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インフラエンジニアの
これまで と これから
株式会社グルーヴノーツ
熊野 良(Ryo Kumano)
Developers Summit 2017 KYUSHU
#devsumiB B-5
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はじめに
本スライドは公演後にインターネットで公開予定です
公演中の撮影・SNS投稿はOKです
ハッシュタグは #devsumi #devsumiB となります
ご質問などは公演後の Ask The Speaker スペースで
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本発表における「インフラエンジニア」の定義
システムにおけるサーバ・ネットワークなど
『システム基盤』への作業を実施し、責任を持っている人を本スラ
イドにおける インフラエンジニア と定義します。
- システム構成の設計(用途・台数・スペック)
- 物理設置
- OS・パッケージのインストール/各種設定
- システム監視の導入/設定
- パフォーマンスチューニング
- トラブルシューティング
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自己紹介
熊野 良 (Ryo Kumano) 40歳
社会人歴=ITエンジニア歴=17年目 (インフラ歴 10年程度)
2014年6月より 株式会社グルーヴノーツ にJOIN。
自社システム MAGELLAN BLOCKS における
基盤インフラの構築・運用・監視業務など
いわゆる インフラエンジニア業務 を担当しています。
JOIN前は国内大手企業のソシャゲ・ブログ・動画配信などB2Cサー
ビスやB2Bサービスのインフラエンジニア の他、
商用データベースのカスタマーサポートエンジニアや
Windows系のプログラマだったこともあります。
得意領域は
『データベースの設計・チューニング・データ移行』
『要件とコストに見合ったシステム構成の設計』
現在、力を入れているのが
『いい意味で運用が楽をできる為の構成・体制の確立』
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自己紹介
熊野 良 (Ryo Kumano) 40歳
社会人歴=ITエンジニア歴=17年目 (インフラ歴 10年程度)
名刺の肩書き
インフラエンジニア・データベースエンジニア
 ↓
サーバエンジニア・データベースエンジニア
 ↓
クラウドエンジニア <= いまここ
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GCPUG Fukuoka
https://gcpugfukuoka.connpass.com/
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Agenda
インフラエンジニア、楽しいですか?
インフラエンジニア、大変なことは?
インフラエンジニア、これからどうするの?
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インフラエンジニア
楽しいですか?
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もちろん
楽しいです!
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自分が構築したシステムが
世界につながる
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自分が構築したシステムが世界につながる
構築したサーバに世界中からアクセス
昔あったgeocityやtripodでHP作った時と同じ感動
アクセス数のグラフを見てニヤニヤできる
システムの評価がネットでダイレクトに分かる
好印象だったら嬉しいし、叩かれてると凹む
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モンスタースペックの
H/Wを触れる
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モンスタースペックのH/Wを触れる
時代によってモンスタースペックの数値は変わってきますが
Memory: 768GB + Fusion I/O 搭載のDBサーバ
CPU Coreが128core載っていた分析用サーバ
といった普段お見かけしないようなスペックのH/Wを
触れる機会がある
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サイト・サービスの
成長を感じられる
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サイト・サービスの成長を感じられる
人気が出てくると
ボトルネックの特定およびチューニング
サーバの増設
システム構成の変更
これらを1人だけで解決できることは少なくて
DevもOpsもプランナーも一緒に悩みつつ協力して解決。
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インフラエンジニア
大変なことあるの?
