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AWSアンチパターン祭り 
2014-11-26 
アマゾンデータサービスジャパン 
荒木靖宏(twitter:ar1)
自己紹介 
• 名前 
– 荒木靖宏(twitter: ar1) 
• これまで 
– JAWS-UG→AWSへ 
– プリンシパルソリューションアーキテ 
クト。。 
• 現在 
– Sr. Mgr, Tiger, Solution Architecture 
• 好きなAWSサービス 
– Amazon Virtual Private Cloud 
– AWS Direct Connect
3大アンチパターンを紹介します
机上の空論アンチパターン 
〜おそらくワーストパターン〜
机上の空論アンチパターン 
• 原因 
– サーバ発注、システムデプロイ、納品の硬直したループ 
にはまっている 
• 症状 
– 動作確認をしない 
– 事前のキャパシティプランニングに時間をかけすぎる
机上の空論アンチパターン 
• 解決法 
– ともかく小さく試してみること
消化不良アンチパターン 
つまみぐいサイコーです。
消化不良アンチパターン 
• 原因 
– 全機能を使おうとして消化不良になる。 
• 症状 
– AutoScalingを無理やり使おうとする。 
– ENIを設定したのもののOSの設定をしない。
消化不良アンチパターン 
• 解決法 
– システムが動くことが最優先であることを思い出す。 
– AWSが提供する機能は、その機能を要求のうちの最大 
公約数的なもの。 
• 自分のシステムに最適かどうかはわからない。 
• そもそも、その機能いりますか?
インフラ塩漬けアンチパターン 
成長するクラウド。成長するビジネス。
インフラ塩漬けアンチパターン 
• 原因 
– 構築した当初のままインフラの見直しをしない。 
• 症状 
– 実際の利用にくらべてキャパシティの過不足を放置したま 
ま利用している 
– 一時凌ぎで選んだサービスをそのまま使い続けている
インフラ塩漬けアンチパターン 
• 解決法 
– サービスは四半期に一度は見直す。 
– 新サービスや新機能が助けになることが。
3大アンチパターン 
机上の空論 
消化不良 
インフラ塩漬け
本日のパターンはどうでしたでしょうか? 
• LT1「おこづかいロスト!!」/ EC2, S3 @fujiosuzukiさん 
• LT2「Amazon Redshift: ANALYZEの必要性とVACUUMの落とし穴」/ 
Redshift 深尾もとのぶさん 
• LT3「帰ってきたメールサーバ勉強会Feat. AWS +α」/ EC2, RDS, EIP 
他ナギーさん 
• LT4「マルチテナントが恋しくて」/ EC2, VPCpeering cyberz 上原誠さん 
• LT5「TalknoteのAWSなどにまつわる黒歴史」/ EC2, SQS, RDS トーク 
ノート藤井拓也さん 
• LT6「安くなると言って失敗した話」/ S3他Yuryuさん 
• LT7「VPC設計のアタリマエの話」/ VPC クックパッド加藤優仁さん
LT1「おこづかいロスト!!」/ EC2, S3 @fujiosuzukiさん 
• 原因:うっかり 
• 症状 
– Kindleにお金を払ってたつもりがAWSだった 
– EIPをとったままだった 
– バージニアにおいたままだった 
• 対応策 
– Splunk AWS APP for Billingで全リージョン課金検索
LT2「Amazon Redshift: ANALYZEの必要性とVACUUM 
の落とし穴」/ Redshift 深尾もとのぶさん 
• 原因 
– ANALYZE未実行のため、テーブル統計が実際と乖離 
– DELETE後の全ソート 
• 症状 
– 集計処理を軽くするつもりでタイムスタンプをソートキーにつかったら、1分毎の 
データ集計に20分かかることになった。メモリもあふれた。 
– DELETE後のVACUUMに数時間 
• 対応策 
– ソートキーの使用、ANALYZE実行 
– 予め時系列テーブルを使って削除するときはそのテーブルだけDROPする
LT3「帰ってきたメールサーバ勉強会Feat. AWS +α」/ 
EC2, RDS, EIP他ナギーさん 
• 原因 
– qmailは一子相伝というかオワコン 
– EIPのウオッチャーが多い 
– VPCでRDSを使うとき注意すべきサブネット 
• 症状 
– EC2にqmailでメールサーバたてたらAWSから指摘された 
– オンプレからEC2にメールサーバ移行するときにEIP逆引きが必要 
– RDSのMAZを有効にしたけど、VPCのサブネットがなくて有効にならない 
• 対応策 
– Postfixを使う 
– クラウドとはいえネットワークの知識は必要
LT4「マルチテナントが恋しくて」/ EC2, VPCpeering 
cyberz 上原誠さん 
• 原因 
– どんどんサービスが増える毎にVPCをつくってる 
• 症状 
– VPC毎の独立した監視対象やエージェントが増えすぎて人が 
対応できない 
• 対応策 
– マネージメント用のVPCをつくる。 
– VPC Peering。アカウントが違ってもOK 
– Private Route53。
LT5「TalknoteのAWSなどにまつわる黒歴史」/ EC2, SQS, 
RDS トークノート藤井拓也さん 
• 原因 
– 貧乏が悪い 
– 同期かつシーケンシャルな実装 
– crontabがCPUを食い尽くした 
– オートスケール対応があまかった 
• 症状 
– 負荷がなかったので1台きりで運用。全データを保持。それはInstance Storeだった 
– 投稿すると画面が5分くらい固まる 
– 毎朝1時間の停止 
• 対応策 
– EBS backed+S3に変更 
– SQSで非同期処理へ 
– RDS化 
– セッションをElasticacheへ
LT6「安くなると言って失敗した話」/ S3他Yuryuさん 
大人の事情で自粛
LT7「VPC設計のアタリマエの話」/ VPC クックパッド加藤 
優仁さん 
• 原因 
– MAZかつPublic/Privateを分けない(Classic時代からつかってるか 
ら)のでVPCを2つの/17に分けてつかってた 
– オレオレゲートウェイの使用 
• 症状 
– 3つ目のAZが登場したのに使えない 
– いろいろ複雑になりすぎ 
• 対応策 
– VPCのSubnetは/19から/20で。設計は余裕をもって。 
– 普通につかおう!
アンチパターンは、 
失敗に陥るパターンを類型化し、 
事例の早期発見と対応策に関しての 
提案を目的とする
動作やプロセス、構造について、当初は妥当であった 
のに、最終的に悪い結果が繰り返されるパターン 
リファクタリングするための方法が存在するパターン
ということで、 
アンチパターン大賞の発表です
皆様のこころ決まりました?
LT2「Amazon Redshift: ANALYZEの必 
要性とVACUUMの落とし穴」 
を発表された 
深尾もとのぶさん

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