CREATORS MEET UP
Makoto Hirahara
アイデアは技術!磁石で繋がる積み木『Yeda』ができるまで
平原 真
2
新潟県生まれ。長岡造形大学造形学部卒業。
コンピューターや電子回路を用いたインスタレーション、照
明や玩具などのプロダクトデザイン、スマートフォンのアプ
リ開発などを行う。近年は教育機関との関わりから、デザイ
ン・アート・教育の連携を模索している。
慶應義塾大学SFC非常勤講師
早稲田大学非常勤講師・長岡造形大学非常勤講師
@HR2 ( Hirahara Makoto )
技術的なトピックのブログ
ポートフォリオサイト http://makotohirahara.com/
http://hrhrblog.blogspot.jp/
仕事
3
内容
4
■IDEA アイデアとは
■METHOD 自分が使っているアイデアを出したりまとめたりする方法
■Yeda 事例紹介
■INFORMATION 展示のご案内
IDEA
アイデアとは既存の要素の
新しい組み合わせ以外の何ものでもない。
6
ジェームス・ウェブ・ヤング
魔法のように完全な無から、新しいアイデアを生み出せる事は、けしてありません。
必ず既にある物・事が基礎にあります。既存の物を足したり、引いたり、掛けたりするだ
けで、十分新しいアイデアになります。
発想は才能ではなく技術。
企画とは、予算と準備と時間さえあれば、
実施できるめどが立つ計画。
7
加藤 昌治(考具 ―考えるための道具、持っていますか?)
無数のアイデアを組み合わせて、実現可能性を持たせたものが企画(作品案・研究プラン・
プロモーション企画など)です。実現させなければ、ただの夢想です。裏を取り、他人が
理解できる形で説明して、はじめて企画となり実現に向けて動き出します。
企画アイデア情報を入れる
METHOD
日常にアンテナを張る
9
日常の中でふと目に入った面白い現象をストックしておきます。
見立てる
10
イメージを広げるテクニック。
対象となる課題を別の物に例え、そちらのルールに従って情報を整理します。
会話をタイプライターに見立
てる。
打鍵の間隔・強弱>感情表現
文字の大きさ>声の大きさ
文字の衝突>会話の衝突
フィクションの世界から借りる
11
映画や漫画、小説など、フィクションの世界はアイデアの宝庫です。
ドラえもん1巻
藤子・F・不二雄
ジョジョの奇妙な冒険
荒木 飛呂彦
しあわせの理由
グレッグ イーガン
広げて、絞る
12
物事を考えるには、アイデアをたくさん集める「広げるフェイズ」と、精査して組み立て
る「絞るフェイズ」があります。
グループディスカッションでは、今どちらのフェイズなのかを明確にするとよいです。
ただし、「広げるフィエズ」と「絞るフェイズ」は一方通行ではありません。
行き詰まったら一度視野を広げるために戻る事も必要です。
アイデア大喜利
13
グループでアイデアを出し合う場合のテクニックです。
アイデアの最初のステップは質より量。くだらないもの・つまらないもの・下品なもの・実
現不可能なもの、何でもいいのでとにかくすべて書き出します。
・要件を共有します。(豆腐を使った新しい料理とか、新商品のプロモーション方法とか)
・15分程度の時間をとって、1つのアイデアを1枚の紙に書きます。
・全員の前で一人ひとつずつ持ちネタを発表します。
・他の人が先に同じネタを出したら、被せてネタを発表します。
・最後までアイデアを持ち続けた人が勝ち(?)
最後にアイデアの束を分類、要約します。
マインドマップ
14
頭の中身を見えるようにして整理します。
テーマを中心に書き、それを構成する要素に分解し、さらに枝を伸ばし細かい要素にして
行きます。連想ゲームのように、思いついた事をどんどん繋げてもOK。
MindNode
http://mindnode.com/
ケイデンスを上げる
15
ケイデンスとは自転車のペダルを回す回転数の事です。
作品を進歩させるには「企画>制作>発表>評価」というサイクルが必要です。一回の制
作で100%の物を作る事は不可能ですが、このサイクルの回転数が早いほど前へ進みま
す。最初のアイデアをサクッと形にできるようになると、回転数があがります。
いいタイトルは、いい作品
16
個人的な経験則ですが、タイトルがキマった!と思った作品は評価される事が多いです。
「キマった!」という感覚は、作品の本質と合致したという事で、作品の本質を自らが理
解しているから得られるのだと思います。
逆に、タイトルを考える中で対象についての理解も深まる事もあります。
キーマンを探る
17
グループで物事を考える時は、たいていキーマンがいます。どんなに優れたアイデアでも、
キーマンに響かなければ意味が無い事があります。どこから攻略して行くかも重要。
一人で考える
グループディスカッションには、声の大きい人がいます。相手の話を聞くのはよい事です
が、たくさん話す人に相づちをうっているだけでは、自分の考えがまとまりません。会話
に参加しているふりをしつつ、一瞬の中で考える事も必要です。
先手を取る
ディスカッションにおいて、初めに確信を持って話をすると主導権を握れます。あとから
より良いアイデアを出しても、納得させるためにより大きな労力が必要となります。
グループディスカッション
Yeda
Yeda
19
Yedaは磁石の入った木のピースを繋いで、自由な形を作れる立体作品です。
過去の作品を組み合わせる
20
以前作った「Flowerium (バーチャルな木を育てるアプリ)」と「Corocco (磁石の入った
小石のオブジェ)」を組み合わせて、「枝を繋いで植物を作る」というアイデアが生まれま
した。
可能性を探る
21
「枝を繋いで植物を作る」と言っても、様々な素材・形状・手法が考えられます。ひとま
ず思いついた事をマインドマップに書きだしてみます。
ラピッドプロトタイプ
22
気持ちが冷めないうちにサクッと試作します。ソフトウェアでもデザインでも、すぐに形
にできる技術を持っていることは大事だと思います。
CGで検討
23
ボリューム感や細かいバランスなど、CGで検討しています。今後はこの段階で3Dプリン
トや、VRを使った検証なども行っていきたいです。
木材を切削
24
CADでモデリングしたデータをCNCフライス盤に入力し、木材を切削します。ヤスリがけ
を4回、油研ぎを2回行い、磁石を埋め込み完成となります。
命名、改名
25
ブロックを繋ぐ事を接木(graft)と捉え、それを観察する場(-rium)を組み合わせてGraftrium
と名付けました。しかし何度かの展示を経て、Y字という特徴を表しつつ、覚えやすく言い
やすい名前として現在の「Yeda」に改名しました。
アウトプットとフィードバック
26
2014年は展示会に5回出品し、毎回少しずつ違うバージョンを制作しました。最初に思
いついた物はおおよそ試したので、今後は市販に向けて進めていきたいと考えています。
INFORMATION
RANDY ART HILLS vol.25 “SHEEP”
28
会 期 : 2014年12月26日(金) ‒ 2015年2月28日(土)
時 間 : [月∼金]午前11時∼午後10時
     [土日・祝休日]午前11時∼午後8時
会 場 : カフェランディ 東京都港区六本木1-3-37 ARKHILLS ANNEX
入場料 : 無料
W e b : http://cafe-randy.jp/
thank you :)
@HR2 ( Hirahara Makoto )

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