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もちろん
あります
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普段の業務は
地味だけど大変
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普段の業務は地味だけど大変
『スタイリッシュ』とは無縁の世界
データセンターが地味
サーバ・ルータなどの機器が無骨
地面を這いずり回ってケーブル類を取り回す
黒い画面でカタカタやってる
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普段の業務は地味だけど大変
『スタイリッシュ』とは無縁の世界
データセンターが地味
サーバ・ルータなどの機器が無骨
地面を這いずり回ってケーブル類を取り回す
黒い画面でカタカタやってる
なんかパッとしない
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トラブルの時は
派手だし大変
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トラブルの時は派手だし大変
障害はいつ発生するかわからない
24時間 x 365日障害に対応できる状態でいること
三種の神器: アラート受付用の電話 / ノートPC / ポケットWi-Fi
(スマフォにSSHクライアントを入れて一つにする手もある)
仕事モードに瞬時に切り替えられるメンタル
夜中だろうが対応できるフィジカル
障害が発生すると色んな人から色々言われる / 聞かれる
復旧するまでは障害対応作業に集中させて欲しい(心の声)
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トラブルの時は派手だし大変
障害はいつ発生するかわからない
24時間 x 365日障害に対応できる状態でいること
三種の神器: アラート受付用の電話 / ノートPC / ポケットWi-Fi
(スマフォにSSHクライアントを入れて一つにする手もある)
仕事モードに瞬時に切り替えられるメンタル
夜中だろうが対応できるフィジカル
障害が発生すると色んな人から色々言われる / 聞かれる
復旧するまでは障害対応作業に集中させて欲しい(心の声)
プライベートが削られる
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「大変」を乗り越えるには
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「大変」を乗り越えるには
障害に対する経験値を積む
最初は都度対応になってしまうのは仕方がない
同じ障害は2度は起こさない気持ち
経験値を積むとこんなことができるようになる
対応手順のテンプレート化
障害箇所の予知・予測ができるようになる
消化型から防火型の対応にシフトさせる
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大事なことなのでもう一度言っておくと
インフラエンジニアの使命は
障害を対応する
ことではなく
サービスを健全な状態にする
ことである
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大変を乗り越えたインフラエンジニアへの誤解
ヒマそうなインフラエンジニアを見ても
あいつ仕事サボってるな
ではなく
あいつメッチャ仕事したんだな
だからトラブルなく平和なんだな
と見ていただけると嬉しいです
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インフラエンジニア
これからどうするの?
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インフラエンジニア
は
いつまで現役なのか
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生涯インフラエンジニアでいられるのか?
個人的に年々、以下の症状劣化を感じている
深夜・早朝のアラートに対応しづらくなってる
体力仕事(サーバのラッキングなど)が辛い
新技術に対する意欲・習得速度が落ちている
作業スピードが全体的に劣化
全盛期のパフォーマンスを出すことは残念ながら無理そう。
だが、それでも立ち回っていく手段はある。(はず)
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インフラエンジニアが加齢と向き合うには
経験を駆使して効率化
タスクの細分化
最短距離でタスクを倒す
定型作業は自動化・アウトソーシング
若手・後継者の育成
若さがアドバンテージになることは若手に譲る
自分しか出来ない作業、いわゆる『聖域』を無くす
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『聖域』をわざと作って
ポジションにしがみつくの
かっこ悪いよ
(自戒を込めて)
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クラウドのせいで
インフラエンジニアの
仕事がなくなる?
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クラウドのせいで仕事がなくなる?
冒頭で定義したインフラエンジニアの作業のうち
- システム構成の設計(用途・台数・スペック)
- 物理設置
- OS・パッケージのインストール/各種設定
- システム監視の導入/設定
- パフォーマンスチューニング
- トラブルシューティング
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クラウドのせいで仕事がなくなる?
冒頭で定義したインフラエンジニアの作業のうち
- システム構成の設計(用途・台数・スペック)
- 物理設置
- OS・パッケージのインストール/各種設定
- システム監視の導入/設定
- パフォーマンスチューニング
- トラブルシューティング
仕事はあるよ!
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クラウドを導入したらどうなったか
作業のやり方が変わった: Infrastructure as code
構築のコード化
- Ansible
- Packer
- Terraform
構築後のテストのコード化
- serverspec
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クラウドを導入したらどうなったか
インフラエンジニアも開発のエンジニアと同様に
githubでコードをバージョン管理するようになった。
現在のトレンドは
インフラエンジニアもコードを書くようになるし
インフラエンジニア以外もサーバを立てるようになった
実際、弊社でも上記の流れになってきています。
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あれ、やっぱり...
