) ; buffer.is_dirty = 0;  busy waitになってしまう→CPUの無駄
  • 8. 書き込みが終了したら? 割り込みを使う場合  送信完了時の処理は、割り込み着信時に実行すれ ばいい 書き込み処理: send_write_request(buffer); sleep(buffer); 割り込みハンドラ: buffer = find_buffer(ata_reg); buffer.is_dirty = 0; wakeup(buffer);  busy waitしていない分のCPU時間を別の処 理(別のプロセスを実行など)にまわせる  sleep()/wakeup()で待ち合わせ
  • 9. 割り込みハンドラ  割り込みを受けた時にCPUが実行するプロ グラム(関数呼び出しを伴わない関数のよ うなもの)  割り込みハンドラ実行時にCPUがレジスタ の状態をスタックへ退避  ハードウェア割り込みの場合は、デバイス のレジスタを読んで割り込みの処理に応じ た最小限の処理を実行  割り込みハンドラから終了用の命令を実行 して、スタックから割り込み前の状態へ復 帰
  • 10. プリエンプティブマルチタスク と割り込み  プリエンプティブマルチタスク: カーネルがプロセスへのCPUの割り当 て時間を管理、タイマーを使ってアプリ ケーションを一定時間毎に切り替え  プロセスが無限ループなどに陥りカーネ ルへ制御を渡さない場合でもタイマー割 り込みにより中断され、割り当て時間を 使い切ったら他のプロセスへ切り替えら れる  割り込みがないと実現出来ない
  • 11. 例外  割り込みとは別の概念だが、実装上の共 通点は多いためx86では共通の仕組みで 取り扱われている  アプリケーション上の例外とほぼ意味は同 じだが、CPU上の機能  例外の例: ゼロ除算、無効な命令、ページフォール ト、一般保護例外、ブレークポイント
  • 12. 割り込み/例外ベクタ  0-255のベクタ番号が割り込みと例外に 割り当てられる  例外は要因毎に0-19の固定された値  ソフト割り込みは0-255へ割り込み可  ハードウェア割り込みはLAPIC経由の場合 16-255へ割り込み可  OSはIDT(Interrupt Descriptor Table) を作成し、CPUへアドレスを設定
  • 13. IDT(Interrupt Descriptor Table)とIDTR  各ベクタの割り込みハンドラの情報を持 つGate Descriptorが並んでいるメモリ上 のテーブル  テーブルの先頭アドレスとLimit値 (テーブルのサイズ、255未満のGate数 に対応)をCPUのIDTRに書き込む事に より設定(IDTRを設定しない限り、 CPUは割り込み時に何をしたらいいか 分からない)
  • 14. Gate Descriptor  前述の「割込みハンドラ」のアドレスを持つ 構造体  単なる関数へのポインタではなくて、セグメ ントの設定とか権限(Ring)とか16 bit/32 bit のモード選択とか、幾つかのパラメータを含 む  Task gate, Interrupt gate, Trap gateの三種類あ る  Task gateはHWのマルチタスク機能でハンドリング する方法で今は使われていない  Interrupt gateとTrap gateは普通に割り込みハンドラ へジャンプする方法 EFLAGS.IFフラグをクリアするか否かが違い
  • 15. IDT,IDTR,Gate descriptorの関 係 IDTR register 47 16 15 0 Base address Limit IDT Gate for interrupt 255 … Gate for interrupt 3 Gate for interrupt 2 Gate for interrupt 1 Interrupt Gate DPL rese segment Gate for interrupt 0 offset 31..16 offset 15..0 /P rved selector
  • 16. xv6のIDT周りを見てみる  main.c:main()  tvinit(); 割り込みベクタの設定  mpmain(); ○ idtinit(); IDTRの設定  trap.c:tvinit()  for(0..255) SETGATE(idt[i] … vectors[i] …) idt[i]にvectors[i]を割り込みハンドラとしたgate descriptorを設定  システムコールだけDPL_USERに  trap.c:idtinit()  x86.h:lidt() ○ asm volatile(“lidt (%0)” :: “r” (pd)); LIDT命令でidtのアド レスを設定
  • 17. xv6の割り込み・例外ハンド ラ  vectors.pl→vectors.S  vectorsはvector0..vector255を指すポインタが入っている テーブルで、vectorNはalltrapsを呼んでいる  trapasm.S  全レジスタpush  pushl %esp  call trap  全レジスタpop  iret (割り込みからの復帰)  trap.c:trap()  trapasm.Sから引数として渡されたスタックポインタを構 造体として参照  trapnoがシステムコールの場合・タイマ/IDE/キーボー ド/シリアル割り込みの場合についてそれぞれのハンド ル関数をコールしている
  • 18. CPU内部の割り込みの話おわり  実際には、割り込みはCPUの外から やってくる  これを受け取ってどうCPUへ割り込み をかけるかを司る、仲介役を果たす「割 り込みコントローラ」が必要  割り込みコントローラのずっと向こう側 に、実際に割り込みを送っているデバイ スが居る  さぁ、CPUの向こう側の話をしよう
  • 19. Advanced Programmable Interrupt Controller (APIC)  オリジナルのx86アーキテクチャでは割 り込みコントローラとしてPIC(8259)を 使っていたが、P6以降のx86アーキテク チャではAPICへ移行(PICも未だ存在し ていて使える)  CPU毎に存在しCPUに内蔵されている Local APICと、ICH(Southbridge)に 内蔵されているI/O APICから構成されて いる
  • 20. Local APICとI/O APIC  Local APIC ローカル割り込みのベクタ番号設定、割 り込みベクタ番号通知、EOIなど一般的 な割り込みコントローラの役割  I/O APIC どの外部割り込みをどのLocal APICに振 るか等を決める役割
  • 21. Local APICとI/O APIC 8259A PIC CPU CPU CPU LINT0 IPI Local APIC Local APIC Timer LINT1 Local APIC NMI IOAPIC External Interrupts ICH(South bridge)