インフラエンジニア以外がサーバ構築するってことは
インフラエンジニアの仕事なくなるのでは?
インフラエンジニアに存在価値がなくなるのでは?
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そんなことはない
インフラエンジニアで培った経験値はそのまま使える
- システム構成の設計
- トラブルシューティング
- パフォーマンスチューニング
など
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クラウド時代のインフラエンジニア
インフラエンジニアが
パフォーマンスチューニングや
トラブルシューティングをして得た経験・知見は
どんなサイトや書籍にも載ってない
貴重なスキルであると考えます。
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少し脱線しますが
現職ではないのですが、かつて中途採用をやっていたときにイン
フラエンジニアにしていた質問がこちら
「今まで対応した障害について原因と行ったオペレーションをお話
できる範囲でお聞かせください」
インフラエンジニアとしての経験値を判断するには
有用な質問であると考えています
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僕の経験値ってなんだっけ
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データベース&システム設計おじさんだった
熊野 良 (Ryo Kumano) 40歳
社会人歴=ITエンジニア歴=17年目 (インフラ歴 10年程度)
2014年6月より 株式会社グルーヴノーツ にJOIN。
自社システム MAGELLAN BLOCKS における
基盤インフラの構築・運用・監視業務など
いわゆる インフラエンジニア業務 を担当しています。
JOIN前は国内大手企業のソシャゲ・ブログ・動画配信などB2Cサー
ビスやB2Bサービスのインフラエンジニア の他、
商用データベースのカスタマーサポートエンジニアや
Windows系のプログラマだったこともあります。
得意領域は
『データベースの設計・チューニング・データ移行』
『要件とコストに見合ったシステム構成の設計』
現在、力を入れているのが
『いい意味で運用が楽をできる為の構成・体制の確立』
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インフラエンジニアの枠に拘る必要はない
熊野 良 (Ryo Kumano) 40歳
社会人歴=ITエンジニア歴=17年目 (インフラ歴 10年程度)
2014年6月より 株式会社グルーヴノーツ にJOIN。
自社システム MAGELLAN BLOCKS における
基盤インフラの構築・運用・監視業務など
いわゆる インフラエンジニア業務 を担当しています。
JOIN前は国内大手企業のソシャゲ・ブログ・動画配信などB2Cサー
ビスやB2Bサービスのインフラエンジニア の他、
商用データベースのカスタマーサポートエンジニアや
Windows系のプログラマだったこともあります。
得意領域は
『データベースの設計・チューニング・データ移行』
『要件とコストに見合ったシステム構成の設計』
現在、力を入れているのが
『いい意味で運用が楽をできる為の構成・体制の確立』
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CSを兼務してます(実話)
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インフラエンジニアだと誤解を招きそうなので
熊野 良 (Ryo Kumano) 40歳
社会人歴=ITエンジニア歴=17年目 (インフラ歴 10年程度)
名刺の肩書き
インフラエンジニア・データベースエンジニア
 ↓
サーバエンジニア・データベースエンジニア
 ↓
クラウドエンジニア <= いまここ
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僕の生存戦略
自分自身のバリューが発揮でき、会社に求められているので
クラウドエンジニア
カスタマーサポートエンジニア
の二刀流でしばらく活躍する予定です。
僕のミッションはエンジニアであり続けることではなく
自社のサービスを盛り上げる
ことだと(勝手に)認識しています
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インフラエンジニアのこれから:まとめ
いつまでも現場の最前線ではいられない
作業の効率化を追求する
若手を育成する
クラウド時代
経験値をもとに得意分野を見極める
いい意味でインフラエンジニアに拘ることをやめてみる
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自社のサービス: MAGELLAN BLOCKS
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