  • 22. Local APIC内のコンポーネ ント なにやら割り込みコントローラ以外にも幾 つか機能が乗っている  タイマー カーネルのtickに使うことが多い  温度センサ  パフォーマンスモニタリングカウンタ
  • 23. APIC ID  Local APIC ID Registerから取得可  APIC IDでプロセッサを一意に特定  このIDでI/O APICから割り込み先CPUを 指定
  • 24. Local Vector Table  ローカル割り込みのベクタ番号を設定  CMCI(Corrected Machine Check Interrupt)  Timer  Thermal Monitor  Performance Counter  LINT0/1 レガシーデバイスとか  Error  外部割り込みはここで設定しない
  • 25. 割り込みの受信  IRR: Interrupt Request Register CPUが未処理の割り込みベクタ番号にビッ トが立っている  ISR: In Service Register 次に割り込む候補 EOIへ書き込まれた時にIRR→ISRへビット が更新される  EOI: End Of Interrupt Register 割り込みハンドラ終了通知として0を書き 込む(例外有り)
  • 26. I/O APIC (ICH10の場合)  24本の割り込みをサポート  Redirection Tableで割り込み先Local APICを決定(24エントリのテーブル)
  • 27. Redirection Table  各IRQの宛先APIC ID, Vectorなどを設定  Destination 宛先APIC ID  Mask 割り込みマスク  Trigger Mode Edge/Level  Remote IRR  Interrupt Input Pin Polarity  Delivery Status Idle/Pending  Destination Mode Physical/Logical  Delivery Mode Fixed/Lowest…  Vector Vector no of interrupt
  • 28. Destination Mode  Physical Destination Mode  LAPIC上のLocal APIC ID Registerの値を指 定する事によりCPUを一意に特定  Logical Destination Mode  LAPIC上のLogical Destination Registerと Destination Format Registerの値とAddress されたIDがマッチするかどうかで判別
  • 29. Logical Destination Mode  Destination Format Registerでモード選択  flat model  各LAPIC毎にLDRへ異なるbitを立て、宛先アド レスには複数のbitを立てる事で複数のCPUのを 選択可能  アドレスが8bitしか無いので対応CPU数は8まで  cluster model  LDRと宛先アドレスを4bitで分割、双方cluster IDとlogical IDを持つ  使い方がよくわからない…8より多いCPUをサ ポートする為の階層化?
  • 30. Delivery Mode  Fixed Destinationに指定された全てのCPUへ 割り込み  Lowest priority DestinationのうちLAPICのTask Priority Registerの値が最も小さいCPUへ割り込 み →TPRを制御する事で動的に割り込み先 を変更可能
  • 31. xv6のLAPIC周りを見てみる  main.c:main()  lapicinit(); LAPICを初期化  lapic.c:lapicinit()  LAPIC有効化  タイマー初期化  LINT0/LINT1、パフォーマンスカウンタ割り 込み無効化  エラー割り込みのベクタ番号設定  エラーステータスレジスタクリア  割り込みクリア
  • 32. 割り込みハンドラ周りの LAPIC  trap.c:trap()  lapiceoi(); EOIレジスタへ0書き込み  lapic.c:lapiceoi()
  • 33. xv6のI/O APIC周り  main.c:main()  ioapicinit();  ideinit();  ioapic.c:ioapicinit()  全ての割り込みを無効に  ide.c:ideinit()  ioapicenable(IRQ_IDE, ncpu – 1); IRQ_IDEをAPIC ID=ncpu -1へ送るよう設定  質問:Delivery ModeとDestination Modeは 何?
  • 34. xv6のI/O APIC周り  console.c:consoleinit() ioapicenable(IRQ_KBD, 0)  uart.c:uartinit() ioapicenable(IRQ_COM1, 0)
  • 35. PIC(8259)  IOAPICと同様ICHに存在 IOAPIC(又はcpu0のLocal APIC)へ接続 されている  「古い割り込みコントローラ」のように紹 介したが、レガシデバイスが接続されてい るのでそのようなデバイスを使う場合は PICを使う必要がある  xv6ではレガシデバイスを使う為、 PIC→IOAPICの順で割り込みの設定を行 なっている  ideinit(),consoleinit(),uartinit()で呼んでいる ioapicenable()の手前にあるpicenable()
  • 36. レガシデバイス  以下の様なデバイス  PS/2 キーボード/マウス  IDE  COM0, COM1  Floppy  etc…
  • 37. MSI: Message Signal Interrupt MSI-X: MSI Extended Interrupt  物理的な割り込み線を用いず、(多分、 PCIの?)メッセージング機構により割 り込みを通知する仕組み  PCI Expressからサポート必須  IO APICを経由しない(!)  →割り込み先どうやって決めんの?  PCI Configuration Spaceに設定
  • 38. MSIの割り込み設定  詳細はここをみてね  IOAPICと同じく、Logical/Physicalの Destination Mode、Fixed/Lowestなどの Delivery modeが存在
  • 39. x2apic  拡張されたAPIC  何が拡張されたか?  色々あるはずだが、少なくともLocal APIC IDやDestinationのフィールド長が拡張され ている  より沢山のCPUをサポート出来るように なった